親知らずが生えてきて「奥歯が痛い」痛みを和らげる方法は？抜くしかない？

「奥歯が痛い…」
「もしかして親知らずのせい？」

親知らずで奥歯が痛くなる原因を、歯医者さんに聞いてみました。

痛みを引き起こす生え方やその他の原因なども解説します。
痛みを和らげる応急処置の方法もチェックしましょう。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

親知らずで「奥歯が痛い」のは真っすぐ生えていないのかも

親知らずが、

1. 斜めに生えてきている
2. 横向きに生えて埋まっている

といった場合、奥歯が痛くなることがあります。

これらの生え方は、親知らずに隣接する奥歯を圧迫することで痛みを引き起こします。

その①　親知らずが斜めに生えている

親知らずが斜めに生えてくると、隣接する奥歯を圧迫して痛みが生じることがあります。

また、斜めになった親知らずと奥歯の隙間は、歯磨きで汚れを取りにくいです。
そのため「歯茎の炎症」や「虫歯」を引き起こして痛みが生じるケースも考えられます。

その②　横向きに生えて埋まっている

歯茎の中で横になっている親知らずが、隣接している奥歯の「歯根部分」を圧迫して痛みが生じることがあります。

「親知らずが生えてくる」ってどんな痛み？

親知らずが生えてくるときは、

• しばらく続く断続的な痛み
• 圧迫されるような痛み
• 歯茎が腫れてジンジンする痛み

などを感じるケースがあります。

これらの痛みは、「親知らずが出てこようとする力」で、隣接する奥歯や歯茎が圧迫されて生じると考えられています。

【応急的な対処】痛みを和らげる方法

応急処置の方法としては、

1. 患部を冷やす
2. 市販薬を使う
3. 口の中を清潔にする

などを行うことで、痛みの緩和が期待できます。

これらは一時的に炎症を抑える方法です。
痛みがある場合、応急処置後早めに歯医者に行くことをおすすめします。

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痛いのを放置すると…最悪の場合「命に関わる危険性」も

親知らず周辺の奥歯の痛みは、「細菌感染」が疑われます。
放置すると、細菌が全身に流れて“命に関わる病気”を発症させる恐れがあります。

親知らず周辺の奥歯の痛みを生じる「細菌感染」には、

1. 虫歯
2. 智歯周囲炎

などが挙げられます。

「虫歯」の放置が引き起こす病気の例

上記の状態がさらに悪化すると最悪の場合、全身に細菌が流れて「敗血症」を発症し、命に関わる恐れがあります。

「智歯周囲炎」の放置が引き起こす病気の例

さらに放置すると細菌感染が、顎や胸まで拡がることもあります。
胸まで感染すると心臓周囲まで拡がり、命に関わる恐れがあります。

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親知らずで奥歯が痛くなったら歯医者さんへ！

上記のような症状がみられる場合、一度歯医者で受診しましょう。
親知らずが「奥歯を圧迫」していたり、「細菌感染」を起こしている恐れがあります。

こんな痛みは要注意“早急に”歯医者さんへ

上記のような症状がある場合は、炎症の悪化が疑えるため、早急に歯医者に行きましょう。

痛みが出ている場合、症状が自然に改善するケースはほぼないといえます。

また、一時的に痛みが緩和しても治ったとは限りません。
歯に異常が出たときは、放置せずに受診しましょう。

要注意な症状①　じっとしていられないほどの激痛

親知らず周囲の炎症が、喉の奥まで拡がっている可能性があります。

要注意な症状②　口を開けられない

症状が悪化して炎症が強くなっていると、口を少し動かすだけでも痛みが生じる場合があります。
痛みで口を開けられないため、歯医者での治療も困難なケースが多いです。

要注意な症状③　ものを飲み込めない

親知らず周囲の炎症が喉の奥まで拡がると、ものを飲み込みにくくなり、脱水症状や栄養失調を起こす場合があります。

要注意な症状④　ものを噛めない

炎症により歯茎が腫れると、歯茎が膨らみ盛り上がったような状態になります。
その部分に歯が当たると痛みが生じるため、ものを噛めなくなってしまう場合があります。

要注意な症状⑤　発熱がある（高熱）

炎症によりリンパ腺が腫れてしまい、親知らず周囲が熱をもつ場合があります。
その熱が全身に波及して微熱が続く場合もあります。

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