処方箋に期限があります!処方箋について知っておくと便利なこと

更新日:2020-05-29 | 公開日:2019-12-26
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処方箋に期限があります!処方箋について知っておくと便利なこと

ほとんどの方が期限以内に処方箋を持ってこられることもあり、処方箋に期限があることをご存知ない方が案外と多いものです。

そこで今回は、処方箋の期限に関することを中心に、その他、処方箋にまつわるジェネリックや医師への問い合わせなどについても解説いたします。

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執筆者
村田 直子 先生


薬剤師

村田 直子先生

経歴

調剤薬局経営。薬剤師だけでなく、臨床検査技師としての生理学・病理学などの知識を元に患者さんをサポート。ケアマネージャとして介護制度や介護サポートの相談にも応じています。

1.処方箋の有効期限は発行日から4日間

処方箋の有効期限が発行日から4日間というのは、忙しい人からみると短いと思われることでしょう。

しかし、医師は患者さんを受診した時点の健康状態に基づいて処方箋を発行します。

そのため、発行日から日数が経過した病状に対して、発行日の処方箋に記載された薬が有効で安全なものかがわからなくなる可能性を考慮し、「有効期限4日間」と決められました。

ただ、例外があります。

長期旅行やその他の事情がある患者さんに対して医師は、有効期限延長の許可ができる権限をもっています。

事情があって4日以内に処方箋の受付ができないと予測できる場合は、受診のときに処方箋の有効期限延長を医師に申し出てみましょう。

医師が処方箋に有効期限の延長最終日を書けば、薬局には延長の最終日までに行けばいいことになります。

1-1. 期限の間に休日があった場合

処方箋の有効期限は、休日と祝日を含む4日間です。
専門家女性

近年、月曜日が祝日になることが多くなっています。

月曜日が祝日の場合、金曜日発行の処方箋で、休み明けの火曜日に処方箋を薬局に持参すると、発行日から5日目になるため、その処方箋は無効になります。

木曜日発行の処方箋は日曜日で期限が切れるため、土曜日休診の病院であれば、金曜日までに受付しなければいけません。

1-2. FAXで処方箋受付はできる?

処方箋をFAXで薬局に送っただけでは、処方箋受付をしたことにはなりません。病院のFAXサービスからでも同じです。

あくまでも、処方箋の原本を薬局に渡したことで処方箋受付が成立します。

ただ、処方箋を事前に薬局にFAXしておくと、先に薬の準備をしておくことができるので薬を受けとる待ち時間が短縮されるメリットがあります。

1-3. 本人以外による受付は認められる?

本人以外でも処方箋の受付ができます。

処方箋の原本を持参できるのであれば、本人以外でもOKです。

できることなら、本人の状態をよく知っている人、たとえばご家族など、薬剤師の質問にある程度、答えることができる人が望ましいです。

2.有効期限が切れた場合の対処法

忙しさに追われ、処方箋の有効期限が過ぎた後、薬局に行くと、薬をもらうことができなかった……こんな場合はどうすればいいのでしょうか?

2-1. 医療機関で再発行してもらう

薬局では、処方箋の再発行はできません。
専門家女性

発行元の病院で、再発行となります。

ただ、必ず、再発行できるとは限りません。

処方箋発行日からかなりの日数が経っていたり、あるいは症状によっては、改めて診察ということもあります。

処方箋が再発行されるケース

〇処方箋の有効期限が切れた
〇受け取ったばかりの薬の紛失

  例)2カ月分の薬をもらったけど、数日も飲んでいないうちに紛失

 ただ、処方箋が手書きで日数分などが記入されていた場合、患者さん側の虚偽の可能性も考慮され、再発行が難しい場合があります。

〇処方箋原本を紛失した場合

 たとえ、薬局に処方箋のFAXが先に送られていても、薬局では処方箋原本がない限り、患者さんにお薬をお渡しすることはありません。

2-2. 再発行時に発生する費用

処方箋の再発行に罹った費用は自費、つまり、保険は無効で100%支払いになります。

3.処方箋について薬局でできること

3-1. 薬局でジェネリックへの変更はできる

ジェネリック医薬品は先発医薬品と同等の品質、効能効果を持ち、価格は先発医薬品よりも安価になっています。

薬局で、先発医薬品からジェネリック医薬品の変更は可能です。

ただ、処方箋の記載内容によって、全てが変更できるわけではありません。

薬剤師が「ジェネリックへの変更はいかがでしょうか?」とお尋ねすれば、変更できるということです。

また、患者さんのほうからもジェネリックへの変更希望があれば、気軽に申し出てみましょう。

3-2. 薬局で残薬の調整(処方箋掲載医薬品の数量変更可)

残薬とは飲み忘れたり、飲む回数や飲む量を間違えたりするなど、ご自宅、手元に残ってしまった薬のことです。

残薬数を医師や薬剤師に報告する一番のメリットは、薬剤費用を抑えられるということでしょう。

ただ、それだけでなく、残薬が出た理由の中に患者さんの情報がたくさん存在していることに医師や薬剤師は注目します。

薬が残ってしまった理由例

〇薬の回数や飲む量を間違えた
〇飲みにくいため、意図的に飲まなかった
〇飲むと、体調に変化があり、飲むのを止めてしまった
〇食前の薬をよく飲み忘れる

などがあり、医師や薬剤師は患者さんから聞きだした上記のような理由から、改善を試みます。

また、残薬の状況から、認知症の早期発見につながることもあります。

残薬確認は、患者さんの経済的負担を軽くするだけでなく、病気の改善にも役に立つのです。

手元にある残薬をそのまま、薬局にもってきていただければ、薬局内で数の確認を行いますので、面倒がありません。

3-3. 医師に尋ねたかったことや言い忘れたことがある場合

「先生に聞いておきたかったのに」と思うことありませんか?

忙しい医師にタイミングよく話ができなかったことってよくありますよね。

そして、病院を出た頃になって、今度、病院に行くのが、1ヵ月、2ヵ月も先だと思うと、「やっぱり聞いていおけばよかった」と思うことがあります。

そんなとき、薬局でそのお話をしていただければ、医師に伝えることができます。薬剤師は処方箋の不明点については医師に疑義照会をしなければいけません。

それ以外でも患者さんの御要望を医師に伝えることができます。

ただ、診察・手術中などですぐには連絡がつかないことがあり、少々、お待たせすることがあるかもしれません。

病院によって医師への連絡方法が異なりますが、数時間後、遅くても、数日以内には連絡がつき、患者さんにお伝えできると思います。

4.まとめ

処方箋有効期限の4日間を短い、または妥当だと感じるかどうかは、個々の背景で変わってくると思われます。

ただ、これは、患者さんの安全を考えての日数です。

これからは4日間の中に休日や祝日が含まれていないかの確認や自分のスケジュールとの兼ね合いを考えるようにしましょう。

もし、難しければ、医師に有効期限の延長をお願いしてみるのもいいかもしれません。

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さやけん

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