【頭部の多汗症】病院は何科?治療は保険適用?初診で伝えるとよいことも

更新日:2022-07-28 | 公開日:2022-07-28
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【頭部の多汗症】病院は何科?治療は保険適用?初診で伝えるとよいことも

「頭の多汗症って何科に行けばいいの…?」

頭部の多汗症を相談できる診療科について、お医者さんに聞いてみました。
保険適用される基準・治療費の目安も紹介するので、多汗症の治療を受けたい方は必読です。

監修者

よこはま港南台形成クリニック

本間有貴先生

経歴

札幌医科大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
関東労災病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
横浜市立大学附属病院 形成外科
を経て
平成30年10月より小田原銀座クリニックに勤務
令和2年6月よりよこはま港南台形成クリニックに勤務

頭部の多汗症は「何科へ受診すればいい?」

医師女性
頭部の多汗症は、皮膚科で相談しましょう。

皮膚科では、基本的に問診・診察を通して「多汗症」の診断を行います。
受診した際には、下記の点を聞かれることが多いです。

初診で聞かれること

  • どんなときに汗が出るか
  • 汗が出ることで困っていること

また、医療機関によっては、「ヨード紙を使った検査」「汗の量を調べる検査」が行われることもあります。

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頭部の多汗症は「保険適用になる?」

  • 左右対称に多汗がみられる
  • 日常生活に支障が生じている
  • 週1回以上の頻度で「多汗のエピソード」がみられる(※)
  • 25歳未満で発症している
  • 家族に多汗症の人がいる
  • 睡眠時は頭部の発汗がみられない

(※)汗のせいで何度も服を着替える 等

医師女性
上記のうち2項目以上当てはまる場合に、保険適用となります。

保険適用が認められる“原発性局所多汗症”には、「緊張すると大量の汗を止められない」「人の視線が気になると汗が出る」などの特徴があります。

一方で、「暑いときにたくさん汗をかく」など、“一般的な汗っかき”と判断できる場合は保険適用外となります。

「保険適用になる治療」の例

医師女性

頭部の多汗症の場合、

  1. 飲み薬
  2. 手術(交感神経遮断)

などによる治療は、保険適用となるケースがあります。

治療方法

どのような治療を行うか

飲み薬

薬の服用で汗を減らす

交感神経遮断(ETS

発汗に関わる交感神経を手術で遮断する

保険適用の治療① 飲み薬

医師女性
薬で神経伝達物質を抑制し、頭皮などの急な発汗を止める治療方法です。
治療にかかる費用は、1カ月分で1,000円程度です。

塗り薬などと併用すると、より効果が出やすくなります。
ただし、飲み薬による治療の効果には個人差があるため、あまり効き目が出ない人もいます。

飲み薬の「副作用」ってある?

 

飲み薬を服用すると、

  • 口の渇き
  • 目のかすみ

などの軽い副作用が出ることがあります。

また、汗をかきにくくなるため、高温の環境で長時間仕事をする方は注意が必要です。

 

※「緑内障」「前立腺肥大」「イレウス」などを患っている人は、病状が悪化する恐れがあるため、使用することができません。

保険適用の治療② 手術(交感神経遮断)

医師女性
交感神経を遮断し、発汗を抑制させる治療法です。
治療にかかる費用は、保険適用で15万円〜20万円程度です。

手術の「副作用」ってある?

 

手術を受けると、別の部位の発汗が強くなる「代償性発汗(※)」が生じることもあります。

(※)治療した箇所の発汗が抑えられる代わりに、「背中」「腰」「腹」「ふともも」などで発汗が増加する症状

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「保険適用にならない治療」の例

医師女性

頭部の多汗症のには

  1. 塗り薬
  2. ボトックス注射

などを用いた、自由診療の治療法もあります。

治療方法

どのような治療を行うか

塗り薬

塗り薬の作用で汗を止める

ボトックス治療

薬を注射して、汗の発汗を止める

自由診療の治療① 塗り薬(塩化アルミニウム)

医師女性

「塩化アルミニウム溶液」を塗って汗腺を塞ぎ、発汗を抑える治療法です。
治療にかかる費用は、薬剤100mlあたり1,200〜2,000円程度です。

効果を継続させるためには、薬を塗り続ける必要があります。

塗り薬の「副作用」

 

薬を塗った箇所に腫れ・炎症が起こることがあります。

※この場合は薬の使用を続けられません。

自由診療の治療② ボトックス注射

医師女性
ボトックスを注射して「神経伝達物質」を遮断し、発汗を抑える治療方法です。
治療にかかる費用は、注射する範囲によっても差がありますが、1回6万円程度(※)です。

(※)麻酔代が別にかかることもあります。

一度の注射で数カ月は効果が持続しますが、継続的な治療が必要です。
また、頭皮は注射できる範囲が限られているため、効果が出にくいケースもあります。

ボトックス注射の「副作用」

 

ボトックス注射には、

  • 注射をした部位が、一時的に腫れて痛む
  • 一時的な「倦怠感」が生じる

といった副作用が挙げられます。

副作用が強く出る場合には、医師に相談する必要があります。

 

なお、胎児に影響を及ぼす可能性があるため、妊娠中・妊活中の人はボトックス注射を行えません。

「頭の汗が止まらない」という方は、病院で相談を

医師女性
  • 汗が止まらなくて、困っている
  • 汗のせいで、皮膚のかゆみ・炎症が出ている

といった場合は、一度皮膚科で相談してみましょう。

多汗症は、「薬を使った治療」や「手術」などで改善が期待できます。

また、「原発性局所多汗症」と診断された場合は、保険適用で治療を受けることも可能です。
まずは医師の診察を受けて、発汗の状態を確認してもらいましょう。

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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。 

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