なぜ?「人に会いたくない・無気力状態が続く」原因。うつ病のサインかも

更新日:2024-03-06 | 公開日:2022-02-17
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なぜ?「人に会いたくない・無気力状態が続く」原因。うつ病のサインかも

「人に会いたくない…」
「無気力な状態が続くのは、心の病気せい?」

うつ病で生じる症状を、お医者さんが詳しく解説します。
当てはまるものがないかチェックしてみましょう。

「心の調子を整える対処法」もご紹介します。

監修者
経歴

福島県立医科大学卒業

「働く人を支える」薬に依存しない医療を展開する「BESLI CLINIC」を2014年に協同創設、2030年を基準に医療現場から社会を支える医療経営を実践しています。

産業医視点からビジネスマン・ビジネスウーマンを支えております。生薬ベースの漢方内科での経験を活かし、腹診を含めた四診から和漢・井穴刺絡などの東洋医学を扱い、ホルモン、生活習慣をベースに身体から心にアプローチする診療を担当。米国マウントサイナイ大学病院へ留学、ハーバード大学TMSコースを修了。TMSをクリニックへ導入、日本人に合わせたTMSの技術指導、統括を行っています。

人に会いたくない・無気力状態が続くのは「うつ病」のサインかも

医師女性
“人に会いたくない・無気力状態が続く”という症状がでる代表的な病気として「うつ病」が考えられます。

うつ病とは、気持ちがひどく落ち込んだ状態になる病気です。
日々の生活の中で一時的に感じる気持ちの沈みとは異なり、ほぼ毎日ずっと憂うつな気持ちが続きます。
また、喜びや楽しみを感じられないため、何かに興味や関心を持ったりすることもありません。

うつ病の発症メカニズムは正確にはよくわかっていませんが、「感情や意欲を司る脳の働き」に何らかの不調が生じている状態だと考えられています。

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うつ病とは、どのような病気なのかを分かりやすくまとめました。 うつ病の主な症状も紹介するので、「うつ病かも…」と思う人は心当たりがないかチェックしましょう。 うつ病って、どんな病気? うつ病とは、心身のストレスによって、脳がうまく働かなくなっている状態です。 「一日中気分が落ち込む」「何をしても楽しめない」といった精神症状とともに、不眠・動悸・倦怠感などの体の不調があらわれます。 うつ病の「身体面の症状」と「心の症状」 身体面にあらわれる症状 食欲が低下する(または急に食欲が増える) 食べ物を美味しいと感じない 体重が減る(または増える) 寝付きが悪い 眠りが浅い・夜中に目が覚めてしまう 眠り過ぎてしまう 体がだるい・疲れがとれない 頭が重い感じがする 疲れやすい 首・肩・腰が凝りやすい 動悸がする 胃やお腹に不快感がある めまいがする 口が渇く感じがある 便秘が続く 下痢が続く 月経不順がある 性欲がなくなる 勃起しにくくなる 精神面にあらわれる症状 気分が落ち込む日が続く 何に対しても悲観的である 何に対しても興味を持てない 喜ぶ・楽しむことができなくなる 今まで楽しいと思っていたことが、楽しめなくなる やる気が出ない 口数が減る 見た目や服装などを気にしなくなる 集中できなくなる・ミスが増える 落ち着きがなくなる イライラしやすい 不安感がある 涙もろくなる 自分を責めてしまう お酒を飲む量が増える   うつ病の原因 うつ病が発症する原因ははっきりと分かっていません。 近年の研究では、過度のストレスで脳の一部の「神経細胞」の形状が変化し、その結果、考え方や感情に歪みが生じるのではないかと指摘されています。 発症しやすいのはどんな人? うつ病は女性に多く見られます。これは妊娠、出産、更年期といったライフステージで、多くのストレスを抱えやすいからだと考えられています。 また、親族の中にうつ病を発症した人がいると、発症リスクが上昇する傾向があります。 その他、 真面目な人 几帳面な人 努力家で目標が高い人 何事も全力投球で手を抜かない人 自責の念が強い完璧主義な人 気遣いができる人 は発症リスクが高い傾向があります。 うつ病のキッカケとなる出来事   精神的・身体的ストレス 悲しい出来事、つらい体験 人生の転機(引っ越し、就職、進学、結婚等) 病気の治療薬の副作用 など うつ病かも…と思ったら 症状に心当たりがあるときは、一度病院で相談するようにしましょう。 うつ病を放置すると、自分を責める気持ちが強くなり、自殺願望を抱いてしまうケースもあります 病院は何科? 精神的な症状が強い → 精神科 体の不調を伴う → 心療内科 ※両方の診療を行っている医院・クリニックもあります。 精神科・心療内科は、患者さんが気持ちを楽に保てるようにサポートしてくれる診療科です。 心身の不調に詳しい医師・スタッフが対応してくれるので、リラックスして受診してください。 精神科・心療内科の受診に気が進まない方は、まずは「内科」を受診して体に不調がないかを確認してもらうのもよいでしょう。 精神科を探す 心療内科を探す 内科を探す 病院で「うつ病」と診断される基準は? 病院で「うつ病」の診断を行う際は、以下の基準を用いることが多いです。 ▼以下の症状のうち、少なくとも1つある。   抑うつ気分 興味または喜びの喪失 ▼以下の症状をあわせて、合計で5つ以上該当する。   食欲の減退あるいは増加、体重の減少あるいは増加 不眠あるいは睡眠過多 精神運動性の焦燥または制止(じっとしていられない・話し方や動作が遅い等) 疲労感または気力の減退 無価値感または過剰な罪責感(自分は価値のない人間だと感じる・自分の言動に対して過度に罪悪感を覚える等) 思考力や集中力の減退または決断困難 死についての反芻思考・自殺念慮・自殺企図             上記の症状がほとんど1日中、ほぼ毎日ある状態が2週間以上続いていて、他の病気や薬物、アルコールなどの影響では説明できない場合に、「うつ病」と診断されます。 うつ病の治療法 医療機関では、 薬物療法 カウンセリング 認知行動療法※ 生活指導 などによって、症状の改善を図ります。 薬物療法では、気分の落ち込みをよくする薬や、睡眠薬などを使用します。 ※認知行動療法…医師やカウンセラーと面談する中で、自分の考え方や物事の捉え方の癖に気付き、修正していく治療法。 うつ病が治るまでの期間は? 症状が治まるまでの治療期間は、「発症から受診までの期間と同じくらい」と考えられています。 精神科を探す 心療内科を探す ※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。

うつ病の症状セルフチェック

医師女性
うつ病で生じる「心の症状」「体の症状」を紹介します。
当てはまる症状がないかチェックしてみましょう。

▼心の症状

  • 抑うつ気分
  • 不安感
  • 消えてしまいたいと思う
  • 喜びや興味の喪失
  • 無気力、何事も億劫に感じる
  • 集中力低下
  • 涙もろくなる

▼体の症状

  • 動悸、息切れ
  • 口が渇きやすい
  • 体が重い
  • 倦怠感、疲労感
  • 睡眠障害
  • 食欲低下
  • 頭痛
  • 首、肩のコリ
  • のどが詰まる
  • 便秘、下痢
  • 胃の不快感

うつ病の人が「生活で感じること」

  •  一日中ずっと無気力でつらい
  • 夜眠れず早朝に目が覚める
  • 寝ても眠気が取れず、寝たきりになってしまう
  • 常に体がだるくてすぐに疲れる
  • 食事の味がしない
  • 息が詰まり、胸が苦しくなる
  • 何をしても楽しいと感じない、興味が持てない
  • 自分が何かの役に立てるとは思えない
医師女性
生活で上記の状況が続いている場合、うつ病が疑われます

なぜ私が?うつ病になってしまう原因

医師女性

発症のきっかけには、

  • 精神的・身体的ストレス
  • 悲しい出来事、つらい体験
  • 人生の転機(引っ越し、就職、進学、結婚等)
  • 病気の治療薬の副作用

などが挙げられます。

うつ病が発症する原因ははっきりと分かっていません。
近年の研究では、過度のストレスで脳の一部の「神経細胞」の形状が変化し、その結果、考え方や感情に歪みが生じるのではないかと指摘されています。

また、親族の中にうつ病を発症した人がいると、発症リスクが上昇する傾向があります。
そのため、遺伝的要因も一部関係していると考えられています。

うつ病を「発症しやすい人」

医師女性
うつ病は女性に多く見られます
これは妊娠、出産、更年期といったライフステージで、多くのストレスを抱えやすいからだと考えられています。

また、

  • 真面目な人
  • 几帳面な人
  • 努力家で目標が高い人
  • 何事も全力投球で手を抜かない人
  • 自責の念が強い完璧主義な人
  • 気遣いができる人

は発症リスクが高い傾向があります。

うつ病って治るの?

医師女性
ストレスを遠ざけて適切な処置をとれば、うつ病は快方に向かいます。
ただし再発することも多いため、無理に治そうとするのではなく、病気と上手に付き合っていくことが大切になります。

比較的症状が軽い場合には、「十分な休養をとる」等のセルフケアで快方に向かうこともあります。
また、病院を受診すると「薬物療法」「カウンセリング」などの治療で、症状の改善を図ってもらえます。

あなた自身が「今、できること」

ストレッチ

医師女性
  1. 十分に休養をとる
  2. 軽い運動を習慣づける
  3. 規則正しい生活を送る
  4. 自身の「性格」「考え方の癖」を把握する
  5. 悩みを周囲の人に相談する

上記の5つを実践すると、うつ病の症状改善が期待できます。

対処法1. 十分に休養をとる

医師女性
うつ病は心がひどく疲れてしまっている状態です。
精神的・身体的ストレスから解放される環境で過ごし、心と体を休ませることで症状の悪化予防が期待できます。

また、仕事や家事で無理をしないことも大切です。
職場変更する、ご家族と家事を分担するなど、過ごしやすい環境を少しずつ整えていきましょう。

対処法2. 軽い運動を習慣づける

医師女性
  • ウォーキング(散歩)
  • ストレッチ

などの有酸素運動を毎日継続して行うと、症状の軽減が期待できます。

対処法3. 規則正しい生活を送る

医師女性
毎日決まった時間に眠りにつき、決まった時間に起きるようにしましょう。
また、栄養バランスのよい食事を1日3食しっかり摂るようにしてください。

規則正しい生活が、健康な体と心を取り戻す近道になります。

対処法4. 自身の「性格」や「考え方の癖」を把握する

医師女性
ご自身の「性格」や「考え方の癖」について、思うがまま文字に起こしてみましょう。
負の感情を生まれる理由を客観的に把握することで、少しずつ心の調節が上手くなっていきます。

対処法5. 一人で悩まない

医師女性
心を健康に保つには、悩みを一人で抱え込まないことが大切です。
不安や心配事があるときは、家族、友人、主治医等、身近な人に相談してください。

一人では解決できない問題も、周囲の人に相談にのってもらうと解決へのヒントがつかめたり、気持ちが楽になったりする場合があります。

精神科で受診する目安

女性医師

医師女性
  • 無気力な状態が2週間以上続いている
  • 「ベッドから起き上がれない」など、日常生活に支障が出ている

といった場合は早めに病院を受診してください。

放置して症状が進行すると、つらい気持ちがどんどん膨らみ、「消えてなくなりたい」という感情が強くなる恐れもあります。

うつ病は何科で相談すればいい?

医師女性
うつ病を疑うときは、精神科で受診してください。

※精神科は予約制のケースが多いため、事前に予約が必要か確認しておきましょう。

お医者さんに伝えるポイント

  • 症状が出現した時期やタイミング
  • 出現している症状
  • 何に困っているか
  • ご家族に同じ症状の人はいるか

などを説明できると診察がスムーズに進みやすいです。

自分の状態をしっかり伝えられるよう、日々の心や体の状態を書き留めて持参することをおすすめします。

精神科を探す

うつ病の治療法

医師女性

医療機関で行われる

  1. 薬物療法
  2. 精神療法
  3. TMS治療(磁気治療)

などの治療法で、うつ病の症状改善が期待できます。

その① 薬物療法

医師女性
うつ病の場合、抗うつ薬、抗不安薬を用いるケースが多いです。
また、うつ病に体の不調を伴う場合は、その症状に合う薬剤で治療が行われます。

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)などの薬を使用することが多いです。

医師の指示通りに薬を服用しよう

薬物治療は、十分な期間服用することで症状の改善が期待できる治療法です。
自己判断で中断すると、症状改善が遅れたり、慢性化したりする恐れがあります。

薬が処方されたら、医師の指示をきちんと守って服用しましょう。

その② 精神療法

医師女性
カウンセリングを通し、考え方や性格の癖を把握していく治療法です。
うつ病を発症する原因となるストレス等を振り返り、その対処法を学習します。

心身ともに調子のよい状態をキープできるようになると、うつ病の再発の予防につながります。

その③ TMS治療(磁気治療)

医師女性
磁気で脳細胞を直接刺激し、脳の血流やネットワークを調整する治療法です。

“第三のうつ病治療”と呼ばれる新しい治療法で、薬よりも効果があると考えられています。
副作用が少ないため、女性や若年の患者さんにおすすめです。

うつ病の治療は「焦らないこと」と「周囲のサポート」が大切

うつ病は、心と体をしっかり休めて、根気よく治療を続けることで症状の改善が期待できます。
会社や学校が気になって焦ることもあると思いますが、その気持ちを抑えてゆっくり少しずつ治療を進めるようにしてください。

また、うつ病の改善には周囲の方々の支えが非常に重要です。
周囲の方は、患者さんと適度な距離感を保って見守るようにしましょう。構い過ぎず、無視せず、いざという時には相談にのってあげてください。

精神科を探す

※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。

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