「このプヨプヨ…むくみ?脂肪?」
「見分け方は?」
むくみと脂肪の見分け方を、お医者さんに聞いてみました。
「指でつまんだときの特徴」なども詳しく解説します。
むくみが気になる方に向けた“むくみの撃退法”も必見です。
監修者
株式会社Luce/健康検定協会
日本エステティシャン協会認定フェイシャルエステティシャン
徳満友美先生
経歴
大手エステティックサービスの提供、技術営業指導員を経て、化粧品、健康食品会社にてスタッフ育成、その後美容皮膚科にて運営、企画を行う。
株式会社Luceでは健康、医療情報メディカルアカデミーを担う。
むくみと脂肪の見分け方
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指でつまんだとき
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太り方
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むくみ
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凹む・戻りにくい
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- 短期間でいきなり体重が増加する
- 足や体が重く感じる
- 体を動かすと解消されやすい
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脂肪
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すぐに戻る
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「むくみ」は急に体重が増えてすぐに元に戻るのが特徴です(※)。
健康であれば、体を動かしていると次第にむくみが解消されていきます。
むくみによって、1日の中で2キロ程度増減することもあるとされています。
一方「脂肪」は時間をかけて蓄積されていくものです。
数日で落とすことは難しく、痩せるためには運動・食生活の見直しが必要です。
(※)生活習慣が乱れていたり、病気を発症していたりすると何日もむくみが続く場合があります。
「むくみ」が出やすい人
- デスクワークで長時間同じ体勢でいる
- 塩分が多い食べものをよく食べる
- 運動不足
- 冷えがある
- 肩や首が凝っている
- 水分をあまりとらない
特に塩分の多い食事を摂ると、体内の塩分濃度を一定に保とうとして水分を溜め込むため、むくみにつながります。
ラーメン・ジャンクフード・スナック菓子を好んで食べるは、減塩を心がけましょう。
「脂肪」がつきやすい人
- 運動量に比べて食事量が多い
- お菓子・糖質を含む食事をよく食べる
- 運動量が少ない
食べたものがエネルギーとして使われなかった場合に、脂肪として蓄えられていきます。
特に糖質をたくさん食べると、脂肪として蓄えられやすいとわかっています。
「むくみを放置すると脂肪になる」って本当?
むくみを放置すると脂肪になると聞いたのですが…本当でしょうか?
むくみ自体は、体に溜まった水分なので脂肪にはなりません。
ただし、むくんでいる人は「運動不足」「血行不良」などの理由から、体に脂肪を溜め込みやすい状態だといえます。
むくみは元に戻るものですが、慢性化すると太る原因になります。
太りたくない人は、むくみを繰り返さないように対策することが大切です。
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2022-03-31
「むくみを放置すると脂肪になる?」
「このむくみ、解消したい!」
むくみは放置すると脂肪になるのか、お医者さんに聞いてみました。
むくみを解消したい人に向けて、今日からできる“むくみ撃退法”も解説します。
「むくみを放置すると脂肪になる」って本当?
むくみを放置すると脂肪になると聞いたのですが…本当でしょうか?
むくみ自体が、そのまま脂肪になることはありません。
ただし、むくみやすい人は脂肪がつきやすいと考えられています。
むくみの原因となる「運動不足」「血行不良」は、長く続くと脂肪の蓄積を招きます。
さらに、むくみは老廃物が溜まっている状態なので、脂肪が落ちにくくなって悪循環に陥りやすいです。
何個当てはまる?むくみサイン
体が冷えやすい
脚や体がだるくて重い
ふくらはぎを指で押すと、元に戻りにくい
急に体重が増えた
上記の症状に当てはまる人は、むくみが疑えます。
むくみやすい人の生活習慣
むくみやすい人は、
運動不足
睡眠不足
塩分の多い食事をしている
などの生活を送っていることが多いです。
上記のような生活習慣は、血行やリンパの流れを悪くしたり、体内に水分を溜め込んだりする原因になります。
むくみを撃退する5つの方法
むくみを改善させるには、血流やリンパの流れをよくしたり、塩分を摂りすぎないことが大切です。
むくみが気になる方には、
ふくらはぎのマッサージ
開脚ストレッチ
入浴・運動などで体を温める
塩分を控える
「カリウム」を摂って塩分を排出する
などの対処をおすすめします。
① ふくらはぎのマッサージ
ふくらはぎを「かかと」「スネ」から膝裏に向かって優しくさすったり、揉みほぐしたりしましょう。
オイルやクリームを使いながら行うと滑りがよくなり、マッサージしやすくなります。
ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれるほど、全身の血流に関係するため、しっかりとほぐしてあげましょう。
マッサージで血行やリンパの流れをよくすると、むくみ解消や予防につながります。
“全身が温まるまで”続けましょう
体の一部やふくらはぎが温まってくると、次第に全身の血流や巡りもよくなります。
数分やっても変わらないときは、少し長めに体が温まるまで続けましょう。
② 開脚ストレッチ
開脚ストレッチのやり方
足を90度程度に開く
息を吸って吐くときに体を前方に倒す
ゆっくりと深く呼吸をしながら、少しずつ時間をかけてほぐしていきましょう。
前に倒すのがきつい場合は、両手を左右順番に足のつま先の方向に伸ばすストレッチを行うのもよいでしょう。
上記のストレッチを毎日5〜10分程度行いましょう。
お風呂上がりや寝起きは、ストレッチにおすすめのタイミングです。
ストレッチは、血行とリンパの流れの改善が期待できるため、むくみの解消や予防に効果的と考えられます。
撃退法③ 入浴・運動などで体を温める
体を温める3つの方法
入浴はお湯に浸かる
温かい食べもの・飲み物をとる
運動習慣をつける
体を温めるには、冷たい飲み物を避ける・長時間同じ姿勢を続けないなどの工夫も大切です。
体が温まっているときは、血行やリンパの流れも良好になるため、むくみの予防や解消につながります。
撃退法④ 塩分を控える
塩分を控えるためにできること
塩分の多い食品を避ける(加工食品・お惣菜・ジャンクフード等)
味付けは薄味にする
物足りないときは、お酢やスパイスで調整する
お酒もほどほどにしましょう。
お酒を飲むとしょっぱいものが食べたくなり、塩分の強い食事に偏りがちです。
塩分を多く摂取すると、体内の塩分濃度を保つために水分を溜め込みます。
塩分摂取が低ければ、大量に水分を取り込まなくなるのでむくみ予防になります。
撃退法⑤ 「カリウム」を摂って塩分を排出する
カリウムの多い食べもの
バナナ・ほうれん草・三つ葉・メロン・アボカド 等
カリウムには、塩分を排出する効果が期待できます。
塩分を多く摂った後は、カリウムの多いものを食べて調節しましょう。
減塩をしようと思っても、薄味に慣れるまでには時間がかかることも多いです。
積極的にカリウムを摂取して、むくみ解消・予防を心がけましょう。
▼参考
e-ヘルスネット カリウム
むくみを撃退したい!
むくみを予防・解消するには、
- マッサージ
- ストレッチ
- 運動
- 体を冷やさない
などが効果的と考えられます。
むくみ撃退法① マッサージ
“第二の心臓”とも呼ばれる「ふくらはぎ」や、リンパが流れる「太ももの付け根・脇・首周り~鎖骨」のマッサージが特に効果的と考えられます。
マッサージを行うと血行・リンパの流れが改善されるため、むくみ解消が期待できます。
「ふくらはぎ」のマッサージ方法
ふくらはぎは、かかとやスネから膝裏に向かって優しく揉みほぐす、さするなどしましょう。
「リンパ」のマッサージ方法
「太ももの付け根」は、内側全体を手のひらで押して筋肉をほぐしましょう。
「脇」は、円を描くように揉んだり、つまんでほぐしましょう。
「首」は上から下に優しく流し、「鎖骨」は外から内側にさすって流しましょう。
マッサージの注意点
強すぎるとリンパを傷つけるため、優しく行いましょう。
オイルやクリームを使いながら行うと、肌の滑りがよくなります。
むくみ撃退法② ストレッチ
ストレッチのやり方
- 座り姿勢で足を閉じて前屈をする
- 足を開いて、前屈をする
- 両手を左右順番に足のつま先方向に伸ばす(片手でもOK)
深く息を吸い、ゆっくりと吐き出す時に体をどんどん伸ばしましょう。
1部分につき5回は繰り返すようにしましょう。
ストレッチは、血行やリンパの流れのよくする効果が期待できます。
運動前・寝起き・お風呂上りに行うのがおすすめです
むくみ撃退法③ 運動
1日1回、少し汗ばむ程度の運動を習慣にしましょう。
ウォーキングやジョギングなどがおすすめです。
運動で血流やリンパの流れがよくなると、むくみ改善が期待できます。
むくみ撃退法④ 体を冷やさない
- 冷たい飲み物や食べ物を避ける
- スープなどの温かいものを食べる
- お風呂は毎日お湯に浸かる
などを心がけることで、冷え対策になります。
冷えるとむくみやすくなるので、体を温めてむくみにくい体を作りましょう。
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2022-04-26
「ダイエットをしているのに、ある日突然体重が増えていた…」
「むくみでどのくらい体重は増える?」
むくみによってどのくらい体重増加するのかを管理栄養士さんに聞いてみました。
「むくみ」と「脂肪」の見た目の違い、むくみの撃退方法なども解説します。
むくみでどのくらい体重は増える?
むくみがひどい場合、3~4日で10kgほど体重が増加するケースがあります。
むくみとは、皮膚の皮下組織に水分が溜まっている状態です。
足やすね等を指で押して、指の痕がなかなか戻らずへこんだままになってしまう場合、正常時よりも5~10%程度の水分が体内に貯留している状態と考えられています。
「むくみ」と「脂肪」の見た目の違い
「むくみ」は体内の水分が異常増加した状態で、「肥満」は脂肪が増加している状態です。
むくんでいるときは、足やすね等を指で押しても、指の痕がなかなか戻らずへこんだままになるケースが多いです。しかし、脂肪の場合は、指で押してもへこむことはあまりありません。
女性がむくみやすい時期
女性の場合は、「どうしてもむくみやすい時期」というものがあります。
生理前(排卵後から次の生理までの黄体期)
生理中
更年期
妊娠中
の時期はむくみやすいでしょう。
生理前
排卵後に分泌量が増加するプロゲステロン(女性ホルモン)の影響により、食欲コントロールが困難になり、体内に水分を溜め込みやすくなることでむくみが生じやすくなります。
生理中
生理開始により、プロゲステロンの分泌量が少しずつ減っていきます。
プロゲステロンの分泌量が減ると、自律神経が乱れやすい状態になり、むくみが生じる場合があります。
女性ホルモンが関係しているむくみの場合は、生理が終わるころから徐々にむくみが改善されていくケースが多いと考えられています。
更年期
更年期になると、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌量が減少します。
すると、女性ホルモンのバランスが乱れやすくなり、血管の収縮・拡張を調節している自律神経も乱れてしまい、血行不良を起こしむくみが生じやすくなります。
また、加齢に伴う筋力低下によるリンパの流れの不良もむくみの原因と考えられます。
妊娠中
妊娠中は、胎盤の循環を良くするために血液の水分が50%程度増加することでむくみが生じやすいと考えられています。
あなたはいくつ当てはまる?むくみやすさチェック
下記5個以上当てはまると、むくみやすいといえるでしょう。
味の濃いものが好き(塩分過多)
長時間、同じ姿勢で過ごしている
生活が不規則である
冷たいものを飲む習慣がある
運動不足である
過度な運動をしている
水分の摂取不足
過剰に水分をとっている
きつい靴を履いている
きつい下着の着用している
肥満ぎみである
低血圧である
むくみを撃退する6つの方法
むくみを解消することにより、むくみで増加した分の体重が減る可能性があります。
むくみを解消するためには、
筋肉を鍛える
入浴で温める
ストレッチ
マッサージ
減塩
といったことを意識して行うとよいでしょう。
その① 筋肉を鍛える
ウォーキング、スクワット(屈伸運動)等の運動を継続して行い筋肉を鍛えるとよいでしょう。
筋肉は、収縮により血液循環を促進するポンプ的役割を担っています。
そのため、筋肉を鍛えて血流を改善できるとむくみ解消につながると考えられています。
静脈血を心臓に押し上げるポンプ作用を向上させるため、ふくらはぎの筋肉を鍛えることをおすすめします。
また、筋肉を鍛えると冷えの改善にもつながります。
その② 入浴で温める
38~40度程度のぬるい温度の湯船に10分以上(できれば30分程度)浸かり、じわじわと汗をかくという方法がおすすめです。(みぞおち辺りまで湯船に浸かる半身浴がおすすめ)
足湯もむくみ解消に有効です。
温めて血行が改善されると、心臓に血液が戻る際、体内の水分や老廃物等が回収されてむくみの改善につながると考えられます。
その③ ストレッチ
ふくらはぎのストレッチや、距骨(くるぶし下にある骨)のストレッチを行うのも効果的です。
デスクワークの合間や、お風呂上りなど、積極的にストレッチしてみましょう!
ふくらはぎのストレッチの方法
つま先立ちをする
次に、かかとを床につけて、つま先を床から上げる
交互に10~20回程度繰り返す
※ふくらはぎの筋肉の機能が活性化し、静脈血(老廃物を含む血液)の循環が改善されることで、むくみの解消につながると考えられています。
距骨のストレッチの方法
イスに座った状態で足の甲を床に押しつけるようにします。
次に足裏全体を床につけた状態で膝を前に倒します
“痛きもちいい”程度の力加減で、20秒間ほどキープする
※体全体に広がっている筋膜につながる部分のストレッチにより、表層の筋膜の強張り感を緩和します。また、ふくらはぎの筋肉を解す作用も期待できます。
その④ マッサージ
入浴後にマッサージを行うのもおすすめです。
マッサージを行うことで、停滞しているリンパの流れをよくし、むくみ解消につながります。
おすすめのマッサージ方法
片膝を立てた状態で座る
指の腹を使って、膝の裏をゆっくり押す
※痛みを感じない程度の力加減で30秒間ほど押してください。
その⑤ 減塩(味付けを薄くする)
塩や醤油等の調味料の使用量を控えて、徐々に薄い味に慣れるようにしましょう。
出汁やポン酢等を活用したり、使用する食材そのものの味を楽しむようにするとよいでしょう。
塩分を摂り過ぎた場合は、カリウム(きゅうり、冬瓜等)を意識して摂取することをおすすめします。
塩分摂取量が多くなると、体は水分を溜め込み塩分濃度を下げようとすることで、むくみが生じやすくなります。
そのため、減塩を意識した食生活によりむくみの予防が期待できます。
健康上問題なければ受診の必要はありませんが、心配であれば内科・循環器内科の受診をおすすめします。
内科を探す
▼参考
公益社団法人 益田市医師会 むくみ(浮腫)とは何?
ツムラ 体重増加の原因は水分かも! むくみによる水太りの解消方法
厚生労働省 Ⅱ 症状の変化と健康管理
株式会社 ツムラ 漢方ビュー
大塚製薬 更年期ラボ むくみの原因・症状と対策方法
千葉県医師会 むくみ解消の運動