何これ？まぶたのふちに白いできもの「マイボーム腺梗塞」の対処と病院に行く目安

「目の周りの白いプツプツができるのは、なぜ？」 「自分で取ってもいい？」 皮膚科のお医者さんが疑問にお答えします。 病院での治療法も併せて確認しましょう。 目の周りの白いプツプツの正体 目の周りの白いプツプツは、稗粒腫（はいりゅうしゅ）の可能性が高いです。 稗粒腫の特徴 1～2ミリの白いプツプツができる プツプツの中は、皮膚の角質が溜まっている 痛みやかゆみはない ひとつではなく、同じような箇所にいくつもできる 稗粒腫ができてしまう原因は？ 現段階では明確な原因は解明されていません。 毛穴に角質がたまることで発症することがあります。 火傷・擦り傷が原因となって発症することもあります。 ターンオーバーが上手く行われないと、毛穴に角質がたまりやすくなります。 ニキビや吹き出物ができた後、皮膚が再生されていく過程で角質が毛穴に溜まり、稗粒腫ができることも多いです。 発症しやすい人 化粧を落としきれていない人 顔が脂っぽい人 汗をかきやすい人 子ども ホルモンバランスが乱れやすい女性（妊婦さんなど） 皮膚の老化は関係あるの？ 稗粒腫と老化は“関係あるかもしれない” とも考えられています。 加齢などによるターンオーバーの乱れで肌の新陳代謝が正常に行うこと出来なくなると、毛穴の汚れはどんどん溜まり続けることによって稗粒腫ができやすくなるのではないかと言われています。 すぐに治療するべき？ 稗粒腫は放置しても問題はありません。 ただし、見た目が気になる場合は治療を受けましょう。 大人の場合、自然になくなることはほぼないです。 一方、赤ちゃんにできた稗粒腫は、自然になくなることも多いです。 稗粒腫は自分で取れる？ 稗粒腫は自分では取れません。 通常、皮膚に張り付いているような状態なので、触っても取れないでしょう。 無理に取ると、皮膚がえぐれたり、痕に残ったりします。 「触っていたら取れた」ということも稀にありますが、細菌感染のリスクがあるため、触らないようにしましょう。 セルフケアで起こるリスク 稗粒腫をいじって細菌感染が起こると、 赤み 痛み かゆみ 化膿 などを引き起こす恐れがあります。 気になる場合は皮膚科で相談しましょう。 皮膚科を探す 皮膚科では。どうやって稗粒腫を取るの？ 皮膚科では 注射器を使った施術 レーザー治療 などを採用することが多いです。 ただし、大きな白いプツプツが長期間あると、取ってもその部分がえぐれてしまう場合があります。 その①　注射器を使った施術 注射器の針の先で稗粒腫に穴を開け、内容物を押し出します。 押し出す時に少し圧迫感があるものの、痛みはほとんどありません。 内容物を出し切ったら、医療用テープで保護をします。 テープで保護する期間は1日程度で大丈夫です。 炎症が起きないように、塗り薬を塗る場合もあります。 費用は？保険適用？ 通常、保険適用となります。 2〜300円（診察料別途）で10個程度まで対応する医療機関が多いです。 処置の個数が多いとプラスで費用がかかる場合もあります。 詳しくは各医療機関でご確認ください。 その②　レーザー治療 炭酸ガスレーザーで稗粒腫を蒸発させる治療方法です。 または、レーザーで空いた穴から、残りの内容物を押し出します。 注射器での治療同様、テープでの保護は当日のみの場合が多いです。 炎症が起きないように、塗り薬を塗ります。 費用は？保険適用？ 自由診療の枠になり、保険適用外です。 医療機関によって料金は異なりますが、1個1,000円〜（診察料別途）の設定が多いです。 レーザー治療は皮膚科のほかに、レーザーを所有している美容皮膚科・美容外科などで治療可能です。 痛みが気になる…麻酔は使用できる？ 痛みが気になる方は、麻酔を使って処置することも可能です。 直接、医療機関で相談してみましょう。 各医療機関によって、使用する麻酔の種類（注射・テープ・クリームなど）は異なります。   なお、この場合の麻酔は自己負担となるため、麻酔代金として3000円〜程度かかる場合が多いです。 皮膚科を探す ※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。 ▼参考 公益社団法人日本皮膚科学会　Q10眼のまわりに白いぶつぶつができて、これも“しぼうの塊の一種だと言われました。これはなんですか。

「まつ毛の生え際にできものがある…これは何？」 マイボーム腺梗塞や“ものもらい”など、考えられる原因を解説します。 心当たりのある症状がないか、チェックしてみましょう。 眼科を受診する目安も必見です。 まつ毛の生え際にできものが…これは一体なに？ まつ毛の生え際のできものは、「皮脂腺の詰まり」や「細菌感染」によって発生します。 症状が軽く、痛み・かゆみをあまり感じない場合は、自然治癒する可能性が高いです。 目を触らないようにして、様子を見てみましょう。 ただし、 痛みやかゆみが強い 大きく腫れている といった場合は、早めに眼科で相談してください。 そのままにしておくと、どんどん症状が悪化して、治りが遅くなることがあります。 よくある3つの原因 まつ毛の生え際のできものには、 マイボーム腺梗塞 霰粒腫（さんりゅうしゅ） 麦粒腫（ばくりゅうしゅ） といった病気が考えられます。 その①　マイボーム腺梗塞（透明～黄色っぽい） 油分を分泌している「マイボーム腺」が詰まってしまう病気です。 これにより、まつ毛の生え際にできものが発生することがあります。 ＜マイボーム腺＞ 目の際に無数に存在している、油分を分泌する腺です。 分泌される油には、目の表面の乾燥を防ぐ役割があります。 できものの特徴 透明で白っぽい、黄色っぽいプツプツ ゴロゴロとした異物感がある どんな人に多い？ メイクをつけている時間が長い人 メイク落としが不十分な人 体質的に発症しやすい人 加齢によってマイボーム腺の機能が低下した人 アイメイクの場合、化粧品の粉がマイボーム腺に詰まることが原因だと考えられています。 セルフケア方法は？ 目の周りを清潔に保ってください。 また、目の上をホットタオルで温めると、詰まりがよくなることがあります。 眼科に行く目安 炎症が起きている 周囲に腫れが広がってきた といった症状があるときは、眼科を受診してください。 炎症が進んだり、細菌が入り込んでいたりして、悪化すると視力低下や失明になるリスクもあります。 眼科では、炎症を抑える軟膏などを処方して、症状の改善を図ります。 眼科を探す その②　霰粒腫（痛みがなく硬いしこり） 霰粒腫（さんりゅうしゅ）とは、マイボーム腺の詰まりが悪化して、細菌感染が起こっている状態です。 まつ毛の生え際にできものが発生します。 できものの特徴 痛みはない 固いしこり ※悪化すると、化膿して痛みを伴うこともあります。 どんな人に多い？ マイボーム腺が詰まりやすい体質の人 アイメイクを毎日する人 油分の多い食事をとっている人 セルフケア方法は？ 患部に触らないようにして、様子を見てみましょう。 できものが小さい場合は、自然治癒することも多いです。 眼科に行く目安 できものが大きくて、目を開閉しづらい できものが腫れて痛みがある 膿が出てきた といった場合は、眼科で治療を受けましょう この場合、感染が広がり、失明や視力低下の恐れがあります。 霰粒腫（さんりゅうしゅ）の治療では、主に抗生物質の点眼薬が処方されます。 大きなできものは、手術で取り除くこともあります。 眼科を探す その③　麦粒腫（赤く腫れて痛い・かゆい） 麦粒腫（ばくりゅうしゅ）とは、まぶたの汗腺に細菌感染を起こす病気で、「ものもらい」とも呼ばれています。 まつ毛の生え際に、痛いできものが発生します。 できものの特徴 赤く腫れて、痛みがある かゆい 異物感 目の充血 目やに どんな人に多い？ 風邪を引いた人 ストレスや疲労が溜まっている人 妊娠中、出産後の女性 糖尿病を患っている人 など、免疫力が低下している人に発症しやすいです。 原因となるのは、黄色ブドウ球菌など誰の体にも付いている細菌です。 目に触れたときに、細菌が入り込んで炎症を起こします。 セルフケア方法は？ 目を触らないようにしましょう。 また、痛みがあるときは、患部を冷やすと和らぎやすいです。 保冷剤をタオルで包んだものを、まぶたに当てましょう。 軽傷であれば、数日で快方に向かいます。 眼科に行く目安 赤く腫れて痛い かゆい 目の充血 目やにが増えた 目がごろごろする といった症状があるときは、眼科の受診をおすすめします。 ものもらいは、お薬を使って治療すると、より早く治ります。 ただし、悪化して膿を持っている場合は、切開手術が必要になるケースもあります。 眼科を探す 早く治すために、この3つに気をつけて！   まつ毛の生え際にできものがあるときは、 目元を触らない コンタクトレンズの装用を控える アイメイクをしない といったことを心がけてください。 目の周りを不潔にしてしまうと、細菌感染によって症状の悪化を招く恐れがあるため、注意が必要です。 また、体の回復力を高めることで、できものが治りやすくなります。 できるだけ、十分な睡眠と栄養バランスの良い食事をとるようにしましょう。 生活面で気になる点がある場合は、眼科で直接相談することをおすすめします。 ※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。 ▼参考 公益社団法人日本眼科学会　麦粒腫