「二の腕の内側がピリピリ痛い…」
その原因をお医者さんに聞きました。
帯状疱疹、頚椎症性神経根症といった病気についても解説します。
病院に行く目安や受診すべき診療科をチェックしましょう。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
二の腕の内側がピリピリ痛い…これはなぜ?
二の腕の内側にピリピリとした痛みがある場合、腕に繋がる神経に何らかの異常が発生している可能性が高いです。
疲労などが原因で、神経痛が一時的に起こることもあります。
一旦様子を見て症状が落ち着くようであれば、心配いらないと考えられます。
ピリピリ痛を抑える方法は?
ピリピリとした痛みを感じる場合は、温めるようにしましょう。
入浴や温感湿布の使用がおすすめです。
なお、患部を冷やさないように注意しましょう。
冷やすと血流が滞り、痛みが強くなることがあります。
考えられる2つの病気
二の腕の内側がピリピリ痛いのは、
といった原因が考えられます。
病気① 帯状疱疹
帯状疱疹を発症すると、二の腕の内側がピリピリ痛むことがあります。
これは、水痘のウイルス・帯状疱疹ウイルスが神経節を移動し、皮膚に症状を起こすためです。
帯状疱疹の症状の特徴
※帯状疱疹の症状は、上半身に現れることが多いです。
帯状疱疹の原因
体内に潜んでいる“水痘ウイルス(水ぼうそうのウイルス)”が原因です。
免疫力が低下しているときにウイルスが活動を再開すると、帯状疱疹を発症します。
特に、
- 45歳以上
- 疲労やストレスが溜まっている
- 睡眠不足
のいずれかに当てはまると、発症リスクが上昇します。
帯状疱疹は70代が発症のピークです。
なお、数は少ないですが、若い世代で発症する場合もあります。
自分でできる対処法は?
帯状疱疹には、ご自身でできる対処法がありません。
発症を疑う場合は、早めに医療機関で相談しましょう。
放置すると腫れがひどくなり、強い痛みを感じることもあります。
病院は何科?
帯状疱疹を疑うときは、皮膚科を受診しましょう。
医療機関では、鎮痛剤・抗ウイルス薬の処方により治療を行います。
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「帯状疱疹の前兆って、どんな症状が出るの?」
帯状疱疹の初期症状も併せて、お医者さんが詳しく解説します。
心当たりのある方は、受診すべき診療科もチェックしましょう。
帯状疱疹の「前兆」
「帯状疱疹」は、前兆として皮膚に痛みなどのさまざまな症状があらわれます。
ピリピリ、チクチクとした痛み
ツンツンとした痛み
体の片側の違和感
皮膚のかゆみ
「帯状疱疹」は、できるだけ早く治療を始めることが望ましい病気なので、帯状疱疹の前兆に気づいたら、早めに医療機関を受診しましょう。
前兆が続く期間
帯状疱疹の前兆は、おおよそ3~7日続きます。
その後、神経に沿うように帯状に赤い発疹が出て、帯状疱疹を発症します。
帯状疱疹の「症状の特徴」
帯状疱疹は、
かゆみや痛み
発疹
水ぶくれ
と症状が変化していきます。帯状疱疹かも、と思ったら医療機関を受診してください。
①痛みやかゆみが出る
体の左右どちらか片側に、はじめは皮膚の痛みやかゆみなどの症状があらわれます。
胸から背中など、上半身に症状が出ることが多く、顔や目の周りに発症することも多いです。
②紅斑・発疹ができる
痛みやかゆみなどの症状がある箇所に、赤い斑点(紅斑)が出てきます。
その後、虫に刺されたような発疹ができます。
発疹は神経に沿って帯状にあらわれ、数日から1周間ほど続きます。
③水ぶくれができる
発疹ができた部分にみずぶくれができます。発疹の中央の部分が膿のようになり、ただれたり、潰瘍のようになったりします。
やがて、かさぶたとなり、自然に枯れて剥がれ落ちます。
皮膚の症状は、一般的には1~2周間から1ヶ月ほどで良くなります。色素沈着が残る人もいます。
帯状疱疹の改善後
痛みは、皮膚の症状と同じように消えていきますが、時々眠れないほど激しい痛みを起こすことがあります。
また、炎症で神経が損傷したために、皮膚の症状が消えた後に痛みが残ることもあります。
帯状疱疹の合併症
顔に帯状疱疹が出た場合は、角膜炎・結膜炎などの病気や、発熱、リンパの腫れ、耳鳴り、顔面神経の麻痺などの合併症を起こすことがあります。
下腹部や腰に発症すると、便秘や尿が出にくいなどの症状を起こすこともあります。
そのため、帯状疱疹が疑われる場合は、早く治療を始めて、症状の悪化や合併症を防ぐことが大切です。
帯状疱疹は「他の人にうつる?」
帯状疱疹は、周囲の人に、帯状疱疹として感染することはありません。
しかし、過去に感染した水ぼうそうのウイルスが帯状疱疹の原因なので、乳幼児など水ぼうそうにかかったことがない人には、水ぼうそうとして感染することがあります。
感染を広げないように、医療機関で治療を受けることが望ましいです。
帯状疱疹の感染対策
水ぼうそうにかかったことがない人への感染を防ぐため、タオルなどを共用しないようにしましょう。
医療機関を受診するときは、水ぶくれが破れないように、患部をガーゼで覆いましょう。水ぶくれが破れて、細菌などに感染するのを防ぐだけでなく、周囲の人への感染対策にもなります。
病院は何科?
“帯状疱疹の前兆”が見られたら、皮膚科を受診してください。
皮膚の症状がおさまっても、痛みが残る場合には、神経内科・ペインクリニック内科で痛みをやわらげる治療をおこないます。
病院ではどんな治療をする?
医療機関では、帯状疱疹に対して、ウイルスの増殖を防ぐために、抗ウイルス薬を使った治療をおこないます。
抗ウイルス薬は、症状が出てからできるだけ早く使用することで、高い効果を期待できます。帯状疱疹の前兆を感じたら、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
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放置はNG!帯状疱疹が悪化すると…
帯状疱疹を放置したり、治療の開始が遅れたりすると、発熱や頭痛など全身の症状が現れることがあります。
また、ウイルスによって目や耳などの神経が傷つけられることで、視力の低下や角膜炎、難聴や耳鳴り、めまいなどの後遺症が残ることがあります。
症状がおさまっても「痛みが続く」ことも
皮膚の症状がおさまった後も、長期に渡って痛みが続く、「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれる病気もあるため、なるべく早く治療をしてウイルスを抑える必要があります。
50歳以上の人の約2割に起こるといわれているため、注意が必要です。
帯状疱疹の前兆に気づいたら、お近くの医療機関やかかりつけの医院に、まずは相談してみるとよいでしょう。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
MSDマニュアル家庭版:帯状疱疹
一般社団法人 千葉市医師会 大人の水ぼうそう「帯状疱疹」
公益財団法人長寿科学振興財団:帯状疱疹の症状
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帯状疱疹ってどんな病気…?
放っておいてもいいの?
帯状疱疹という病気について、分かりやすくまとめました。
発症する原因や初期症状、治療方法についても解説します。
帯状疱疹とは?
帯状疱疹とは、過去に感染した「水ぼうそうのウイルス」が再活性化することが原因で発症する感染症です。
帯状疱疹になると、体の片側に痛みやチクチクとした感覚、かゆみが生じます。
その後そこに、まわりが赤い小さな水ぶくれがたくさんできます。ピリピリとしたしびれを感じることもあります。
帯状疱疹の症状
体の片側のかゆみ
体の片側の発疹・水ぶくれ
発熱
頭痛
※かゆみ・発疹等は、腕・胸・顔に出ることもあります。
症状の経過
帯状疱疹は、「①かゆみや痛み→②発疹→③水ぶくれ」と症状が変化していきます。
① 痛みやかゆみが出る
体の左右どちらか片側に、はじめは皮膚の痛みやかゆみなどの症状があらわれます。
胸から背中など、上半身に症状が出ることが多く、顔や目の周りに発症することも多いです。
② 紅斑・発疹ができる
痛みやかゆみなどの症状がある箇所に、赤い斑点(紅斑)が出てきます。
その後、虫に刺されたような発疹ができます。
発疹は神経に沿って帯状にあらわれ、数日から1周間ほど続きます。
③ 水ぶくれができる
発疹ができた部分にみずぶくれができます。発疹の中央の部分が膿のようになり、ただれたり、潰瘍のようになったりします。
やがて、かさぶたとなり、自然に枯れて剥がれ落ちます。
皮膚の症状は、一般的には1~2周間から1ヶ月ほどで良くなります。色素沈着が残る人もいます。
帯状疱疹の原因
帯状疱疹は、体内に潜んでいる「水痘ウイルス(水ぼうそうのウイルス)」が原因です。
免疫力が低下しているときにウイルスが活動を再開すると、帯状疱疹を発症します。
帯状疱疹になりやすい人は?
40~50代以上
疲労やストレスがたまっている
睡眠不足
免疫力が低下していると、神経細胞に潜んでいた「水ぼうそうのウイルス」が活性化して、帯状疱疹を発症しやすくなります。
※水ぼうそうに感染した人全員が、帯状疱疹を発症するわけではありません。
帯状疱疹は人にうつるの?
帯状疱疹は、周囲の人に帯状疱疹として感染することはありません。
しかし、過去に感染した水ぼうそうのウイルスが帯状疱疹の原因なので、乳幼児など水ぼうそうにかかったことがない人には、水ぼうそうとして感染することがあります。
帯状疱疹かもと思ったら…
時間をかければ自然治癒しますが、早めにウイルスや痛みを抑えるのがよいため、帯状疱疹の疑いがあったら、皮膚科にいくのがよいでしょう。
病院で処方される抗ウイルス剤を飲めば、自然治癒を待つより早い回復が期待できます。
また、免疫力が低下している状態です。まずは安静にして、食事をしっかりとりましょう。
お家では、お風呂に入ったりホットタオルをあてたりして、体を温めて痛みを和らげましょう。帯状疱疹による痛みは、血行が悪いと強く感じます。
治療内容
抗ウイルス剤の点滴や内服を行います。痛みに対しては鎮痛薬を使用することもあります。水疱には軟膏を塗ります。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
病気② 頚椎症性神経根症
頚椎症性神経根症は、脊髄から腕を通る“神経根”が圧迫・刺激されて起こる症状です。
発症すると、二の腕の内側がピリピリと痛むこともあります。
45歳以上の人に発症しやすい傾向があります。
症状の特徴
- 腕や手のピリピリとした痛み
- 腕や手のしびれ
- 首を後ろに反らせると、痛みが増す
※痛みには強いとき、弱いときがあります。
頚椎症性神経根症の原因
加齢による頚椎・椎間板の変化が、主な原因です。
自分でできる対処法は?
首を反らせる姿勢は避けてください。
痛みが強いときは、鎮痛剤を使用しましょう。
首の負担がかからないように過ごしていれば、快方に向かっていきます。
ただし、痛み・しびれが強く出ている場合には、念のため医療機関で相談すると良いでしょう。
悪化すると手術が必要になるケースもあります。
病院は何科?
頚椎症性神経根症は、整形外科で治療を受けられます。
頚椎症性神経根症の場合、頚椎牽引や鎮痛剤の処方などによって、改善を図ります。
症状が重く、日常生活を送るのが困難なまでに進行している場合は、手術も検討されます。
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病院に行くべき?
二の腕のピリピリとした痛みを繰り返す場合は、受診をおすすめします。
また、
といった症状を伴うときは、早めに受診しましょう。
病気が原因でピリピリ感が生じている場合、悪化すると入院が必要になってしまう恐れもあります。
二の腕の痛みや皮膚症状の悪化を防ぐには、早めの治療が大切です。
何科で受診すればいい?
「二の腕にピリピリとした痛みがあるけど原因に検討がつかない」ときは、内科・脳神経内科を受診しましょう。
※診断結果によって、適切な診療科を紹介されることがございます。
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