「スポーツを楽しんでいたら足がつった!」
「寝ていたら急に足がつった!」
早く治す方法を知りたいですよね。今回は、足のすね・ふくらはぎ・ももなど、つりやすい部分のストレッチの方法などを教えていただきました。
足がつる原因や、予防するための習慣や食べ物についてもご紹介いただいたので、ぜひ参考にしてみてください。
監修者
経歴
福岡大学病院
西田厚徳病院
平成10年 埼玉医科大学 卒業
平成10年 福岡大学病院 臨床研修
平成12年 福岡大学病院 呼吸器科入局
平成24年 荒牧内科開業
足がつった直後の対処法
足をつった場合の対処法として重要なポイントは、縮んだ筋肉を伸ばすことです。
この対処ができていないと、筋肉が過度に収縮した状態が続いてしまい、痛みが長引く恐れがあります。
下記のストレッチやマッサージを行ってください。
スネやふくらはぎがつったとき
- 足の力を抜きながら、筋肉の緊張をほぐしつつ、足首をゆっくり回す。
- 膝を伸ばした状態で座り、つった足のつま先を持って、ゆっくり手前に引く。
- 立った状態で壁に手を当てながら、アキレス腱を伸ばすように足を前後に開き、つっている方の足のふくらはぎをゆっくり伸ばす。
モモがつったとき
つった足全体をほぐすように、軽めにマッサージする。
足が動くようになったら…
- 足を蒸しタオルで温める
- 足に力をいれずに、優しくマッサージする
といった対処をとるとよいでしょう。
つった足をお風呂やシャワーで温めるのも有効です。
ただし、無理に動かしたり、急に運動したりせず安静にしてください。
数日経っても治らないときは…
歩行が困難なほどの痛み、触ると激しく痛む、痛みが長期間続く等の場合には、筋肉断裂や肉離れが起きている恐れがあります。
この状態を放置してしまうと、症状が悪化して回復が遅くなるので、早めに整形外科を受診してください。
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足がつる「6つの原因」
足は「疲れ」や「栄養不足」などでつることがあります。
- 筋肉の疲労
運動時に筋肉を使うと、体内のミネラル分が急激に消費され、筋肉が正常に機能するために必要なエネルギー伝達ができなくなり、筋肉疲労を起こすため。
- 脱水状態
睡眠中の発汗、運動による発汗、下痢等を起こすと、体内のミネラルも一緒に排泄されてしまい、気付かないうちにミネラルバランスが乱れてしまうため。
- 栄養不足
血液が不足したり、血液の流れが滞ったりすると、体の隅々まで栄養分を送るのが困難になるため。
- 体の冷え
体が冷えると、血管が収縮し血流が悪くなったり、冷えにより筋肉が緊張状態になったりするため。
- 加齢
加齢に伴う筋肉量の低下、血液を生成する働きの低下により血行不良を起こすため。
- 妊娠中
胎児に血液や栄養分を送ることでママ自身の電解質などが不足してしまうため。
足つり予防のためにできること
「ストレッチ」や「温める」などの対策をすることで、足がつるのを予防する効果が期待できます。
- ストレッチ
夜眠りにつく前等に、横になりながら、足首をゆっくり前後に動かしたり、回したりを数回繰り返す。
- 運動を適度に行う
適度な運動を毎日継続し、筋肉を維持して血流を良くする。
- 疲労を溜めない
十分睡眠をとり、疲労を溜め込まないようにする。
- 足湯(入浴)
足ツボを温めることで刺激を与えて、血行をよくする。
- レッグウォーマーを着用する(体を冷やさない)
締め付けないタイプのレッグウォーマーを着用して、足首が冷えないようにする。
- 寝る前に常温のスポーツドリンク等を1杯飲む(水分、ミネラルの補給)
寝ている間にも汗をかくので、寝る前にスポーツドリンク等をゆっくり飲んで、水分と電解質などを補充しておく。
- ハイヒールの履き過ぎに注意する
ハイヒールは、足に負担を掛けやすく、筋肉疲労を誘発する場合があるため。
- 栄養バランスのよい食事を摂る
おすすめの「食べ物」は?
筋肉の動き(収縮)をスムーズにする働きを持つカルシウムや、神経の興奮を抑制して筋収縮を促す働きを持つマグネシウム、疲労回復を促進するタウリン、ビタミンB1、クエン酸等を摂るのがおすすめです。
- カルシウム:乳製品(チーズ、牛乳)、魚介類、大豆製品
- マグネシウム:海藻類、ごま、アーモンド、ひじき
- タウリン:イカ、エビ、タコ、カキ
- ビタミンB1:うなぎ、豚肉、卵、豆類
- クエン酸:梅干し、レモン、酢
知っておこう「足がつりやすい人」
下記の体質や疾病がある方は、足がつりやすい傾向があります。
足がつりやすい「体質」
足がつりやすい「病気」
- 血管病変(下肢静脈瘤、血管炎、閉塞性動脈硬化症、バージャー病等)
- 体内のイオンバランス異常(脱水、人口透析、嘔吐、下痢、熱中症等)
- 神経筋疾患(脳梗塞、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、筋萎縮性側索硬化症等)
- 内分泌疾患(アジソン病、甲状腺機能低下症、副甲状腺機能低下症等)
- 代謝異常(糖尿病、低栄養、肝硬変等)
- 骨関節疾患(関節炎)