クラリチンEXの効果は?購入方法や服用の注意点とは!?

更新日:2020-05-29 | 公開日:2019-12-26
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クラリチンEXの効果は?購入方法や服用の注意点とは!?

市販薬の中で認知度の高い薬の一つにアレルギー薬があります。以前であれば医療機関に行かなければ手に入らなかった薬が、国の規制緩和により市販薬として購入できるようになってきました。そういった事もあり、今では多くの方が病院に行くことなく薬局やドラックストアで花粉症の薬を購入しています。


アレルギー薬は比較的若年者が飲む機会の多い薬という事もあり、花粉症のシーズンが始まる少し前から芸能人を使った特徴的なテレビCMをよく見かけるようになります。そんなテレビCMなどで「クラリチンEX」という名前を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。この記事ではクラリチンEXの特徴と他のアレルギー薬との違いや注意点などを詳しく説明します。

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執筆者
澤山 大起 先生


薬剤師

澤山 大起先生

経歴

総合病院の門前薬局にて数年勤務。その後、心療内科の門前薬局にて約10年勤務。会社として在宅医療に積極的に関わっており、地域医療の貢献に尽力しています。

1.クラリチンEXの効果は?

医療機関においてクラリチンは2002年より販売が開始されました。それ以来、約20年近くに渡りアレルギー薬の代表格の一つとして現在でもよく使われ続けています。「クラリチン」という名前は商品名であり、成分の名前は「ロラタジン」といいます。医師の処方により、ジェネリック医薬品のロラタジンを飲まれている方も多くいるのではないでしょうか。クラリチンとロラタジンに効果上の違いはありません。販売している医薬品メーカーの違いにより商品名が変わるのです。


そんなクラリチンですが、市販薬、スイッチOTCとして日本では2017年より発売が開始されています。スイッチOTCとは、これまで医療機関で処方されていた薬の中で、使用実績や副作用の観点などでリスクが低いと判断された成分を市販薬として認可したものをいいます。この章では一般用医薬品の「クラリチンEX」がどんな症状に効くのかや、他のアレルギー薬との違いについて説明します。

1-1. アレルギー薬は何に効く?

一般的にアレルギー薬が花粉症に効く事はよく知られています。しかし、アレルギー薬は花粉症以外にも色々な症状に対して使用できる薬です。
アレルギー薬は臨床上で以下のような症状で使用しています。

 花粉症による鼻水、鼻づまり、くしゃみ
 ダニやハウスダストが原因の鼻水、鼻づまり、くしゃみ
 乾燥、アトピー、蕁麻疹などからくる皮膚疾患
 虫刺されによる痒み
 気管支喘息

その他にも、目の痒みに使う点眼薬にもアレルギー薬が含まれているものがあります。ではアレルギー薬はどのようにして花粉症などのアレルギー症状に効くのでしょうか。

1-2. どのように効くの?

アレルギー薬の働きを見ていく前に、花粉症などの症状がどのようにして起きているのかを簡単に説明します。人の体に花粉やハウスダストなどの異物(アレルゲン)が入ると、体内の防御因子である免疫細胞が異物を体外に排除しようとします。その時に、必要以上に過敏に反応してしまう事で鼻水や痒みなどのアレルギー症状が出てしまうのです。アレルギー症状とは自身の体を守る免疫の働きが強くなりすぎた結果起きてしまう症状と言えます。このアレルギー反応を引き起こす代表的な物質がヒスタミンです。
異物であるアレルゲンの影響を受けた細胞はアレルギー物質であるヒスタミン等を放出します。このアレルギー物質が対応する受容体に結合する事でアレルギー症状が発現します。
では、アレルギー薬はどのようにして効くのでしょうか。アレルギー薬は大きくは抗アレルギー薬と抗ヒスタミン薬に分かれます。


 抗アレルギー薬:ヒスタミンなどのアレルギー物質が放出されるのを防ぐ
 抗ヒスタミン薬:放出されたヒスタミンとヒスタミン受容体の結合を邪魔する
市販されているクラリチンEXなどのアレルギー薬は後者の抗ヒスタミン薬を指します。

1-3. クラリチンEXの特徴と他のアレルギー薬との違い

現在ではスイッチOTCの花粉症薬(抗ヒスタミン薬)が数多く発売されています。抗アレルギー薬の歴史は古く、初期に発売された第一世代と呼ばれる抗ヒスタミン薬は効果が強い反面、眠気などの副作用も強い特徴があります。時代とともに、より安全に飲める第二世代抗ヒスタミン薬が開発され、アレルギー薬の主流となりました。近年、スイッチOTCで発売されいている売れ筋の抗ヒスタミン薬は第二世代抗ヒスタミン薬になります。これらの薬には成分ごとにそれぞれ特徴があります。その中でクラリチンEXは現在最も新しく規制緩和された抗ヒスタミン薬です。


クラリチンEXの特徴
 用法用量が1日1回1錠(毎日同じ時間帯)でよい
 他の抗ヒスタミン薬と比べて眠くなりにくい
 集中力の低下が起きにくい
 口や目の渇きが起きにくい
 15歳以上から飲める


クラリチンEXの注目すべきポイントは、服用回数の少なさと眠さなどの副作用の少なさが両立している点です。社会人や学生生活をおくる世代がターゲットであることを考えると、これらのポイントは最優先事項なのではないでしょうか。欠点としては他の抗ヒスタミン薬と比べて効果が少し弱い事です。それでも十分な効果はありますし、バランスの良さを考えるとメリットは大きいように感じます。

クラリチン以外の市販されているアレルギー薬の成分と特徴


参考までにクラリチンEX以外の抗ヒスタミン薬を見ていきましょう。ここで紹介させて頂くのはクラリチンEXと同じようにスイッチOTCとして市販された第二世代抗ヒスタミン薬です。クラリチンEXと同様に市販されているアレルギー薬の中心的な薬剤になります。

 アレグラFX (一般名:フェキソフェナジン)
2012年にスイッチOTCとして規制緩和された抗ヒスタミン薬。用法用量は1回1錠、1日2回朝夕に服用。クラリチン同様に眠気が出にくい特徴がある。効果はクラリチンより少し良いが、一日2回飲む必要がある。

 アレジオン10/20 (一般名:エピナスチン)
2010年にスイッチOTCとして規制緩和された抗ヒスタミン薬。用法用量は1日1回20mgを就寝前に服用。ただしアレルギー性鼻炎では症状により10mg又は20mgを就寝前に服用。アレジオンの効果はクラリチンやアレグラより少し良いが、眠さもその分出やすい。

 コンタック鼻炎Z、ストナリニZ (成分名:セチリジン)
2010年にスイッチOTCとして規制緩和された抗ヒスタミン薬。医療用での商品名はジルテックだが、市販される段階で商品名が変わった。用法用量は1日1回1錠、就寝前に服用。15歳以上。効果はアレジオンより少し良いが、第二世代抗ヒスタミン薬の中では眠気が出やすい方に分類される。

2.クラリチンEXの購入方法は?ネットで購入できる?

以前は薬局でしか販売できなかった医薬品が、現在ではドラックストアやインターネットでも購入できるようになってきました。しかし全ての薬が規制なく販売できるわけではありません。多くの方がドラックストアと薬局を同じものと思われていますが、厳密な違いが存在します。この違いは販売する薬品の違いにも繋がりますので簡単に説明します。

薬局とは?

薬局は営業時間内であれば必ず薬剤師がおり、管理者は店舗専属の薬剤師でなくてはなりません。ほとんどの医薬品を販売でき、医師の発行する処方箋により保険調剤業務もする事ができます。薬局の開業には都道府県知事の許可が必要で厳しい審査基準があります。

ドラッグストアとは?

主に一般用医薬品や衛生用品を扱っており、最近では食品を扱う店舗もあります。管理者は薬剤師である必要がなく、比較的簡単に営業する事ができます。一部のドラックストアでは店内に薬局を併設している所もあります。ただし併設薬局とドラックストアの営業時間が違う事が多く、ドラックストアの営業時間内であっても薬剤師不在により処方箋の取り扱いが出来なかったり、販売を制限する医薬品があります。

クラリチンEXの購入方法は?

ではクラリチンEXはどのように購入できるのか。結論から言うと、クラリチンEXは薬剤師のいないドラックストアやインターネットによる販売はできません。なぜならクラリチンEXは規制の厳しい「要指導医薬品」に分類されており、購入時に薬剤師が対面で情報提供をする必要があるからです。スイッチOTCの承認を受けてから3年間は要指導医薬品に分類されます。その後は規制緩和される可能性が高いので、いずれはクラリチンEXもインターネット販売が可能になると思われます。先ほど紹介したアレグラやアレジオンは既に「第二類医薬品」に分類されており、こちらはインターネット販売が可能です。

3.アレルギー薬が効かない!?正しい飲み方と服用の注意点

「アレルギー薬を飲んでも薬が効かない」と言われる方を花粉症のシーズンになるとよく見かけます。しかし、そういった方の中には飲み方の問題で効果が減弱している方もいます。花粉症におけるアレルギー薬の正しい飲み方とはどのような飲み方なのでしょう。

3-1. 正しい飲み方

効果が良くて副作用の少ない素晴らしい薬であっても、正しい飲み方をしないと効果が十分に発揮されない事があります。クラリチンを含め、市販されている一般的なアレルギー薬は抗ヒスタミン薬であるという事をお伝えしました。抗ヒスタミン薬はヒスタミン受容体にヒスタミンが結合するのを邪魔して鼻水や痒みなどのアレルギー症状を抑えます。しかし鼻水などの症状が出てしまっている状態は既にヒスタミン受容体にヒスタミンが結合してしまっている状態なのです。つまり抗ヒスタミン薬はアレルギー症状が出てから飲んでいては効果が十分に発揮されないのです。ではいつ飲むのか。お勧めは花粉が飛び始める2週間程度前からです。
事前に飲むことで以下のような効果が期待できます。


 アレルギー症状を感じなくなる、又は症状が軽くなる
 症状の出る時期を遅くできる
 症状の終了が早くなる


花粉が飛び始める時期は地域ごとに違いますが、現在では気象情報の一部として事前に飛散時期を確認する事ができます。症状が出てからでも効果はありますが、十分な効果という意味では予防的に症状が出る前から服用を開始する事をお勧めします。特にクラリチンEXなどの第二世代抗ヒスタミン薬は眠さや口喝などの副作用が出にくいため、継続して毎日飲み続ける事に向いている薬と言えます。
花粉が飛び始める2週間程度前から飲み始める事をお勧めしましたが、ご自身が何の花粉で症状が出るのかを把握していないと服用するタイミングが分かりません。春先に症状が出ていてもスギ花粉とは限りませんし、スギとヒノキの両方に反応している人もいます。薬の止め時にも関わりますので、症状が毎年出る人は一度耳鼻科で検査しておくとよいでしょう。

3-2. 服用の注意点

抗ヒスタミン薬の副作用で一般的なものに眠気と口喝があります。クラリチンEXなどの第二世代抗ヒスタミン薬はこれらの副作用が出にくいと言われていますが、全ての人が出ないという訳ではありません。薬には個人差があります。副作用を感じやすい体質の方もいらっしゃいますし、特定の成分に対して過敏に反応してしまうケースも存在します。

服用後に体調変化を感じたら服用を中止して購入先か専門の医療機関で確認しましょう。また、中には正しい飲み方をされない事で効果が十分に出なかったり、眠気などの副作用が出てしまう事もあります。アレグラのように朝夕と2回に分ける必要のあるものもあれば、アレジオンやコンタック鼻炎Zのように寝る前と用法が決められている薬もありますので用法用量を正しく守って服用して下さい。

4.まとめ

クラリチンEXとその他のアレルギー薬との違いや注意点について説明させて頂きました。クラリチンEXはインターネットやドラックストアでの販売に規制があります。しかし、用法・効果・副作用の面においてバランスが良く、お勧めできる薬剤である事を分かって頂けたのではないでしょうか。


飲み始めるタイミングも花粉が飛び始める2週間前位からの服用をお勧めしました。予防的に薬を飲むことに抵抗を感じる人もいると思います。しかし、リスクと効果を考えるとクラリチンEXを症状が出る前から飲んでおく事に十分なメリットがあります。毎年決まって花粉症に苦しむ方は、事前の準備をして花粉症と向き合ってみては如何でしょうか。

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