なぜ？固いものを噛むと歯が痛い…歯周病や虫歯かも。放置するとどうなる？

「固いものを噛むと歯が痛む…」
「虫歯や歯周病が原因？」

固いものを噛んだ際の歯の痛みについて、お医者さんに聞きました。
考えられる原因や、症状が悪化した際のリスクなども詳しく解説します。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

固いものを噛むと歯が痛い…歯医者に行くべき？

固い食べ物を噛むと、歯が痛みます…。
歯医者に行った方がいいでしょうか？

はい。一度、歯医者で診てもらうことをおすすめします。
噛むと痛い場合、歯や歯茎に何らかのトラブルが生じている可能性が高いです。

どんなトラブルの可能性があるのか、次から詳しく解説します。

考えられる3つの原因

よくある原因として、

1. 虫歯
2. 歯周病
3. 歯の破折

などが考えられます。

それぞれ詳しく解説していきます。

原因①　虫歯が進行している

虫歯によって穴が開いていると、歯の中の神経に直接刺激が伝わりやすいため、固いものを噛むと痛むことがあります。

虫歯の症状の特徴

虫歯になると、歯の一部が黒や茶色に変色し、穴が開きます。

食事でよく使う奥歯は、特に気をつけましょう。
※その他にも、虫歯治療の直後の歯は、敏感になっているので噛むと痛みが生じることがあります。

虫歯が進行すると…

歯の神経にまで影響を及ぼし、何もしなくても痛むようになったり、歯の神経が壊死してしまったりします。

虫歯が歯の神経まで進行すると「歯髄炎」を起こし、何もしていなくてもズキズキ痛むような状態になります。

さらに放置すると、歯の神経が壊死してしまい、「根尖性歯周炎（こんせんせいししゅうえん）」という病気になるリスクもあります。根の先の歯茎が腫れて、押すと膿がでるような症状が現れます。この場合も、固いものを噛むと痛みが生じます。

症状が悪化する前に、歯医者へ受診するようにしましょう。

原因②　歯周病になっている

「歯周病」とは、歯を支えてくれる骨が溶けていく病気です。支えている骨が溶かされると、歯は次第に揺れるようになり、歯と歯茎の間には細菌が増殖し、炎症が起こります。

「歯周病」による歯の痛みは、固いものなど強い力が加わると、歯を支えている部分に負担がかかり、痛みが生じます。

歯周病の症状の特徴

「歯周病」になると歯茎がブヨブヨに腫れ、出血が起きやすくなります。
噛んだときの痛みは、

• 奥歯
• 歯周ポケットが大きい歯
• 揺れの強い歯

に起こりやすいです。

症状が進行すると…

「歯周病」が進行すると、口臭が強くなり、歯の揺れが強くなります。歯茎から膿が出てきたり、噛まなくても痛みが生じるときもあります。

症状が進行する前に歯医者を受診し、適切な治療を受けましょう。

原因③　歯が割れてしまっている（破折）

歯が割れてしまっていると、固いものを噛む刺激で、割れている部分の歯が動くため、噛むたびに痛みが生じます。

歯の破折による痛みは、奥歯・詰め物をしている歯・神経を取った歯などに起こりやすいです。

歯の破折の症状の特徴

歯が破折した場合、

• 歯に亀裂・割れ目がみられる
• 歯の一部が揺れる
• 詰め物・被せ物が取れる

といったこともあります。

症状が進行すると…

歯が割れた部分から細菌感染が生じると、噛まなくても痛くなったり、歯茎が腫れたり、膿が出たりします。また、破折部分もどんどん大きくなっていきます。

症状が悪化する前に、気が付いたら早めに歯医者を受診しましょう。

放置はNG！歯を守るために必ず歯医者へ

「虫歯」や「歯周病」が進行する前に早期治療を受けましょう。
放置すると、治療法が抜歯のみの選択肢になってしまいます。

また、他の歯や噛み合わせに影響も出る恐れもあります。
痛い歯があると、その歯を避けて噛むようになります。すると噛み合わせが乱れ、反対側の歯や顎関節の負担が増えてしまします。

「固いものを噛むと痛い」という症状は、食事を苦痛な時間に変えてしまいます。これは口の中だけでなく体の健康に関わることになります。食べることは生きていく上で一番大切なことです。

歯の痛みや違和感は、放置せず、なるべく早く歯医者を受診しましょう。

歯科を探す