20代の「階段の上り下りで膝が痛い」原因は?考えられる3つの病気&セルフケア方法

更新日:2022-10-26 | 公開日:2022-10-26
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20代の「階段の上り下りで膝が痛い」原因は?考えられる3つの病気&セルフケア方法

階段の上り下りの際に膝が痛い…。

20代の人が階段で膝が痛くなる原因について、お医者さんに聞いてみました。

安静にしているとよくなるケースと、放置していると危険なケースがあるので、該当する症状がないかチェックしましょう。

監修者
河合 隆志 先生

フェリシティークリニック名古屋
医学博士

河合 隆志先生

経歴

’97慶應義塾大学理工学部卒業
’99同大学院修士課程修了
’06東京医科大学医学部卒業
’06三楽病院臨床研修医
’08三楽病院整形外科他勤務
’12東京医科歯科大学大学院博士課程修了
’13愛知医科大学学際的痛みセンター勤務
’15米国ペインマネジメント&アンチエイジングセンター他研修
’16フェリシティークリニック名古屋 開設

20代「階段の上り下りで膝が痛い…」原因は?

医師男性
20代で「階段の上り下り」の際に痛みが出る場合、激しい運動体重の増加等によって膝に負担がかかり、炎症が起きている可能性があります。

日常的に激しい運動を行っている人は、継続的に膝に負担がかかるため、痛みが生じやすいです。
「重いものを持った」「普段よりも歩きすぎた」などがキッカケで、何の前触れもなく急に痛みが出るケースもあります。

また、食べ過ぎなどにより体重が増加すると、膝への負担が大きくなり、痛みが出やすくなります。

平坦なら大丈夫なのに…「階段だけ」痛みが出るのはなぜ?

医師男性

階段を上り下りする際は、体重の5倍以上の負荷が膝にかかると言われています。

そのため、平坦な道を歩いているときは問題ない人でも、階段の上り下りの際に痛みを感じることがあります。

また、階段は、上るときよりも下るときの方が膝への負担が大きくなるため、下りるときだけ痛みが出る人もいます。

どれくらいで痛みは治まる?

医師男性
安静にしていれば、数日で良くなることが多いです。

激しい運動は控えましょう。

ただし、肥満が原因の場合は、体重を減らさないと、痛みを繰り返してしまう可能性があります。

痛みの緩和・予防におすすめの3つのセルフケア

医師男性
  1. テーピング
  2. 1日30分のウォーキング
  3. 太ももの筋トレ

階段で膝が痛くなる場合、上記のセルフケアで対処・予防しましょう。

セルフケア① テーピング

テーピング

  1. 膝を曲げて座り、テープを用意する
  2. 膝を囲むように内側からテープを貼る
  3. 内側から外側に向かって、少し引っ張るように貼る
  4. 2本目の反対側になるように、外側から内側に貼る

※どのテープも下から上に向かって貼る

医師男性
テーピングは膝の動きをカバーしてくれるので、痛みを感じたら貼ってください。
自分では難しい場合は、人にやってもらうとよいでしょう。

セルフケア② 1日30分のウォーキング

運動する20代の女性

医師男性

ウォーキングを、1日30分程度行いましょう。

太ももや膝周辺の筋肉が鍛えられ、膝に負担がかかりにくくなります。

ただし、歩いている最中に膝に痛みを感じるようでしたら、中止してください。
その場合は、ウォーキングの代わりに、より膝への負担が少ない「自転車」を取り入れてもよいでしょう。

自転車の場合も、1日30分程度が目安となります。

セルフケア③ 太ももの筋トレをする

太ももの筋トレ

  1. 椅子に腰掛けて片足を伸ばす
  2. その足を10cm程度持ち上げる
  3. そのまま5秒ほどキープ
  4. 10回行ったら反対の足も行う

※上記を3セット繰り返す

医師男性

太ももや膝周辺の筋力が鍛えられるので、膝への負担を軽減できます。

この運動は膝に負荷がかかりづらいため、体重が重い人にもおすすめです。

痛みが続くときは病院へ

医師男性
数日間にわたって痛みが引かない」場合は、早めに医療機関で受診しましょう。

痛みがある状態を放置し続けると、「膝の腫れ」や「変形」を起こすことがあります。
悪化すると、薬やリハビリでは治療が難しくなり、手術が必要となるケースもあります。

何科で相談すればいい?

医師男性
整形外科」に相談しましょう。

病院では、膝の触診・視診・レントゲンなどで診断します。

治療は、症状や膝の状態に応じて、運動指導・リハビリ・薬物治療・手術などが行われます。

整形外科を探す

【要注意】こんな膝痛は病気のサイン!

医師男性
20代で「階段の上り下りで膝が痛い」場合、下記の病気が原因となっている可能性もあります。

病名

症状の特徴

① 変形性膝関節症

  • 運動の始めに痛みを感じる

➁ ジャンパー膝
 (膝蓋腱炎)

  • 膝の曲げ伸ばし・圧迫で痛みが出る

③ 半月板損傷

  • 急激な痛み
  • 膝を動かせない方向がある
  • 膝の曲げ伸ばしが困難

病気① 変形性膝関節症

医師男性

膝の軟骨がすり減って骨や関節に負担がかかり、変形を起こしている状態です。

骨同士が擦れるため、痛みが生じます。

歩き始め・運動し始めに痛みを感じますが、しばらくすると痛みが落ち着くという特徴があります。

そのほか、

  • 膝が動かしにくい
  • こわばる
  • 重い
  • 鈍い痛み

などの症状が現れることがあり、悪化すると安静時でも痛むようになります。

高齢者の女性に多い病気ですが、若い人でも、「肥満」「急激な体重増加」「筋肉が少ない」などの原因で、発症することがあります。

変形性膝関節症かも…病院に行くべき?

医師男性
早めに「整形外科」で受診してください。

変形性膝関節症は放置していても、自然には治りません。

医師に診てもらいましょう。

整形外科を探す

病気② ジャンパー膝(膝蓋腱炎)

医師男性

膝を支えている「腱」が傷んでいる状態です。

腱に炎症を起こしているので、膝に負担がかかると痛みます。

「膝の曲げ伸ばし」「圧迫」で痛みが出るのが特徴です。
スポーツなどでジャンプを頻繁にする人は、腱に負担がかかりやすいため、発症リスクが高まります。

ジャンパー膝かも…病院に行くべき?

医師男性

痛みを感じてすぐに安静にしていれば、自然と治癒します。

ただし、痛みが長引く場合は、「整形外科」を受診しましょう。

膝への負担を減らすために、痛みが引くまではスポーツを控えましょう。

整形外科を探す

病気③ 半月板損傷

医師男性

膝を安定させる「半月板」という軟骨が傷つき、痛みを発症している状態です。

膝の曲げ伸ばしが困難になり、足を動かせない場合もあります。

「激しいスポーツをしている人」や「体重が重くて膝に水が溜まっている人」に発症しやすいです。

半月板損傷かも…病院に行くべき?

医師男性

放置せずに医療機関で治療を受けましょう。

「整形外科」で受診してください。

半月板はもともと血流が少ない部分なので、放置していても自然に治癒しにくいです。

しっかり治療を受けないと、膝の変形などを起こす可能性があります。

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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。

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