貧血に良い食べ物と栄養素を一覧にしました。
「貧血対策に即効性のある食べ物はあるの?」「貧血に悪い食べ物は?」
こういった疑問も解決します。
鉄分の吸収率を高くする食べ物の組み合わせやサプリについて知って、つらい貧血の症状を解決しましょう。
監修者
株式会社Luce
栄養士・食育栄養インストラクター
神原 李奈先生
経歴
株式会社Luce・健康検定協会 所属
CA(客室乗務員)の仕事をきっかけに、健康と食の強い結びつきを実感し、食の世界に興味を持つ。大手料理教室の講師の経験を経て、栄養士を目指すことに。栄養士免許を取得後の現在は、現役CAとして世界中を飛び回りながら、栄養士として健康や食に関する情報を発信している。
貧血に良い栄養素・食べ物一覧
貧血におすすめの栄養素や食べ物はこちら!
鉄分
血の赤い色の成分であるヘモグロビンを構成する鉄。鉄には「ヘム鉄」「非ヘム鉄」の2種類があります。
レバー、赤身肉、赤身の魚などの動物性食品に多いのが吸収率の良いヘム鉄です。一方で、非ヘム鉄は、ひじきやわかめ、切り干し大根、のり、ごま、きなこ、ほうれん草などの植物性食品に多いのが特徴です。あさりやしじみなどの貝類は動物性食品ですが、非ヘム鉄を多く含みます。
たんぱく質
たんぱく質もヘモグロビンの材料となります。
肉類、魚類、卵、大豆・大豆製品などに多く含まれ、非ヘム鉄の吸収を助けます。
ビタミンC
非ヘム鉄の吸収を促します。
ピーマン(赤・黄)やブロッコリー、キウイ、レモンなどに多く含まれます。
ビタミンB6
ヘモグロビンの合成に関わる補酵素です。
にんにくやピスタチオ、ごま、肉のレバー、赤身の魚などが多く含みます。
ビタミンB12
赤血球の合成に関ります。
肉や魚などの動物性食品に含まれるため、菜食主義の人は不足しやすく、サプリメントで補う必要があります。
ビタミンE
抗酸化作用により、赤血球が壊れるのを防ぎます。
うなぎ、大豆・大豆製品、アーモンド、くるみ、ごまなどに多いです。
葉酸
ビタミンB12と同様に、赤血球合成に必要な栄養素です。
のり、パセリ、肉の肝臓、煎茶、抹茶などに多く含まれます。
銅
ビタミンB12、葉酸と同じく、赤血球の合成に関わっています。
ホタルイカ、桜海老、牛レバー、大豆・大豆製品、ごま、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、ココアなどに含まれます。
亜鉛
亜鉛を摂ることで赤血球が壊れやすくなるのを予防できます。
亜鉛と言えば、牡蠣が代表的ですが、赤身の肉、うなぎ、甲殻類、卵黄などにも多く含まれています。
鉄分を効率よく吸収するメニュー
上記した食材を組み合わせた料理がおすすめです!
おすすめメニュー
- しじみの味噌汁
- 豚汁
- 鯖の味噌煮ひじきと大豆の煮もの
- 肉じゃが
- 鶏レバーの生姜煮
- 牡蠣のクリームシチュー
- 青椒肉絲
- あさりの炊き込みご飯など
非ヘム鉄+ビタミンC・動物性たんぱく質で吸収率を上げる
また、鉄の吸収を促す食べ合せをすると良いでしょう。
特に吸収率の低い非ヘム鉄は、動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に摂ることで吸収率があがり効率よく摂取できます。
- ほうれん草のお浸しにレモンのしぼり汁をかける(非ヘム鉄+ビタミンC)
- あさりのミルクスープ(非ヘム鉄+動物性たんぱく質)
- ひじきとツナのサラダ(非ヘム鉄+動物性たんぱく質)
- 切り干し大根と牛肉の炒め物(非ヘム鉄+動物性たんぱく質)
- レバニラ炒め(ヘム鉄+ビタミンC) など
貧血対策が出来るお菓子・ドライフルーツは?
鉄分を含むお菓子一覧
- ごまや大豆を使ったお菓子
- ブドウ・あんず・いちじくなどドライフルーツ
- カシューナッツ・アーモンド・ピスタチオなどナッツ類
- 焼きめざし・たたみいわし・ビーフジャーキーなど乾きもの
これに加えて、ビタミンCを多く含む柑橘系のフルーツやアボカド、キウイ、いちごなどを一緒に摂ると効率よく吸収できるのでおすすめです。
また、乾きもの同士でも非ヘム鉄のナッツ類にビーフジャーキーなどの動物性たんぱく質を合わせることで、非ヘム鉄の吸収を助けることができます。
お酒に合いそうなお菓子も多いけど…
お酒のおつまみにぴったりなお菓子が多いですが、お酒と一緒に摂ることで効率よく栄養素を摂取できないこともあります。
お酒は胃液分泌を高め、栄養素の吸収を促進しますが、同時にビタミンやミネラルも消耗してしまいます。
また、炭酸飲料などの発泡性のあるものは鉄分の吸収を妨げるので、ビールやサワーなどは控えましょう。
ドライフルーツやナッツ類はカロリーが高いので、食べ過ぎには注意が必要です。
貧血改善に即効性が期待できる食べ物ってあるの…?
前述したように、食事での貧血改善に関しては効率的に鉄を吸収する食べ合わせはありますが、即効性はないと考えて良いでしょう。
日々の食事を工夫することで、貧血の改善に繋がります。
貧血時に避けた方が良い食べ物
カルシウム・炭酸・食物繊維・シュウ酸・タンニン・フィチン酸は、鉄の吸収を阻害します。
貧血の際にこれらが含まれるものを食べる時は、以下のことに気をつけ、摂りすぎには注意しましょう。
カルシウムを多く含む牛乳や乳製品を摂る時は、鉄分の多い食品とタイミングをずらすと良いでしょう。
シュウ酸は、ほうれん草などの葉菜類の野菜やコーヒー、ココア、紅茶、緑茶などに含まれています。シュウ酸は水に溶けるので茹でこぼしてから食べるのがおすすめです。
フィチン酸は、赤ワインやコーヒー、紅茶、緑茶に含まれるタンニンや豆類やライ麦、玄米に多く含まれます。
これらを日頃から飲む・食べる習慣があると、知らぬ間に鉄の吸収率を下げている可能性があります。摂りすぎには注意しましょう。
貧血時におすすめのサプリメントは?
貧血のときは、鉄、ビタミンC、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、葉酸、銅、亜鉛などの栄養素をサプリメントで補うと良いでしょう。
各栄養素は、厚生労働省が定めた食事摂取基準(2015年版)により、一日の摂取推奨量や上限量が決められています。また、女性の場合、妊娠中・授乳中だと値が変わるので注意しましょう。
各栄養素の推奨されている摂取量
鉄
女性18~49歳(月経あり)は、10.5mg以上摂ることが推奨されています。
男性18~29歳は7.0mg以上、30~49歳は7.5mg以上摂ることが推奨されています。
但し、女性18~49歳(月経あり)は40mg、18~29歳は50mg、30~49歳は55mgを超える鉄の摂取を続けた場合、健康障害を引き起こす可能性があるので、超えないように注意してください。
ビタミンC
男女ともに18~49歳は、100mg以上摂ることが推奨されています。ビタミンCは体内に蓄積されず、大量に摂っても尿として排泄されるので毎日こまめに摂る必要があります。
ビタミンB6
女性18~49歳は1.2mg以上、男性18~49歳は1.4mg以上摂ることが推奨されています。
但し、女性18~49歳は45mg、男性18~29歳は55mg、30~49歳は60mgを超えるビタミンB6の摂取を続けた場合、健康障害を引き起こす可能性があるので、超えないように注意してください。
ビタミンB12
男女ともに18~49歳は、2.4mg以上摂ることが推奨されています。大量に摂取しても有毒となる可能性が低いことから、上限は決められていません。
ビタミンE
女性18~49歳は6mg以上、男性18~49歳は6.5mg以上を目安に摂りましょう。
但し、女性18~29歳は650mg、30~49歳は700mg、男性18~29歳は800mg、30~49歳は900mgを超えるビタミンEの摂取を続けた場合、健康障害を引き起こす可能性があるので、超えないように注意してください。
葉酸
男女ともに18~49歳は、240μg以上摂ることが推奨されています。
但し、18~29歳は900μg、30~49歳は1000μgを超える葉酸摂取を続けた場合、健康障害を引き起こす可能性があるので、超えないように注意してください。
銅
女性18~49歳は0.8mg以上摂ることが推奨されています。
男性18~29歳は0.9mg、、30~49歳は1.0mg以上摂ることが推奨されています。
但し、男女ともに18~49歳は、10mg超える銅の摂取を続けた場合、健康障害を引き起こす可能性があるので、超えないように注意してください。
亜鉛
女性18~49歳は8mg以上摂ることが推奨されています。
男性8~49歳は10mg以上摂ることが推奨されています。
但し、女性18~49歳は35mg、男性18~29歳は40mg、30~49歳は45mgを超える亜鉛の摂取を続けた場合、健康障害を引き起こす可能性があるので、超えないように注意してください。
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2020-03-09
健康に気を遣うならまずは血液をサラサラに!
この記事では、血液をサラサラにしてくれる食べ物や飲み物をご紹介。
毎日の食卓で血液サラサラを目指せるメニューもお伝えします。
「玉ねぎが良いって本当?」
「薬やサプリでも改善できるの?」
このような疑問にもお答えしますので、血圧やコレステロール値でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
血液をサラサラにする食べ物&飲み物
積極的に摂りたい食べ物
たまねぎ・にんにく
たまねぎやにんにくに含まれるアリシンは、血液が固まるのを抑制する働きがあります。
納豆
ナットウキナーゼには、血栓にアプローチし、血栓を溶かす作用や溶かす働きのある物質を活性化する働きがあります。
野菜・果物
ビタミンCやビタミンEには抗酸化作用があり、血液内のLDLコレステロールの酸化を防ぎ、血流改善に繋がります。
<ビタミンCを多く含む食べ物>
赤ピーマン
ゴーヤ
ブロッコリー
菜の花
アセロラ
キウイフルーツ
グレープフルーツ
レモン
とうがらし
ほうれん草
ブロッコリー
アボカド
かぼちゃ 等
<ビタミンEを多く含むもの>
植物油
ピーナッツ
ゴマ
アーモンド
アボカド 等
トマト・トマトジュース
トマトに含まれるリコピンには強い抗酸化作用があるため、野菜や果物のビタミンCやビタミンEと同様に血液の流れを良くすると考えられます。
さば缶
さばにはEPAが含まれ、血液中の中性脂肪を減らしたり、血栓を作りにくくしたりする作用があります。
お酢
お酢に含まれる酢酸は、体内でクエン酸に変化します。
クエン酸は、血液が固まる際に必要なカルシウムに作用し、血液が固まるのを防ぎます。
積極的に摂りたい飲み物
青汁
食物繊維の多い青汁は、糖や脂肪の吸収を抑え、血液がどろどろになるのを予防できます。
コーヒー
クロロゲン酸というコーヒーポリフェノールを含み、抗酸化作用があります。
コーヒー自体にクロロゲン酸が含まれているので、ミルクや砂糖を入りのものでも働きは同じです。
しかし、砂糖を入れると血糖値をあげやすくなるので、ブラックの方がおすすめです。
緑茶
お茶に含まれるカテキンの中でも「ガレート型カテキン」には、脂肪やコレステロールの吸収を抑える働きがあることが、研究によってわかっています。
また、血清コレステロール値が高めな場合、「ガレート型カテキン」を摂ることで、総コレステロールとLDLコレステロールが低下したという報告もあります。
麦茶
香ばしい香りの成分であるアルキルピラジンは、血液の成分の一つである血小板にカルシウムが入り込むのを防ぐことで、血小板が固まるのを抑制すると言われています。
サプリメントの即効性は?
ここまでにご紹介した成分を含むサプリを用いることで、血流改善に繋がる可能性は考えられます。
ただ、即効性については、個人差がありますので、はっきりとは言えません。
著しい効果は期待できませんが、食べ物と一緒にサプリを活用することで相乗効果は期待できます。
効果的な摂り方
アリシンやナットウキナーゼは熱に弱い
たまねぎやにんにくに含まれるアリシンは、すりおろしたり刻んだりすることにより発生します。
熱に弱いので、ドレッシングに加えるなどして生で食べましょう。
ナットウキナーゼも熱に弱いと言われています。加熱せず、そのまま食べると良いでしょう。
ビタミンCは茹で汁まで!
ビタミンCは水溶性なので、野菜を茹でる場合は、ゆで汁も摂るようにしてください。
スープなどの汁物がおすすめです。
また、ビタミンCは長時間体内に溜めることができない栄養素なので、こまめに摂取しましょう。
ビタミンEやリコピンは油脂と一緒に摂る
ビタミンEやリコピンは脂溶性物質のため、油脂と一緒に摂ることで吸収率があがります。
また、リコピンに関しては、生のトマトよりも加工されているトマトジュースの方が効率よく摂取できます。
リコピンを体内に吸収しやすい形にするためには、油脂と摂るほかに、加熱により変化したアリシン(ジアリルジスルフィド)とともに調理する方法もあります。
一日の中で朝がリコピンを吸収しやすいという報告もあるので、摂取するタイミングも工夫すると良いかもしれません。
EPAは朝に摂るのがおすすめ
EPAは、朝に摂ると吸収が良いという動物実験での研究結果があります。
缶詰の商品は手軽に摂れますが、缶詰に限らず生の魚を買ってきて調理しても良いです。
食品成分表によると、マサバよりも輸入品のタイセイヨウサバの方がEPAを多く含みます。
酢酸は加熱でも非加熱でもOK
酢酸は熱に強いため加熱調理しても大丈夫です。
もちろん非加熱で料理に使用しても良いでしょう。
飲む場合は、薄めて飲むようにしましょう。
食物繊維は一度にたくさん摂らない
食物繊維は青汁の他にも、野菜、きのこ、海藻などからも摂ることができます。
一度にたくさん摂りすぎると胃腸への負担が大きくなるので、数回にわけて摂ると良いでしょう。
お茶を淹れる時は80度以上のお湯で
カテキンを多く含むお茶を淹れたい時は、80度以上のお湯を使用するとカテキンが溶けだしやすく、おすすめです。
麦茶は煮出して作ることで、アルキルピラジンを多く生成できます。
カフェインの摂りすぎに注意
コーヒーは、抗酸化作用があるからと言って飲みすぎると、同時にカフェインも多く摂ることになります。
カフェインは覚醒作用があるので、寝つきが悪くなったり、利尿作用でトイレが近くなったり、人によっては吐き気や片頭痛が起こることもあります。
飲みすぎには注意が必要です。
血液サラサラが期待できるメニュー
和定食に出てくるような料理は、血液改善に繋がるものが多いです。
サバの塩焼き
野菜のお味噌汁
納豆ご飯、玉ねぎドレッシングのサラダ
きのこや海藻の酢の物 など
飲み物にトマトジュースや緑茶などをチョイスしたり、デザートにはビタミンを多く含む果物を食べたりするのもおすすめです。
血液をドロドロにする食べ物&飲み物
下記の食べ物や飲み物は、血液がドロドロになる原因になりますので、気を付けましょう。
糖質の多い食べ物
動物性油脂に多く含まれる飽和脂肪酸を多く含む肉類 ・乳製品
アルコールの摂りすぎ
血液をサラサラにする薬
血液をサラサラにする薬には、抗凝固薬と抗血小板薬があり、医師の判断によって処方されます。
抗凝固薬は、注射薬 と経口薬の二つがあります。
抗凝固薬
注射薬
ヘパリン
低分子ヘパリン
アルガトロバン
ダナパロイドナトリウム
フォンダパリヌクス
経口薬
ワルファリン
※ワルファリンはビタミンKを多く含む食べ物により影響を受けるため、服用する場合は気を付けましょう。
抗血小板薬
アスピリン
クロピドグレル
チクロピジン
シロスタゾール 等
薬の種類や個人差もあるようですが、食品と比べれば薬の方が即効性や確実性はあります。
ただ、個人に合う・合わないがあるので医師の指示に従いましょう。
血液をサラサラにして血圧&コレステロール値も改善!
血液がドロドロだと血流が悪くなり、全身に血液を巡らせるために強い力が必要になります。
そうすると血管にも負担がかかり、血圧があがると考えられます。
血液がサラサラになれば、血流もよくなり、血圧も改善されると考えられます。
コレステロールに関しては、血中コレステロール値が改善されることにより、血液がサラサラになると言えます。
《参考文献》
ビタミンE
厚生労働省『「統合医療」に係る情報配信等推進事業』 「統合医療」情報発信サイト ビタミンE
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/18.html
クエン酸 血液凝固
日本赤十字社 東京都赤十字血液センター クエン酸反応(citric acid reaction)
https://www.bs.jrc.or.jp/ktks/tokyo/special/m6_02_02_08_01_detail67.html
カテキン コレステロール
株式会社伊藤園 研究開発レポート レポート01 茶カテキンの種類で変わる健康効果 ~悪玉コレステロールを低下させる 『ガレート型カテキン』 ~
https://www.itoen.co.jp/company/research/report01/#02
麦茶 血液
カゴメ株式会社 香ばしい麦茶は血液をサラサラにする! ―カゴメ総合研究所がヒトで確認―
https://www.kagome.co.jp/company/news/2004/000396.html
血液サラサラ 薬
国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス 血液をさらさらにする薬http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/blood/pamph80.html#Chapter05
EPA 朝
日本薬理学会 時間栄養学とn-3系脂肪酸 日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.) 151, 34~40(2018)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/151/1/151_34/_pdf
EPA 含有量
文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂) 魚介類https://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/12/20/1365343_1-0210r11.pdf
お茶 抽出温度
株式会社伊藤園 お茶百科 お茶のいれ方お茶のおいしさを決める水と温度
http://www.ocha.tv/how_to_brew/water_and_temperature/
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2021-01-29
体がふらついて、まっすぐ歩けない…。これは何かの病気?
なぜふらついてしまうのか、お医者さんに解説してもらいました。
危険な病気の可能性もあるので、放置しないで、自分の症状をチェックしてみましょう。
まっすぐ歩けないのはなぜ?
平衡感覚の機能が低下したり、脳への血流量が減ったり、疲れていたりすると、体がふらついてまっすぐ歩けなくなります。
平衡感覚の機能低下は、良性発作性頭位めまい症、メニエール病、高血圧症・低血圧症、脳梗塞などによって起こります。
また、脳への血流量減少は、短期的には睡眠不足や強いストレス、長期的には脳梗塞などの疾病が影響して起こります。
ふらつくときの対処法
光の刺激を避けましょう。暗い部屋や日陰で目を閉じて、安静にしてください。
無理に歩こうとしないことも大切です。
この症状は要注意!すぐ病院へ
安静にして症状が治まるときは、一旦様子をみましょう。ただし…
症状を繰り返す
手足がしびれる
ろれつが回らない
といった症状がともなうときは、すぐに病院へ行きましょう。
病院は何科?
「まっすぐ歩けない」ときは、耳鼻いんこう科を受診しましょう。
「ろれつが回らない」、「手足のしびれ」、「麻痺」を伴うときは、脳神経外科を受診してください。
耳鼻いんこう科を探す
脳神経外科を探す
ふらつきが起こる「病気」
体がふらついてまっすぐ歩けないのは
良性発作性頭位めまい症
メニエール病
高血圧症・低血圧症
脳梗塞
の可能性があります。
それぞれ詳しく解説します。
原因① 良性発作性頭位めまい症
自分の意思と関係なく、眼球が動いたり、吐き気を感じたりします。
長時間同じ姿勢でいる、就寝中の寝返りが少ないなどが主な原因です。
人間が平衡感覚を保つのに必要な三半規管のリンパ液に、異物(耳石)が入ってしまい、めまいがおきている状態です。
良性発作性頭位めまい症の「対処法」
まずは安静にしましょう。
めまいが落ち着いたら、軽く頭の体操(頭を前後・左右に傾ける、横にひねる等)をしてください。
それで症状が落ち着いた場合は問題ありませんが、症状が続く場合は耳鼻いんこう科に相談するとよいでしょう。
原因② メニエール病
ストレス、睡眠不足、疲労、気圧の変化などが主な原因となって発症します。
ふらつき以外にも、難聴、耳鳴り、吐き気などが起こります。
メニエール病は、内耳にある組織にリンパ液が過剰に溜まり、水ぶくれが起こる病気です。
三半規管など平衡機能をつかさどる組織に、リンパ液が溜まっているため、通常通りの働きができなくなります。
メニエール病の「対処法」
ふらつくときの応急的対処としては、横になりましょう。
右耳に難聴がある→左耳を下にする
左耳に難聴がある→右耳を下にする
ただし、メニエール病は病院での治療が必要な病気です。症状が落ち着いたら、耳鼻いんこう科へ行きましょう。
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原因③ 高血圧症・低血圧症
血圧が高い状態、低い状態が慢性的に続く病気です。めまいが起こるほどではかなりの血圧異常が起きています。
高血圧症
症状:動悸・息切れ・むくみ など
原因:塩分の摂りすぎ、ストレス、運動不足、肥満、喫煙、遺伝 など
低血圧症
症状:疲れやすさ・だるさ・耳鳴り など
原因:糖尿病、甲状腺機能低下症などの合併症、遺伝 など
血圧に異常が生じると、脳への血流が悪くなります。
脳への血流が悪くなると、めまいとして症状が現われます。
高血圧症・低血圧症の対処法
まずは安静にしてください。
体のふらつきが慢性的に続く場合は、循環器内科を受診しましょう。
循環器内科を探す
原因④ 脳梗塞
血流が悪くなり、酸素や栄養が脳の一部へ行き届かなくなる病気です。
片側の手足の力が抜ける・片側の手足がしびれる・口がもつれるなどの症状があります。
脳へ酸素や栄養を運ぶ血流が停滞すると、回転性のめまいやふらつきが生じます。
乱れた食生活
喫煙
運動不足
生活習慣病(糖尿病や高血圧症)
によって動脈硬化が引き起こされ、脳梗塞を発症します。
脳梗塞の対処法
放っておくと命を落とす可能性があります。
すぐに循環器内科を受診しましょう。
循環器内科を探す
早期受診をおすすめする理由
体のふらつきは重い病気のサインかもしれません。
早期受診をすることで、命が助かる可能性が高くなります。ふらつきを感じたら速やかに病院へ行きましょう。
▼参考
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 めまい・平衡覚・顔面神経