顔がかゆい…どうしたらいいの?
そのかゆみの原因は「ストレス」かもしれません。
ストレス性の顔のかゆみの特徴や、他に現れる症状を、お医者さんに詳しく聞きました。
どのようにケアすればいいのかも解説しますので、参考にしてください。
監修者
経歴
北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長
を経て2024年JUN CLINIC横浜 就任
ストレスで、顔がかゆくなる?
過剰なストレスは、顔のかゆみに繋がると考えられています。
人はストレスを感じると、いわゆる「ストレスホルモン」の分泌量が増えます。
「ストレスホルモン」は自律神経や免疫機能の働きを低下させて、炎症を促進させる作用を持つため、かゆみにつながると考えられています。
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2020-12-28
なんだか体調が悪い…。ストレスのせいかも…。
ストレスが限界に達すると、どのような症状があらわれるのでしょうか。
お医者さんの目線から、「心の症状」と「体の症状」、それぞれ解説してもらいました。
ストレスが限界に達した時に出る症状
ストレスが限界に達すると、脳や自律神経の働きに影響が出て「心の症状」と「体の症状」があらわれます。
ストレスの限界サイン「心の症状」
気分が落ち込む
イライラして、怒りっぽくなる
やる気が出ず、集中できない
何に対しても興味が持てない
ストレスの限界サイン「体の症状」
肩こり
頭痛
腹痛、胃痛
胸が苦しい
息苦しい
だるくて体が動かない
食欲不振、または食欲過剰
下痢、便秘
寒気や冷え
涙が止まらなくなる
不眠、または過眠
過度なストレスを受け続けると脳が正常に働かなくなり、気分が落ち込みやすくなります。
さらに、ストレスは内臓など体全体の調子を整える「自律神経」の乱れを引き起こすため、体の不調の原因にもなります。
ストレスが溜まりすぎると起こる「行動の変化」
浪費が激しくなる
ギャンブルが止まらなくなる
アルコール量が増える
喫煙量が増える
ストレスによって心の調子が不安定になると、お酒を飲む量が増えたり、大胆な行動をとったりする方もいます。
「自分らしくない行動が増えた」という場合も、心の状態に注意したほうがよいでしょう。
ストレス限界サインを感じたら、こう対処しよう
質の良い睡眠をとる
好きな物を食べる
気が合う人と会う
などの方法で、ストレスを発散しましょう。
ストレス対処法① 質の良い睡眠をとる
ストレスの解消には、十分な睡眠が大切です。
質の良い睡眠をとれるよう、就寝前には
ゆっくり入浴する
リラックスを設ける
スマホよりも本を読む
の3つの点を心がけましょう。
湯船にゆっくり入浴する
湯船につかって、ゆっくりと温まりましょう。
時間や体力がないときは、熱めのシャワーを首元に数分当ててください。
入浴が終わったら、冷えないように着替え、水分補給をしましょう。
リラックスタイムを設ける
ゆっくりできる場所に腰を掛けて、気持ちを休めましょう。
好きな音楽やテレビを楽しむのもおすすめです。
スマホよりも雑誌や本を読む
就寝直前はスマホではなく、読書が適しています。
インターネットは情報がどんどん入ってくるため、過度な刺激になってしまいます。
眠気を感じたら、電気を消して早めに入眠しましょう。
ストレス対処法② 好きなものを食べる
好きなものを食べると、ストレスが和らぎます。
※ただし、暴飲暴食は控えてください。
食欲がないときは無理せず、食べられるものを食べましょう。
軽く運動すると、食欲が湧きやすくなります。
反対に、カフェインの強いものはしばらく控えてください。
過度のアルコール摂取も、睡眠の質を低下させる原因となるため、注意しましょう。
ストレス対処法③ 気が合う友人と過ごす
悩みを誰かに相談することも、ストレス解消につながります。
こんなときは病院へ!
なかなか寝つけない
就寝中に何度も目が覚める
いつもより寝すぎてしまう
朝だるくて起きられない
といった場合は、早めに病院で相談しましょう。
何科を受診すればいいの?
心療内科・精神科を受診してみましょう。
初診の際は、下記のことを医師に伝えられるように、まとめておくといいですよ。
今までできていたのに、できなくなったこと
特につらいと感じていること
仕事の内容・職場の人間関係
おかしいと感じる体の症状
メモに書いて持っていくのもおすすめです。
心療内科を探す
心が壊れてしまう前に相談しよう
過度のストレスは、うつ病や自律神経失調症を引き起こす恐れがあります。
頑張りすぎは禁物です。
心療内科や精神科に行くとなると、身構えてしまう方も多いかもしれません。
ですが、メンタルの不調で病院にかかることは、内科で風邪を相談することと大きな違いはありません。
一人で抱え込まずに、病院で相談してみましょう。
▼参考
厚生労働省 みんなのメンタルヘルス うつ病
ストレス性のかゆみの症状
顔のかゆみに加えて、乾燥してカサカサする、脂っぽい肌になる、しわが増える等の症状が出現する場合があります。
かゆみがおきやすいタイミング
- イライラしているとき
- 不安が募っているとき
- 入浴後
- 眠りにつくとき
- 汗をかいたとき
他にも、こんな症状に心当たりはないですか?
ストレス性のかゆみの場合、
- ニキビの増加
- 発疹(じんましん)が出る
- イライラする
- 便秘
- 睡眠不足
- うつ状態
といった症状があらわれる可能性があります。
4つの「見直すべき生活習慣」
まずは、ストレスが溜まってしまう生活習慣を改善することが大切です。
1.良質な睡眠を十分とる
個人差はありますが、毎日7~9時間程度の睡眠時間を確保するのがおすすめです。
睡眠の質と量が良い状態の場合、肌のバリア機能が向上します。
2.心の緊張をほぐす
ストレスを柔軟に受け止める、ストレスを溜め込まない等、自分なりの対処法を見つけて実践すると、肌のバリア機能が改善すると考えられています。(音楽、運動等)
3.食事の改善
栄養バランスの良い食事を、1日3食しっかり摂るようにしましょう。
甘いもの、刺激物、アルコール、カフェイン等の摂り過ぎは禁物です。
4.清潔な状態の維持
常に身のまわりを清潔な状態にすると、肌への刺激を抑制できます。
タオルや枕カバー等、肌に直接触れるアイテムは毎日交換しましょう。
正しいお肌のケア方法
洗顔するときは、肌への負担が少ない低刺激性タイプの洗顔せっけんを使いましょう。
洗浄力が高すぎるタイプは、必要以上に肌の皮脂分を除去してしまい、肌の乾燥を招く場合があります。
低刺激タイプという表示があっても、実際に使うと肌に合わない場合もありますので、可能であれば、一度トライアル用やサンプルを使用して確認することをおすすめします。
<洗顔方法>
- 洗浄剤をよく泡立てる
- 泡がもこもこ状態になったところで肌にのせる
- 手(指)でゴシゴシするのではなく、泡を肌の上でポンポンするように優しく洗う
- 洗浄剤が残らないように、ぬるま湯でしっかりすすぐ(ゴシゴシせず包み込むようにすすぐ)
- きれいなタオルで水分を丁寧にとる
洗顔後は、きれいなタオルで水分をしっかり拭き取り、すぐに保湿ケアを行いましょう。
保湿を徹底し、角質層のバリア機能を補強することで、刺激物から肌を保護します。
注意!
メンソレータムや過度なアルコールが配合された肌ケア用品は、スースーとして一時的には気持ちよく感じますが、その後刺激でかゆくなる事があります。
市販薬は使っていい?
早期改善を望む場合には、皮膚科等の医療機関を受診して、肌状態に適した治療や薬の処方をしてもらうことをおすすめします。
かゆみの緩和が期待できる市販薬もありますが、原因がはっきりしていない段階では、症状に合わない薬を使って悪化してしまう可能性もあるからです。
ストレス性のかゆみにこれはNG!
間違ったケア方法
- 何度も洗顔する
- ごしごし洗う
- 熱いお湯で顔を洗う
- スクラブ入り洗顔を毎日行う
上記のケアは、肌に必要な油分まで除去してしまったり、過剰な刺激を与えてしまう原因となります。
避けるべき行動
- 濃いメイク
- 甘いものや脂肪分が多いもの、刺激が強いもの、アルコールの過剰摂取
- かゆい部分を爪で掻き壊す
- 夜更かし
- 毎日湯船に長時間浸かる
体温の上昇や汗をかくことがかゆみに繋がるケースもあるので、お風呂で熱いお湯を使うのは避けた方がいいでしょう。
今の化粧水、使い続けて大丈夫?
肌の状態が安定している場合は、使用を続けても問題ないと考えられます。
しかし、顔のかゆみが続く等の肌トラブルが生じている場合は、肌に合っていない可能性があるため、違うタイプに変えてみましょう。
悪化させないためにも…皮膚科受診がおすすめ
皮膚科を受診することで、肌の状態をしっかり診察してもらえます。
その結果、最善の治療法や薬を処方してもらえるため、かゆみ等の不快な症状の改善が期待できます。
皮膚科を探す
皮膚科の処方薬を使うメリット
皮膚科の処方薬は、現在の肌状態を診察した上で処方されるので、症状改善に必要な成分や薬剤が配合されています。
そのため、自己判断で選んだ市販薬を使用するよりも、症状の改善が期待できます。
合わない市販薬で肌状態が悪化してしまうと、さらなるストレスが生じるという悪循環に陥る恐れもあるので、ストレス性のかゆみを疑う場合は、皮膚科の受診をおすすめします。