「20年以上前の銀歯」はそのままで大丈夫？銀歯の下の虫歯の見つけ方は？外すリスクも

「20年以上前の銀歯、そのままで大丈夫？」
「そもそも銀歯は何年くらいもつの？」

20年以上前の銀歯はそのままで大丈夫なのか、歯医者さんにお聞きしました。
銀歯を変える場合にどんな処置をするのかも解説します。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

「20年以上前の銀歯」はそのままでも大丈夫？

「20年以上前の銀歯」を、そのままにしておくのはおすすめできません。
念のため、一度歯医者で診察を受けましょう。

銀歯の耐用年数は5～7年程度と考えられています。
銀歯は長年使用を継続していると、劣化や変形が起きて、銀歯と歯の間に隙間が生じやすいです。
そのため、隙間から虫歯菌が侵入して虫歯を発症している場合も多くあります。

特に歯の神経を取っている人は、痛みを感じにくいため虫歯が進行しやすく、気が付いたときには「歯を長く残せない状態に陥っている」というケースもあります。

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銀歯の下には虫歯があるかも…見つけ方は？

• 銀歯周囲の歯が黒っぽくなっている
• 銀歯のまわりに隙間や溝ができている
• 虫歯治療済みなのに痛みが生じる
• 銀歯を入れている歯がしみる
• 銀歯のふちが欠ける

などの場合、銀歯の下で虫歯が発生している可能性が高いです。

銀歯の中は目で確認できないため、「実際に取り外すまで判断しづらい」という特徴があります。
特に歯の神経を取っている人は、痛みを感じにくいため虫歯の発見が遅れやすく、気が付いたときには歯を長く残せない状態に陥っていることもあります。

銀歯を外すリスクは？

• 取り換え費用が高額 （保険適用外の素材の場合）
• 取り換える素材によっては銀歯に比べて強度が劣る

などのリスクは考えられます。

ただし、銀歯の放置による「将来的な歯への悪影響」や、銀歯から溶出する「金属イオンによる体への悪影響」を考えると、銀歯を長年放置するリスクの方が大きいと言えます。
いずれにしても、一度歯医者で診てもらうことをおすすめします。

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銀歯を外した後はどうする？

• 保険適用の白い歯（コンポジットレジン）
• 保険適用対象外の白い歯（セラミック等）

を用いて被せ物を作成し、取り付ける処置が行われるケースが多いです。

詰め物・被せ物の種類は？

銀歯から詰め物・被せ物を交換する場合、

1. コンポジットレジン（保険適用）
2. ハイブリッドレジン（保険適用）
3. セラミック（保険適用外）

などの素材が選択されます。

①　コンポジットレジン（保険適用）

コンポジットレジンは、歯科用に改良された複合プラスティックです。
数ヶ月は天然歯のようなきれいな歯が実現できますが、セラミック（保険適用外）などと比較すると、強度や審美性は多少劣ります。

ただし、以前のものより耐久性も審美性も向上しています。

どんな場合に選ばれるの？

• 前歯などの力が加わりにくい歯
• 奥歯の小さい範囲の銀歯の取り換え

などに選ばれることが多いです。

費用は？

保険適用になり、1歯あたり1,000～3,000円程度のケースが多いです。

費用は治療を受ける医療機関により異なるため、事前に確認しましょう。

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②　ハイブリッドレジン（保険適用）

ハイブリッドレジンとは、レジン（プラスティック）とセラミック（ナノフィラー）を混合させたものです。
セラミック（保険適用外）などと比較すると強度や審美性は多少劣りますが、きれいな歯を実現できます。

しかし、長期間の使用により、徐々に変色したり、磨り減ったりする場合があります。

どんな場合に選ばれるの？

• 保険適用内で歯をきれいにしたい
• 奥歯の銀歯と取り換えたい

などの場合に選ばれることが多いです。

費用は？

保険適用で1歯につき5,000円以上必要になるケースが多いです。

※上下の4、5番目の歯（小臼歯）は保険が適用されます。
また、「上下の7番目の歯が残っているという」条件付きで、下の6番目の歯（大臼歯）、上の6番目の歯（大臼歯）も保険適用になりました。

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③　セラミック（保険適用外）

セラミックとは、陶器に使用される素材です。
汚れが付きにくく表面がツルツルしているため、天然歯のような見た目です。

「耐久性も強く、劣化しにくい」という特徴もあり、ケア次第で10～20年程度劣化せずに使用できることもあります。
また、隙間なく接着できるため虫歯の再発リスクが軽減されることも期待できます。

どんな場合に選ばれるの？

• きれいな歯にしたい
• 歯の色や硬さを選びたい
• 長期間劣化しない歯にしたい

などの場合に選ばれることが多いです。

費用は？

セラミック治療は自由診療なので、1歯あたり5万～10万円以上必要になるケースが多いです。

費用は治療を受ける医療機関により異なるため、事前に確認しましょう。

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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。