低血糖になりやすい人の特徴|病気が原因になることも。病院に行くべき?

更新日:2023-08-24 | 公開日:2022-01-14
168

本サイトはアフィリエイトプログラムに参加しています。コンテンツ内で紹介した商品が購入されると売上の一部が還元されることがありますが、コンテンツは自主的な意思で作成しています。

低血糖になりやすい人の特徴|病気が原因になることも。病院に行くべき?

「倦怠感と空腹感がある…」
「健康な人でも、低血糖になるの?」

「低血糖になりやすい人」の特徴をお医者さんに聞いてみました。
疑われる病気、予防のための対処法なども詳しく解説します。

監修者
岡村 信良 先生

平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医

岡村 信良先生

経歴

平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック

「健康なのに…なぜ?」低血糖になりやすい人の特徴

医師男性
  1. 糖質を過剰に摂取している
  2. ビタミン・ミネラルの摂取量が不足している
  3. 日常的にお酒を飲んでいる

といった人は、特に疾患がなくても低血糖を引き起こすことがあります。

その① 糖質を過剰に摂取している

糖質(特に精製糖)を過剰に摂取する生活を続けていると、膵臓に多大な負担が掛かって、低血糖になる場合があります。

その② ビタミン・ミネラルの摂取量が不足している

ビタミン・ミネラルが不足すると、体の代謝が悪くなって低血糖を起こしやすくなると考えられています。

その③ 日常的にお酒を飲んでいる

アルコールで肝機能が悪くなると、肝臓から「ブドウ糖の放出」が行われなくなって、低血糖を引き起こすこともあります。

低血糖になりやすいタイミング

  • 通常よりも運動量が多い
  • 空腹状態で激しい運動をする
  • 風邪等の体調不良で食事が摂れない
  • 入浴後

等が挙げられます。

低血糖の症状セルフチェック

  • 異常な空腹感
  • 倦怠感
  • 動悸、脈が速くなる
  • 熱感
  • 手指のふるえ
  • 冷や汗、顔面蒼白
  • 吐き気
  • 不安感
医師男性
上記は血糖値60mg/dL以下になると現れる症状です。
当てはまる人は低血糖の状態が疑われます。

要注意!「重度の低血糖」が疑われる症状

医師男性
重度の低血糖になると、脳に悪影響を及ぼすようになります。
次の症状に当てはまる人は、早急な受診が必要です。

▼中枢神経症状(血糖値45mg/dL以下)

  • 眠気、生あくび
  • 頭痛、めまい
  • 脱力感
  • 集中力低下
  • 物が見えにくい

 

▼大脳の機能低下による症状(血糖値30mg/dL以下)

  • 意識が朦朧とする
  • 異常行動
  • 痙攣
  • 昏睡状態

内科を探す

低血糖を「予防」するには?

医師男性

低血糖の予防には、

  • バランスの良い食事を摂る
  • 毎日継続して運動する

といった方法が効果的だと考えられます。

その① バランスの良い食事を摂る

医師男性
欠食せずいつも同じ時間に食事を摂るようにしましょう。
炭水化物を摂取する前に、食物繊維を豊富に含む食品低GI食品を摂るとよいでしょう。

血糖値の急激な上昇を抑える「食物繊維」や、消化に時間を要する「タンパク質」を摂取すると、低血糖の予防に有効と考えられています。

食物繊維を豊富に含む食品

キノコ類、野菜類、海藻類 等

低GI食品

玄米、魚介類、肉類、海藻類、キノコ類、野菜類、大豆 等

その② 毎日継続して運動する

医師男性
ウォーキング腹筋等の運動を毎日継続して行いましょう。

運動により「インスリン受容体数」と「インスリン感受性」の改善が期待できるため、低血糖の予防に有効と考えられています。

合わせて読みたい
異常な空腹感の原因は「低血糖」かも。眠気などの症状にも要注意!
2022-01-14
「異常な空腹感がある…」 「これって何が原因なの?」 異常な空腹感の原因は「低血糖」かもしれません。 低血糖になりやすい行動や、改善方法についてお医者さんが解説します。 病院で治療したほうがよい目安もチェックしましょう。 異常な空腹感の原因は「低血糖」かも! 異常な空腹感を感じるのは、血糖値が異常に低下した「低血糖」になっていると考えられます。 インスリンというホルモンの効きが良すぎると、血糖値が急激に下がり、低血糖となります。 低血糖の症状が食後に起こる場合、「血糖値スパイク」という血糖値の急激な上昇と下降が起こっている可能性が高いです。 また、糖尿病の初期症状で、インスリンの分泌が遅れることで低血糖が起こるケースもあります。 【セルフチェック】低血糖の症状リスト 次の症状が1つでも頻繁に起こる場合は、低血糖になっている疑いがあります。 はやめに医療機関を受診しましょう。 異常な空腹感がある 動悸がする 手指が震える めまいがする 集中力が低下する 脱力感や倦怠感が起きる 疲れやすくなる 眠くなる 意識が低下する 冷や汗が出る 低血糖はこんな人にも起こりやすい 糖尿病の治療薬を使っている人 膵臓の腫瘍(インスリノーマ)ができている人 要注意!「低血糖になりやすい」2つの行動 炭水化物の多い食事を摂る ストレスを溜めこんでいる・睡眠不足 といった行動は、低血糖を引き起こして異常な空腹を感じさせるきっかけになります。 その① 炭水化物の多い食事を摂る 糖質を過剰摂取すると、血糖値が急激に上がります。 その反動で膵臓から大量のインスリンが分泌されることで、血糖値が急激に下がってしまいます。 特に空腹時に摂取すると、より血糖値スパイクを起こしやすくなってしまいます。 その② ストレスを溜めこんでいる・睡眠不足 ストレスや睡眠不足は「血糖値を上昇させるホルモン」の分泌を促すため、血糖値スパイクの原因となります。 異常な空腹感「どう対処すればいい?」 低血糖で異常な空腹を感じたときは、安静にして過ごしましょう。 血糖値スパイクであれば、食後数時間たつと正常な値に戻り、症状が落ち着いてきます。 低血糖を「改善するためにできること」 低血糖による異常な空腹を防ぐため、 バランスの良い食事を摂る 食べる順番を工夫する 1日3食を心がける といった行動を心がけるとよいでしょう。 その① バランスの良い食事を摂る 主食、主菜、副菜の揃ったバランスの良い食事を摂るようにしましょう。 食事の栄養バランスが整うことで、糖質の過剰摂取の抑制となります。 また、糖の吸収をゆるやかにする水溶性食物繊維や、低GI食品を意識して摂ることで、血糖値の急上昇を抑えられ、その結果低血糖も予防できます。 水溶性食物繊維が豊富な海藻を、食事の最初にとりましょう。 バランスが偏ると、主食の割合が大きくなり、糖質の過剰摂取に繋がります。 炭水化物は、玄米や雑穀米、ブランパンなどの低GI食品を選ぶようにしてください。 その② 食べる順番を工夫する 副菜→主菜→主食の順で、よく噛んでゆっくり食べましょう。 食べる順番を工夫することで、血糖値が急上昇しにくくなります。 最初に海藻類を食べると、海藻に含まれる水溶性食物繊維が糖質の吸収をゆるやかにしてくれます。 また、適度な満腹感をえられ、主食の量を無理なくボリュームダウンでき、糖質の過剰摂取を抑えることができます。 その③ 1日3食を心がける 欠食をして次の食事までの時間が大きく空くと、空腹での食事となり、血糖値が急激に上昇しやすくなります。 食事は毎日同じ時間に1日3食摂るようにしましょう。 「病院で治療したほうがよい」目安 こんな症状は要注意! 疲れやすい 喉が渇き、水分をよく飲む 頻尿 食べているのに体重が減る 傷が治りにくい 目がかすむ 男性の場合、性機能の異常(ED) 異常な空腹感に上記の症状を伴う場合、糖尿病が疑われるため病院の受診をおすすめします。 糖尿病の合併症には、神経障害・網膜症・腎障害などがあります。 悪化すると失明や、動脈硬化による心臓病や脳卒中のリスクも高くなるため、早めの治療が大切です 病院は何科? 低血糖で医療機関を受診する場合、内科を受診しましょう。 受診の際には いつから症状が始まったのか どのような症状があらわれるのか 毎日の食べ物の摂取量 ストレスの有無 睡眠の状況 体調の変化 などを整理して伝えると、診察がスムーズに進みます。 内科を探す 低血糖は治るの?どんな治療をするの? 食事の取り方による血糖値スパイクであれば、医師の指導により改善する可能性があります。 この場合は、血糖値をコントロールするための食事指導や、毎日の適度な運動により血糖値を正常に保つことを図ります。 また、糖尿病を発症している人には、薬の処方やインスリンを補う注射で治療をします。

低血糖になってしまったときの「応急対処」

医師男性
低血糖になってしまったときは、ブドウ糖を10g、もしくは砂糖を20g(ブドウ糖の倍)摂取することで、症状を緩和することができます。

ブドウ糖がすぐに用意できない場合は、砂糖を含んでいる清涼飲料水150~200ml程度摂取してください。

※人工甘味料では血糖値を上げられないため注意してください。

「よく低血糖を引き起こす」のに放置すると…

医師男性
低血糖を治療や対処などを行わずに放置すると、低血糖が頻繁に起こるようになります。

低血糖が頻繁に起こると、日常生活に支障が出たり、低血糖の陰に隠れている疾患を見逃してしまいます。

低血糖に“病気”が隠れていることも…

医師男性
  1. アレルギー性疾患
  2. 貧血
  3. 甲状腺機能障害

などが原因で、低血糖の状態の陥るケースもあります。

病気① アレルギー性疾患

医師男性
  • 喘息
  • アトピー性皮膚炎
  • 慢性関節リウマチ
  • アレルギー性鼻炎

などを患っていると、低血糖の状態を招きやすいです。

アレルギー症状があると、体は副腎からコルチゾール(※)を分泌して、炎症を抑えようとします。
これにより体内のコルチゾールが不足すると、血糖をコントロールできず低血糖になるケースもあります。

(※)コルチゾール…抗炎症作用のあるホルモン。体内の血糖値を上げる役割も担っている。

こんな症状は「アレルギー」かも

  • 咳が出る
  • 皮膚のかゆみ、発疹
  • 関節の腫れ、痛み
  • 鼻水、鼻づまり

症状を和らげる「対処法」

  • 十分な睡眠時間を確保する
  • バランスの良い食事を摂る
  • アルコールを控える
  • 喫煙者は禁煙する
  • タンパク質を補給する(ホルモン産生のもとになる)

病気② 貧血

医師男性
貧血とは、血液中の「ヘモグロビン」が不足して、全身に酸素が届きにくくなる状態です。
酸素不足によって腸粘膜の再生が遅れ、食べ物の消化・吸収が悪くなると、低血糖を起こす場合があります。

こんな症状は「貧血」かも

  • 疲れやすい
  • めまい
  • 立ちくらみ
  • 息切れ
  • 集中力低下
  • 呼吸が不安定になる
  • 頭痛
  • 胸痛

症状を和らげる「対処法」

  • 鉄分を豊富に含む食品を積極的に摂取する(レバー、豚肉、小松菜、ひじき等)
  • 野菜(ビタミン、ミネラル)、肉類(タンパク質)をバランス良く摂取する
  • 過度の食事制限をしない

病気③ 甲状腺機能障害

医師男性
甲状腺機能亢進症や、甲状腺機能低下症といった甲状腺機能障害によって、低血糖の症状があらわれることがあります。

▼甲状腺機能亢進症

甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで発症します。

代表的な疾患はバセドウ病です。

 

消化管の蠕動運動が亢進され、腸からの糖の吸収が促進されると、食後の過血糖が起こり、その反動で低血糖状態になると考えられています。

 

▼甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンの分泌が不足することで発症します。

橋本病が原因になるケースが多いです。

 

糖の吸収障害が起こると、低血糖になるケースがあります。

症状の特徴

▼甲状腺機能亢進症の症状

  • 全身倦怠感
  • 体重減少
  • 多汗
  • 動悸、不整脈
  • 口の渇き
  • 甲状腺腫脹
  • 集中力低下
  • 頭痛
  • 蕁麻疹

▼甲状腺機能低下症の症状

  • むくみ
  • めまい
  • 息切れ
  • 徐脈
  • 関節痛
  • 便秘
  • 甲状腺腫脹
  • 気分の落ち込み
  • 眠気
  • 頭痛

症状を和らげる「対処法」

  • 1日3回食事を摂る
  • バランスのよい食事を摂る
  • アルコール、清涼飲料水の摂取を控える

など

体調不良が続いている方は、一度受診を!

医師男性
  • 慢性的に体調不良が続いている
  • 毎食後に倦怠感が生じる
  • 動悸・頻脈・低血糖が繰り返し起こる

等の症状が出現している場合は、早めに病院を受診してください。

病院は何科に行けばいい?

医師男性
低血糖で医療機関を受診する場合、内科の受診をおすすめします。

診察の際には、

  • いつから症状が出ているか
  • 出現している症状
  • 症状が出現するタイミング
  • 既往歴

などを伝えると、診察がスムーズに進みます。

内科を探す

低血糖の治療法

医師男性
  • 薬物療法(点滴、注射、点鼻薬、服用薬等)
  • 生活指導(食生活の改善等)

等の治療が行われるケースが多いです。

低血糖を引き起こしている疾患がある場合は、その疾患に対する治療が行われるケースもあります。

内科を探す

合わせて読みたい
女性は低血糖になりやすいって本当?糖尿病ではない原因も。病院行くべき?
2021-09-01
「女性は低血糖になりやすい?」 「食事を抜くと低血糖になる?」 低血糖の原因と対処法を、お医者さんに聞きました。 病院に行くべき症状も併せて解説します。 そもそも低血糖ってどんな状態? 低血糖とは血液中の糖分が、正常な範囲より下がってしまった状態のことをいいます。 女性は低血糖になりやすいってホント? 確かに、女性は低血糖になりやすいという研究もあります。 女性は男性に比べて低血糖を防ぐホルモン分泌が少ない、また食後の急激なインスリン分泌があるといったことから、低血糖になりやすいという研究もあります。 しかし、環境因子・遺伝因子などによっても異なるため、一概に“女性は低血糖になりやすい”とは言い切れません。 【セルフチェック】低血糖の主な症状 冷や汗が出る 動悸がする 手指が震える めまいがする 集中力が低下する 脱力感が起きる 疲れやすくなる 眠くなる 意識が低下する など 低血糖になってしまう「原因」 低血糖は、 糖尿病の治療薬を使っている インスリンを分泌する膵臓の腫瘍(インスリノーマ)ができている といったことが原因で発症することが多いです。 まれに、肥満外科手術後(減量のための手術)に、低血糖になることもあります。 「食事を抜くと低血糖になる」ウソ?ホント? 健康な人の場合、食事の量が少なかったとしても低血糖の症状が出ることは、ほとんどありません。 私、低血糖かも?「病院に行くべき目安」 頻繁に低血糖を起こす 意識レベルが低下している という場合は、早急に医療機関を受診しましょう。 低血糖は意識に関わる場合があります。 受診せず放置した場合、意識障害、昏睡などのリスクがあります。 病院は何科? 低血糖症状を相談したい場合、まずは内科を受診しましょう。 薬が処方されている場合は、その医療機関へ相談してください。 ※意識がなくなっているときは、救急車を要請してください。 内科を探す どんな検査を受けるの? 血液検査を行い、血液中の血糖値を測定します。 あくまで目安になりますので、直接、医療機関に確認すると良いでしょう。 医療機関では、糖を点滴して全身状態を良くする治療を行います。 保険診療となり、3,000〜4,000円程度かかります(3割負担の場合)。 「低血糖を防ぐ食事方法」糖尿病の人は注意! 糖尿病の治療薬を使用している方は 食事を抜かない 食事の時間を決める ということを心掛けましょう。 糖尿病の治療薬(内服・注射)を医師の指示通りに使用していない場合に、低血糖を起こしやすいです。 食事を適量食べることで、糖尿病のお薬がきちんと働き、低血糖を避けることができます。 その① 食事を抜かない 食事は抜かず、主食・主菜・副菜を揃えたバランスの良い食事を、よく噛んでゆっくり食べてください。 治療の際には独自のダイエットや偏った食事は避けましょう。 食事を抜いたり、量が少なかったりすると、血糖値は上がりません。 空腹時など血糖値が上がっていない状態で糖尿病薬を飲むと、血糖値を必要以上に下げてしまい、低血糖を起こしやすくなります。 自己流は危険なので、食事についてわからないことは、主治医や管理栄養士に相談してください。 その② 食事の時間を決める 食生活のリズムを整えることで、血糖値をコントロールしやすくなります。 食事のリズムが崩れると、薬を飲むタイミングがずれたり、忘れたりするので、食事の時間を決めましょう。 食事の回数や時間がバラバラだと、効率的に働くタイミングを逃してしまいます。 内科を探す ※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。 ▼参考 保健指導リースガイド

「なかなか痩せない」とお悩みの方へ

ライザップ

「ダイエットが続かない!」
「今年こそ、理想のカラダになりたい!」

そんなあなたには…
今こそライザップ!
#PR

「ライザップ」 詳しくはこちら

\もっと気軽にジムに通いたい人/
チョコザップ

「チョコザップ」 はこちら

\この記事は役に立ちましたか?/
役に立った! 168
※記事の内容は公開日時点の情報です。掲載後の状況により、内容に変更が生じる場合があります。

はんなみさん漫画

おすすめ記事
関連記事