「足に赤い斑点」痒くない…正体は?原因はストレス?放置して大丈夫?病院に行く目安も

更新日:2024-12-06 | 公開日:2020-11-19
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「足に赤い斑点」痒くない…正体は?原因はストレス?放置して大丈夫?病院に行く目安も

「足に赤い斑点ができた…」
「かゆくないけど、これって大丈夫なの?」

自然に治る?病院に行くべき?
足にできたかゆくない赤い斑点について、お医者さんに聞きました。
対処法と病院に行く目安も解説します。

監修者
経歴

杏林大学医学部卒業 市立函館病院、新東京病院、新久喜総合病院などを経て2023年8月より現職。心臓から大動脈手術まで幅広く対応する。また、現在二子玉川女性のクリニックにて下肢静脈瘤治療も担当(毎週金曜日)。

かゆくない足の赤い斑点…考えられる原因5つ

医師男性

かゆくない赤い斑点が足に出ているときには、主に

  • 単純性紫斑病
  • 湿疹
  • 薬疹
  • IgA血管炎(ヘノッホ-シェーンライン紫斑病)
  • 帯状疱疹

など、5つの原因の可能性が考えられます。

足の赤い斑点の原因① 単純性紫斑病

医師男性
単純性紫斑病は、皮膚の毛細血管が破れて血液が漏れ出し、皮膚に紫色や赤色の斑点が現れる状態です。20代以降の女性におこりやすいです。

単純性紫斑病は何かの病気によるものではなく、毛細血管がもろくなることで血液が漏れ出して起こるものである場合が多いです。
そのため、高齢になると自然に起こる変化のひとつと捉えられることもあります。

何かにぶつける、などの刺激がないのに「あざ」ができているような状態になるのが特徴です。

通常であれば、数日で消えることが多いです。

斑点の特徴

  • 紫色~赤色
  • 盛り上がりがなく平坦
  • あざのように見える
  • 指で押しても斑点の色が薄くならない

【見分け方】こんな症状が出ていたら薬疹かも

  • 特になし

発熱、倦怠感、痛みなどの全身的な症状は通常ありません。

なりやすい人

  • 高齢者
  • 長時間立ち仕事をする人
  • 皮膚が薄い人

足や手に繰り返し圧力がかかることで毛細血管が破れやすくなるため、長時間立ち仕事をする場合に起こりやすいです。
また、皮膚が薄い人は外的刺激に敏感になりやすいため、血管が破れやすくなります。

足の赤い斑点の原因② 湿疹

医師男性
皮膚のバリア機能が低下し、外的刺激やアレルギー反応などよって皮膚に炎症が起こっている状態です。
湿疹はかゆみを伴うことがありますが、初期段階や軽度の場合にはかゆみがなく斑点だけが見られることがあります。

湿疹は、主に

  • アレルギー性反応
  • 洗剤や香料など刺激性の物質(外部刺激)
  • 皮膚の乾燥
  • ストレスやホルモンバランスの乱れなど(体内要因)

によっておこることが多いです。

斑点の特徴

  • 盛り上がりがなく平坦
  • 進行すると赤い斑点が融合して大きく不規則な形状になる
  • 表面が乾燥していることが多く、触るとザラザラしている
  • 発疹の範囲が徐々に広がる場合がある

【見分け方】こんな症状が出ていたら薬疹かも

  • 皮膚の乾燥感
  • ヒリヒリ感や軽い痛み(かゆみはない)
  • 皮膚の薄皮が剥がれる(皮むけ)

なりやすい人

  • 乾燥肌の人
  • 足が蒸れやすい人
  • アレルギー体質の人
  • 免疫力が低下している人(疲れが溜まっている人)

湿疹は肌のバリア機能が低下しているときにおきやすいため、乾燥肌の人や風邪気味の人などにも出やすいと考えられます。
また、ストレスが多いと免疫力が低下するため、ストレスを感じやすい人や疲労が溜まっている人も注意が必要です。

足の赤い斑点の原因③ 薬疹

医師男性
薬疹とは、薬剤に対するアレルギー反応で皮膚に発疹が出ている状態です。
薬を使用して数分以内に症状があらわれるケースもあれば、数時間・数日・数週間後にあらわれるケースもあります。

主に

  • 薬に対するアレルギー反応
  • 薬の副作用
  • 長期間の摂取による薬剤の蓄積
  • 少量の薬剤でも過剰状態(不耐性)
  • 本来の薬理作用と異なる効果(特異体質)

などによって発疹が出ている状態です。

斑点の特徴

  • 赤い発疹が盛り上がっている(膨疹)
  • 皮膚が紫色・青色・灰色に変色することもある

【見分け方】こんな症状が出ていたら薬疹かも

  • 倦怠感
  • 痛みがある
  • 口の中がただれる
  • 熱が出る
  • リンパ節が腫れる
  • 肝臓、腎臓、骨髄などの他臓器障害がある
  • 血圧が低下する

なりやすい人

  • アレルギー体質の人
  • 新しい薬を服用した人

薬疹は薬に対するアレルギー反応や副作用が出ている状態です。そのため、新しい薬を服用した後に発疹が出た場合は注意が必要。
早めにアレルギー反応を起こしている薬を特定する必要があるため、すみやかに薬を処方してもらった病院を受診しましょう。

足の赤い斑点の原因④ IgA血管炎(ヘノッホ-シェーンライン紫斑病)

医師男性
IgA血管炎とは血管に炎症が引き起こる「血管炎」の一種で、体の中の小さな血管が炎症を起こして、皮膚や体の他の部分に症状が出る病気。
主に風邪を引いた後などに起こることが多いのが特徴です。

風邪などの感染症がきっかけとなることが多く、免疫系が病原体と間違えて自分の血管を攻撃してしまうことが原因だと考えられています。
主に感染症の発症から1~2週間以内に現れることが多いです。

斑点の特徴

  • 盛り上がりがない~やや硬い触感の斑点
  • 赤紫色
  • 指で押しても斑点の色が薄くならない
  • 足に集中して出現した後、上半身や腕にも広がる場合がある

斑点を触ると、軽いしこりのようなものがある場合があります。

内出血が原因で現れる斑点のため、指で押しても斑点の色が薄くならないのが特徴。色も内出血のような赤紫色をしていることが多いです。

【見分け方】こんな症状が出ていたら薬疹かも

  • 関節痛
  • 腹痛や吐き気
  • 全身の倦怠感
  • 微熱

風邪のような症状をともなう場合が多いです。

なりやすい人

  • 子ども(特に4歳~10歳)
  • 免疫力が低下している人
  • 遺伝的素因がある人

IgA血管炎は小児に多く見られるのも大きな特徴のひとつ。風邪やウイルス感染後に発症するケースが多いです。
これは免疫系が未熟で過剰反応を起こしやすいため。

同様に、成人の場合でもストレスや慢性疾患などによって免疫バランスが崩れていると発症しやすくなります。

足の赤い斑点の原因⑤ 帯状疱疹(初期段階)

医師男性
帯状疱疹は、水ぼうそうを引き起こす「水痘帯状疱疹ウイルス」が原因の病気です。
症状が進行するとかゆみが出ることもありますが、初期段階ではチクチクとした痛みを伴うことがあります。

帯状疱疹の原因となるウイルスは、水ぼうそうのウイルスと同じです。
このウイルスは水ぼうそうの治癒後も神経節に潜伏しているため、普段は特に何もなくても、免疫力の低下などのきっかけで再活性化し、皮膚に症状を引き起こします。
これが帯状疱疹です。

帯状疱疹は水ぶくれや赤みの症状が出るのが一般的ですが、初期段階ではかゆみなどもなく、斑点だけが出ている状態になることもあります。

斑点の特徴

  • 赤い点状の発疹
  • 神経に沿って帯状に現れる
  • 体の片側だけに現れる

赤い斑点が現れた後、進行すると水ぶくれができます。

【見分け方】こんな症状が出ていたら薬疹かも

  • 神経痛
  • 発熱
  • 倦怠感
  • リンパ節の腫れ

なりやすい人

  • 50歳以上の人
  • 過労やストレスが溜まっている人
  • 糖尿病や慢性疾患を持つ人

帯状疱疹は免疫力の低下が原因となってウイルスが活性化することで起こります。
そのため、免疫力が低下しだす50歳以上の人や、過労やストレスが溜まっている人は発症しやすくなります。

市販薬のおすすめ

医師男性

赤い斑点の原因が何によるものかにもよりますが、

  • ステロイド外用薬
  • 抗ヒスタミン剤入りの軟膏

などは役立つ場合があります。

もちろん、市販薬はあくまで応急処置です。
病院でしっかりと原因を究明してその症状にあった薬を使用することが重要ですので、早めに病院を受診するようにしましょう。

ステロイド外用薬の例

医師男性
  • オイラックスA
  • メンソレータムADクリーム
  • フルコートf

など

おすすめの症状

湿疹や皮膚炎 など

ステロイドは炎症を鎮める効果があります。
赤い斑点が湿疹や軽い皮膚炎の場合、炎症が抑えられることで症状の一時的な抑制に役立つでしょう。

抗ヒスタミン剤入りの軟膏の例

医師男性
  • フタアミンhiクリーム
  • ウナコーワクール
  • ムヒ

など

おすすめの症状

薬疹や軽いアレルギー など

抗ヒスタミン剤入りの軟膏とは、アレルギー反応によるかゆみを抑えるもののこと。
かゆみがない場合でも炎症の元となる物質を抑えるため、症状が悪化しにくくなります。

病院は何科?

医師男性
まずは、皮膚科を受診しましょう。
皮膚科は皮膚に関する病気や症状の診断と治療を専門とする科であり、赤い斑点や湿疹、アレルギー反応、感染症など、皮膚に現れるさまざまな症状に対応できます。

赤い斑点がかゆくない場合でも、皮膚に現れる症状には多くの原因があるため、専門的な知識を持つ皮膚科医による診断が必要です。
皮膚科では、場合によっては必要な検査を行い、しっかりと原因の診断をしてもらえます。

病院に行く目安

医師男性

症状が改善せずに進行する場合や、悪化してきた場合は、すみやかに受診することをおすすめします。

  • 斑点が1週間以上消えない
  • 斑点が痛くなってきた
  • 斑点が広がったり、変色してきた
  • 発熱、腫れなどが現れた

場合は、早めに病院を受診しましょう。

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