くしゃみをした時に「なんか臭い…」と思ったことはありませんか?
くしゃみが臭い原因をお医者さんに聞きました。
くしゃみのにおいの改善法や、病気の可能性についてもお答えします。
ぜひ参考にしてみてください。
監修者
経歴
福岡大学病院
西田厚徳病院
平成10年 埼玉医科大学 卒業
平成10年 福岡大学病院 臨床研修
平成12年 福岡大学病院 呼吸器科入局
平成24年 荒牧内科開業
くしゃみが臭いのはなぜ?
口腔内に存在している菌が増殖する(起床時や空腹時、緊張している時など)と、口臭の原因となる物質が増え、口臭がする場合があります。
この時にくしゃみをすれば、臭いと感じます。
臭い玉!?膿栓のにおい
喉には、扁桃という部位があり、この部位は細菌やウイルスを体の奥へ入れないように戦っているところです。
扁桃には、穴がいくつもあり、そこに死滅したウイルスや悪玉菌、食べかすなどが溜まり、固まって白い塊(膿栓)を作ります。
膿栓は、大変臭いにおいがします。
くしゃみと一緒に飛び出してくることもあります。
膿栓ができやすい人
膿栓は扁桃炎を起こしやすかったり、口腔環境がよくなかったり(衛生的でない)すると、発生しやすいです。
また、膿栓は自然になくなることもあります。
マスクを長時間つけているとくしゃみが臭くなる?
くしゃみによって様々な菌や膿などが混ざった唾液がマスクに付着しています。
このまま放置しておけば乾燥し、においを感じる場合もあります。
汚れたマスクによって、口腔環境が悪化すると、匂いも出やすくなります。
使い捨てマスクの場合、基本1日1回取り替えましょう。
くしゃみのにおいを改善する方法
臭いくしゃみは、口腔内を清潔に保つことで対処しましょう。
歯磨き・うがいを適度に行い、水分補給をして、口を潤わせておくことで菌の繁殖が抑えられて、口臭が出にくくなります。
膿栓がある場合は、うがいをこまめに行いましょう。
虫歯や歯周病が原因で、においを発している場合もあります。
歯科で治療を受けましょう。
歯科を探す
においが治らない場合|副鼻腔炎や扁桃炎の可能性も
くしゃみが臭い場合に考えられる病気をご紹介します。
副鼻腔炎(蓄膿症)
副鼻腔炎(蓄膿症)を発症していると、鼻の奥でウイルスや細菌が増殖し、膿が溜まっていきます。
膿や膿を含んだ鼻水などを含んだくしゃみは、においを感じる場合があります。
<副鼻腔炎の主な症状>
- 風邪は良くなったのに、いつまでの鼻がつまる
- どろっとした臭い鼻水がでる
- 鼻づまりで、おでこの当たりの頭痛がする
- 鼻の付け根が痛む
- くしゃみが臭い 等
これら複数の症状が当てはまる場合は、急性副鼻腔炎を発症しているかもしれません。
アレルギーや鼻の形が原因となって発症するケースもあります。
副鼻腔炎の治し方
軽度の副鼻腔炎は、自然治癒や市販薬での治療も望めます。
アレルギーが原因の場合は、アレグラやクラリチン等でも改善されます。
鼻づまりを早く解消するように、ゆっくり休んでください。
改善されない場合は、病院で適切な治療を受けましょう。
耳鼻いんこう科を探す
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2023-01-30
副鼻腔炎とは、どのような病気なのかを分かりやすくまとめました。
副鼻腔炎の主な症状も紹介するので、「副鼻腔炎かも…」と思う人は心当たりがないかチェックしましょう。
副鼻腔炎とは
副鼻腔炎とは、副鼻腔(鼻の奥にある空洞)や鼻の粘膜に、細菌やウイルスが侵入し、炎症が起こる病気です。
副鼻腔に膿が溜まったり、腫瘍が発生したりすることで、目の下の骨に痛みが生じることがあります。
副鼻腔炎の症状
鼻がつまる
黄色や緑色の鼻水(膿性鼻水)が出る
発熱する
痰がからむ咳が出る
ほほ、おでこに痛みが出る
頭が痛い
目が痛い
歯が痛い
副鼻腔炎の原因
副鼻腔炎にかかる原因としては、下記が挙げられます。
風邪
ハウスダスト
花粉
カビ
風邪以外の原因に関しては、それらが鼻から入って副鼻腔にまで侵入し、炎症を起こして鼻水が臭うこともあります。
副鼻腔炎になりやすい人
副鼻腔炎は、誰にでも発症する可能性のある病気ですが、次のような人は特に注意が必要です。
75歳以上の高齢者
糖尿病、慢性肺疾患、慢性腎疾患などにかかっている方
ウイルスや細菌感染による鼻症状を繰り返している方
過去一ヵ月に抗菌薬を使用した方
肥満傾向の方
喫煙習慣のある方
ぜんそくや気管支炎のある方
副鼻腔炎に使える市販薬は?
市販の鼻炎薬を使用することで、回復することもあります。
市販薬の例
アレルギー性副鼻炎の場合…
ナシビンメディ:佐藤製薬
アルガード鼻炎クールスプレーa:ロート製薬
風邪による副鼻炎の場合…
パブロン鼻炎アタックJL:大正製薬
アレルギーによる場合には、副鼻腔炎だけでなく鼻閉(鼻づまり)も併発している可能性があるため、点鼻薬がおすすめです。
また、最近では漢方薬による副鼻腔炎の治療薬も出始めています。
蓄膿症の漢方薬としても用いられている辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)がおすすめです。
こんな症状は早く病院へ
副鼻腔炎が悪化している場合、自然に治りにくいです。症状が2週間以上続いているときは、早めに受診しましょう。
副鼻腔炎が悪化すると、症状の慢性化や中耳炎を発症するリスクがあります。
中耳炎は聴力に悪影響を及ぼす恐れがあるため、注意したいものです。
さらに、重症化して髄膜炎(※)を引き起こすケースも稀にあります。放置しないようにしましょう。
※「髄膜炎」…頭蓋骨と脳の間にある「髄膜」という膜に、細菌・ウイルスなどが感染し、炎症を起こす病気。頭痛や嘔吐、錯乱などの症状が現われ、最悪の場合命に関わることもある。
病院は何科?
副鼻腔炎の症状は、耳鼻いんこう科で相談しましょう。
耳鼻いんこう科を探す
副鼻腔炎の治療法
薬の処方、点鼻噴霧ステロイド、鼻洗浄を行います。
処方するお薬には、鼻の中の環境を整える「抗菌薬」、痰を出しやすくする「去痰薬」などがあります。
症状によっても異なりますが、2〜3ヶ月程度で治るケースが多いです。
なお、薬物療法で改善が見られない場合には、内視鏡での手術も検討されます。
扁桃炎
扁桃腺炎を発症すると扁桃は炎症を起こし、多くの細菌やウイルスが喉で死滅し、膿栓ができます。
この膿栓が臭いを発している可能性があります。膿栓は、無理に取ると皮膚を傷めます。
膿栓ができている場合は、うがいも有効です。
水分補給をして唾液の分泌を促し、口腔環境を整えるように努めましょう。
病院は何科?
臭いくしゃみをケアしたい人は、耳鼻咽喉科で鼻や喉の診察を受けましょう。
虫歯や歯周病が原因の人は、歯科での治療が必要となります。
原因を判断しかねる場合、まずは耳鼻咽喉科を受診しましょう。
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まとめ
くしゃみが臭い場合は、鼻・喉・口腔に異常があると考えられます。
風邪・病気のあとなどは、しばらく様子を見るとにおいがなくなる場合もありますが、長く続いている場合は病院で相談しましょう。
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2020-03-12
「くしゃみが止まらない!」
「急に鼻がムズムする…」
花粉症?風邪?それとも何?くしゃみが止まらない場合に考えられる原因とその対処法を医師が詳しく解説します。
市販薬の注意点や病院へ行くべき症状もご紹介しています。
なぜ?くしゃみが止まらない原因
くしゃみが止まらない場合、
感染症(風邪やインフルエンザなど)
アレルギー(花粉症など)
副鼻腔炎
自律神経の乱れ
などが考えられます。
①感染症(風邪やインフルエンザなど)のケース
風邪の場合、鼻粘膜に細菌やウイルスが入り込むのを防ぐためにくしゃみが出ます。
くしゃみを出して、それらを外に追い出そうとするのです。
②アレルギー(花粉症など)のケース
花粉やハウスダスト(チリやホコリなど)などの物質が、体に入り込もうとした時にもくしゃみが発生します。「いつも決まった状況でくしゃみが止まらなくなる」という人は、何らかのアレルギーを持っている可能性があります。
埃っぽい場所でくしゃみ→ハウスダストアレルギーなど
ある季節になるとくしゃみ→花粉症など
お酒を飲むとくしゃみ→アルコールアレルギー
寒暖差があるとくしゃみ→寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)
③副鼻腔炎のケース
「副鼻腔炎」になると鼻は刺激に敏感となり、少しの刺激でもくしゃみが出る場合があります。
「副鼻腔炎」は、鼻の奥にある副鼻腔にウイルスや細菌に感染して、炎症を起こしている状態です。
また、副鼻腔炎はアレルギーが原因でも発症する場合もあり、花粉やほこりなどアレルゲンがある場所では、副鼻腔炎の症状にプラスしてくしゃみが出ます。
④自律神経が乱れのケース
ストレスを抱えている場合や、体が疲れていて体調が良くないときは、くしゃみが増える場合もあります。
これは、疲れやストレスにより自律神経が乱れることで、鼻が刺激に敏感になってしまうからです。
なぜ?朝にくしゃみが止まらない…
モーニングアタックと呼ばれる、朝にくしゃみが止まらなくなる症状があります。
これは、眠っている時は床に落ちている花粉やホコリが、起床して人が動き出すと空気中に舞い上がり、鼻を刺激し、くしゃみが出るというものです。
また、自律神経の働きは起床すると、副交感神経から交感神経に切り替わりますが、この切り替わりの乱れが原因で、モーニングアタックを発症する人もいます。
なぜ?夜にくしゃみが止まらない…
アレルギー性鼻炎には、即反応が出る場合と、少し時間が経ってから反応が出る人がいます。(体質により異なります)
昼間に吸い込んだ、花粉やアレルゲンの影響が眠る前に現れることもあります。
くしゃみが止まらないときの「対処法」
くしゃみが止まらないときは
ツボ押し
くしゃみを無理に抑えないようにする
を試してみましょう。
①ツボ押し
上星と言われるツボは鼻の通りを良くして、鼻のムズムズを抑えてくれます。
鼻の延長線上、髪の生え際から一寸上(3センチ程上)にあります。
②くしゃみを無理に抑えない
くしゃみは、異物を外へ出そうとする働きがあるので、無理に抑え込むのも問題があります。
くしゃみがよく出る時は、マスクやハンカチを手に持って、くしゃみをしても周囲へ唾液などが飛ばないように他の人へ配慮しましょう。
その市販薬、症状に合ってる?
くしゃみを止めたい時は、原因にあったものを選びましょう。
花粉症なのに風邪薬を飲むと、本来必要ない成分まで取り込んでしまうことになります。
例えば、花粉症などアレルギーが原因でくしゃみが止まらないと考えられる場合は、アレグラやアレジオンなどを選んで服用してください。
薬剤師に相談するのがおすすめ
薬局やドラックストアでは、薬剤師に相談をして購入するようにしましょう。
特に、お子さんの場合は、必要成分量が異なる場合があるので、大人用を自己判断で与えないよう注意してください。
こんな症状は病院へ!
くしゃみとともに悪寒・発熱・鼻水などが始まった場合は、何らかの病原体に感染した疑いがあります。
また、くしゃみだけが止まらない、もしくは、くしゃみ・鼻水・目のかゆみなど顔に関する部分の不調は、何らかのアレルギーを発症した可能性があります。
早めに病院を受診しましょう。
病院は何科?
一般的な感染症(風邪・インフルエンザ)→内科
アレルギーが疑われる→内科・耳鼻いんこう科
をそれぞれ受診してください。
▼風邪・インフルエンザの場合
内科を探す
▼アレルギーが疑われる場合
内科を探す
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2020-01-30
「温度差で咳や鼻水がでる…これって花粉症?風邪?」
その症状、もしかしたら寒暖差アレルギーかも!
寒暖差アレルギーのセルフチェックリストから、原因と改善方法、花粉症や風邪との見分け方まで、医師が詳しく解説します。
寒暖差アレルギーのセルフチェックリスト
寒暖差でこんな症状は出ませんか?
蕁麻疹(肌の湿疹・かゆみ)が出る
鼻水・鼻づまり・頭痛・くしゃみ・咳の症状はあるが、熱がない
鼻水は透明の水のようである
食欲低下・胃腸が弱っていると感じる
ストレスを感じてイライラすることが多い
目のかゆみや充血はない
1つ以上当てはまる人は、「寒暖差アレルギー」を発症している可能性が高いです。
※なお、寒暖差アレルギーは「アレルギー」という名称が付いていますが、正式にはアレルギーではありません。「血管運動性鼻炎」という病名が正式名称です。
原因は…「自律神経の乱れ」!
寒暖差アレルギーは、寒さや熱さを繰り返し感じることで起きる「自律神経の乱れ」が影響しています。
寒暖差アレルギーを「発症しやすい人」
30~40代女性
日頃からストレスを感じている人
昼夜逆転の生活を送っている人
運動不足の人
脂っこいものをよく食べる人
偏食の人
など
花粉症や風邪とは何が違う?「見分け方」は?
寒暖差アレルギーは花粉症・風邪と違い、「目のかゆみや充血はない」「熱が出ない・粘り気のある鼻水が出ない」点が特徴です。
花粉症や風邪の症状と似ていますが、アレルゲンやウイルス・細菌感染は発症に関係ないのです。
医療機関では、寒暖差アレルギーそのものについて調べる検査は行われません。
そのため、ウイルスや細菌に感染がなく、アレルギー検査をしても異常が出ないのであれば寒暖差アレルギーが疑われます。
◆花粉症
花粉が体に入ることで起きるアレルギー反応
◆風邪
ウイルスや細菌が体内に入って起きる感染症
「アレルギー症状が出ないように」する対処法
「温度差7度以上」に注意する
ツボ押しで体を温める
自律神経を整える
の3つの予防法を実践しましょう。
対処法① 「温度差7度以上」に注意する
温度差が7度以上になると発症しやすいと言われています。
寒い日は、特に首回り・手首・足首を暖かくして出かけましょう。
寒暖差を避け、自律神経のバランスを整えればよくなっていく場合もあります。
不規則な生活を改善し、毎日の食生活や睡眠時間を整えて、バランスのよい生活を送りましょう。
対処法② ツボ押しで体を温める
外関(がいかん)と呼ばれるツボを押すと体が温まります。
手首上側(手の甲側)のツボで、少しひじ寄りの場所にあります。
③自律神経を整える
早寝早起き、栄養バランスの見直しを心がけ、自律神経の乱れを防ぎましょう。
自律神経を整えるには、ビタミンB1やビタミンC・カルシウム・ タンパク質を摂ると良いと言われています。
こんな食品がおすすめ!
◆ビタミンB1
肉類・うなぎ・鰹節・ごま・落花生など
◆ビタミンC
いちご・レモン・ピーマン・ブロッコリーなど
◆カルシウム
牛乳・ヨーグルト・小魚など
◆タンパク質
肉類・きなこ・油揚げ・納豆・卵・いわし・チーズなど
「アレルギー症状が出た後」の対処法
寒暖差アレルギーの症状が出たときは、症状に合わせて次の対処法を行ってください。
かゆみ
かかないようにして、かゆみのある部分を冷やしてください。
1日ほど行っても治らない場合は皮膚科・アレルギー科を受診しましょう。
鼻水・鼻づまり
マスクや鼻水をかむ、体を温めるなどしてください。
1日ほど行っても治らない場合はアレルギー科を受診しましょう。
頭痛
鎮痛剤を使う、安静にするなどしてください。
1日ほど行っても治らない場合は脳神経外科、脳神経内科を受診しましょう。
くしゃみ・咳
マスクをして体を温めてください。
1日ほど行っても治らない場合はアレルギー科、内科を受診しましょう。
食欲の低下
ゆっくり休んで無理しないようにしましょう。
食べられそうなものがあれば、食べてください。
2~3日ほど行っても治らない場合はアレルギー科、内科を受診しましょう。
胃腸の機能低下
腹部を温める、食べられそうなものを食べる、消化の良いものを食べるやなどのセルフケアを行ってください。
2、3日ほど行っても治らない場合は内科、消化器内科を受診しましょう。
イライラする
休息を取る、睡眠をたっぷりとるなどのセルフケアを行ってください。
3、4日ほど行っても治らない場合はアレルギー科、内科を受診しましょう。
市販薬は何を使えばいい?
寒暖差アレルギーの症状は、市販薬で対処することができます。
ただし、根本的な治療方法ではなく対症療法なので、薬剤師と現在の症状を相談して決めましょう。
抗アレルギー薬
「アレグラ」「アレジオン」など一般的な抗アレルギー薬を使うことで、寒暖差アレルギーの症状が緩和されることがあります。
アレルギー反応に関与する体内物質「ヒスタミン」の働きを抑えることで、寒暖差アレルギーに効くとされています。
鼻炎薬
鼻炎薬は、抗アレルギー薬の成分が入ったものを選びましょう。
寒暖差アレルギー自体には効きませんが、鼻水などの対処療法として使えます。
漢方薬
小青竜湯(しょうせいりゅうとう) という漢方薬が鼻づまりや鼻水をよくすることがあります。
冷えた体を温めながら水分代謝を促し、鼻水やくしゃみなどを抑えるとされています。
症状がひどい場合は病院へ
病院では、病院でも根本的な治療方法ではなく対症療法が行われます。
抗アレルギー薬や点鼻薬など使用されることがあります。
病院は何科?
まずは耳鼻いんこう科を受診しましょう。
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