片頭痛がつらいけど、病院に行くべきか迷う…。
片頭痛で病院を受診すべき目安について、お医者さんに聞いてみました。
命に関わる病気が隠れているケースもあるので、要注意の症状をチェックしましょう。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
「片頭痛」で病院に行くべき?
最近、片頭痛がひどいです。病院に行くべきか迷うのですが…受診したほうがよいでしょうか?
はい。片頭痛がひどいときは、病院に行きましょう。
そのまま放置すると、「痛みが悪化する恐れ」や、脳の興奮状態が続いて「不眠症になる恐れ」があります。
痛みがそれほど強くなく、日常生活に支障をきたしていなくても、繰り返し起こる場合には病院に行くことをおすすめします。
頭痛が起こるたびに自己流の対処を続けていると、かえって症状が悪化したり、治りにくくなったりする可能性があります。
また、片頭痛は症状の程度によって適した薬が変わることがあるため、医療機関できちんと薬を処方してもらうことをおすすめします。
片頭痛は何科?内科でもいいの?
片頭痛がある場合は、まず、
かかりつけ医に相談しましょう。
かかりつけ医がいない場合は、
などで受診することをおすすめします。
加齢・遺伝・女性ホルモンの影響・ストレス・食生活・外部からの刺激など、片頭痛を引き起こす原因はさまざまです。
かかりつけ医に相談し、適切な医療機関を紹介してもらうとよいでしょう。
なお、「頭痛外来」以外で受診する場合は、事前に電話などで「片頭痛を診てもらえるか」を確認しておくと安心です。
受診するときに医師に伝えるとよいこと
- 頭痛が起きるタイミング・頻度・時間
- どのあたりがどう痛むのか
- 頭痛以外の症状
- 頭痛が起きるきっかけ
- 最初に発症したタイミング
- これまでの頭痛との違い
- 常用している薬
- 過去にかかったことのある病気・現在かかっている病気
- 家族に頭痛持ちの人がいるか
- 最近、頭をケガしたかどうか
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効果的な市販薬や病院に行く目安なども紹介するので、片頭痛を治したい人は必読です。
片頭痛とは
片頭痛は、20~50歳代の若い方、特に女性に多くみられる病気です。
病名に「片」が入っているため、頭の片側のみが痛くなる病気だと勘違いされることがありますが、両側に痛みが生じるケースもあります。
日本で片頭痛がある人は、10~20人に1人といわれています。
片頭痛の症状をチェック
月に1~2回程度の頻度で発生する
「ズキンズキン」と脈打つような痛みや「ガンガン」と響くような痛みがこめかみや目の奥に生じる
痛みが4時間~72時間(3日間)ほど続く
痛みがひどいと「吐き気」「光や音に敏感になる」などの症状が出現する
痛みが始まる2~3時間ほど前に、生あくび・イライラ感・眠気・むくみ・空腹感などがある
痛みが起こる15~30分ほど前に、視野の一部がキラキラと輝くような症状(閃輝暗点)や、手足のしびれ・麻痺が出現する
上記に該当する人は、片頭痛の疑いがあると考えられます。
片頭痛の原因
ストレス
水分不足
寝すぎ・寝不足などの生活リズムの乱れ
飲酒習慣
月経などの女性ホルモンの影響
気候や気圧の変化
片頭痛が起こる仕組み
片頭痛の詳しいしくみは明らかになっていませんが、脳の血管を取り巻いている「三叉神経」の炎症が影響していると考えられています。
性格・生活習慣・環境・遺伝・女性ホルモンなど、さまざまな要因で片頭痛があらわれるといわれています。
片頭痛が起こるきっかけ
天気・気圧・温度・湿度の変化
周囲の環境(大きい音・強い光・強い匂いなど)
運動
喫煙
出産・月経・更年期(ホルモンバランスの変化)
片頭痛になりやすい人
神経質・完璧主義・努力家
ストレスがたまっている
疲労がたまっている
肩こりがある
睡眠不足・寝過ぎ
親族に片頭痛持ちの人がいる(遺伝的要因)
20~40代の女性
片頭痛になりやすい人は「脳のセンサーが敏感」なせいで、脳が過剰に機能して頭痛等が生じやすくなるとの指摘があります。
片頭痛が起きたときの対処法
片頭痛がつらいときは、
目をつぶる
仮眠をとる
静かな場所でゆっくりする
などの対処をしましょう。
椅子に座ったままでも構わないので、目をつぶったり眠ったりしましょう。
仮眠をとることで、すっきりと痛みがおさまることもあります。
また、片頭痛があるときは、音や光に敏感になりやすいです。薄暗い静かな場所で休むようにしましょう。
痛みを抑えるための応急処置
痛みを感じる部分に保冷剤や冷却シートなどを当てて、冷やすとよいでしょう。
血管の拡張を抑えることで、片頭痛が緩和することがあります。
片頭痛に使える市販薬は?
以下の成分が配合されたものを選ぶといいでしょう。
ロキソプロフェン
アセトアミノフェン
アスピリン
イブプロフェン
市販の鎮痛剤を使うことで、痛みの緩和が期待できます。
ロキソプロフェン
ロキソニンS
エキセドリンLOX など
アセトアミノフェン
タイレノールA など
アスピリン
バファリンA
バファリンライト など
イブプロフェン
ナロンメディカル など
市販薬の上手な飲み方
鎮痛剤は、痛みが軽いうちに飲むか、痛みが起きてから1時間以内に飲むとよいでしょう。
我慢できないほどの痛みがある場合や、「これから片頭痛が起きそう」という予兆症状があらわれたときに飲むと、痛みを十分におさえられない可能性があります。
市販薬を飲む上での注意点
痛み止めの使用頻度は、月に10日程度におさえるようにしてください。
なお、1日に複数回痛み止めを使用した場合も、「1日」と数えます。
痛み止めを頻繁に使うと、脳が痛みに敏感になり、頭痛の回数が増えて、薬が効きにくくなる恐れがあります。この症状は「薬物乱用頭痛」と呼ばれています。
薬物乱用頭痛になると、毎日のように頭痛があらわれることもあります。
片頭痛で病院に行く目安
片頭痛が4~5日間程度続いている場合は、一度病院で相談しましょう。
特に、以下に当てはまる場合は、病院で診察を受けることをおすすめします。
50歳を過ぎてから、初めて頭痛が起きた
頭痛の頻度や症状が悪化している
発熱している
首のこわばりがある
病院は何科?
病院は、「内科」または「脳神経外科」で相談するとよいでしょう。
まずは「かかりつけ医」に相談して、適切な診療科を紹介してもらうという方法もあります。
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医師にどんなこと伝えるといいか
頭痛が起きるタイミング・頻度・時間
どのあたりがどう痛むのか
頭痛以外の症状
頭痛が起きるきっかけ
最初に発症したタイミング
これまでの頭痛との違い
常用している薬
過去に患った病気・現在治療中の病気
家族に頭痛持ちの人がいるか
最近、頭にケガをしたかどうか
片頭痛の治療法
片頭痛の治療は薬物療法が基本です。
鎮痛剤の処方を行いますが、吐き気が強く出ていて薬が飲めない場合は、点鼻薬や皮下注射などを用いることもあります。
また、頭痛の回数が多く、その都度の対処が難しい人には、予防薬(院内処方)が処方されるケースもあります。
診察時には、「片頭痛以外の病気の可能性はないか」「他に併発している症状はないか」なども診て、総合的に診断を行います。
薬の処方後は、薬の量はあっているか、頭痛が良くなっているか、薬を変える必要があるかなどを医師が確認します。
自分でできる「片頭痛の対処法」は?
椅子に座ったままでも構わないので、目をつぶったり眠ったりしましょう。
仮眠をとることで、痛みがスッキリとおさまることもあります。
また、片頭痛があるときは、音や光に敏感になりやすいので、薄暗い静かな場所で休むことをおすすめします。
こんなときはすぐ病院へ!命に関わる頭痛のケースも
- 突然の激しい頭痛
- 頭痛を何度も繰り返す
- これまでの頭痛と違う感じがする
- 頭痛が徐々に悪化している
- ものが二重に見える
- 麻痺・しびれ・けいれんを伴う
- めまい・吐き気がする
- 発熱を伴う
- 50代を過ぎてから初めて発症した
- 光の周りに虹のような輪がみえる
- 意識障害がある
- 言語障害が出ている
上記のような症状が見られる場合、「脳卒中」「くも膜下出血」などの命に関わる危険な病気が隠れている恐れもあります。
▼脳卒中
脳の血管が破れたり、詰まったりすることで、脳神経に障害が起こる病気
▼くも膜下出血
脳の血管が破裂して起こる出血
こんな人は要注意!
上記に当てはまる人は、血管が傷つきやすかったり、もろくなっていたりするため、「脳卒中」「くも膜下出血」などの病気を発症するリスクが高いです。
「脳卒中」や「くも膜下出血」は、早急に対処しないと、最悪の場合、死に至ることもあります。
普段と違う頭痛がしたら、早急に受診してください。
病院は「脳神経外科」で受診しましょう。
なお、意識障害や吐き気・めまいがするなどの症状がある場合は、救急車を呼びましょう。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
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片頭痛はズキズキした痛みが数時間から数日続き、症状がひどくなると吐き気を伴うこともあります。
お医者さんに「つらい片頭痛を緩和する方法」を聞きました。
やってはいけない逆効果の対処法もあるので、要注意です。
こめかみが痛い!片頭痛がおこる仕組み
片頭痛が発生するメカニズムはまだ解明されていません。
ただし、片頭痛が起きているときは血管が拡張していることがわかっています。
片頭痛のときに血管を刺激したり、血行を促進させたりすると、血管がさらに広がって痛みが強くなりやすいです。
まずは「暗いところで安静に」
片頭痛がひどい時は、暗い場所で安静にしましょう。
また、痛むところを冷却シートや氷などで冷やすと、血管の拡張を抑えられるので効果的です。
ほとんどが安静にして休養と睡眠をとれば改善されます。しかし中には、生活に支障をきたすほど、症状が重いケースもあります。
どうしても痛みを我慢できないときは、医師や薬剤師と相談のうえ、薬を使用しながら治療を行いましょう。
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片頭痛のときにおすすめの飲み物
バナナジュース(マグネシウム)
オレンジジュース(マグネシウム)
牛乳(ビタミンB2)
ヨーグルトドリンク(ビタミンB2)
などをおすすめします。
マグネシウムが低下すると血管が一時的に縮まり、片頭痛を発症のきっかけとなります。
また、片頭痛は「ミトコンドリア(細胞内にある組織)の働きが悪いと発症しやすい」とされており、ミトコンドリアの働きを助けるにはビタミンB2がおすすめです。
飲み物の場合、ビタミンB2は乳製品に多く含まれています。
片頭痛のときにおすすめの食べ物
マグネシウムを多く含む食べ物
ビタミンB2を多く含む食べ物
をおすすめします。
栄養素
おすすめ食材
マグネシウム
玄米、海藻、大豆 など
ビタミンB2
肉、魚、葉野菜 など
主食に玄米を取り入れるとよいでしょう。
こんなセルフケアもおすすめ!
寝不足や疲れを溜めないようにして、規則正しい生活を送ってください。
寝不足・疲労の蓄積により自律神経のバランスが乱れると、片頭痛を起こすことがあります。
片頭痛が悪化する「やってはいけないこと」
マッサージ
入浴・シャワー
運動
など、血行が促進される行動は避けましょう。
頭痛が起こると、こめかみなどを揉んで痛みを和らげようとする人もいますが、頭を刺激すると血行が促進され、かえって痛みが増しやすいです。
片頭痛って、どうすれば治るの?
片頭痛の対処は、安静にして、しっかりと休養し、睡眠をとることです。
それでも改善されず、生活に支障をきたすようであれば、病院で治療を受ける必要があります。
病院は何科?
医療機関を受診する場合は、脳神経内科で相談しましょう。
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病院では、どんな治療を受けられるの?
片頭痛の治療は基本薬物療法です。
鎮痛剤の処方を行いますが、吐き気が強く薬が飲めない場合は点鼻薬、皮下注射などを用いることもあります。
頭痛が発生する回数が多く、対処が難しい人には予防薬(院内処方)が処方されることもあります。
診察の際には、「片頭痛以外に当てはまる病気の可能性はないか」「他の症状が出ていないか」なども診て、総合的な診断を行います。
薬の処方後は、薬の量はあっているか、頭痛が良くなっているか、薬を変える必要があるかなどを医師が確認します。
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▼参考
日本頭痛学会 慢性頭痛の診療ガイドライン2013