「副鼻腔炎で歯が痛い…!」
「この痛み、どう対処すればいい?」
副鼻腔炎による歯の痛みの対処法を、歯医者さんに聞きました。
おすすめの市販薬も詳しく解説します。
監修者
経歴
歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。
「副鼻腔炎で歯が痛い」ときの対処法
副鼻腔炎による歯の痛みは、
などの対処を行うことで、痛みの緩和が期待できます。
「痛みのある歯を冷やす」と、炎症が治まって痛みが和らぐことがあります。
冷やすときは、タオルでくるんだ保冷剤や氷などを使用しましょう。
ただし、冷やしすぎは、刺激が強すぎて痛みを悪化させる恐れもあるため、注意しましょう。
また、鎮痛剤を服用すると、我慢できない程の痛みも一時的に和らぐことがあります。
「痛みを和らげる」作用がある市販薬の例
- ロキソニン(第一三共ヘルスケア)
- イブA錠(エスエス製薬)
- バファリン(ライオン)
など
ただし、こんな症状は歯医者へ!
- 虫歯治療後の歯が痛い
- 何もしていないのに歯が激しく痛む
- 歯茎の腫れや痛みもある
- 2~3本の歯が同時に痛む
- ものを噛むと痛い
などの症状がある場合は、歯医者を受診してください。
上記症状には、歯や歯茎の炎症の悪化が疑われます。
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2023-01-30
副鼻腔炎とは、どのような病気なのかを分かりやすくまとめました。
副鼻腔炎の主な症状も紹介するので、「副鼻腔炎かも…」と思う人は心当たりがないかチェックしましょう。
副鼻腔炎とは
副鼻腔炎とは、副鼻腔(鼻の奥にある空洞)や鼻の粘膜に、細菌やウイルスが侵入し、炎症が起こる病気です。
副鼻腔に膿が溜まったり、腫瘍が発生したりすることで、目の下の骨に痛みが生じることがあります。
副鼻腔炎の症状
鼻がつまる
黄色や緑色の鼻水(膿性鼻水)が出る
発熱する
痰がからむ咳が出る
ほほ、おでこに痛みが出る
頭が痛い
目が痛い
歯が痛い
副鼻腔炎の原因
副鼻腔炎にかかる原因としては、下記が挙げられます。
風邪
ハウスダスト
花粉
カビ
風邪以外の原因に関しては、それらが鼻から入って副鼻腔にまで侵入し、炎症を起こして鼻水が臭うこともあります。
副鼻腔炎になりやすい人
副鼻腔炎は、誰にでも発症する可能性のある病気ですが、次のような人は特に注意が必要です。
75歳以上の高齢者
糖尿病、慢性肺疾患、慢性腎疾患などにかかっている方
ウイルスや細菌感染による鼻症状を繰り返している方
過去一ヵ月に抗菌薬を使用した方
肥満傾向の方
喫煙習慣のある方
ぜんそくや気管支炎のある方
副鼻腔炎に使える市販薬は?
市販の鼻炎薬を使用することで、回復することもあります。
市販薬の例
アレルギー性副鼻炎の場合…
ナシビンメディ:佐藤製薬
アルガード鼻炎クールスプレーa:ロート製薬
風邪による副鼻炎の場合…
パブロン鼻炎アタックJL:大正製薬
アレルギーによる場合には、副鼻腔炎だけでなく鼻閉(鼻づまり)も併発している可能性があるため、点鼻薬がおすすめです。
また、最近では漢方薬による副鼻腔炎の治療薬も出始めています。
蓄膿症の漢方薬としても用いられている辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)がおすすめです。
こんな症状は早く病院へ
副鼻腔炎が悪化している場合、自然に治りにくいです。症状が2週間以上続いているときは、早めに受診しましょう。
副鼻腔炎が悪化すると、症状の慢性化や中耳炎を発症するリスクがあります。
中耳炎は聴力に悪影響を及ぼす恐れがあるため、注意したいものです。
さらに、重症化して髄膜炎(※)を引き起こすケースも稀にあります。放置しないようにしましょう。
※「髄膜炎」…頭蓋骨と脳の間にある「髄膜」という膜に、細菌・ウイルスなどが感染し、炎症を起こす病気。頭痛や嘔吐、錯乱などの症状が現われ、最悪の場合命に関わることもある。
病院は何科?
副鼻腔炎の症状は、耳鼻いんこう科で相談しましょう。
耳鼻いんこう科を探す
副鼻腔炎の治療法
薬の処方、点鼻噴霧ステロイド、鼻洗浄を行います。
処方するお薬には、鼻の中の環境を整える「抗菌薬」、痰を出しやすくする「去痰薬」などがあります。
症状によっても異なりますが、2〜3ヶ月程度で治るケースが多いです。
なお、薬物療法で改善が見られない場合には、内視鏡での手術も検討されます。
副鼻腔炎は、市販薬で治る?
副鼻腔炎そのものに対して、市販薬を使用して様子をみることもできます。
ただし、治療を受けた方が治りやすいため、基本的には医療機関の受診をおすすめします。
市販薬を服用すると、出現している症状や体質により異なりますが、早ければ3~4日、遅いと1か月ほどで症状の改善がみられます。
改善がみられない場合には、使用を中止して医療機関で相談しましょう。医療機関では、症状に合ったお薬の処方を受けられます。
早く治すために「自分でできること」
- 鼻うがいをする
- アルコールの摂取を控える
- 鼻水は、正しい方法でかむ
などを行いましょう。
①鼻うがいをしよう
鼻を洗浄する鼻うがいは、副鼻腔炎によって鼻の中に溜まっている膿の除去に有効と考えられています。
鼻うがいのやり方
500mlの水に小さじ1の塩を入れて、塩水を作りましょう。
片側の鼻を押さえながら、反対側の鼻から塩水を吸い込み口から排泄するという動作を繰り返し行いましょう。
※ただし、やり過ぎは鼻への刺激になり、よくありません。鼻がスッキリしたと感じたらやめましょう。
②アルコールの摂取を控えよう
鼻の粘膜の大部分は毛細血管でできており、アルコールは血管を拡張する働きがあります。
飲酒により鼻の粘膜が膨らむと、鼻づまりを起こして副鼻腔炎を悪化させます。
③鼻水は、正しい方法でかもう
鼻水はすすらずに、排出しましょう。
鼻をかむときは、口を閉じて鼻から空気を吸い込んだあと、片側を押さえながらもう片方の鼻から息を吐き切ってください。
鼻をかむことで、副鼻腔内に溜まってしまった「細菌を含む鼻水」や「膿」を排泄することができます。
それでも治らないときは…
「なかなか治らない」と感じたときは、放置せず受診しましょう。
副鼻腔炎による歯の痛みがある場合は、まずは歯科の受診をおすすめします。
副鼻腔炎による歯の痛みが治らない場合、
- 虫歯や歯周病が原因で歯が痛んでいる
- 副鼻腔炎が悪化・慢性化している
といった原因が考えられます。
上記症状には、医療機関での治療が必要です。
歯科では、虫歯や歯周病が隠れていないか調べることが大切です。
※歯科受診により、虫歯・歯周病がないと判明した場合は、「耳鼻いんこう科」での治療が必要になることもあります。
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