泌尿器科を受診したいけど、ちょっと恥ずかしい…。
そんな人に向けて、泌尿器科で行われる診察の内容をお医者さんに聞きました。
初診の流れや、「服を脱ぐ必要の有無」について詳しく解説します。
実際に泌尿器科を受診した人の体験談も紹介するので、診察の雰囲気を知りたい方は必読です。
監修者
経歴
福岡大学病院
西田厚徳病院
平成10年 埼玉医科大学 卒業
平成10年 福岡大学病院 臨床研修
平成12年 福岡大学病院 呼吸器科入局
平成24年 荒牧内科開業
【体験談】泌尿器科の受診って「恥ずかしい」?
性病になってしまい泌尿器科を受診しました。
初めての診察だったので症状を紙に書かなければいけないのですが、女性の看護師さんに性病と書いて見せるのが恥ずかしかったので、「膀胱が痛い」と書いてしまいました…。(30代男性)
頻尿がひどかったため泌尿器科に受診し下半身裸になって寝そべり触診されて恥ずかしい思いをしましたが、的確なアドバイスをいただけたので行ってよかったです。(40代男性)
泌尿器科って脱がなくちゃいけないの?
泌尿器科では脱がないといけないと聞いて、受診をためらっています…。脱がずに済むこともありますか?
泌尿器科の診察では、必ずしも服を脱ぐ必要はありません。
泌尿器科は「お腹」や「性器の内部」の診察が中心なので、下半身の診察を必要としないことも多いです。
診察が必要になっても、無駄に露出せずに済むよう「タオル」や「専用のケープ」などが用意されています。
また、基本的に患者さんが嫌がることは行いません。
きちんと了解を得てから診察・治療となるので安心してください。
一般的な「初診の流れ」
- 問診
- 尿検査
- 採血・超音波検査(必要に応じて)
- 視診・触診(必要に応じて)
- 治療
まずは、問診で「気になっている症状」や「困っていること」、「既往歴」などを聞きます。
その後、検査を通して病気の有無を確認し、治療を行います。
問診票の内容など、わからないことは受付スタッフに気軽に聞いてみましょう。
多くの場合は尿検査を行うので、排尿せずに来院してください。
当日の持ち物は?
当日は、「保険証」と「お薬手帳」を持っていきましょう。
この他、紹介状などをお持ちの場合は、忘れずに持って行って受付に提出してください。
できれば「予約してから」受診するのがおすすめ
最近は、予約をしてから受診する医療機関が増えています。
予約をすると、
- 密になりづらい
- 他の患者さんと顔を合わせる時間が少なくなる
- 待ち時間を短縮できる
などのメリットがあります。
受診を検討している泌尿器科が予約に対応しているかどうか、事前に確認してみるとよいでしょう。
予約できる「泌尿器科」を探す
どんな方法で「検査」を行うの?
泌尿器科の診察では、必要に応じて、尿検査・超音波検査・採血・レントゲンなどが行われます。
他の診療科とあまり変わりません。
検査・診察方法
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内容
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尿検査
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自分で検尿カップに尿を採取する。
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超音波検査
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ゼリーを塗って、確認したい箇所の上から機器をあてる。
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血液検査
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腕から採血する。
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レントゲン
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腹部のレントゲン撮影を行う。直接肌に触れることはない。
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尿道から管を入れる検査もある
膀胱や尿道を調べるために、「膀胱尿道ファイバースコープ」を使った検査を行うこともあります。
この場合、尿道から細い管を挿入しますが、スコープはとても柔らかくできているため、大きな痛みが伴わないようになっています。
でもやっぱり恥ずかしい…
泌尿器を見せるのが恥ずかしいと思うのは普通のことです。
しかし、一時的な恥ずかしさよりも、病気を見逃した方が、長い目で見てもつらいことが多くなります。
症状が出ているのに放置していると、痛みや炎症が悪化して、
- 仕事が手につかなくなる
- 治療期間が長引く
- 手術が必要になる
などのリスクが出てきます。
泌尿器科の医師や看護師は、基本的に冷静に対応してくれます。
病気がないか、異常はないかなどを見極めるだけですから、リラックスして受診してください。
どうしても恥ずかしい場合は、まずは「医師に話を聞いてもらう」というだけでも構いません。
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2021-05-13
陰嚢がカサカサしてかゆい…!
それは、「皮膚掻痒症」や「陰嚢湿疹」が原因かもしれません。
病院は何科で受診すればいいのか、どんな人がなりやすいかなどを詳しく解説します。
かゆみの止め方
かゆみをとめるには、どうすればいいでしょうか?
入浴は、毎日行いましょう。
また、下着も毎日交換して、陰嚢を清潔にしてください。
包皮の中や、しわが深い部分などは、洗浄が不足になりやすいため、念入りに洗うとよいでしょう。
がまんできないかゆみに対しては、保冷剤などで冷やして対処してください。
掻いちゃダメ!NGな対処法
皮膚のかゆみが起こったときは、爪を立てて掻かないでください。皮膚に傷がつくなどして、症状が悪化することがあります。
また、入浴して体を洗うときに、ゴシゴシと力を入れるのも、皮膚を傷つける原因になるので注意しましょう。
この症状は大丈夫?病院に行くべき?
腫れがなく、見た目にも赤み、皮膚が切れているといった異常がなければ、少し様子を見てもよいでしょう。
かゆみのほかに、赤くなっていたり、痛みを感じたりする場合は、医療機関を受診する必要があります。
病院は何科?
陰嚢にかゆみ・カサカサ感があるときは、皮膚科を受診しましょう。
皮膚科を探す
かゆみ・カサカサの原因は?
陰嚢のかゆみやカサカサ感は
皮膚掻痒症(ひふそうようしょう)
陰嚢湿疹(いんのうしっしん)
いんきんたむし(股部白癬:こぶはくせん)
といった病気によって起こっている可能性があります。
それぞれの病気について解説していきます。
原因① 皮膚掻痒症
皮膚掻痒症(ひふそうようしょう)は、発疹が出ていないのに、皮膚にかゆみを感じる病気です。
内臓疾患や薬の影響も考えられますが、乾燥肌、食べ物、心因性で発症する場合もあります。
なりやすい人
皮膚が乾燥しやすい
皮膚のケアをあまりしていない
かゆみや症状の特徴
かゆみが強い
掻くと赤くなる
掻いた箇所が色素沈着を起こす
強いかゆみ
皮膚が乾燥で粉を吹いている
自分でできる対処法
保湿のケアが必要です。ヒアルロン酸やセラミドなどを配合している保湿剤を、かゆみが気になる部分に使用しましょう。
病院での治療法
保湿剤、ステロイド剤の処方が行われます。
皮膚掻痒を引き起こす病気が原因の場合は、その基礎の病気の治療が必要です。
皮膚掻痒を引き起こす病気の例
肝硬変/慢性腎不全/痛風などの代謝性疾患
糖尿病/妊娠中毒症などの内分泌疾患
そのほか、悪性リンパ腫/鉄欠乏性貧血/神経症など多数
原因② 陰嚢湿疹
陰嚢湿疹(いんのうしっしん)は、汗や細菌など陰部の皮膚への刺激が原因で、皮膚に炎症が起こり、それが湿疹となったものです。
なりやすい人
汗をかいた後に下着を変えない
かゆみを掻いてしまう
かゆみや症状の特徴
蒸れるとかゆい
乾燥するとかゆい
赤いプツプツが出ている
自分でできる対処法
保湿のケアが必要です。ヒアルロン酸やセラミドなどを配合している保湿剤を、かゆみが気になる部分に使用しましょう。
傷がある場合は、皮膚科で診察を受けて、適したお薬を処方してもらいましょう。
病院での治療法
保湿剤や、必要に応じてステロイド剤の処方などが行われます。
原因③ いんきんたむし(股部白癬)
いんきんたむし(股部白癬:こぶはくせん)は、白癬菌と言われる真菌による感染症です。
自分の足の水虫(足白癬菌感染)からの感染や、同居家族が水虫を持っていると感染することがあります。
特に陰嚢周辺は、下着などで蒸れやすいので感染しやすいといえます。
なりやすい人
蒸れやすい下着などを使用している
水虫を持っている人とタオルやマットなどを共有している
公衆浴場を頻繁に使う
性行為のパートナーが感染者
かゆみや症状の特徴
強いかゆみ
内股に広がることもある
自分でできる対処法
通気性の良い下着を身につけ、蒸れさせないようにしましょう。
白癬菌に感染したと考えられる場合は、医療機関で診断を受けてください。
自己判断で市販薬を使用しないようにしましょう。
病院での治療法
抗真菌薬の塗り薬が処方されます。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
公益社団法人日本皮膚科学会 白癬(水虫・たむしなど)
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。