大人にもうつるロタウイルス。
「大人がかかったら、何日くらい続くの?」
「仕事には行ってもいい?」
大人がロタウイルスに感染したときの「症状」や「治し方」をお医者さんに聞きました。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
大人にも「ロタウイルスはうつる」
大人でもロタウイルスに感染します。
ただし、ほとんどの人の場合、大人になるまでに何度かロタウイルスに感染しているため、発症しても重症化するのは稀です。
予防するには…?
オムツの適切な処理、手洗いの徹底をしましょう。
オムツを交換するときには使い捨てのゴム手袋などを使い、捨てる場合はポリ袋などに入れてください。
手洗いは指輪や時計をはずして、せっけんで30秒以上もみ洗いしましょう。
衣類が便や吐物で汚れたときは、次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤)でつけおき消毒した後、他の衣類と分けて洗濯しましょう。
ロタウイルスにはアルコールなどの消毒薬ではあまり効き目がありません。
大人のロタウイルス感染の症状
ほとんどの人の場合、発症しても重症化するのは稀です。
吐き気・腹痛・下痢といった症状は比較的軽く、数日間続いても、すぐに快方に向かうでしょう。
ロタウイルスは、1度目に感染したときが重い症状となります。大人はすでに何度も感染しているため、感染しても「症状が出ない」ケースも多いです。
▼ロタウイルスの症状例
- 白っぽい水様便が1日に何回も出る。
- 下痢や嘔吐を繰り返す。
- 39度以上の発熱や腹痛がある。
- 咳や鼻水が出る。
自然に治る?
はい、体を休めていれば徐々に自然治癒していきます。
症状はいつまで続く?
大人の場合は、数日でいつも通り生活ができるまで良くなるでしょう。
ただし、疲労がたまっていたり、体が弱っていたりする人は、通常よりも回復するのに時間がかかる場合もあります。症状が現れたら、無理をせず休むようにしましょう。
ただし、無理をすると「重篤化」することも
安静にせず無理をすれば、重篤化する場合もあります。
大人の人で重症化するのは稀ですが、体調が良くないときに、無理して働いたり、暴飲暴食・アルコールの過剰摂取・激しい運動・ストレス過多になる行動をとることにより、悪化する場合もあります。
早く治したい…「いい薬はない?」
現在、ロタウイルスに有効な抗ウイルス薬はありません。(市販薬でも処方薬でもありません。)
また、下痢があるからと下痢止めを自己判断で使用するのはやめましょう。
下痢症状は、ロタウイルスを排出しているために現れています。無理やり下痢を止めてしまうと、よけいに症状が長引く場合があります。
早く治すためにできること
ロタウイルスに感染してしまい、症状が長引いています…。
出勤もしたいし、早く治したいです!

早く治したければ、安静にして、無理をしないことです。
下痢症状がまだある場合は、胃腸に負担のかからないものを食べて、水分補給を行ってください。反対に、アルコールや刺激のあるものは避けましょう。
ロタウイルスは、特効薬がないため、
- 安静にする
- きちんと水分補給をする
- 体力を消耗しないように栄養補給をする
のが早く治すために必要です。
おすすめの食事・避けるべき食事

温かいおかゆやうどんを食べて、体力を戻しましょう。
反対に、胃腸が弱っているので、油っぽい食べ物、消化に悪いしょっぱいものや硬い食べ物などは避けてください。
水分補給には、お水や白湯がおすすめです。
カフェインは胃腸への刺激が強く、また利尿作用があるため避けてください。
カフェインの含まれない飲み物を飲みましょう。
また、冷たすぎる、熱すぎる、炭酸飲料もおすすめしません。
仕事はどうする?出勤してもいい?

発熱や下痢、嘔吐の症状がひどいときには、無理をせず休みましょう。
大人同士で感染しても重い症状になることはまれですが、他の人がウイルスを家庭に持ち帰り、子どもへの感染することもあります。
また、仕事に行き始めても、まだ多少の下痢、だるいなどの症状があれば体は、本調子には戻っていません。残業などは避け、早めに帰宅して消化に良いものを摂り休みましょう。
解熱し、下痢、嘔吐なども治って、通常通りの体力があれば、普段通り出勤しても大丈夫でしょう。
人にうつさないようにできること
トイレの後は手洗いを徹底してください。
ロタウイルスは、嘔吐物、便についているウイルスが飛び散り、口から入って感染します。ウイルスは、主に手指や爪の間などについています。
手洗いをせずに様々なものに触れるのは避け、トイレの後は、手洗いを徹底しましょう。
症状がつらいときは…
症状がつらい場合は、重症化する前に病院を受診しましょう!
大人でも、安静にせず無理をすれば重篤化する場合があります。例えば、脱水症状が進んでしまった場合は、点滴が必要になることもあります。
医療機関では、発熱には解熱剤の処方、下痢や嘔吐があまりに辛い場合は下痢止めや吐気止めが処方される対症療法が行われます。
病院を受診したほうがいい症状
- 発熱が38度以上あり、2日以上たっても下がらない
- 下痢や嘔吐の症状が全く快方に向かわない
- 嘔吐のせいで、水分が取れず、脱水症状がある(めまい、ふらつき、頭痛など)
- 意識障害がある
など
何科を受診する?
ロタウイルス感染は、胃腸内科もしくは内科を受診しましょう。
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2020-06-03
毎年6月から8月にかけて流行する手足口病。
“子どもの病気”と思われがちですが、大人も感染します。
お医者さんに、大人の手足口病を早く治す方法についてお医者さんに聞きました。
「自然に治るの?」「出勤しても大丈夫?」といった疑問にも答えます。
手足口病は大人も感染する?
大人でも手足口病に感染します。
手足口病は、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスという種類が多く存在するウイルスの感染症です。そのため、一度かかって終わりではなく、何度も感染します。
子どもがから感染するケースが多いです。
手足口病は飛沫(くしゃみ等)や接触、または赤ちゃんの便を処理を介して感染することもあります。
大人の手足口病の症状
大人も子ども同様に、喉の腫れ・口内炎・手のひらや足の裏の発疹・水疱の症状があらわれます。ただし、大人の場合は、発疹が水疱にはならない・発疹が出る箇所が手のひら・足の裏には限られないというケースもあります。
また、大人の場合は免疫力が低下していて感染するケースが多く、子どもよりも発症すると重症化することがあります。
初期症状
風邪の初期症状のような変化(倦怠感、関節痛、頭痛、喉の痛みなど)を感じ、体に発疹が出ます。
症状が悪化すると…
口内炎で食事が取れなくなる人や、発疹がたくさんでて痛がゆい、足の裏に発疹が出て歩きにくくなることもあります。
仕事に行っても大丈夫?
発熱や全身症状(倦怠感・関節痛・頭痛)がなく、食事もしっかりとることができれば、仕事に行ってもよいでしょう。
周囲の人にうつさないために
他の人への感染を避けるためにもマスクを着用し、手洗いを十分に行ってください。水疱が潰れるとウイルスが飛び散ることがあるので、発疹はテーピングして保護しましょう。
人にうつる期間はいつまで?
発熱や関節痛、喉の痛みなどがあるときは感染力が強いです。また症状がおさまっても便からウイルスが1ヶ月ほど排出されるので、トイレの後はよく手洗いを行いましょう。
治るまで、どれくらいの期間がかかる?
安静にしていれば、1週間程度で快方に向かうでしょう。
通常は、安静にしていれば自然治癒します。発疹も、無理に触ったりしなければ自然に消失します。
ただし発疹が消えるまでは子どもより長く(数週間〜数ヶ月)かかる人もいます。発疹がひどい場合、数ヶ月症状が残る場合もあります。
病院で治療を行えば、皮膚症状も通常1~2週間程度でよくなるでしょう。
教えて!早く治す方法
安静にして休息を取るのが重要です。
消化に食事をしっかりとり、よく眠りましょう。
また、体を動かすのがつらいときは、入浴するのは控えましょう。無理をして動くと疲労がたまり、ウイルスが増殖して悪化してしまうこともあります。
こんなときは病院へ!
・高熱が出ている
・意識が朦朧としている
・発疹のかゆみ・痛みが我慢できない
・呼吸が苦しい、ゼーゼー息をしている
・水分補給ができず脱水を起こしている
という場合は、病院へ行ったほうがよいでしょう。
目安として、40度以上の熱が2日以上下がらないときは病院に行きましょう。
大人の場合は、内科もしくは皮膚科を受診しましょう。
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参考
NIID国立感染症研究所 手足口病とは
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/441-hfmd.html
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2020-05-21
発熱後に発疹が!
これは一体何?
お医者さんに対処法を聞きました。
受診目安や病院に行く前に気をつけてほしいことも解説します。
何科に行く?仕事は行ってもいい?お風呂は?といった疑問についてもお答えします。
なぜ出る?大人の発熱後の発疹の原因
代表的な原因として、
麻疹(はしか)
水疱瘡
りんご病
デング熱
発疹チフス
が考えられます。
それぞれの「症状の特徴」と「治し方」を解説します。自分に当てはまる症状がないか、確認してくださいね。
原因1.麻疹(はしか)
麻疹ウイルスによる、急性の感染症です。
熱は一回下がりますが、再度発熱し、全身に発疹が現れます。発疹は首・おでこ・耳の後ろから始まり、最終的に全身に生じます。肺炎、脳炎、中耳炎等の合併症を併発する可能性もあるため注意が必要です。
<発疹の特徴>
赤く平らな発疹がでる
その後発疹が盛り上がり、約1mmの白っぽい凸凹状になる
発疹を指で押すと色が退色する
<それ以外の症状>
咳/鼻水/39度以上の高熱/倦怠感/結膜充血等
口の中の粘膜に、斑点(コプリック斑)が現れるケースも
麻疹の治し方は?
発熱や発疹があった場合、麻疹かもと思った場合は病院へ行きましょう。
麻疹に対する特別な治療法がないため対症療法がメインで行われます。
肺炎、中耳炎等の細菌性の合併症を併発した際は、抗菌薬を用いた治療が行われる場合があります。
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原因2.水疱瘡
子どもの病気のイメージが強いですが、大人が感染することもあります。
ウイルス感染後、14日間ほどの潜伏期間ののち、発熱や倦怠感が生じます。
<発疹の特徴>
かゆみを伴う赤い発疹
粘性の液体を含む水疱や膿疱
<それ以外の症状>
発熱/倦怠感
水疱瘡の治し方は?
水疱瘡の疑いがあるときは、皮膚科を受診してください。
原因ウイルスの増殖を抑制するため、抗ウイルス薬での治療や発熱、かゆみの症状を緩和させるための治療が行われます。
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原因3.りんご病(伝染性紅斑)
ヒトパルボウイルスに感染して、発疹や風邪と似た症状が出現します。
稀に脳炎を起こしたり、妊婦の方は流産の恐れがあったりするため、軽視するのは危険です。
<発疹の特徴>
(顔に)蝶々のような形の赤い斑点
(手足に)蕁麻疹のような発疹
<それ以外の症状>
発熱/寒気/筋肉痛/喉の痛み/倦怠感等
りんご病の治し方は?
通常は自然治癒します。
高熱(38度以上)でつらい
妊娠している
という場合は、内科を受診してください。
病院では、症状に合わせた対症療法が行われます。
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原因4.デング熱
発症後、3~4日程度たってから発疹が出始めます。
稀に重症化すると、デング出血熱、デングショック症候群を起こす場合があるため、早期発見、早期治療開始が重要です。
<発疹の特徴>
赤い発疹
体の中心(体幹・胸部)から手足や顔へと広がる
<それ以外の症状>
発熱/頭痛/吐き気/嘔吐/関節痛等
デング熱は治し方は?
病院で早期治療を行いましょう。
出現している症状に合わせた対症療法が行われます。
発熱や痛みがある場合は、アセトアミノフェン等の薬剤を用いた治療が行われる場合があります。
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原因5.発疹チフス(リケッチア症)
発熱から2~5日程度経過した時点で、体幹に発疹が出現します。重症化すると、精神神経障害(うわごと、幻覚、錯覚、意識混濁等)が現れる場合があります。
<発疹の特徴>
腕・足から全身に広がる
初期段階の発疹(ピンク色)は、指で押すと色が消失する。
徐々に指で押しても消失しない暗紫色になる。
<それ以外の症状>
39度以上の高熱/寒気/頭痛/吐き気/嘔吐/脱力感/手足の痛み等
発疹チフスの治し方は?
発疹チフスの疑いがある場合はすぐに病院に行きましょう。
発熱してから2週間程度経過すると、急に熱が下がるという特徴があります。
テトラサイクリン系の抗菌薬を用いた治療が行われるケースが多いです。
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病院へ行くべき?
次のような症状が現れた場合は、早急に病院を受診しましょう。
皮膚の色が蒼白、暗紫色
高熱が続く
倦怠感が続く
激しい嘔吐、腹痛等が続く
水分等が摂れず脱水状態
発疹が化膿した
発疹(水ぶくれ)がどんどん増た
呼吸困難がみられる
発熱がある場合は、水分補給をこまめに行い、脱水症状を起こさないようにしてください。
※“人に感染する発疹”の場合、病院に行く前に事前に電話をして、症状を伝えるようにしてください。
病院は何科?
内科または皮膚科を受診しましょう。
発熱などの全身症状を伴う→内科
発疹など皮膚症状のみ→皮膚科
に行くとよいでしょう。
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お医者さんへ伝えるポイント
いつ頃から発疹が生じているのか
発疹の状態(発疹の色/かゆみの有無/数の増減)
発疹が出現してからの体調の変化
発疹以外の症状の有無
海外渡航歴について把握しておく
症状がでてから毎日検温し、症状を記録しておきましょう。
発疹を写真に撮って、病院へ持参するのもおすすめです。
仕事は行っても大丈夫?
麻疹→解熱後3日間は自宅待機が必要とされています。
水疱瘡→軽症であっても、発疹が全部かさぶた状になるまで安静にして過ごすことをおすすめします。
りんご病→発熱などの症状が治れば、特に他に感染するリスクは低くなります。ご自身の症状が落ち着いたら出勤しましょう。
デング熱・発疹チフス→他の人への感染リスクがあるので、医師の許可が出るまでは自宅待機をしましょう。
お風呂は入っても大丈夫?
熱が続いている
水ぶくれ状の発疹が増えている
等は、症状が落ち着くまでお風呂は控えましょう。
その場合は、短時間のシャワーや濡らしたタオル等で体を優しく拭いてください。
▼参考
厚生労働省 デング熱について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000131101.html
京都府 感染症緊急情報
https://www.pref.kyoto.jp/kentai/260903kansenkinkyuu.html
NIID国立感染症研究所 発しんチフスとは
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/517-typhus.html
国立がん情報センター がん情報サービス 発熱
https://ganjoho.jp/public/support/condition/fever.html
NIID国立感染症研究所 麻疹とは
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/518-measles.html
NIID国立感染症研究所 水痘とは
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/418-varicella-intro.html
NIID 国立感染症研究所 伝染性紅斑とは
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/443-5th-disease.html
NIID 国立感染症研究所 デング熱とは
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ta/dengue/392-encyclopedia/238-dengue-info.html
東京都感染症情報センター デング熱
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/dengue/
東北大学病院 デング熱について総合感染症科の具先生に聞きました
https://www.hosp.tohoku.ac.jp/release/news/3076.html