太ももの皮膚や太ももの内側がピリピリ痛い…。
何も刺さってないのにチクチクする…。
その痛みの正体は、「神経障害性疼痛」かもしれません。
傷や腫れがないのになぜ痛むのか、お医者さんに詳しく聞きました。
監修者
経歴
北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長
を経て2024年JUN CLINIC横浜 就任
外傷なしなのに痛い「神経障害性疼痛」とは
何らかの原因で、神経や脊髄、脳が損傷を受けたり、機能障害になったりすると、神経応答が過敏になり、痛みが生じます。
この症状を「神経障害性疼痛」と言います。
なぜ太ももが痛むの?
腰椎から出ている閉鎖神経が圧迫されると、膝から太ももの内側にかけて痛むことがあります。
特に、「閉鎖孔ヘルニア※」になると、この症状が起こることが多いです。
※閉鎖孔ヘルニア…閉鎖孔という骨盤の穴から腸が飛び出してしまう比較的まれな病気で、痩せた高齢の女性にみられる
痛みの特徴
神経障害性疼痛は、体を動かすと痛むことが多いです。感覚が敏感になっているため、軽く触れただけでも痛みを感じます。
痛みの感じ方には個人差がありますが、
- 灼熱痛やチクチクとした痛み
- 電気が走るようなピリピリとした痛み
- うずくような痛み
- ビーンと走るような痛み
と表現されることが多いです。原因となる疾患によっても、痛み方は異なります。
神経障害性疼痛が起こる「きっかけ」
帯状疱疹は、神経障害性疼痛の原因となりうる疾患のひとつです。(帯状疱疹後神経痛)
帯状疱疹によって神経痛が起こる仕組みは、今のところはっきりとわかっていませんが、高齢者に多くみられることから、加齢が関係していると考えられます。
帯状疱疹以外にも、
- 糖尿病神経障害
- 栄養失調による神経障害
- 脳卒中後遺症
- 乳房切除術後
- 神経梅毒
- HIV脊髄症
- 椎間板ヘルニア
- 肋間神経痛
- 悪性腫瘍
- 脳腫瘍
- 腫瘍による神経圧迫
- パーキンソン病
- 自己免疫性神経障害
など、さまざまなきっかけで発症します。
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胸や背中に激痛が走ることがある…。
肋間神経痛と言われたけど、どんな症状なのかよくわからない…。
そんな方のために、肋間神経痛について分かりやすくまとめました。
「治療法」や「予防につながる生活習慣」も紹介するので、肋間神経痛を改善したい人は必読です。
肋間神経痛とは
肋間神経痛とは、肋骨の間を走る「肋間神経」が、打撲などの外傷や帯状疱疹によって損傷したり、何らかの要因で圧迫されたりすることで、痛みが起こる状態です。
どんな症状?肋間神経痛セルフチェック
押すと痛みが悪化する
強い痛み(激痛)
せき、くしゃみ、深呼吸、少しの体勢変化などで痛みが悪化する
片側のみに痛むことが多い
肋骨に沿うように痛む
肋間神経痛の「原因」
骨折
腫瘍
椎間板ヘルニア
変形性脊椎症
帯状疱疹
などによって神経が傷ついたり、圧迫されたりすると発症します。
肋骨を骨折した人の場合、神経損傷によって発症するケースもあります。
肋間神経痛に「なりやすい人」
激しいせきが長期間続いた
脊髄神経が圧迫された(骨折・打撲・腫瘍・椎間板ヘルニア等)
肋骨神経が圧迫された(背骨が曲がる等)
帯状疱疹ウイルスに感染している(後遺症)
内臓の病気を患っている
上記がきっかけで、肋間神経痛を発症することがあります。
肋間神経痛になったら「してはいけないこと」
体を冷やす
重いものを持つ
「猫背」や「背中をそらす姿勢」
などは避けてください。
肋間神経痛は、体を冷やしたり、重いものを持って脊椎に負担をかけたりすると、痛みが強くなることが多いです。
また、体の歪みがあると痛みを発症しやすいので、正しい姿勢での生活を送りましょう。
肋間神経痛の「治し方」
「消炎鎮痛剤」や「湿布」の処方が、一般的な治療法です。
これらの治療と並行して、運動療法やリハビリが行われることもあります。
続発性の場合には、服薬治療、患部固定、手術等、それぞれの症状に適した治療が行われます。
予防方法は?
15分に一回程度体を動かす
ウォーキングなどの適度な運動を継続する
日頃からストレスを抱え込み過ぎない
肋骨神痛を予防するには、上記のような対策を日頃から意識してみましょう。
病院に行く目安
痛みが2~3日続いている
痛みが強い
といった場合には、隠れた病気の可能性があります。
腫瘍や帯状疱疹が原因の場合、治療しなければ痛みは治りません。
また、膵炎や心筋梗塞など、命に関わる病気も疑われるため、放置は危険です。
痛みが続くときは医療機関を受診し、原因を調べてもらいましょう。
病院は何科に行けばいい?
肋間神経痛がずっと痛いときは、まず整形外科で相談してみましょう。
ただし、帯状疱疹が疑われるときは、皮膚科を受診してください。
また、膵炎など内臓の病気が疑われるときは、内科を受診しましょう。
肋間神経痛を放っておくとどうなるの?
痛みをそのままにしていると、脳にその記憶が刻まれてしまい、痛みに過敏になってしまうことがあります。
これにより、余計に強く痛みを感じてしまう人もいます。
長引く痛みは放置せず、早めに受診して治療を受けましょう。
整形外科を探す
皮膚科を探す
内科を探す
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帯状疱疹ってどんな病気…?
放っておいてもいいの?
帯状疱疹という病気について、分かりやすくまとめました。
発症する原因や初期症状、治療方法についても解説します。
帯状疱疹とは?
帯状疱疹とは、過去に感染した「水ぼうそうのウイルス」が再活性化することが原因で発症する感染症です。
帯状疱疹になると、体の片側に痛みやチクチクとした感覚、かゆみが生じます。
その後そこに、まわりが赤い小さな水ぶくれがたくさんできます。ピリピリとしたしびれを感じることもあります。
帯状疱疹の症状
体の片側のかゆみ
体の片側の発疹・水ぶくれ
発熱
頭痛
※かゆみ・発疹等は、腕・胸・顔に出ることもあります。
症状の経過
帯状疱疹は、「①かゆみや痛み→②発疹→③水ぶくれ」と症状が変化していきます。
① 痛みやかゆみが出る
体の左右どちらか片側に、はじめは皮膚の痛みやかゆみなどの症状があらわれます。
胸から背中など、上半身に症状が出ることが多く、顔や目の周りに発症することも多いです。
② 紅斑・発疹ができる
痛みやかゆみなどの症状がある箇所に、赤い斑点(紅斑)が出てきます。
その後、虫に刺されたような発疹ができます。
発疹は神経に沿って帯状にあらわれ、数日から1周間ほど続きます。
③ 水ぶくれができる
発疹ができた部分にみずぶくれができます。発疹の中央の部分が膿のようになり、ただれたり、潰瘍のようになったりします。
やがて、かさぶたとなり、自然に枯れて剥がれ落ちます。
皮膚の症状は、一般的には1~2周間から1ヶ月ほどで良くなります。色素沈着が残る人もいます。
帯状疱疹の原因
帯状疱疹は、体内に潜んでいる「水痘ウイルス(水ぼうそうのウイルス)」が原因です。
免疫力が低下しているときにウイルスが活動を再開すると、帯状疱疹を発症します。
帯状疱疹になりやすい人は?
40~50代以上
疲労やストレスがたまっている
睡眠不足
免疫力が低下していると、神経細胞に潜んでいた「水ぼうそうのウイルス」が活性化して、帯状疱疹を発症しやすくなります。
※水ぼうそうに感染した人全員が、帯状疱疹を発症するわけではありません。
帯状疱疹は人にうつるの?
帯状疱疹は、周囲の人に帯状疱疹として感染することはありません。
しかし、過去に感染した水ぼうそうのウイルスが帯状疱疹の原因なので、乳幼児など水ぼうそうにかかったことがない人には、水ぼうそうとして感染することがあります。
帯状疱疹かもと思ったら…
時間をかければ自然治癒しますが、早めにウイルスや痛みを抑えるのがよいため、帯状疱疹の疑いがあったら、皮膚科にいくのがよいでしょう。
病院で処方される抗ウイルス剤を飲めば、自然治癒を待つより早い回復が期待できます。
また、免疫力が低下している状態です。まずは安静にして、食事をしっかりとりましょう。
お家では、お風呂に入ったりホットタオルをあてたりして、体を温めて痛みを和らげましょう。帯状疱疹による痛みは、血行が悪いと強く感じます。
治療内容
抗ウイルス剤の点滴や内服を行います。痛みに対しては鎮痛薬を使用することもあります。水疱には軟膏を塗ります。
皮膚科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
自分でできる対処法はある?
市販の鎮痛薬の使用が可能です。
軽度であれば、ロキソプロフェンナトリウム水和物やイブプロフェン、アスピリン、アセトアミノフェンなどを含む鎮痛薬で、痛みの緩和が期待できます。
また、痛みがひどいときには、無理して体を動かさず、安静にして休みましょう。
病院に行く目安
痛みを繰り返している場合や、強い痛みで日常生活に支障をきたしている場合、市販の薬でも痛みが緩和されない場合などは、病院で相談しましょう。
また、痛み以外に
などの症状がある場合、一度医療機関を受診するといいでしょう。
受診するのは何科?
皮膚に症状がない場合や、神経障害性疼痛を疑う場合は、ペインクリニック内科を受診しましょう。
※原因によっては、整形外科での治療も可能です。
ペインクリニック内科を探す
整形外科を探す
皮膚に何か症状がある場合は、皮膚科を受診しましょう。
皮膚科を探す
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2020-09-17
ケガはないのに皮膚がヒリヒリする…。
皮膚のヒリヒリ・チクチク感を改善する方法を、お医者さんに聞きました。
病気の可能性や、何科を受診すべきかも解説します。
「傷がないのに、皮膚がヒリヒリ・チクチク」何科に行くべき?
傷がないのに、皮膚がヒリヒリ・チクチクする場合、症状によって行くべき病院が異なりますが、まずは皮膚科や整形外科を受診するのがいいでしょう。
傷がないのに皮膚がヒリヒリ・チクチクする場合、大きく分けて
神経性の原因
皮膚性などの原因
自律神経によるもの
などの可能性が考えられます。
それぞれ行くべき病院が違い、神経性の原因の場合は神経内科や整形外科、皮膚炎の場合は皮膚科に行くことが望ましいですが、自分で判断がつきにくい場合には総合的な痛み全般について診療してくれる「ペインクリニック内科」に行くのがいいでしょう。
考えられる病気・原因5つ
主な原因として考えられるのは、
神経性の原因
帯状疱疹の初期症状
神経障害性疼痛
皮膚性などの原因
接触性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎
機械的刺激の積み重ねによる敏感肌
自律神経の乱れなどによるもの
更年期障害
の5つです。
それぞれ、痛み感じ方や痛む場所など、見分け方の特徴を解説します。
神経性の原因① 帯状疱疹の初期症状
帯状疱疹は水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)が原因で起こる病気です。
症状が進むと水ぶくれや赤みが出ますが、初期症状の段階ではまだ見た目の変化はありません。そのため「外傷がないのに皮膚がヒリヒリする」と感じることがあります。
帯状疱疹の原因となるウイルスは、水ぼうそうのウイルスと同じです。
このウイルスは水ぼうそうの治癒後も神経節に潜伏しているため、普段は特に何もなくても、免疫力の低下などのきっかけで再活性化し、皮膚に症状を引き起こします。
これが帯状疱疹です。
帯状疱疹は水ぶくれや赤みの症状が出るのが一般的ですが、初期段階では目に見える症状がなく、皮膚がヒリヒリ、チクチクとだけする場合があります。
見分け方
痛む場所
体の片側に沿って現れる
主に腕や胸、背中など上半身にみられることが多い
(胸部(肋間神経)が最も多く、顔面(三叉神経)や頭部にも発生することがある)
痛み方
ヒリヒリ・ピリピリした痛み
ズキズキする痛み
チクチク針で刺されたような痛み
衣服が触れるだけで痛みを感じることがある
強い灼熱感を伴うこともある
皮膚がひきつったような違和感がある
ヒリヒリ・ズキズキとした痛みがあらわれますが、このとき皮膚にはまだ何の症状もありません。そのため、「どこかで痛めたかな?」「低温やけどをしたかな?」という程度の人もいます。
その後も痛みは強くなり、灼熱感を帯びるようになると、皮膚に赤い水ぶくれのようなものができます。
なりやすい人の特徴
高齢者(50歳以上)
ストレスや疲労が溜まっている人
糖尿病を患っている人
水ぼうそうの既往がある人
帯状疱疹が発症するのは、主に免疫力の低下や感染症への抵抗力の低下が原因です。そのため、高齢の方やストレスや疲労が溜まっている方などは要注意。
しっかりと規則正しい生活を心がけたり、ストレスを適度に発散できる環境を整えたりすることで発症の抑制につながりますよ。
病院は何科?
皮膚に痛みをともなう発疹や水ぶくれが現れた場合は皮膚科を受診しましょう。
発疹などの症状がなく症状が痛みだけの場合は内科での診察も可能です。
また神経痛のような強い痛みがある場合は、整形外科での治療が必要となることもあります。
神経性の原因② 神経障害性疼痛
神経障害疼痛とは、神経の損傷や異常な活動によって引き起こされる痛みです。外傷や炎症がなく、皮膚や筋肉が正常である場合でも痛みを感じるのが特徴。
そのため「外傷がないのに皮膚がヒリヒリする」と感じることがあります。
神経障害疼痛(しんけいしょうがいとうつう)とは、様々な神経性の疾患などが原因で神経が損傷し、痛みが起こっている状態です。
例えば帯状疱疹などが治った後に続いて起こったり、坐骨神経痛や椎間板ヘルニアになったことが原因で引き起こったりします。
いずれも神経が圧迫されたり、損傷することで痛みが生じているため、慢性的な痛みが特徴。
いつまでも痛みが長引いたり、日常生活に支障をきたすことも多い疾患です。
見分け方
痛む場所
末梢神経(手足や顔面)、体幹部(肋間神経など)、特定の神経が主な部位
ですが、神経が通っている場所ならどこにでも症状が出る可能性があります。
また、神経の障害がある場所と痛みが生じる場所が違うこともあります。
例えば、腰部分の神経が障害されると、腰・足・お尻など下半身に痛みが生じ、首の神経が障害されている場合は、首・肩・腕にかけて痛みが生じます。
痛み方
ヒリヒリ・ピリピリした痛み
正座のあとのしびれたような痛み
短期間で起こる発作的な強い痛み
少しの接触でも激しく痛む
体を動かしたときに痛みを感じることが多い
痛みを繰り返すうちに、慢性化していくことがあります。
慢性化した痛みは完治まで時間を要するようになるため、早めに病院を受診するのが望ましいでしょう。
なりやすい人の特徴
高齢者
慢性的な病気がある人(糖尿病・腎疾患・免疫疾患など)
神経が関与する手術を受けたことがある人
ストレスや疲労が溜まっている人
細菌・ウイルス感染による上気道炎・胃腸炎の発症がある人
神経原生腫瘍や悪性腫瘍の転移がある人
自律神経の乱れや免疫系の低下により、疾患が起こることが多いです。
また高齢者は神経の回復力が低下しているため、帯状疱疹の治癒後や坐骨神経痛などによって引き起こされることがあります。
病院は何科?
まず整形外科を受診するといいでしょう。
その後、神経に関する痛みが原因の場合には脳神経外科での治療が必要な場合があります。
皮膚性の原因① 接触性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎
接触性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎は外部の刺激物やアレルゲンに反応して炎症を起こす疾患です。神経系の疾患とは違い、物理的な接触や刺激によって起こることが多いです。
ひどいと赤く腫れたりただれたりする場合がありますが、そこまで重症化していない場合はヒリヒリするだけの場合もあります。
刺激性接触皮膚炎とは、洗剤、漂白剤、シャンプーなどの化学物質や、物理的な摩擦や汗などによって皮膚が炎症を起こすこと。
アレルギー性皮膚炎は、金属やゴム製品、化粧品に含まれる防腐剤などのアレルゲン(特定の物質)に対する免疫系の過剰反応が原因で起こる皮膚炎です。
どちらも神経系とは関係なく、皮膚そのものの炎症反応によって起こります。
見分け方
痛む場所
化学物質やアレルゲンが接触した部位(局所的)
ただし、アレルギー性の場合は広がることもあります。
痛み方
ヒリヒリ、チクチクした軽い痛み(軽度)
焼けるような灼熱感をともなう痛み(中~重度)
時にかゆみや腫れをともなう
多くの場合、刺激物への接触をやめると、数日で改善することが多いのが特徴。
ですが、アレルギー性の場合は数日~数週間持続する場合もあります。
なりやすい人の特徴
敏感肌の人
アレルギー体質の人
乾燥肌の人
接触性皮膚炎は、外部刺激に対して皮膚のバリア機能が低下していると起こりやすいです。
アレルギーは重篤な症状を引き起こす場合もあるため、ひどい場合は病院を受診し、詳しく検査してもらうのがおすすめです。
病院は何科?
皮膚科を受診しましょう。詳しく検査をすることで適切な治療を受けられるのに加え、再発予防のためのアドバイスをもらえます。
皮膚性の原因② 機械的刺激の積み重ねによる敏感肌
丁寧なメイク落としや洗顔といっただれもが日常的に行っている清潔習慣の行き過ぎにより、お肌のバリアが減って肌細胞に傷をつけ続けてしまうと、お肌の突っ張り感やピリピリ感が生じることがあります。
強い洗顔料で時間をかけて洗顔してしまうと角質の中の保湿成分が抜け乾燥肌にしてしまうだけでなく、角質が削り落ち、ピリピリとした刺激感や赤みが起こります。
これは肌刺激による弱い炎症で、繰り返すと軽く触れるだけでピリピリし、暖かく感じると顔に赤みとほてりが起こる原因に。シミや肝斑もできやすくなるので注意が必要です。
見分け方
痛む場所
頬骨・眉間やおでこの中心部、鼻、顎先など顔の盛り上がっている部分
小鼻の横の溝部分
首回りやデコルテ、肩など皮膚の薄いところ
使った化粧品や皮脂汚れを完全に除去しようとして洗顔料やボディーソープを付けながら指や手、ガーゼやタオルなどで擦ることで症状がでます。
ヒリヒリし始めたら、洗顔や洗浄が強いと思う事が大切です。
お化粧はしても構いませんが、真水かぬるま湯で濯ぐくらいにして、タオルでメイクを押し取るようにします。細かくのこった化粧品、UVカットなどを無理に落とさないようにしてお肌を安静にします。
痛み方
ヒリヒリした軽い痛み(軽度)で、さすると痛みが強くなります。
なりやすい人の特徴
肌がきめ細やかな人
乾燥しやすい人
病院は何科?
皮膚科を受診しましょう。詳しく診断を受けることで適切な治療を受けられるのに加え、再発予防のためのアドバイスをもらえます。
自律神経の乱れなどによるもの① 更年期障害
自律神経の乱れが原因となって皮膚が痛覚過敏になったり、痛みが引き起こされたりすることがあります。
これはホルモンバランスの変化により自律神経が不安定になることで、肌のバリア機能が低下したり、乾燥肌気味になったりすることが原因だと考えられます。
更年期障害は、閉経前後(通常45〜55歳頃)に起こるホルモンバランスの変化によって、身体や精神に多様な症状が現れる状態です。
特に、女性ホルモン(エストロゲン)の減少が自律神経の乱れを引き起こし、さまざまな身体的不調が起こります。
見分け方
痛む場所
特に皮膚が薄い部分(顔、首、手、デコルテなど)が多い
痛みの範囲は広がることもあり、局所的でない場合が多い
痛み方
ヒリヒリ、チクチク、ピリピリとした痛み
痛みの強さは一定ではなく、日によって変わる
焼けるような感覚(灼熱感)を伴うこともある
痛みは短期間で改善する場合もあれば、数週間から数か月続くこともあります。
痛みだけでなく、かゆみ、しびれ、触覚の異常(触られていないのに触られているように感じる)を伴うことがあるため、痛みだけでなく皮膚の違和感があった場合には注意が必要です。
なりやすい人の特徴
・更年期の女性(45〜55歳)
・ストレスが多い人
・睡眠不足や生活習慣の乱れがある人
・敏感肌や乾燥肌の人
閉経前後の更年期はホルモン変動が激しく、エストロゲンの減少が自律神経に影響を与えやすいです。
また、ストレスや疲れ、精神的プレッシャーが多い環境にいる場合、自律神経を整える力が低下し、症状が出やすくなります。
病院は何科?
皮膚のヒリヒリ感が強い場合は皮膚科を受診しましょう。
ただ、皮膚以外の症状にも困っている場合は、婦人科を受診するのもよいでしょう。
【今すぐ痛みを抑えたい…】市販薬のおすすめは?
神経系の原因の場合
神経障害性疼痛や帯状疱疹の場合、どうしても痛みがひどい時には
イブプロフェン
アセトアミノフェン
などの成分が入った鎮痛剤を選ぶのがおすすめです。
イブプロフェンが入っている市販薬の例
イブ シリーズ
バファリンプレミアム など
アセトアミノフェンが入っている市販薬の例
タイレノールA など
これはあくまでも応急処置です。
痛みがひどい場合や、これらのお薬に対するアレルギーをお持ちの場合、自己判断で市販薬に頼らず、絶対に病院を受診するようにしてください。
皮膚性の原因の場合
接触性皮膚炎・アレルギー性皮膚炎などの場合には、
ステロイド外用薬
抗ヒスタミン薬含有クリーム
などの成分が入った、かゆみや軽い炎症を抑えるものがいいでしょう。
ですが、特にアレルギーの場合は、しっかり原因となるアレルゲンの特定をすることが大切です。
放っておくとさらにひどいアレルギーを引き起こしたりする可能性もあるため、市販薬で対応せずに病院へ行くのが望ましいです。
お風呂は入ってOK?日常生活で気を付けること
お風呂は「ぬるめ」にしよう
皮膚がヒリヒリ・チクチクする場合でもお風呂は入って問題ありませんが、皮膚に刺激を与えないように、温度はぬるめにしましょう。熱すぎるお湯だと皮膚に刺激になり、さらに痛みが増してしまう可能性があります。
特に、自律神経の乱れが原因の場合はお風呂に入ってリラックスをすることで痛みが柔らぐこともあります。
ですが、いかなる場合でもお風呂に入って痛みが悪化する時には長風呂はせず、すみやかに出るようにしてください。
早期受診のメリット
早めに病院を受診して適切な治療を受けることで、不快な症状を短期間で改善できる可能性が高いです。
また、うつの予防も期待できます。
深刻な病気が原因である場合も、早期発見に繋がりますので、心配な皮膚の痛みは病院で相談しましょう。