「頭と歯が痛い…」
「片頭痛と歯痛は関係ある?」
片頭痛による歯痛について、歯医者さんに聞いてみました。
痛みが生じるしくみや、影響のある生活習慣なども解説します。
何科を受診すべきかもチェックしましょう。
監修者
経歴
歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。
片頭痛で「歯も痛くなる」しくみ
片頭痛を引き起こす「三叉神経」は、顔面の痛みを感じる神経と交わっています。
そのため、片頭痛に伴って歯に痛みが生じることもあります。
また、三叉神経は上顎や下顎、こめかみ付近を通るため、片頭痛によって三叉神経が過敏になることでも、歯の痛みが生じやすいです。
片頭痛が起こるしくみ
片頭痛は、脳血管に一時的に炎症(拡張)が起きて、三叉神経が刺激されることで生じます。
ストレスや疲労、ホルモンバランスが関係しているとも考えられています。
片頭痛による歯痛の特徴
- 片頭痛が起きている間だけ痛む
- 急な痛みが数時間続き、治まる
- 上の奥歯、上下の犬歯が痛む
- ズキズキとした痛み
片頭痛による歯痛には、上記の特徴が挙げられます。
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2023-02-28
片頭痛ってどんな痛み?
セルフケアで対処できる?
片頭痛について、分かりやすくまとめました。
効果的な市販薬や病院に行く目安なども紹介するので、片頭痛を治したい人は必読です。
片頭痛とは
片頭痛は、20~50歳代の若い方、特に女性に多くみられる病気です。
病名に「片」が入っているため、頭の片側のみが痛くなる病気だと勘違いされることがありますが、両側に痛みが生じるケースもあります。
日本で片頭痛がある人は、10~20人に1人といわれています。
片頭痛の症状をチェック
月に1~2回程度の頻度で発生する
「ズキンズキン」と脈打つような痛みや「ガンガン」と響くような痛みがこめかみや目の奥に生じる
痛みが4時間~72時間(3日間)ほど続く
痛みがひどいと「吐き気」「光や音に敏感になる」などの症状が出現する
痛みが始まる2~3時間ほど前に、生あくび・イライラ感・眠気・むくみ・空腹感などがある
痛みが起こる15~30分ほど前に、視野の一部がキラキラと輝くような症状(閃輝暗点)や、手足のしびれ・麻痺が出現する
上記に該当する人は、片頭痛の疑いがあると考えられます。
片頭痛の原因
ストレス
水分不足
寝すぎ・寝不足などの生活リズムの乱れ
飲酒習慣
月経などの女性ホルモンの影響
気候や気圧の変化
片頭痛が起こる仕組み
片頭痛の詳しいしくみは明らかになっていませんが、脳の血管を取り巻いている「三叉神経」の炎症が影響していると考えられています。
性格・生活習慣・環境・遺伝・女性ホルモンなど、さまざまな要因で片頭痛があらわれるといわれています。
片頭痛が起こるきっかけ
天気・気圧・温度・湿度の変化
周囲の環境(大きい音・強い光・強い匂いなど)
運動
喫煙
出産・月経・更年期(ホルモンバランスの変化)
片頭痛になりやすい人
神経質・完璧主義・努力家
ストレスがたまっている
疲労がたまっている
肩こりがある
睡眠不足・寝過ぎ
親族に片頭痛持ちの人がいる(遺伝的要因)
20~40代の女性
片頭痛になりやすい人は「脳のセンサーが敏感」なせいで、脳が過剰に機能して頭痛等が生じやすくなるとの指摘があります。
片頭痛が起きたときの対処法
片頭痛がつらいときは、
目をつぶる
仮眠をとる
静かな場所でゆっくりする
などの対処をしましょう。
椅子に座ったままでも構わないので、目をつぶったり眠ったりしましょう。
仮眠をとることで、すっきりと痛みがおさまることもあります。
また、片頭痛があるときは、音や光に敏感になりやすいです。薄暗い静かな場所で休むようにしましょう。
痛みを抑えるための応急処置
痛みを感じる部分に保冷剤や冷却シートなどを当てて、冷やすとよいでしょう。
血管の拡張を抑えることで、片頭痛が緩和することがあります。
片頭痛に使える市販薬は?
以下の成分が配合されたものを選ぶといいでしょう。
ロキソプロフェン
アセトアミノフェン
アスピリン
イブプロフェン
市販の鎮痛剤を使うことで、痛みの緩和が期待できます。
ロキソプロフェン
ロキソニンS
エキセドリンLOX など
アセトアミノフェン
タイレノールA など
アスピリン
バファリンA
バファリンライト など
イブプロフェン
ナロンメディカル など
市販薬の上手な飲み方
鎮痛剤は、痛みが軽いうちに飲むか、痛みが起きてから1時間以内に飲むとよいでしょう。
我慢できないほどの痛みがある場合や、「これから片頭痛が起きそう」という予兆症状があらわれたときに飲むと、痛みを十分におさえられない可能性があります。
市販薬を飲む上での注意点
痛み止めの使用頻度は、月に10日程度におさえるようにしてください。
なお、1日に複数回痛み止めを使用した場合も、「1日」と数えます。
痛み止めを頻繁に使うと、脳が痛みに敏感になり、頭痛の回数が増えて、薬が効きにくくなる恐れがあります。この症状は「薬物乱用頭痛」と呼ばれています。
薬物乱用頭痛になると、毎日のように頭痛があらわれることもあります。
片頭痛で病院に行く目安
片頭痛が4~5日間程度続いている場合は、一度病院で相談しましょう。
特に、以下に当てはまる場合は、病院で診察を受けることをおすすめします。
50歳を過ぎてから、初めて頭痛が起きた
頭痛の頻度や症状が悪化している
発熱している
首のこわばりがある
病院は何科?
病院は、「内科」または「脳神経外科」で相談するとよいでしょう。
まずは「かかりつけ医」に相談して、適切な診療科を紹介してもらうという方法もあります。
内科を探す
脳神経外科を探す
医師にどんなこと伝えるといいか
頭痛が起きるタイミング・頻度・時間
どのあたりがどう痛むのか
頭痛以外の症状
頭痛が起きるきっかけ
最初に発症したタイミング
これまでの頭痛との違い
常用している薬
過去に患った病気・現在治療中の病気
家族に頭痛持ちの人がいるか
最近、頭にケガをしたかどうか
片頭痛の治療法
片頭痛の治療は薬物療法が基本です。
鎮痛剤の処方を行いますが、吐き気が強く出ていて薬が飲めない場合は、点鼻薬や皮下注射などを用いることもあります。
また、頭痛の回数が多く、その都度の対処が難しい人には、予防薬(院内処方)が処方されるケースもあります。
診察時には、「片頭痛以外の病気の可能性はないか」「他に併発している症状はないか」なども診て、総合的に診断を行います。
薬の処方後は、薬の量はあっているか、頭痛が良くなっているか、薬を変える必要があるかなどを医師が確認します。
片頭痛が治れば歯痛もなくなる?
片頭痛が治れば、歯の痛みもなくなるケースが多いです。
片頭痛を引き起こす「脳血管の一時的な炎症」が治まると、三叉神経への刺激もなくなり、歯の痛みも消失すると考えられます。
「神経の影響」ってなんか心配…「私、大丈夫?」
「神経の影響」と聞くと不安に思いますが、頭痛や歯痛を起こす「三叉神経」はストレスなどの影響を受けやすく、過度に心配しなくとも大丈夫なケースも多いです。
また、片頭痛と歯痛は一見関係ないと思われがちですが、神経が交わっているため、同時に発生することも多くあります。
ストレス以外にもこんなことが影響する!
- 寝不足
- 女性ホルモンの変動
- 空腹
- チョコレートやワインの摂取
などは、三叉神経を刺激する血管を拡張させ、片頭痛と歯の痛みをもたらすことがあります。
歯の痛みを和らげる方法
歯の痛みがつらいときは、
- 痛い部分を冷やす
- 歯の痛みに効くツボを押す
- 市販の鎮痛薬を飲む
などの応急処置を行うことで、痛みの緩和が期待できます。
方法① 痛い部分を冷やす
タオルで包んだ保冷剤や濡れタオルを頬の上から当てて、軽く冷やしましょう。
痛みの緩和が期待できます。
※冷やし過ぎは、逆に刺激になるため注意しましょう。
方法② 歯の痛みに効くツボを押す
▼歯痛点
手の平側の中指と薬指の「付け根部分」にあるツボです。
指で挟みながら、左右交互に揉みほぐしましょう。
▼合谷
手の親指と人差し指の間の、「指の分かれ目部分」にあるツボです。
左右の両方のツボを押して、痛みが強い方のツボを気持ちがいい強さで押しましょう。
方法③ 市販の鎮痛薬を飲む
一時的な歯痛の緩和には、ロキソプロフェン・アセトアミノフェン・イブプロフェンを含む市販の鎮痛剤も有効と考えられます。
購入時に薬剤師さんに症状を伝え、適したタイプを選びましょう。
◆歯痛があるときに「飲んでもよい市販薬の例」
- ロキソニンS(第一三共ヘルスケア)
- バファリン(ライオン株式会社)
- イブA錠EX(エスエス製薬)
◆市販薬を服用する際の注意点
薬剤に対するアレルギーの有無、使用上の注意等を把握したうえで服用してください。
また、空腹状態での服用は避けるようにしてください(薬は水やぬるま湯で服用する)。
※市販薬の服用で症状が改善されない場合は、使用を中止して病院を受診してください。
こんな習慣を心がけよう
- 十分な睡眠時間を確保する
- ストレスを溜め込まない
- カフェインを過剰摂取しない
- 空腹状態のままで過ごさない
- パソコンやスマホを長時間使用しない
- 激しい運動を長時間行わない
- 片頭痛を誘発する食品の摂取を控える(チョコレート、赤ワイン等)
上記の習慣を心がけることで、片頭痛とそれに伴う歯痛の抑制につながると考えられます。
ケース1. 奥歯から耳にかけて痛い
奥歯から耳にかけての痛みも、片頭痛に伴ってあらわれる症状の一つと考えられます。
この場合の痛みは、片頭痛と一緒に消失するケースが多いです。
自分でできる対処法はある?
- 痛む部分を頬の上から軽く冷やす
- 歯痛に効くツボを押す(歯痛点・合谷)
などの対処を行うことで、痛みの緩和が期待できます。
また、片頭痛が改善されれば歯痛も起こりません。
ストレスや疲労を溜めないなど、片頭痛を予防する習慣を心がけましょう。
ケース2. 頭痛・歯痛に加えて「肩こり」がある
あご関節や歯の噛み合わせに問題があることで、頭痛、歯痛に加えて肩こりが生じている状態と考えられます。
こめかみから側頭部にかけては噛むための大きな筋肉、側頭筋が広がっています。 この筋肉が緊張すると三叉神経が圧迫され、頭痛を生じます。
自分でできる対処法はある?
- 同じ側の歯だけを使って食事をしない
- 歯ぎしり、食いしばりを意識して止める
などの対処法があげられます。
なお、この場合はセルフケアのみでの改善は困難なため、歯医者で相談するようにしましょう。
歯医者では、歯の噛み合わせの調整や、矯正治療が検討されることが多いです。
歯医者を探す
痛みがつらいときは「何科に行けばいい?」
まずは、片頭痛の治療ができる「脳神経内科」や「脳神経外科」で受診しましょう。
その後、医師からの指示があれば歯医者も受診する場合があります。
片頭痛は「頭痛外来」でも受診が可能です。
脳神経内科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
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2019-10-28
医師から処方された片頭痛の薬が効かない時、薬を追加して飲んで良いのか、それとも他の薬を併用すべきか悩んだことはありませんか。
実は、医療用の片頭痛治療薬は飲むタイミングがほんの少しずれるだけで、効き目が変わってきます。また、市販の痛み止めと併用することも可能ですが、乱用するとかえって頭痛が誘発されたり、薬を飲んでも頭痛が治まりにくくなったりします。
今回は、まず片頭痛の仕組みや片頭痛の要因などを解説し、片頭痛薬の上手な使い方、市販の薬を片頭痛薬として使う場合の注意、また片頭痛をやわらげる予防薬、片頭痛に効果が期待できる市販薬などを紹介します。
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1.片頭痛とは
片頭痛は、20~50歳代の若い方、特に女性に多くみられる病気です。病名に「片」とつくため、頭の片側のみが痛くなる病気だと思われがちですが、両側に痛みが生じることもあります。日本では、10~20人に1人が片頭痛であるといわれています。
1-1. 片頭痛の症状
片頭痛の発生頻度は、月に1~2回程度といわれています。
症状としては、「ズキンズキン」と脈打つような痛みや「ガンガン」と響くような痛みが、こめかみや目の奥に生じることが多いです。4時間~72時間(3日間)ほど痛みが続き、寝込んでしまう方もいます。また、痛みがひどいと吐き気を感じたり、光や音に敏感になったりすることもあります。
なお、片頭痛の方のうち2~3割程度の方には、
・痛みが始まる2~3時間ほど前に生あくびやイライラ感、眠気、むくみ、空腹感などがある
・痛みが起こる15~30分ほど前に「閃輝暗点」と呼ばれる視野の一部がキラキラと輝くような症状があらわれたり、手足のしびれや麻痺が生じたりする
などといった予兆症状があるとされています。
1-2. 片頭痛が起きる仕組み
片頭痛の発生原因についてはさまざまな説がありますが、脳の神経の一つである「三叉神経」が関わっているという説が有力視されています。
三叉神経とは顔の感覚を脳に伝える神経で、おでこ・ほほ・あごの3つの方向に枝分かれしています。この三叉神経が何らかの原因で刺激されると、神経伝達物質と呼ばれる化学物質が血液中に放出されます。すると脳の血管が拡張し、周りに炎症が生じます。一方で、拡張した血管が近くにある三叉神経を圧迫するので、動脈が脈打つたびに「ズキズキ」「ガンガン」といった痛みが生じます。
ちなみに片頭痛の予兆症状は、血管が拡張する前にいったん収縮が生じ、その収縮によって血流が悪くなるために起こるといわれています。
1-3. どのようなことがきっかけで片頭痛が起きるのか
片頭痛を引き起こす要因には、さまざまなものがあります。
女性の場合、月経の始まる数日前から片頭痛が起きるという方も少なくありません。そのほかの誘因としては、「睡眠不足」「寝すぎ」「気候の変化(梅雨時・低気圧の時など)」「特定の食べ物の摂取(チョコレート・ワイン・チーズなど)」「空腹など血糖値の低下」などがあります。また「車や人の流れ」「強い光」「騒音」「タバコや香水のニオイ」「ストレスからの解放」などがきっかけとなることもあります。
2.片頭痛に効果がある薬剤
偏頭痛の治療薬には、「片頭痛専用の痛み止め」「通常の痛み止め」「偏頭痛を予防する薬剤」の3種類があります。
2-1. 片頭痛専用の痛み止め
片頭痛専用の痛み止めは、「トリプタン系薬剤」と呼ばれます。トリプタン系薬剤は市販されていないので、服用を希望する場合には医療機関を受診しましょう。
トリプタン系薬剤は、脳の血管の拡張を抑制し、三叉神経から痛みを伝える物質などが放出されるのをおさえて片頭痛の症状を軽減します。通常の錠剤だけではなく、水なしで飲めるタイプのものもあります。また、点鼻タイプや注射タイプもあるので、片頭痛時に吐き気が強く飲み薬の服用が困難な方は医師に相談してみましょう。
そのほか、麦角菌というカビの一種から作られた薬剤が使われることもあります。こちらは血管を収縮させる作用のある薬剤です。こちらの薬剤も、市販されていません。
2-2. 通常の痛み止め
痛みが軽い場合は、通常の痛み止めで痛みをおさえることができます。
片頭痛に対する痛み止めとしては、ロキソプロフェンやアスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェンなど市販の痛み止めに含まれている成分もよく使われます。
2-3. 片頭痛を予防する薬剤
片頭痛の頻度が高い・片頭痛の持続時間が長い・片頭痛の症状がひどい・痛み止めの使用回数が多いといった場合には、片頭痛を予防する薬剤が医師から処方されることがあります。
予防薬の目的は、片頭痛の発生をゼロにすることではなく、発生頻度を減らすこと・持続時間を短くすること・痛みを軽くして痛み止めの使用回数を減らすことにあります。また、痛みそのものをおさえる薬ではないので、数週間以上飲み続けなければ効果があらわれないこともあります。
片頭痛予防薬が処方された場合には医師の指示通り服用し、飲み忘れないようにしましょう。
3.片頭痛薬の上手な飲み方
片頭痛の薬は、痛みがひどくなってから使用しても十分な効果が期待できません。飲むタイミングが悪いと「飲んでも全然効かない!」ということになりかねないので、飲み方のコツをしっかり理解しましょう。
3-1. 痛みが軽いうちに飲む
片頭痛専用の痛み止めは、痛みが軽いうちか、痛みが始まってから1時間以内に飲むのが効果的です。我慢できないほどの痛みがある場合や、「これから片頭痛が起きそう」という予兆症状があらわれた時に飲むと痛みを十分におさえられない可能性があります。
なお、痛みが軽い場合は、先に通常の痛み止めを飲み、数十分後に痛みが続くようならば片頭痛専用薬を飲むという方法も有効です。ただし、痛みが激しい場合や、痛みが始まってから1時間以上経ってしまうと片頭痛専用薬がうまく効かないことがあります。また、経験的に痛みが強くなりそうな場合は、痛みが始まってからすぐに通常の痛み止めと片頭痛専用薬を同時に飲んでもかまいません。
痛みが続く場合は、追加で薬を飲むことも可能です。ただし、通常の痛み止めを続けて飲む場合は、間隔を4~6時間程度あけなければなりません。また、トリプタン系薬剤を続けて飲む場合は、下表のように間隔をあける必要があります。
3-2. 痛み止めを使いすぎないようにする
片頭痛専用の痛み止めや通常の痛み止めを頻繁に使うと、脳が痛みに敏感になって頭痛の回数が増え、薬が効きにくくなってきます。これは「薬物乱用頭痛」と呼ばれる症状です。薬物乱用頭痛に陥ると、毎日のように頭痛が生じることもあります。
薬物乱用頭痛を防ぐためには、痛み止めの使用頻度を月に10日程度におさえるようにしましょう。なお、1日に複数回痛み止めを使用した場合でも、数え方は「1日」です。間違えないようにしましょう。
3-3. 月に2回以上片頭痛発作がある場合は予防薬も検討
月に2回以上、あるいは6日以上片頭痛発作がある場合は、医療機関を受診しましょう。日常生活に支障がある場合や、痛み止めの使用回数が多い場合には、予防薬の処方が検討されることもあります。
予防薬は、副作用などがなければ2~3カ月継続服用して効果を判定します。効果がみられない場合には、他の薬剤に変更することもあります。効果がある場合はしばらく服用を継続しますが、薬をやめる場合は体調変化に注意しながら少しずつ減らしていくことが多いです。自己判断で服用量を加減せず、必ず医師の指示通りに服用するようにしましょう。
なお、頭痛に関する記録をつけておくと、薬の効果判定に役立ちます。最近は、頭痛の記録ができるスマートフォンのアプリもあるので利用するとよいでしょう。
4.片頭痛に効果が期待できる市販薬
片頭痛に効果が期待できる市販薬はいくつかありますが、ここでは医療機関で処方される薬剤と有効成分が同量含まれているものをいくつか紹介します。
・ロキソプロフェンを含むもの
ロキソプロフェンは、医療用医薬品の「ロキソニン」などに含まれています。ロキソプロフェンのみを含む市販薬としては「ロキソニンS」(第一三共ヘルスケア)や「エキセドリンLOX」(ライオン)などがあります。
・アスピリンを含むもの
アスピリンは、医療用医薬品の「バファリン配合錠A330」などに含まれています。バファリン配合錠A330と有効成分の量が同じ市販薬としては「バファリンA」(ライオン)などがあります。なお、バファリンシリーズでアスピリンを含むのは「バファリンA」と「バファリンライト」のみです。
・アセトアミノフェンを含むもの
アセトアミノフェンは、医療用医薬品の「カロナール」などに含まれています。カロナール錠と有効成分の量が同じ市販薬としては「タイレノールA」があります。ちなみに、カロナール錠には200・300・500 の3種類の規格がありますが、タイレノールAにはカロナール錠300と同じ量のアセトアミノフェンが含まれています。
・イブプロフェンを含むもの
イブプロフェンは、医療用医薬品の「ブルフェン」などに含まれています。イブプロフェンのみを含む市販薬としては、「ナロンメディカル」などがあります。ブルフェン錠には100・200の2規格がありますが、ナロンメディカルにはブルフェン錠100と同じ量のイブプロフェンが含まれています。
5.おわりに
「片頭痛の薬が効かない」と感じる場合には、薬の使用タイミングを見直してみましょう。痛みが起こる前や痛みが我慢できないほどひどくなってから薬を使用するのではなく、痛みが起きてから早い段階で薬を使用すると、上手に効果を引き出すことができます。
なお、片頭痛専用の痛み止めと通常の痛み止めは併用できますが、いずれも使いすぎると「薬物乱用頭痛」を引き起こす可能性があります。片頭痛が頻繁に起きる場合や痛み止めの使用回数が多い場合には医療機関を受診し、片頭痛予防薬について相談しましょう。