前歯をぶつけた後に”違和感”放置すると…どうなる？神経の損傷かも

「前歯をぶつけた後の違和感がある…これって大丈夫？」
「放置して治る？」

前歯をぶつけた後の違和感について、考えられるケースごとに歯医者さんが解説します。
歯の違和感に加えて、歯が落ちそうにぐらついているといった場合は、早急に歯科を受診してください。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

前歯をぶつけた後の違和感…大丈夫？

歯をぶつけた後に、なんだか違和感があるのですが、大丈夫でしょうか。

違和感の原因によっては、歯科での治療が必要になります。

1. 歯がグラグラする
2. 歯の位置がズレた
3. 歯が歯茎にめり込む
4. 歯の色が変わる

というときは要注意です。

それぞれのケースについて詳しく解説します。

「歯が動くような感覚」のケース

ぶつけた刺激により、歯の神経が損傷しているおそれがあります。

放置すると、炎症を起こしたり、痛みなどを発症したります。
また、神経を除去したり、抜歯をしなければならなくなる場合もあります。

違和感以外には、腫れ・痛み・出血が起きることがあります。

腫れが引くと、数日で動揺が徐々に落ち着いて治まってくるケースも多いです。
しかし、歯の中が負傷していることもあるので、放置せずに一度歯科で診察を受けましょう。

自然に治る？歯科にいくべき？

軽い打撲程度であれば、自然に治癒していくことが多いです。
自然治癒する場合は、数日〜1週間程度の期間がかかります。

ただし、

• 歯が今までにないくらい動く
• 取れそうなくらい動く
• 症状が3日以上続いて改善していない

という場合は、歯科を受診しましょう。

歯科では、歯や神経の炎症を鎮めて、組織が修復される経過を追っていきます。

治療にかかる費用

保険適用で、2,000〜3,000円程度です。

治療にかかる期間

個人差がありますが、1週間程度で安定してきます。
歯医者での治療を受けずに放置すると、傷口から細菌が入り込み化膿することがあります。

早く治すために、歯を押したり、触ったりしないようにしましょう。また、硬いものを食べるのは避けて安静にしてください。

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「歯がズレたような感覚」のケース

歯の位置がずれて、歯の神経を損傷しているおそれがあります。
この状態のときは、痛み・腫れを感じます。

放置すると、化膿したり、炎症が強くなったりし、最悪の場合、神経を除去したり、抜歯することもあります。

違和感以外には、出血をしたり、ズキズキした痛みを感じるといったこともあります。

自然に治る？歯科にいくべき？

少しのズレであれば、固定をして自然治癒させますが、医師の判断が必要になります。
歯がずれていることが確認できた場合は、早急に歯科を受診してください。

歯科では、レントゲンなどで歯の根っこや、骨を検査していきます。
異常がなければ、位置のずれた歯の両隣の歯に、ワイヤーや接着剤などを使用して固定していきます。

治療にかかる費用

保険適用で、3,000〜4,000円程度です。

治療にかかる期間

個人差はありますが、2〜3週間程度かかります。
早く治すためには、固定してある箇所を無理に動かさないで、安静にしましょう。

歯医者での治療を受けずに放置すると、傷口から細菌が入り込み化膿することがあります。
細菌が歯の根元まで到達すると猛烈な痛みを発症します。

また、骨にまで異常をきたしている場合は、顎の腫れ、痛みを発症します。

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「歯がめり込んだような感覚」のケース

歯が歯茎に入り込んでいる状態です。骨や神経を傷つけ、歯自体もかけるなど損傷を起こしている場合もあります。
この状態のときは、ズキズキとした痛みや、猛烈な痛みを感じます。

放置すると、細菌感染、炎症、痛み、化膿などが起こって、最悪、歯が欠落してしまうこともあります。
違和感以外には、出血や腫れなどが起こります。

自然に治る？歯科にいくべき？

自然治癒は、難しいです。
外傷などによる、歯のめり込みが起きたら、すぐに歯科を受診してください。

放置するとそのまま歯が固定されてめり込んだ状態になってしまい、歯を使うことが難しいので、歯を取り出すための抜歯手術が必要になります。
また、顎へまで傷が広がっていた場合は、細菌が顎の傷から全身へ広がり、全身症状を起こすこともあります。

歯科では、検査を行い、陥没している歯の移動・固定などを行います。
それに伴い、神経の確認、顎の骨の異常がないかも診ていきます。

治療にかかる費用

保険適用で、5,000〜10,000円程度の費用がかかります。

治療にかかる期間

個人差がありますが治療には、3週間から1ヶ月程度の期間がかかります。

• 細菌感染
• 増殖によって顔全体の腫れ
• 顎の異常などを起こし、最終的に放置した

といった場合は、手術が必要となることもあります。

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「歯が変色した」ケース

歯の神経が死んでいる疑いがあります。
この状態のときは、歯の感覚がなくなり、熱いものや冷たいものなどを感じにくくなります。

放置すると、死んだ組織が細菌感染を起こし、感染が広がり顎の痛みなどを起こします。
違和感以外には、歯や歯茎が変色を起こしたり、歯茎にフィステルが発生することがあります。

自然に治る？歯科にいくべき？

変色は自然には治りません。

外傷を受けた歯が変色してきたら、早めに歯科を受診しましょう。
歯科で、神経を取り除く治療が必要になります。

歯の神経が死んでいる場合は、変色が元に戻ることはなく、治療後に専用のホワイトニングが必要になります。

検査を行い、神経が死んでいる場合は、変色した個所を取り除いていきます。
歯の裏側より穴を開け、細菌に感染してしまった部分を取り除きます。その後、洗浄・消毒をします。（感染根管治療）

治療にかかる費用

保険適用で、1回の治療に1,000～3,000円程度の費用がかかります。

治療にかかる期間

数回の治療が必要です。
週1の通院で、1ヶ月程度の期間がかかります。

歯医者での治療を受けずに放置すると、細菌が歯の根まで入り込み、骨まで影響が出て歯が抜け落ちてしまうこともあります。

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特に、顔が腫れてきたときは放置しないで！

歯の違和感に加えて、

• 歯が落ちそうにぐらついている
• ガーゼやハンカチが染まるほど出血している
• 腫れて、顔の形が変わってきた

といった症状があらわれた場合は、放置せずに精密検査を受けましょう。

歯科を受診するときは、「どのような状態で怪我をしたのか」、「ぶつけた場所や高さ」、「ぶつけた場所に砂や水などが溜まっていたか」などを伝えると診察がスムーズに進みます。

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