強迫性障害で疲れた…どうすれば治る?
強迫観念や強迫行為を治す方法について、お医者さんに聞いてみました。
治った人の体験談も紹介するので、強迫性障害で疲れてしまった人は必読です。
監修者
経歴
佐賀大学医学部を卒業後、病院・美容クリニックでの勤務経験を経て、2020年にファイヤークリニック開業。
美容医学、遺伝子学、栄養学、精神医学など肥満治療に関わる多方面から痩身医学研究と実践をする。
精神科医としても臨床に当たっており、西洋医学から東洋医学に渡って世界中から集積した独自の短期集中型医療ダイエットを開発。
体験談「強迫性障害で疲れた…」
数字に対する強迫観念があるので、同じ動作を一定の回数繰り返さないと気がすみません。時間がないときや早く寝たいときには、強迫行為をしながら疲れたと感じていました。
(28歳・女性)
手が汚れたと感じたら、気が済むまで数十分ほど手を洗い続けたときは疲れました。
また、外出時は手を洗うために、トイレを探さなくてはいけません。
(47歳・男性)
ガスの元栓や戸締りを何度も確認してしまいます。
確認作業に時間がかかり、なかなか自宅から出られないときは本当に疲れますね。
(31歳・女性)
強迫性障害ってどんな病気?
強迫性障害とは、払いのけられない思考やイメージが何度も浮かび(強迫観念)、それを打ち消すために同じ行動を繰り返す(強迫行為)ことで、日常生活に支障をきたす病気のことです。
例えば、「手が汚れている気がする」という強迫観念によって、強い不安感・不快感が生じ、それを振り払うために、「手を洗う」という強迫行為を繰り返します。
代表的な強迫観念・強迫行為として、下記が挙げられます。
- 家の鍵を締めたかどうか何度も確認する
- 他人に危害を加えたように感じ、新聞やニュースを確認する
- 物の配置が気になって、何度も整理整頓する
強迫性障害を放置したままにすると、症状が悪化してうつ病や不安障害などの病気を発症するリスクがあります。
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2022-12-16
うつ病とは、どのような病気なのかを分かりやすくまとめました。
うつ病の主な症状も紹介するので、「うつ病かも…」と思う人は心当たりがないかチェックしましょう。
うつ病って、どんな病気?
うつ病とは、心身のストレスによって、脳がうまく働かなくなっている状態です。
「一日中気分が落ち込む」「何をしても楽しめない」といった精神症状とともに、不眠・動悸・倦怠感などの体の不調があらわれます。
うつ病の「身体面の症状」と「心の症状」
身体面にあらわれる症状
食欲が低下する(または急に食欲が増える)
食べ物を美味しいと感じない
体重が減る(または増える)
寝付きが悪い
眠りが浅い・夜中に目が覚めてしまう
眠り過ぎてしまう
体がだるい・疲れがとれない
頭が重い感じがする
疲れやすい
首・肩・腰が凝りやすい
動悸がする
胃やお腹に不快感がある
めまいがする
口が渇く感じがある
便秘が続く
下痢が続く
月経不順がある
性欲がなくなる
勃起しにくくなる
精神面にあらわれる症状
気分が落ち込む日が続く
何に対しても悲観的である
何に対しても興味を持てない
喜ぶ・楽しむことができなくなる
今まで楽しいと思っていたことが、楽しめなくなる
やる気が出ない
口数が減る
見た目や服装などを気にしなくなる
集中できなくなる・ミスが増える
落ち着きがなくなる
イライラしやすい
不安感がある
涙もろくなる
自分を責めてしまう
お酒を飲む量が増える
うつ病の原因
うつ病が発症する原因ははっきりと分かっていません。
近年の研究では、過度のストレスで脳の一部の「神経細胞」の形状が変化し、その結果、考え方や感情に歪みが生じるのではないかと指摘されています。
発症しやすいのはどんな人?
うつ病は女性に多く見られます。これは妊娠、出産、更年期といったライフステージで、多くのストレスを抱えやすいからだと考えられています。
また、親族の中にうつ病を発症した人がいると、発症リスクが上昇する傾向があります。
その他、
真面目な人
几帳面な人
努力家で目標が高い人
何事も全力投球で手を抜かない人
自責の念が強い完璧主義な人
気遣いができる人
は発症リスクが高い傾向があります。
うつ病のキッカケとなる出来事
精神的・身体的ストレス
悲しい出来事、つらい体験
人生の転機(引っ越し、就職、進学、結婚等)
病気の治療薬の副作用 など
うつ病かも…と思ったら
症状に心当たりがあるときは、一度病院で相談するようにしましょう。
うつ病を放置すると、自分を責める気持ちが強くなり、自殺願望を抱いてしまうケースもあります
病院は何科?
精神的な症状が強い → 精神科
体の不調を伴う → 心療内科
※両方の診療を行っている医院・クリニックもあります。
精神科・心療内科は、患者さんが気持ちを楽に保てるようにサポートしてくれる診療科です。
心身の不調に詳しい医師・スタッフが対応してくれるので、リラックスして受診してください。
精神科・心療内科の受診に気が進まない方は、まずは「内科」を受診して体に不調がないかを確認してもらうのもよいでしょう。
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病院で「うつ病」と診断される基準は?
病院で「うつ病」の診断を行う際は、以下の基準を用いることが多いです。
▼以下の症状のうち、少なくとも1つある。
抑うつ気分
興味または喜びの喪失
▼以下の症状をあわせて、合計で5つ以上該当する。
食欲の減退あるいは増加、体重の減少あるいは増加
不眠あるいは睡眠過多
精神運動性の焦燥または制止(じっとしていられない・話し方や動作が遅い等)
疲労感または気力の減退
無価値感または過剰な罪責感(自分は価値のない人間だと感じる・自分の言動に対して過度に罪悪感を覚える等)
思考力や集中力の減退または決断困難
死についての反芻思考・自殺念慮・自殺企図
上記の症状がほとんど1日中、ほぼ毎日ある状態が2週間以上続いていて、他の病気や薬物、アルコールなどの影響では説明できない場合に、「うつ病」と診断されます。
うつ病の治療法
医療機関では、
薬物療法
カウンセリング
認知行動療法※
生活指導
などによって、症状の改善を図ります。
薬物療法では、気分の落ち込みをよくする薬や、睡眠薬などを使用します。
※認知行動療法…医師やカウンセラーと面談する中で、自分の考え方や物事の捉え方の癖に気付き、修正していく治療法。
うつ病が治るまでの期間は?
症状が治まるまでの治療期間は、「発症から受診までの期間と同じくらい」と考えられています。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
強迫性障害の治し方は?
強迫性障害を自分の力だけで治すことは難しいため、医療機関を受診することが重要です。
まずは、「精神科」または「心療内科」を受診して、本当に強迫性障害を発症しているのか診断してもらいましょう。
強迫性障害と診断された場合は、主に下記の治療が行われます。
治療法① 薬物療法
薬物療法では、SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)などの「抗うつ薬」を使用します。
まずは抗うつ薬で症状等を落ち着かせてから、「認知行動療法」を行うことが多いです。
治療法➁ 認知行動療法
認知行動療法とは、自分の考え方や物事の受け止め方の癖を知り、ストレスに適応していく精神療法の一つです。
中でも「暴露反応妨害法」という、あえて不安を感じる状況に置いて、強迫行為を我慢するという訓練がよく行われます。
一度習得すると、治療を終えた後でも自分で続けることができるため、再発予防にも役立ちます。
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強迫性障害はどれくらいの期間で治る?
個人差が大きいですが、強迫性障害は2週間~3ヶ月ほどで症状が快方に向かうことが多いです。
ただし、急に治療をやめると再発する恐れがあるため、症状が落ち着いてからも半年~1年半ほどは治療を続ける方がよいと考えられています。
強迫性障害が「治るキッカケ」ってあるの?
強迫性障害が「何かのキッカケで治る」ということは少ないです。
長期間にわたって治療を続けて、徐々によくなるケースの方が多いといわれています。
体験談|治療中、疲れたときに心の支えになったもの
家族や友人に相談してもあまり理解してもらえなかったので、心療内科で相談しました。病名がついたときが一番安心しましたね。
(28歳・女性)
「服が汚れていないか気になってしまう」という強迫観念があったのですが、夫が「汚れていないよ」と言ってくれると楽になりました。
(35歳・女性)
映画鑑賞中は強迫観念がなくなるので、疲れが癒されました。
(67歳・男性)
「気にしない」方法は?心がけたい2つのこと
前述の通り、強迫性障害は自分で治すことが難しいため、まずは病院で治療を受けることが大切です。
その上で、強迫観念・行為を「なるべく」気にしないようにするために、普段から上記の2点を心がけましょう。
対処法① 生活リズムを整える
毎日決まった時間に起きるようにして、朝日を浴びましょう。
朝すっきりと目覚められるように、0時までには寝ることをおすすめします。
規則正しく生活することで、強迫観念を過度に気にせず過ごしやすくなる可能性があります。
対処法② 確認作業を視覚化する
何度も確認してしまうことがあるときは、
などして、確認作業を視覚化しましょう。
メモや写真に残すことで、不安が落ち着いて安心して過ごせる場合があります。
病気をよく理解することも大切
強迫性障害という病気は、自分自身がおかしくなるわけではなく、単に「判断に自信が持てない状態」であることを理解しましょう。
このように病気をよく理解することで、自信を失わずに済みます。
体験談「私はこうやって対策しました!」
強迫性障害を経験された方に、強迫観念を気にしないためにどんな対策をしていたか、教えてもらいました。
強迫行為を減らそうとしても、うまくいきませんでした。精神安定剤を飲むのは効果がありましたね。
(28歳・女性)
カウンセリングで「手の汚れは15秒洗えば菌が落ちる」と聞き、それ以降は手を洗いすぎてしまう強迫行為が落ち着きました。
(37歳・女性)
「強迫行為を無視してもトラブルは一度も起きていない」と言い聞かせると、不安が落ち着きます。
(21歳・男性)
不安になることをチェックリストにまとめて、スマホで撮って見返しています。外出先で見返すと安心して、気持ちが落ち着きます。
(44歳・女性)
日光を浴びるために、毎日散歩や運動をするようにしています。スマホを触る時間を減らすのも効果がありました。
(30歳・女性)
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2023-01-26
母親が原因で、強迫性障害になることってあるの?
強迫性障害を発症する原因について、お医者さんに聞いてみました。
主な症状も紹介するので、自分や周囲の人に強迫性障害が疑われる場合は、参考にしてみましょう。
強迫性障害は「母親が原因」の場合もある?
強迫性障害は、母親と接することで生じるストレスが引き金となるケースや、遺伝(※)によって発症するケースもあると考えられます。
しかしながら、強迫性障害の原因ははっきりとはわかっていません。そのため、一概に母親だけが原因となるとはいえません。
(※)母親が強迫性障害の場合、生涯有病率が10〜20%上昇するという研究結果があります。
強迫性障害ってどんな病気?
強迫性障害とは、払いのけられない思考やイメージ(強迫観念)が何度も浮かび、同じ行動を繰り返すなどして、日常生活に支障をきたす病気のことです。
うつ病を併発するケースがあり、その場合、強迫性障害がより重くなる場合があります。
強迫性障害の主な症状
過剰に手洗い・入浴・洗濯を繰り返す
手すりやドアノブを触ることができない
戸締まりやガス栓・電気器具のスイッチを何度も確認する
決まった方法・手順で家事や仕事をしないと気が済まない
物の配置に過剰なまでにこだわる
など
強迫性障害になりやすい人の特徴
強迫性障害は、20歳前後で発症することが多いです。
また、
几帳面な性格の人
こだわりが強い人
はなりやすいとされています。
発症頻度で男女差はありませんが、女性は20歳より後に、男性は20歳より前に発症する傾向があります。
強迫性障害の治し方
強迫性障害を治すためには、医療機関で治療を受ける必要があります。
強迫性障害は、薬を使用せずに治すことが難しいからです。
強迫性障害の治療は「精神科」で受けられます。
放置していると重症化してしまい、うつ病を併発する恐れもあるため、早めに受診してください。
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一般的な治療の流れ
病院ではまず「投薬治療」を行い、症状が落ち着いたら「認知行動療法」を行うケースが一般的です。
投薬治療では、セロトニン(※)の異常を調整する「抗うつ薬」を使用します。
必要に応じて、「抗不安薬」を併用することもあります。
認知行動療法は、ストレスや苦手なものに対して、上手に対応する方法を学ぶ治療法です。精神科医や臨床心理士が、患者さんの考え方のクセや受け取り方を理解して、よりよい方向へ修正していきます。
※セロトニンとは、精神の安定に関わる脳内神経物質の一つです。セロトニンが不足すると緊張感や不安感が強くなります。
強迫性障害が治るまでの期間は?
投薬治療から2週間~3ヶ月程度で、症状が改善に向かうことが多いです。
ただし、治療をやめると再発しやすいため、症状が安定したあとも約半年〜1年半は治療を続けることが望ましいと考えられています。
「早く治すコツ」はある?
残念ながら、強迫性障害を早く治すコツはありません。
早く治そうとして焦っても、かえってストレスがたまり、逆効果になってしまいます。
強迫性障害は、長期にわたって向き合わなければいけない病気です。
焦らず気長に治療に取り組みましょう。
身近な人が強迫性障害になったら
まずは患者さんの悩みに関心をもち、理解を示すようにしましょう。
その上で、以下のことを心がけて接してください。
患者さんの話を最後まで聞く
言い合いを避ける
患者さんのことを否定しない
感謝の言葉を伝える
褒める
焦らせない
自分自身が巻き込まれすぎないように気をつける
強迫性障害は、家族や友人など周りの人も巻き込まれやすい病気です。
患者さんの主治医や臨床心理士に相談しながら、サポートしていきましょう。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス 強迫性障害
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2022-12-27
「うつ病がなかなか治らない…」
「このまま一生治らなかったらどうしよう…」
府中こころ診療所の院長であり、YouTubeで動画配信も行っている精神科の医師、春日雄一郎先生が、うつ病や適応障害の症状が長引く理由を解説します。
うつ病や適応障害が治らず焦りを感じている方は必見です。
※動画による解説は記事末尾から
うつ病・適応障害が治りにくい4つの原因
うつ病・適応障害がなかなか治らない場合
生活習慣の乱れ
環境がよくない
考え方のクセ
躁うつ病(双極性障害)を発症している
などの原因が考えられます。
原因① 生活習慣の乱れ
昼夜逆転した生活
過度な飲酒
ほとんど家から出ない
上記に当てはまる場合は、うつ病が治りにくくなる可能性があります。
「不規則な生活リズム」「お酒の飲みすぎ」「外出せずほとんど体を動かさない」などの習慣が続くと、心身の調子が悪くなり、うつ病・適応障害の改善の遅れを招きます。
【対処法】一定の生活リズムを習慣化しよう
うつ病や適応障害を改善するためには、「どういう行動習慣を積み重ねていくか」ということが重要です。
睡眠や食事の時間を一定にする
お酒を控える
日中は外出して体を動かす
上記を習慣化して、治療にとってプラスになる行動を積み重ねていきましょう。
生活習慣を整えることで、心身の調子が整いやすくなります。
また、その行動の積み重ねが脳への刺激になり、うつ病や適応障害の改善につながると考えられます。
原因② 環境がよくない
職場に相性のよくない上司がいる
家に居場所がない
子育て・介護などでストレスを感じている
上記のように、職場や家庭の環境がよくない人は、うつ病や適応障害が治りにくくなることがあります。
うつ病・適応障害の症状は、日々の行動だけでなく、環境からも大きな影響を受けます。ストレスの多い環境で過ごす時間が積み重なると、症状の改善が遅れる原因となります。
【対処法】「転職・異動」「支援サービスの利用」を検討しよう
環境がよくないと感じる場合、
転職・異動の相談をする
家族と話し合いをする
自治体のサポート窓口を利用する
といった方法で、環境を変えることが選択肢の一つとなります。
環境の変化には良い面も悪い面もあるため、一概に「環境を変えるべき」というわけではありません。
ただし、「どうしても今の環境と相性が悪い」と感じる場合は、選択肢の一つとして考えてみるといいでしょう。
職場の環境が合わないと感じる場合は、「転職を検討する」「上司や人事部に異動の相談をする」などの方法もあります。
家庭内でストレスを感じている場合は、まずは家族と話し合うことが必要なケースもあります。
子育てや介護などでお悩みの場合は、自治体のサポート窓口を活用してみるのもいいでしょう。
子育てや介護に関するお悩みは、お住まいの自治体の子育て支援センターや、地域包括支援センター※などの機関で相談可能です。
※地域包括支援センターとは
主に自治体が設置する高齢者の健康や生活をサポートする施設。
▼参考
地域包括ケアシステム(厚生労働省)
原因③ 考え方や性格のクセ(完璧主義・人と比べる)
自分を責めてしまう
完璧主義
他人と自分を比べる
上記のような考え方・性格のクセがある人は、うつ病や適応障害の治療が遅れる可能性があります。
「考える」ということも一種の行動です。自責や他人との比較など、自分にダメージを与える思考を繰り返すことも、病気の改善を妨げる行動を積み重ねる行動になります。
【対処法】「前向きになれる考え方」を練習しよう
自分にダメージを与える考え方のクセがある人は、「自分も他人も責めない」「前向きになれることを考える」といったことを意識するといいでしょう。
ただし、考え方が根強いクセになっている場合、すぐには変えにくいこともありますよね。
その場合は、
出てきた考えを真に受けすぎず、なるべく受け流す
否定のクセを薄めて、成功体験を徐々に積み重ねる
この2つを心がけてみてください。これらの思考を積み重ねていくことが、結果として、否定的な考えが出てくる頻度を減らすことに繋がります。
原因④ 躁うつ病(双極性障害)を発症している
抗うつ薬などによる治療を続けていて、生活習慣・環境・考え方などの見直しを行っているにもかかわらず、症状の改善が見られない場合は、躁うつ病(双極性障害)を発症している可能性があります。
躁うつ病ってどんな状態?
躁うつ病とは、気分が高揚して活動的になる「躁状態」と、気分が沈んで意欲がなくなる「うつ状態」を交互に繰り返す状態です。
人によっては、躁状態の症状が軽くて期間が短く、うつ状態が長く続く「双極性障害Ⅱ型」のケースもあり、この場合は一般的なうつ病との区別がつきにくいです。
うつ病と躁うつ病は使う薬が違うので、この見極めができていないと、病気が長引く恐れがあります。
躁うつ病かを判断する4つのヒント
過去を振り返って、躁気味な時期があった
家族に躁うつ病の人がいる
周期的にうつ病を繰り返している
抗うつ薬を使うと躁状態になる傾向がある
躁うつ病かどうかを判断するヒントとして、上記の4つが挙げられます。
「ある時期だけ妙に活動的だった」「ある時期だけ妙にお金を使っていた」など、過去に躁気味な期間があった場合は、躁うつ病である可能性が出てきます。
自分ではわからなくても、『ちょっといつもと違う』『いつもより妙に元気だね』などと、周りの人から言われる時期があったかどうか、ということも参考になります。
また、家族に躁うつ病の人がいると、発症の可能性が少し高くなると言われています。
その他、周期的にうつ病の症状を繰り返す場合や、抗うつ薬を使ったときに躁状態になる傾向がある場合も、躁うつ病を発症している恐れがあると考えられます。
躁うつ病を疑う場合は主治医に相談を
躁うつ病の発症を疑う場合は、早めに主治医に相談しましょう。
うつ病と躁うつ病では、治療に使う薬が違います。そのため、うつ病か躁うつ病かを的確に判断することは、症状を早く改善するために、非常に重要であると考えられています。
▼動画による解説はこちら
※本記事は、チャンネル運営者の許可を得て作成しています。
≪チャンネル紹介≫
こころ診療所チャンネル【精神科医が心療内科・精神科を解説】
府中こころ診療所の院長であり、YouTubeで動画配信も行っている精神科の医師、春日雄一郎先生が、うつ病・適応障害・パニック障害など、こころの不調やその対策について、わかりやすく解説。
こころの不調を抱える方が、少しでも症状を改善するヒントとなるような情報の提供を目指しています。