2020-07-10
痰が絡んで息苦しい…。
どう対処法したらいいのか教えて!
お医者さんに、息苦しさを早く治す方法を聞きました。
「風邪?」「もしかして喘息?」
考えられる原因と、病院に行く目安もご紹介します。
なぜ?痰が絡んで息苦しい
何らかの病気にかかり、気道の粘膜が炎症を起こしている可能性があります。
症状を早く緩和する方法は?
水分を多めに摂るようにしましょう。また、喉を加湿することも大切です。
加湿器やマスクなどを活用するとよいでしょう。
喉を潤すことで、痰の粘度が下がり、痰を出しやすくなります。
※COPD(喫煙が主な原因の慢性疾患)の病気が基礎にある方は、以下の方法でも息苦しさを改善できます。
腹式呼吸
お腹を膨らますように横隔膜を使うことで、効率よく呼吸ができるようになり、息苦しさが改善されます。
口すぼめ呼吸
口をすぼめて息を吐くと気管支がひろがり、呼吸がしやすくなります。
自然に治る?
ウイルス性の風邪や急性気管支炎の場合、安静にしていれば、1週間程度で自然と治ることもあります。
しかし、喉の症状がだんだん悪化してきたり、高熱等の併発症状がある場合には、内科や呼吸器内科での治療をおすすめします。
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市販薬は使ってもいい?
原因がわからないまま、市販薬を使用するのはやめましょう。
自己判断で市販薬を使用すると、合わない薬を使って症状を悪化させる可能性があります。医師や薬剤師に相談してから使用してください。
【一旦、自宅で安静に】よくある病気
軽い風邪(急性上気道炎)
急性気管支炎
の場合は、一旦自宅で安静にして、様子を見ても大丈夫でしょう。
1.軽い風邪(急性上気道炎)
ウイルスや細菌に上気道が感染することで起こります。体力や免疫力が下がっているとかかりやすいです。
安静にしていれば、1週間程度で治ることが多いです。
<主な症状>
発熱、咳、痰、鼻づまり、鼻水、頭痛、倦怠感などがあらわれます。
2.急性気管支炎
風邪の症状に続いて、症状があらわれます。ウイルスや細菌が気管支の粘膜に感染することで起こります。
ウイルス性の場合、安静にしていれば、自然と快方に向かうことが多いです。
<主な症状>
主な症状は、咳と痰です。
初期には粘り気のある透明の痰がでることがあります。その他、熱、食欲不振、倦怠感などの症状があらわれる場合もあります。
*安静にしていてもなかなか治らないときの対処
症状が4日以上続く場合は病院に行きましょう。
併発症状が重い、症状の悪化が見られる場合も、病院に行ってください。
【一度検査を】病院での治療が必要な病気
気管支ぜんそく
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
の場合は、一度病院を受診した方がよいでしょう。
1.気管支ぜんそく
気管支が慢性の炎症を起こして、アレルゲン等の刺激によって狭くなり、ぜんそく発作が起こる病気です。
ぜんそく発作は、細菌やウイルス感染・ハウスダストやカビなどのアレルゲン、運動やアルコール、ストレスなどによって起こります。
<主な症状>
発作的に咳や痰がでるのが特徴です。ヒューヒュー・ゼーゼーという音がして、息苦しくなります。発作が出やすいのは、夜から朝にかけての時間帯です。
<病院での治療>
吸入薬等を使用して炎症を抑え、発作を予防します。発作が起こったら、気管支拡張薬等を使用します。
2.COPD(慢性閉塞性肺疾患)
喫煙が主な原因です。
喫煙習慣のある人のうち15~20%、中高年に発症することが多いと言われています。ほかにも排気ガスや遺伝的な要因によって発症することもあります。
<主な症状>
長期間咳と痰の症状が続き、特に秋から冬場にかけて症状が重くなる傾向があります。
その他、運動時に息切れが起こります。
<病院での治療>
気管支拡張薬を使用して治療しますが、治療の基本は禁煙です。
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【早急に病院へ】命に関わる病気
肺がん
肺炎
のケースもあります。早急な病院受診が必要です。
1.肺がん
肺がんは、喫煙(受動喫煙含む)が主な原因のひとつなので、若くから喫煙習慣があり、喫煙量が多い方はリスクが高いです。
そのほかに有害化学物質を浴びやすい職業や、高齢の方、間質性肺炎(※)や糖尿病などの基礎疾患がある場合などもリスクがあります。
※間質性肺炎…何らかの原因で肺胞が硬くなって、酸素が血管内に取り込まれにくくなる疾病
<主な症状>
咳や痰(血が混じることもある)、動悸、息苦しさ、発熱、胸の痛みなどの症状があらわれます。
ただしこれらの症状は、肺がん特有の症状というわけではありません。
<病院での治療>
がんの進行度にもよりますが、切除手術や放射線治療、抗がん剤などの薬物療法による治療を組み合わせて行います。
2.肺炎
細菌やウイルス、カビなどの感染によって起こる病気です。免疫力がさがっているとかかりやすいです。また、喫煙習慣がある方や高齢の方、糖尿病にかかっている方も感染リスクが上がります。
<主な症状>
咳や痰、胸の痛み、発熱、息切れなどの症状があります。吐き気や下痢などがみられることもあります。感染源によって症状は異なります。
<病院での治療>
抗菌薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬、などを使用して治療します。
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参考
一般社団法人 日本臨床内科医会 わかりやすい病気のはなしシリーズ6 せきとたん
https://www.japha.jp/doc/byoki/006.pdf
一般社団法人 日本呼吸器学会 急性気管支炎
https://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=3
日本医師会 知識と予防が大切-急性上気道炎-
http://dl.med.or.jp/dl-med/people/plaza/203.pdf
一般社団法人 日本臨床内科医会 わかりやすい病気のはなしシリーズ7 慢性気管支炎・肺気腫
https://www.japha.jp/doc/byoki/007.pdf
独立行政法人 環境再生保全機構 COPDかも…。どうしたらわかりますか?
https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/copd/about/04.html
国立がん研究センター がん情報サービス 肺がん
https://ganjoho.jp/public/cancer/lung/index.html
MSDマニュアル家庭版 肺炎の概要
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/07-肺と気道の病気/肺炎/肺炎の概要