2022-05-30
「なんだか肝臓が弱っている気がする…」
「原因は…一体何?」
肝臓の機能が低下する原因を、お医者さんに聞いてみました。
肝臓からくる体調不良がある場合、「アルコール性肝炎」や「肝硬変」などの重い病気が疑われます。
悪化すると命に関わるケースもあるため、放置は禁物です。
肝臓が機能低下する5つの原因
最近なかなか疲れが抜けず、肝臓が弱っている気が…。
肝臓の機能が低下する原因って何でしょうか?
「肝臓の機能が低下する原因」として
アルコールの過剰摂取
肝炎ウイルスの感染
薬剤
脂肪肝(肥満)
などが考えられます。
なお、肝臓の不調を感じるときは要注意です。
肝臓は“沈黙の臓器”と呼ばれており、機能が少し低下する程度では自覚症状はありません。
倦怠感・体のかゆみ・腹部の圧迫感・黄疸等の症状があらわれている場合、肝臓病がかなり進行した段階だと考えられます。
原因① アルコールの過剰摂取
1日にビール大瓶3本・日本酒3合以上摂取している人は、アルコールの過剰摂取です。
過度の飲酒が長期にわたると、アルコールの分解で負担がかかり、肝臓の機能が低下してしまいます。
この状態が続くと、「アルコール性肝炎」を発症したり、「肝硬変」へと症状が進行したりするリスクがあります。
特に肝硬変は「肝臓がん」を発症しやすくなる等、命に関わる恐れがある病気です。
原因② 肝炎ウイルスの感染
肝炎の種類
発症のキッカケ
A型肝炎
海外渡航時に生水・生ものを摂取した
B型肝炎
母子感染
性交渉による感染
C型肝炎
ウイルスに汚染された血液の輸血血液製剤の使用
注射器の使い回し等
E型肝炎
豚・イノシシのレバーの生食
肝臓が「肝炎ウイルス」に感染してしまうことで、肝機能障害を引き起こすと考えられています。
この状態を放置すると「慢性肝炎」に移行して重症化する、「肝硬変」や「肝細胞がん」を発症するといったリスクが高まります。
原因③ 薬の副作用
「解熱消炎鎮痛剤」をたくさん飲んだ
自己流で漢方薬を服用している
複数の薬を一緒に飲んだ
といった影響によって薬の副作用が出ると、“薬物性肝障害”を発症するリスクがあります。
薬には肝臓で代謝されるものがあり、誤った服用を続けると肝機能が低下しやすくなります。
上記に挙げた薬以外でも起こる可能性があるため、自己判断での薬の服用には注意しましょう。
原因④ 脂肪肝(肥満)
脂肪肝になりやすい人
肥満傾向
糖尿病・高血圧・脂質異常症を患っている
つい食べ過ぎてしまう
運動不足
お酒をよく飲む
脂肪肝とは、肝臓に脂肪が溜まっている状態を指します。
肝機能の低下の原因となり、悪化すると肝炎を招くことがあります。
重症化すると、肝臓がんを発症するリスクもあると考えられています。
肝機能を回復させたい!
症状・原因によって異なるため、セルフケアだけで肝機能を回復させられるとは限りません。
ただし、運動・食事の習慣を見直すことで、肝機能の悪化を防ぐ効果は期待できます。
肝機能の低下が気になるときは、
1日3食、よく噛んでゆっくり食べる
栄養バランスのよい食事を摂る
休肝日をつくる
30分程度の有酸素運動をする
といった生活習慣を意識しましょう。
対処法① 1日3食、よく噛んでゆっくり食べる
食事をよく噛んでゆっくり食べると、過食による肝臓への負担を抑えられます。
1日3食、毎日決まった時間に規則正しく食事を摂るようにしてください。
朝食を抜くと、昼食や夜食の食事量が増える傾向になり、肝臓に負担をかけてしまいます。
また、肝臓は脂肪を溜める作用があるため、高脂肪な食品にも気をつけたいです。
対処法② 栄養バランスのよい食事を意識する
栄養素
食材の例
タンパク質
肉類/魚介類/卵/乳製品/大豆製品
ビタミン
卵/肉類(レバー)/魚介類/バナナ/ブロッコリー
ミネラル
ブロッコリー/にんじん/乳製品/レバー/にぼし
食物繊維
玄米/麦めし/とうもろこし/豆類/芋類/キャベツ/白菜
食事からしっかりと栄養を摂りましょう。
特にタンパク質・ビタミン・ミネラル・食物繊維を意識して取り入れるようにしてください。
タンパク質は、しっかり摂ることで健康的な肝臓を維持できます。
また、ビタミン・ミネラルは、アルコールや栄養素の代謝を助け、食物繊維は糖質や脂質の吸収を抑えたり、食べ過ぎの予防になります。
対処法③ 休肝日をつくる
アルコールを摂取しない日を、週に2日以上設けましょう。
「2~3日お酒を飲む日が続いたら、翌日は控える」という間隔で休肝日を作りましょう。
肝臓を休めると、肝臓や消化器系の臓器の修復や脂肪の代謝改善等が期待できます。
※週5日間連続でアルコールを摂取して、2日休むという間隔はおすすめしません。
対処法④ 30分程度の有酸素運動をする
おすすめの有酸素運動
ウォーキング
ストレッチ
ヨガ
ジョギング
サイクリング
上記のような運動を週に3~5回(毎日でも可)、1回30分程度目安に取り組むようにしてください。
有酸素運動により、肝臓に蓄積された脂肪の減少につながります。
筋肉にはアンモニアの代謝により、肝機能の作用を補完する働きがあるため、運動により筋力アップすることは有効と考えられます。
肝臓の不調を感じるときは、迷わず病院へ!
肝臓の不調を疑っている方で、
全身の倦怠
食欲不振
かいても治まらない「かゆみ」
むくみ
微熱
等の症状が出現している場合は、病院の受診をおすすめします。
肝臓疾患の場合、自覚症状がないまま症状が進行していくことが多いです。
倦怠感などの症状が出ているときは、重症化していたというケースが多々あります。
放置すると症状が悪化して「肝硬変」や「肝臓がん」等、命に関わる病気を発症するリスクが高まります。
また、肝機能の低下で解毒作用が十分行われなくなると、有害物質が体の中に蓄積され、脳にまで悪影響を与える恐れがあります。
「肝臓が悪くなっているかもしれない…」と思うときは、早めに医師の診察を受けましょう。
「肝臓の機能低下」は、何科で相談すればいい?
肝臓からくる不調がある場合は、消化器内科で受診しましょう。
病院では原因を調べるために、血液検査・CT検査・MRI検査・腹部超音波検査等が行われます。
原因に合わせて、食事や生活習慣の改善指導・薬物療法・手術療法等の治療が検討されます。
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▼参考
保健指導リソースガイド
肥満やメタボは「脂肪肝」の危険因子 見逃されやすい「NAFLD/NASH」に対策
新井病院 肝臓病(肝機能障害・肝炎など)について
ハウス食品 肝機能のことを考えた食事とは?肝臓の数値が気になる方に
全国健康保険協会 肝臓をいたわる食事!
常陸大宮市 肝機能を高める生活の工夫
千葉県
健康診断で「肝機能に異常がある」と言われたのですが、どのような食事(食習慣)および生活習慣にすればよいですか。
のなか内科 肝機能障害(肝機能異常) / 消化器系疾患
公益社団法人松阪地区医師会 松阪市健診センター 血液一般検査
嶋田病院 病状 - 肝機能障害
健診会 東京メディカルクリニック 健康診断における肝機能の数値の異常と肝機能障害
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