もくじ
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019年11月30日、政府が、全世代型社会保障改革の一環として、「市販の医薬品と同じような効果があり代替が可能な薬(市販品類似薬)について、公的医療保険の対象から除外する方向で調整に入った」といったニュースが報じられました。
このニュースを、テレビや新聞などで知って不安になった方もいるのではないでしょうか?
生活者の皆さんに非常に関係するところですので、現状、どういった状況なのか気になる方も多いでしょう。
今回は、風邪薬など市販の医薬品と代替が可能な薬が保険適用外になるのか、その現状について調べてみましたので、解説していきます。
コトブキ調剤薬局 横須賀店
薬剤師
竹中 孝行先生
薬剤師。外資系製薬会社に勤務後、保険薬局勤務を経て、2012年株式会社バンブーを設立。薬局、介護、美容事業を運営。 一般の方に薬局・薬剤師のことをより知ってもらうことを目的に、2016年一般社団法人薬局支援協会を設立。
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2019年11月30日、政府が全世代型社会保障改革の一環として、「市販の医薬品と同じような効果があり代替が可能な薬(市販品類似薬)について、公的医療保険の対象から除外する方向で調整に入った。全世代型社会保障検討会議が12月中旬にまとめる中間報告に盛り込むことを検討」といったニュースが報じられました。このことから新聞やテレビでも話題になっていました。
ここでいう市販の医薬品と同じような効果があり、代替が可能な薬(市販品類似薬)にあたるのが、風邪薬をはじめ、花粉症治療薬、湿布薬などです。
つい先日、健保連(=健康保険組合連合会)が改革案のひとつとして提案していたのが「市販薬で代替が可能な花粉症治療薬は保険適用外とするべきだ」ということでした。(参考:湿布、花粉症の薬が保険適用外になる?いつから?健保連の改革案を解説)
このときも、メディアに大きく取りあげられていましたが、今回は、もう一歩踏み込んで何か進展があったように感じるニュースでした。
このニュースを、テレビや新聞などで知り「実際になるのか、いつからなるのか」と不安になった方もいるのではないでしょうか?
実際に、全世代型社会保障検討会議が12月中旬にまとめた中間報告を確認することができます。
(参考:全世代型社会保障検討会議 中間報告)
こちらの内容を確認するところでは、市販の医薬品と同じような効果があり代替が可能な薬(市販品類似薬)について、公的医療保険の対象から除外するというような具体的な事案は見当たりません。
そのため、まだ決定事項はなく、いつからということもないというのが現状の段階だといえます。軽微な症状での受診を控えることにより、重症化する恐れがあるなど、日本医師会においても賛否が分かれているようです。
今回のニュースに不安になられた方がいるかと思いますが、引き続き、どのような議論になっていくのか注目しておくと良いでしょう。
全世代型社会保障検討会議とは
全世代型社会保障検討会議とは、少子高齢化と同時に、ライフスタイルが多様化となる中で、人生100年時代の到来を見据えながら、高齢者だけではなく、子供たち、子育て世代、現役世代まで広く安心を支えていくため、年金、医療、介護、労働など、社会保障全般に渡る持続可能な改革を検討するための会議です。
令和元年12月19日までに計5回開催されており、中間報告がまとめられています。
日本は恵まれており、皆保険制度により、私たちは、一部負担金(1割〜3割)の支払いだけで医療を受けることができます。2018年度では、その医療費の総額が過去最高の約43兆円、国民一人当たり33万7000円となりました。今後、団塊の世代が後期高齢者になる2022年以降は、医療費がますます上がっていくことが予測されています。
この医療費の財源は、皆さんが支払う保険料で賄われています。高齢者が増える中、保険料を支払う現役世代が減少している時代ですので、現状のままだと徴収する保険料を高くしなければ、この皆保険制度の維持が困難となっていきます。
そういった背景がある中で、社会保障制度を維持していくために出てきた提案のひとつが、風邪薬や花粉症治療薬など市販の医薬品と同じような効果があり代替が可能な薬(市販品類似薬)について、公的医療保険の対象から除外するといったことでした。
小子高齢化、人口減少が進んでいる中で、医療費の抑制は日本の大きな課題です。今後どのような方法で対応していくべきか、非常に難しい問題ですが、取り組まなければいけない重要なことです。一方で、このような医療費をめぐる議論は、倫理上、医療に不平等性を生んでしまうことはよくないため、慎重になる必要もあります。
今後も、社会保障に関連する議論はますます本格化していくと考えられます。
今回はまだ決定されていませんが、参考までに、案の焦点となった市販の医薬品と同じような効果があり代替が可能な薬にどのようなものがあるか、その一例をご紹介します。
想定されるのは、風邪薬、花粉症治療薬、湿布薬などの薬です。
中でも、スイッチOTC(医師の判断で処方箋がないと服用できなかった医療用医薬品の成分が、市販薬として販売することが許可され、薬局・ドラッグストアなどで購入できるようになった市販薬)が該当してくることが想定されます。
※各ジェネリック医薬品も多数ありますが、先発医薬品名称で記載します。
(風邪薬)
◎PL配合顆粒(成分:サリチルアミド、アセトアミノフェン、無水カフェイン、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩)
◎カロナール (成分:アセトアミノフェン)
◎ロキソニン(成分:ロキソプロフェン)
◎トランサミン(成分:トラネキサム酸)
◎ムコダイン(成分:カルボシステイン)
◎ムコソルバン(成分:アンブロキソール)
◎ビソルボン(成分:ブロムヘキシン) など
(花粉症治療薬)
◎アレグラ(成分:フェキソフェナジン塩酸塩)
◎アレジオン(成分:エピナスチン塩酸塩)
◎クラリチン(成分:ロラタジン)
◎エバステル(成分:エバスチン)
◎ジルテック(成分:セチリジン塩酸塩)など
(湿布薬)
◎ロキソニンテープ(成分;ロキソプロフェンナトリウム水和物 )
◎ボルタレンテープ(成分;ジクロフェナクナトリウム )
◎セルタッチパップ(成分:フェルビナク) など
全世代型社会保障検討会議 中間報告にも記述されていたのが、セルフケア・セルフメディケーションの推進です。
スイッチOTC化が進んできており、もともと医療機関で処方してもらわないと服用できなかった薬も、薬局やドラッグストアで、ご自身で購入できる時代となってきました。
健保連の発表では、花粉症治療薬、単剤の場合、医療機関で処方してもらう場合と、市販薬を薬局やドラッグストアで購入した場合では、患者負担にほとんど差がなかったということも言っております。
というのも、処方してもらう場合には、医療機関に支払う初診料や薬局に払う調剤料などが薬代に加えてかかってきます。そういった費用を含めると、市販薬は、薬代だけで済むために差がないことがあるというカラクリです。
医療費の抑制は現代の日本にとって大きな課題となっています。現状の皆保険制度を維持していくためには、何らかの対策を練っていかねばならず、その傍で、自己負担金が増えることや、保険料の引き上げが起こる可能性も出てきています。
そのような背景が想定される中、国も「セルフメディケーション」を推進しています。セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義しています。まだ記憶に新しい、所得控除が受けられるセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)も2017年よりスタートしています。
また、お薬のことだけではなく、健康診断を定期的に受けて、病気の早期発見をすることで、慢性的な疾患にならないようにすることもセルフケア・セルフメディケーションのひとつだと考えます。各地域で、特定健診やがん検診などを行なっていますので、日頃、ご自身のからだチェックをしていないという方は、ぜひ受診するようにしましょう。
今回は、11月末に報じられた、風邪薬など、市販の医薬品と同じような効果があり代替が可能な薬(市販品類似薬)について、公的医療保険の対象から除外する方向で調整に入ったというニュースについて解説しました。
中間報告を見る限りでは、決定事項となっていないこと、具体的にいつからということも現状はないようです。
但し、現状の皆保険制度を維持していくためには、医療費の抑制は大きな課題となっており、今後どのような対策をとっていくかは重要な鍵となります。今後も、このような社会保障に関する議論はますます本格化していくと考えられるため、ニュースに耳を傾けることをおすすめします。
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