まぶたが赤くなってヒリヒリする…。
その症状は「眼瞼(がんけん)炎」が原因かもしれません。
どのように対処すればいいのか、お医者さんに詳しく聞きました。
まぶたの赤みとヒリヒリ…これは大丈夫?
よくある原因として、次の3つがあげられます。
- かぶれ(化粧品、洗顔料、つけまつげ用接着剤等)
まぶたの皮膚は薄く繊細なため、過度の刺激を与えるとかぶれます。
- コンタクトレンズの誤使用
正しい洗浄が行われていないと、まぶたの炎症を引き起こすことがあります。
- アレルギー
なんらかのアレルゲンに反応し、まぶたに炎症が起こる場合があります。
① かぶれが原因の場合の対処
肌に合わない化粧品や洗顔料の使用を止めましょう。
皮膚に刺激を与える行為はNGです。洗顔の際には、まぶたをゴシゴシ洗わないように注意してください。
② コンタクトレンズが原因の場合の対処
コンタクトレンズの使用を中止してください。
しばらく眼鏡や裸眼で生活し、様子を見ましょう。
③ アレルギーが原因の場合の対処
アレルギー物質を避けることが大切です。
また、まぶたを触らないようにしましょう。指に付着した微量のアレルゲンも、炎症の原因となります。
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「目のふちが痒い…。これはなぜ?」
考えられる原因を、お医者さんが解説します。
おすすめの市販薬などの対処法もチェックしましょう。
なぜ?目のふちが痒い…
何らかのきっかけで目のふちに炎症が起こり、痒みを引き起こしていると考えられます。
眼瞼炎(がんけんえん)が原因かも
目のふちの痒みは、眼瞼炎が原因となっているケースが多いです。
眼瞼炎とは、感染症やアレルギー反応などによって、まぶたや目のふちに炎症が起こる病気です。
こんな症状に心当たりはありませんか?
目の中の異物感
目とまぶたの灼熱感、かゆみ
まぶたの縁が赤くなる
まぶたの腫れ
ものもらいができる
涙目になる
明るい光に過敏になる
目の乾燥
まつ毛が白く変色する
まつ毛の根元にできものがある
目やにが出る
まぶたが腫れて、一部のまつ毛が白く変色する場合、細菌感染による眼瞼炎が疑われます。
ものもらいができる場合は、皮脂腺の詰まりも考えられます。
また、寝ている間に分泌物(目やに)が乾燥して、まぶたがくっつくこともあります。
出血する恐れがあるため、まぶたの縁にできた“目やにのかたまり”は無理に剥がさないようにしましょう。
眼瞼炎(がんけんえん)の原因
細菌、ウイルス感染
アレルギー
まぶたの皮脂腺の閉塞、炎症
皮膚病
などが挙げられますが、はっきりとした原因がわからないケースもあります。
感染症は、ブドウ球菌や単純ヘルペスウイルスによって引き起こされるケースが多いです。
まぶたや“まぶたの縁にある腺”に感染症が起こると、眼瞼炎を発症します。
アレルギー反応の場合、花粉症が代表的です。
また、脂漏性皮膚炎や酒さ、アトピー性皮膚炎といった皮膚病が、まぶたの炎症を起こすこともあります。
こんな生活習慣だと発症しやすい!
不規則な生活
偏った食事
睡眠不足
ストレスや疲労の蓄積
などの生活習慣は免疫力の低下につながるため、感染症による眼瞼炎を引き起こしやすいです。
また、目をよく触る癖は、手指から細菌・ウイルスに感染する原因となるため、発症リスクが上昇します。
眼瞼炎(がんけんえん)の対処法
まずは、まぶたを清潔に保ちましょう。
清潔な湿ったガーゼなどで、力を入れずにそっと拭いてください。
市販の目薬を使ってもいい?
細菌感染が原因の場合には、市販の目薬で改善が見られる場合もあります。
市販薬を使用するのであれば、炎症を抑える作用がある“グリチルリチン酸二カリウム”や、かゆみを抑える作用がある“クロルフェニラミンマレイン酸塩”が配合された目薬をおすすめします。
なお、市販の目薬を3〜4日使用してもよくならない場合には、使用を中止して医療機関へ行きましょう。
また、「まぶたが腫れている」「目やにが多く出る」など、症状が重い場合には市販薬は使用せず、すみやかに眼科で相談してください。
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病院に行く目安
市販の目薬を3〜4日使用してもよくならない
かゆみが強い
症状が慢性化している
といった場合は、受診をおすすめします。
感染性(化膿性)の眼瞼縁炎の場合、悪化すると、まぶたが腫れてまつ毛が抜け落ちたり、まつ毛の根元に膿のたまった小さな膿瘍ができたりします。皮膚の肥厚、まぶたの変形が起こることもあります。
受診するのは眼科?皮膚科?
目の症状が強いときは、眼科を受診しましょう。
目の症状の例
目やにが出る
目の痛み
まぶたの腫れ
皮膚の症状(目の周り)が強いときには、皮膚科を受診しましょう。
皮膚の症状の例
目の周りのかゆみ
目の周りの腫れ
医療機関では、薬の処方をはじめ、症状に合わせた治療を受けられます。
早めの受診を心がけ、病気の悪化を防ぎましょう。
▼目の症状が強いとき
眼科を探す
▼皮膚の症状(目の周り)が強いとき
皮膚科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
MSDマニュアル家庭版 眼瞼炎
その症状、「眼瞼炎」かも
まぶたの炎症が長引く場合は、眼瞼炎(がんけんえん)の可能性も考えられます。
眼瞼炎は、まぶたの皮膚、まつ毛根元周辺、目尻のいずれかに生じます。
眼瞼炎の原因
- ウイルス・細菌の感染
- アレルギー反応
- まぶた縁の皮脂腺の炎症
- アトピー性皮膚炎
- かぶれ
- 点眼薬の副作用
主な症状
- 強いかゆみ
- まぶたが赤くなる(炎症が生じる)
- まぶたの腫れ(赤みを帯びない場合もある)
- ヒリヒリする
- まぶたがべたつくような感じ
- 目の両端、まつ毛に目やにが付く
- 光をまぶしく感じる
- 目の充血
- 目の異物感
- まつげが白くなる、抜ける
眼瞼炎は「自然に治る?」
急性の眼瞼(がんけん)炎は、2週間程度で自然治癒するケースが多いです。しかし…
ただし、
- 膿が溜まっている
- ただれている
- 再発を繰り返している
といった場合、自然治癒は困難です。
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眼瞼炎に「市販薬を使ってもいい?」
市販薬の使用は控えてください。
眼瞼(がんけん)炎は、原因によって有効な治療法や薬剤が異なります。
使用する薬の種類を判断するには、病院での検査が必要です。
眼瞼炎は「早めの受診」がオススメ
眼瞼(がんけん)炎が悪化すると、角膜に傷がつく恐れもあります。
目への悪影響を防ぐには、早期の治療が大切です。
症状に心当たりがある方は、放置せずに病院を受診しましょう。
まぶたのヒリヒリは何科?
眼科の受診をおすすめします。
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まぶたが痒くて、少し腫れている…。
皮膚科と眼科、どっちに行くべき?
「眼瞼炎(がんけんえん)」の症状があるときに何科を受診すべきか、お医者さんに聞きました。
眼瞼炎が感染性の場合、放置するとまぶたが変形するリスクもあります。
病院に行くまでの対処法も紹介しますので、チェックして悪化を防ぎましょう。
「眼瞼炎」は皮膚科と眼科、どっち?
眼瞼炎の症状があるときは、まずは「眼科」で受診することをおすすめします。
眼瞼炎は、まぶたの症状が目立ちますが、皮膚だけでなく目に原因があることも珍しくありません。
目の内部の異常は見た目でわかりづらいため、自分で確認するのが難しいです。
眼科であれば、目を検査する機器があるので、まぶたの症状と同時に「目の病気」の有無も調べられます。
「皮膚科」での治療をすすめられるケースも
目に感染がみられず、まぶたの皮膚に影響が強く出ている(かゆみ・腫れが強い)場合は、眼科の医師から皮膚科の受診をすすめられることがあります。
皮膚科では、まぶたの腫れの状態から、「接触性皮膚炎」や「アレルギー」、「アトピー性皮膚炎」が関わっていないかを判断できます。
ただし、目の病気のリスクを防ぐためにも、まずは眼科で診てもらったほうがよいでしょう。
眼瞼炎は早めに診てもらおう!
感染性の眼瞼炎の場合、悪化すると、まぶたが腫れてまつ毛が抜け落ちたり、まつ毛の根元に「膿のたまった小さな膿瘍」ができたりします。
「皮膚が分厚くなる」など、まぶたの変形を招くリスクもあるため、放置せず受診しましょう。
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眼瞼炎の原因は?
眼瞼炎の原因としては、
疲労・ストレス
細菌・ウイルス感染
アレルギー(花粉症など)
まぶたの皮脂腺の閉塞・炎症
皮膚病(アトピー性皮膚炎など)
などが挙げられます。
眼瞼炎は、何らかの「細菌」や「ウイルス」の感染などで発症することが多いです。
また、「アレルギー反応」や「皮膚病」によって引き起こされるケースもあります。
目に感染が見られない場合、「疲労」・「ストレス」などの原因も考えられます。
眼瞼炎の「主な症状」
目の中の異物感
目とまぶたの灼熱感・かゆみ
まぶたの縁が赤くなる・腫れる
目の周りの皮膚が剥げて、粉をふく
ものもらいができる
涙目になる
明るい光に過敏になる
まつ毛が白く変色する
まつ毛の根元にできものがある
目やにが出る
細菌感染の場合、一部のまつ毛が白く変色することが多いです。
病院に行くまでは、まぶたに触らないように気をつけて!
病院に行くまでは、症状の悪化を避けるために、
まぶたに触らない
症状がある箇所にメイクをしない
市販薬を使用しない
といったことに気をつけてください。
細菌感染から守るために、患部を清潔に保ちましょう。
「メイク用品」は油分・色素など様々なものを含んでおり、悪化を招きやすいので、使用を控えてください、
また、原因がはっきりしない状態だと、市販薬の使用が逆効果になるリスクもあります。
薬の使用については、医師の指示を受けるようにしましょう。
腫れの状態を「写真に撮っておく」のもおすすめ!
まぶたが腫れている状態を見せると、医師が原因を特定しやすくなります。
発症直後に写真を撮っておき、受診時に持参することで、腫れが引いている場合でも診断がスムーズになります。
眼瞼炎は、どんな治療をするの?
眼科では主に、「目薬」や「軟膏」を用います。
症状が重い場合は、抗菌作用のある「飲み薬」を併用して治療を行うこともあります。
眼科の診療では、基本的に目を強く触ったり、痛くしたりすることありません。
また、処方される軟膏薬は、目の中に入っても大丈夫なものが処方されることが多いです。
※皮膚に原因がある場合は「飲み薬」による治療が主になります。
医師に伝えるポイント
最近の健康状態
目が腫れる前に感じた異変
問診の際には、上記について尋ねられることが多いです。
上手く伝えられるか不安な場合は、事前にメモしておくとよいでしょう。
費用の目安
眼瞼炎の検査・治療にかかる費用は、だいたい5,000円以内になることが多いです。
治療は保険適用となります。
※検査の内容や保険の割合によって、費用が多少異なります。
治療期間の目安
眼瞼炎の治療は、2〜3週間程度かかることが多いです。
症状が治まっても、まだ目の周りの皮膚は弱っています。
再度の感染を防ぐために、しばらくは抗菌薬を使うことになるでしょう。
再発防止には「体調管理」が大切
眼瞼炎は、再発することが多い疾患です。
「疲れ」や「ストレス」がたまると、免疫が落ちて再発を招くため、体調管理が大切です。
普段の生活では、食事からバランスよく栄養を摂取し、睡眠をしっかりととりましょう。
疲れたときは早めに休んで、体調を崩さないようにしてくださいね。
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▼参考
日本皮膚科学会ガイドライン 接触性皮膚炎ガイドライン2020