夕方になると足がパンパンにむくんでいたり、朝起きると顔がはれぼったくなっていたり…。
そのほか手、指、お腹など全身のむくみにお困りの方は必見です。
食べ物やサプリをはじめとした内側からむくみを解消する方法、マッサージで外側からアプローチする方法を医師がご紹介します。
むくみの原因と予防法、隠れた病気の可能性も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
「むくみのメカニズム」を知ろう
身体中を巡る水分やリンパ液、血液などが停滞し、心臓にうまく戻らなくなるのがむくみです。
そのため、心臓から遠い部分の足や手などは水分を戻すのにもパワーが必要なので、疲れていたりするとむくみが出やすくなります。
また、食事の際に塩分を多く取ると、体では水分濃度を下げようと体に水分を溜め込みます。これもむくみの一つの原因です。
内臓にもむくみが出る
心臓が衰えてくると、水分、リンパ液や血液を押し出して戻すというポンプ機能が衰え、内臓などにもむくみが現れます。
内臓がむくむことで血管への圧力がかかりやすい状態になり、手を心臓より高く挙げた際に、腕や手首に見えている血管が盛り上がって見えることがあります。
方法①カリウムを多く含む食べ物・飲み物
食べ物であればバナナやキノコ、トマト。飲み物ではルイボスティーやハトムギ、ハイビスカスティーなどがおすすめです。
むくみを感じた際には、水分を排出する作用のあるカリウムを多く含む食材を食事に取り入れましょう。
カリウムは、バナナやキノコ、トマトなどに豊富に含まれています。
飲み物ですと、ルイボスティーやハトムギ、ハイビスカスティーなどのハーブティーにもむくみに働きかけるものがあります。
方法②サプリメント
水分を排出する作用を持つカリウムなどを配合しているサプリメントが販売されているので、そちらを活用するのもおすすめです。
方法③漢方
漢方では
- 五苓散(ごれいさん)
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
の3つがおすすめです。
五苓散(ごれいさん)
全身や上半身のむくみ、喉、口が渇きやすい、めまいがある方におすすめです。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
冷え、下半身のむくみ、生理前のむくみに作用します。
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
冷えと下半身のむくみに加えて、手足にほてりがある高齢の方におすすめです。
漢方は体質に合わせて摂る必要がありますので、薬剤師や医師と相談してください。
方法④マッサージ
マッサージは、滑りを良くするためにオイルやクリームを手につける、もしくはタオルや洋服の上から行い、皮膚に負担をかけないようにしてください。
マッサージは、皮膚に負担をかけないようにしてください。
手の滑りを良くするために、オイルやクリームを手につけたり、タオルや洋服の上から行うようにしましょう。
足のむくみを取るマッサージ
- 足首の方から、両手でふくらはぎを包み込み、膝の方へ引き上げる。
- 膝から太股をつたい、股の方へ引き上げる。
ふくらはぎは、痛気持ちいいくらいの強さでも良いですが、股の部分にはリンパがあるので周辺は優しい力加減でさする程度にしましょう。
顔のむくみを取るマッサージ
- 両手で顔を包み込み外側・若干こめかみ方向へ向かって手を引き上げる。
- そのまま耳下腺※へすり下げる。
※耳下腺…唾液腺ともいわれ、耳の前下方(頬の後ろの方)に存在しています。唾液を分泌したり、顔の筋肉を動かす神経が存在する場所です。
手のむくみを取るマッサージ
- 空いている手の親指を指の根元に置き、くるくると回しながら引き上げていく。
- 上まで行ったらまた根元に戻して繰り返す。
小指、または親指から全部の指をマッサージしましょう。
お腹のむくみを取るマッサージ
- 手のひらをヘソの上に添える
- 手のひらの下に力を込めるイメージで下腹部に円を描きながら手のひらを下ろし、またヘソの上の元の位置に戻ってくる。
気持ちいいと思うくらいの力加減で数回行ってください。強すぎると皮膚や筋などを痛めてしまうことがあります。
方法⑤足を高くして寝る
足から心臓に戻す血液を戻しやすくするために、足を高くして寝るとむくみ解消になることもあります。
方法⑥着圧ソックス・タイツを履く
むくみに特化した着圧ソックスやタイツなどのグッズを使用するのもおすすめです。
こんな「むくみ」は要注意!
次のようなむくみの症状が出た場合は注意してください。
- 肝臓の数値が悪い人がむくみを感じるようになってきた
(アルブミン※低下により、食欲不振や栄養不良、肝硬変などが疑われます。)
- 眠ろうとして横になっても息苦しくて眠れない
(心不全が起きている可能性があります。)
- 新しい薬を飲み始めたらむくんできた
(薬が合っていない可能性があります。)
- 疲れやすい、皮膚がかゆい、貧血気味、夜間尿が多い
(慢性腎不全の際むくみに伴う症状としてあらわれます。 )
心不全は、心臓の機能が衰え、体を駆け巡る水分が滞りがちになり、むくみが起きます。
また、慢性腎不全になると体の余分な水分を尿で出しにくくなりむくみます。
これらの症状が現れた際には、すぐに主治医または内分泌内科を受診しましょう。
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日常生活からむくみを予防!
日常生活では下記の習慣がむくみを予防します。
- 入浴の際にはお風呂につかり体全体をあたためる
- 適度な運動で水分代謝を高める
- 長時間の座り姿勢は避け、合間にはストレッチを取り入れる
むくみを予防して快適な日々を過ごしましょう。
▼参考
女性のための自分で選べる漢方の本 前橋赤十字病院産婦人科副部長 大澤稔著