階段の上り下りの際に膝が痛い…。
20代の人が階段で膝が痛くなる原因について、お医者さんに聞いてみました。
安静にしているとよくなるケースと、放置していると危険なケースがあるので、該当する症状がないかチェックしましょう。
監修者
フェリシティークリニック名古屋
医学博士
河合 隆志先生
経歴
’97慶應義塾大学理工学部卒業
’99同大学院修士課程修了
’06東京医科大学医学部卒業
’06三楽病院臨床研修医
’08三楽病院整形外科他勤務
’12東京医科歯科大学大学院博士課程修了
’13愛知医科大学学際的痛みセンター勤務
’15米国ペインマネジメント&アンチエイジングセンター他研修
’16フェリシティークリニック名古屋 開設
20代「階段の上り下りで膝が痛い…」原因は?
20代で「階段の上り下り」の際に痛みが出る場合、激しい運動や体重の増加等によって膝に負担がかかり、炎症が起きている可能性があります。
日常的に激しい運動を行っている人は、継続的に膝に負担がかかるため、痛みが生じやすいです。
「重いものを持った」「普段よりも歩きすぎた」などがキッカケで、何の前触れもなく急に痛みが出るケースもあります。
また、食べ過ぎなどにより体重が増加すると、膝への負担が大きくなり、痛みが出やすくなります。
平坦なら大丈夫なのに…「階段だけ」痛みが出るのはなぜ?
階段を上り下りする際は、体重の5倍以上の負荷が膝にかかると言われています。
そのため、平坦な道を歩いているときは問題ない人でも、階段の上り下りの際に痛みを感じることがあります。
また、階段は、上るときよりも下るときの方が膝への負担が大きくなるため、下りるときだけ痛みが出る人もいます。
どれくらいで痛みは治まる?
安静にしていれば、数日で良くなることが多いです。
激しい運動は控えましょう。
ただし、肥満が原因の場合は、体重を減らさないと、痛みを繰り返してしまう可能性があります。
痛みの緩和・予防におすすめの3つのセルフケア
- テーピング
- 1日30分のウォーキング
- 太ももの筋トレ
階段で膝が痛くなる場合、上記のセルフケアで対処・予防しましょう。
セルフケア① テーピング
- 膝を曲げて座り、テープを用意する
- 膝を囲むように内側からテープを貼る
- 内側から外側に向かって、少し引っ張るように貼る
- 2本目の反対側になるように、外側から内側に貼る
※どのテープも下から上に向かって貼る
テーピングは膝の動きをカバーしてくれるので、痛みを感じたら貼ってください。
自分では難しい場合は、人にやってもらうとよいでしょう。
セルフケア② 1日30分のウォーキング
ウォーキングを、1日30分程度行いましょう。
太ももや膝周辺の筋肉が鍛えられ、膝に負担がかかりにくくなります。
ただし、歩いている最中に膝に痛みを感じるようでしたら、中止してください。
その場合は、ウォーキングの代わりに、より膝への負担が少ない「自転車」を取り入れてもよいでしょう。
自転車の場合も、1日30分程度が目安となります。
セルフケア③ 太ももの筋トレをする
- 椅子に腰掛けて片足を伸ばす
- その足を10cm程度持ち上げる
- そのまま5秒ほどキープ
- 10回行ったら反対の足も行う
※上記を3セット繰り返す
太ももや膝周辺の筋力が鍛えられるので、膝への負担を軽減できます。
この運動は膝に負荷がかかりづらいため、体重が重い人にもおすすめです。
痛みが続くときは病院へ
「数日間にわたって痛みが引かない」場合は、早めに医療機関で受診しましょう。
痛みがある状態を放置し続けると、「膝の腫れ」や「変形」を起こすことがあります。
悪化すると、薬やリハビリでは治療が難しくなり、手術が必要となるケースもあります。
何科で相談すればいい?
「整形外科」に相談しましょう。
病院では、膝の触診・視診・レントゲンなどで診断します。
治療は、症状や膝の状態に応じて、運動指導・リハビリ・薬物治療・手術などが行われます。
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【要注意】こんな膝痛は病気のサイン!
20代で「階段の上り下りで膝が痛い」場合、下記の病気が原因となっている可能性もあります。
病名
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症状の特徴
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① 変形性膝関節症
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➁ ジャンパー膝
(膝蓋腱炎)
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③ 半月板損傷
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- 急激な痛み
- 膝を動かせない方向がある
- 膝の曲げ伸ばしが困難
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病気① 変形性膝関節症
膝の軟骨がすり減って骨や関節に負担がかかり、変形を起こしている状態です。
骨同士が擦れるため、痛みが生じます。
歩き始め・運動し始めに痛みを感じますが、しばらくすると痛みが落ち着くという特徴があります。
そのほか、
などの症状が現れることがあり、悪化すると安静時でも痛むようになります。
高齢者の女性に多い病気ですが、若い人でも、「肥満」「急激な体重増加」「筋肉が少ない」などの原因で、発症することがあります。
変形性膝関節症かも…病院に行くべき?
早めに「整形外科」で受診してください。
変形性膝関節症は放置していても、自然には治りません。
医師に診てもらいましょう。
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病気② ジャンパー膝(膝蓋腱炎)
膝を支えている「腱」が傷んでいる状態です。
腱に炎症を起こしているので、膝に負担がかかると痛みます。
「膝の曲げ伸ばし」「圧迫」で痛みが出るのが特徴です。
スポーツなどでジャンプを頻繁にする人は、腱に負担がかかりやすいため、発症リスクが高まります。
ジャンパー膝かも…病院に行くべき?
痛みを感じてすぐに安静にしていれば、自然と治癒します。
ただし、痛みが長引く場合は、「整形外科」を受診しましょう。
膝への負担を減らすために、痛みが引くまではスポーツを控えましょう。
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病気③ 半月板損傷
膝を安定させる「半月板」という軟骨が傷つき、痛みを発症している状態です。
膝の曲げ伸ばしが困難になり、足を動かせない場合もあります。
「激しいスポーツをしている人」や「体重が重くて膝に水が溜まっている人」に発症しやすいです。
半月板損傷かも…病院に行くべき?
放置せずに医療機関で治療を受けましょう。
「整形外科」で受診してください。
半月板はもともと血流が少ない部分なので、放置していても自然に治癒しにくいです。
しっかり治療を受けないと、膝の変形などを起こす可能性があります。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
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2018-11-05
長い時間を歩く、重たい荷物を持つ、長時間の正座をした後から膝が痛くなることはありませんか。
痛くなることがあれば変形性膝関節症の可能性があります。
変形性膝関節症は年を重ねるにつれて出やすくなる症状ですが、若い人でも起こることがあります。
まだ若いのに…膝に違和感が!
膝に違和感が出たとき、早いうちに痛みが消えれば問題はありません。
ただし、痛みが長引くようであれば変形性膝関節症かもしれません。
日頃から体を動かしていない人がいきなり運動すると、その運動に必要な筋肉が少ない所に負担がかかります。長時間歩いたり運動をしたりした後に膝が痛くなるのは、筋力が不足しているので膝関節に負荷がかかりすぎるからです。
「変形性膝関節症」とは
変形性膝関節症とは、膝の間接周りにある、柔らかいクッションの役割をしている軟骨が年を追うごとにすり減り、硬い骨同士が擦れて膝が炎症を起こすことです。
また、その炎症が原因で関節液が過剰に分泌されてしまい、膝に水がたまったり、腫れたり、骨がずれて関節が変形したりという症状が起こると痛みを伴うこともあります。
はじめは膝を動かしたときだけ痛みますが、症状が進行すると痛みが増し、歩いている時や安静にしている時も痛み出します。
30代で発症することも
若いころにスポーツをやっていて膝を過度に使うことが多かった方は、30歳代でもこの病気になることがあります。特に若いころに膝に大きなケガをした方は、変形性膝関節症に進展していくこともあります。
どんな治療をするの?
変形性膝関節症と診断されたときの治療法は、保存療法と手術療法の二つです。
保存療法の場合
主に次のような方法がとられます。
膝を温めたり冷やすことで痛みを減らす
体重を落とすことで、膝の負担を減らす
筋トレなどで膝の周囲の筋肉を増やすことで、膝の負担を減らす
サポーターなどをつけて負担を減らすことで、膝の変形が進まないようにする
また、関節内注射、ステロイド注射、内服薬、外用薬を使って痛みを止め、炎症を抑えます。
手術療法の場合
炎症や痛みがひどく、膝が変形してしまっている場合は、手術で膝の痛みや炎症を改善させます。
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治るまで「日常生活の注意する5つのこと」
日常生活では
猫背に気を付ける
重い荷物を片側で持つのを避ける
座っているときも立っているときも、常に正しい姿勢を意識する
歩く距離を1日5分でも増やす
膝周りの筋力をつける
を気をつけましょう。
変形性関節症は加齢とともに起こりやすくなりますが、ふだんから膝に負担をかけない生活を心がければ予防できる疾病です。極端な無理をせずに行動をしましょう。
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2022-01-14
「最近膝が痛い…」
「これって太り過ぎ?」
体重が重いせいで、膝が痛くなるのかどうかを、お医者さんに聞いてみました。
太り過ぎが原因の場合のストレッチや食事制限の方法など、無理なく始められる「おすすめのダイエット方法」を解説します。
膝が痛いのは…やっぱり太り過ぎだから?
最近膝が痛いです…太り過ぎによって痛くなることもあるのでしょうか…?
はい、太り過ぎてしまうと、膝に痛みを感やすくなります。
体重が増えると、膝に負荷がかかり、衝撃を吸収する軟骨がすり減りやすくなります。そうしていくうちに軟骨が失われ、膝の骨同士がぶつかるようになるため、痛みを感じるのです。
膝の痛みをそのまま放置すると、歩行に支障が出てしまうこともあります。
日常生活に支障をきたす前に、ダイエットをすることが大事です。
膝の痛みの改善にはダイエットが必要
膝の痛みを改善するには、ダイエットが必要です。
食事制限
運動
を生活に取り入れて体重を減らしていきましょう。
気軽に始められる「食事の改善」
食事制限のダイエットは、あまり厳しくすると長く続けられず、失敗してしまいます。
まずは、
栄養バランスを見直す
食べる順番を変える
エネルギー摂取量を適正化する
といった方法から始めてみましょう。
その① 栄養バランスを見直す
痩せやすい体づくりのために、主食・主菜・副菜の揃ったメニューを食べましょう。
定食などを選ぶとよいでしょう。
栄養バランスを整うことで、エネルギーの過剰摂取・血糖値の急上昇の予防につながります。
その② 食べる順番を工夫する
副菜→主菜→主食の順で食べましょう。
毎回の食事で順番を意識してみましょう。
“無意識でもその順番で食べる”くらいに身につけると良いでしょう。
また、よく噛んでゆっくり食べることも意識するとさらによいでしょう。
その③ エネルギー摂取量を適正化する
体重が減る仕組みはシンプルです。
消費エネルギーより摂取エネルギーが下回れば、減量につながります。
運動は「ストレッチ」から始めるのがおすすめ
あまり運動をしてこなかった人が、いきなりハードな運動をすると体を痛めてしまうことがあります。
運動のきっかけとして、まずはストレッチから始めてみましょう。
太ももの前面(大腿四頭筋)を伸ばすストレッチ
壁に片手をついて立つ。片方の膝を曲げ、つま先をつかむ。
曲げた方の足のつま先をお尻の方へ引き寄せて、太ももの前側を伸ばす。
息を吐きながら、30秒キープする。
反対足も同様に行ってください。
左右とも2〜3セット繰り返します。
膝周りの筋肉を柔軟にすることで、膝への負担を軽減します。
すねの前側とふくらはぎのストレッチ
床に座って、両足を前に伸ばす
つま先をゆっくりと遠くに伸ばす(すねを伸ばす)
つま先をゆっくりと手前に引き寄せる(ふくらはぎを伸ばす)
10回繰り返し行ってください。
膝が痛くてもできる「おすすめの運動」
膝に痛みがある場合、運動をするときは膝への負担が軽い、
太ももの筋肉のトレーニング
水中ウォーキング
といった運動がおすすめです。
太ももの筋肉のトレーニング
床にあぐらで座る
片方の足をまっすぐ伸ばす
伸ばした方の太ももの下に、バスタオルを丸めて入れる
伸ばした方の足のつま先を天井に向ける。その際、太ももでバスタオルを押しつぶすようにして膝を伸ばして、10秒キープ。
反対の足も同じように行ってください。それぞれ3セット行います。
呼吸をしながら行うとよいでしょう。
膝を支えている大腿四頭筋(太ももの前)を鍛えることができます。
水中ウォーキング
水中の浮力により、関節や筋肉への負担が軽減されます。
軽い運動でも筋肉を鍛えることができるため、膝に痛みがある場合でもおすすめです。
水の抵抗により、体をゆっくり動かすだけでも、ある程度の負荷が加わります。浮力と抵抗の働きで、日頃あまり動かさない筋肉を使うことができます。
高血圧や心臓病などがある人、薬を服用中の人は、医師に相談してから行いましょう。
痛みが強いときは、一度整形外科に相談を
膝に痛みがあるのであれば、まずは医療機関で相談しましょう。
医療機関は整形外科を受診してください。
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整形外科ではどんな治療をするの?
症状が軽い場合は、痛み止めの内服薬や外用薬、膝関節内へのヒアルロン酸の注射を行います。
そのほか、大腿四頭筋訓練や、関節可動域改善訓練などの運動器リハビリテーションを行います。
膝を温める物理療法を行うことや、膝装具や足底板を作成するケースもあります。
このような治療を行っても治らない場合には、手術治療をします。
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▼参考
公益社団法人 日本整形外科学会 「変形性膝関節症」
オムロン ヘルスケア株式会社 膝痛の軽減に効果的なストレッチ方法
日本人の食事摂取基準(2020年版) エネルギー