【ゾフルーザの効果】発現時間は？効かない場合は耐性ウイルス？

インフルエンザの治療薬として1回飲むだけで効果があるとされている「ゾフルーザ」。
そんなゾフルーザに、耐性ウイルスの存在が確認されています。
この記事では、新薬「ゾフルーザ」の効果と耐性ウイルスについて、解説します。
「耐性ウイルスではない場合、ゾフルーザの作用が発現する時間は？」
「服用しても効かなかったら、どうすれば良いの？」
このような疑問にもお答えしますので、ぜひ参考にしてください。

監修者

順天堂大学　漢方先端臨床医学
薬剤師

中尾 文香先生

経歴

順天堂大学　漢方先端臨床医学
YOJO薬局　薬剤師

臨床と基礎研究の間で奮闘する現役薬剤師。
世の中への情報提供・教育に着目し、活動を広げている。

「ゾフルーザ」の耐性ウイルス

耐性ウイルスって？

抗ウイルス薬に免疫のあるウイルスのことです。ウイルス自身の防御反応として、耐性が生じます。
抗ウイルス薬（ゾフルーザ）に耐性ウイルスができ、その耐性ウイルスでインフルエンザを発症してしまった場合、他の抗ウイルス薬やより強い抗ウイルス薬でないと治療効果を期待できません。

耐性ウイルスは全体の何割くらい？

国立感染症研究所の分析では、インフルエンザウイルスの型にもよりますが、ゾフルーザを服用した際の割合は約70％と報告があります。

最も耐性ウイルスの割合が多いのはA型

現在の報告ではA型だと思われます（C型の報告がないため確定ではありません。ソフルーザの対象もA型、B型のみです）。

耐性ウイルスに感染する確率

具体的な数値は提示されていません。
ゾフルーザに限らず、抗インフルエンザウイルス薬に耐性化したウイルスが検出される割合は、1～10%程度という報告もあります。

子どもは、大人より免疫力が低いため、耐性ウイルスに感染する可能性が高いと言われています。

ゾフルーザの効果・作用する時間

ゾフルーザの効果が発現する時間

個人差はありますが、内服してから少なくとも4時間程で効果を発現してくる可能性が高いです。

服用してから感染力がなくなるまでの時間

服用して約2～3週間で体内から薬物は消失しますが、感染力の有無は判断できません。
しかし、ゾフルーザはウイルス消失が早いので、感染力は早くなくなります。

感染を防ぐには、罹患している方とあまり接触をしない、マスクをするるなど、インフルエンザ予防を徹底して、同居している家族やパートナーへの配慮をすることも大切です。

いつ飲むのが効果的？

発症から48時間以内に服用することで、効果が期待できます。
また、発症後48時間を過ぎた場合、一般的に効果は期待できません。
「症状発現から48時間経過後に投与を開始した患者さんへの有効性を裏付けるデータは得られていない」と提示されています。

ゾフルーザが効かなかった場合

ゾフルーザが効いていないと判断する基準

個人差はありますが、1日経っても38度以上の高熱や咳、喉の痛み、頭痛、鼻づまり、熱っぽさ、悪寒などの症状が改善されない 場合は効果不良の可能性が高いです。

ゾフルーザが効かなかった場合の対処法

• 漢方薬の使用

インフルエンザは初期症状として強い悪寒が生じます。
その時、麻黄湯（マオウトウ）や葛根湯（カッコントウ）といった体をあたためる漢方薬を内服し、少しでも早く熱を上げて発汗すると予後が良いとされています。
ただし、自己判断で漢方薬を服用するのは危険です。医師に相談の上、服用しましょう。

特に、普段から虚弱体質の方や、嘔吐下痢などがあり脱水の強い方は、早く病院を受診した方が良い です。

他の薬を追加するのはNG

タミフルなど、他の薬を追加して内服する安全性は証明されていません。
ゾフルーザが効かないからといって自己判断で薬を服用しないようにしましょう。