目に刺すような痛みが…!
心配な「目の痛み」の原因と対処法を、お医者さんに聞きました。
自分でできる対処法や、病院に行くべき症状も解説します。
刺すような目の痛み…大丈夫?
一瞬針で刺されたような目の痛みは、一過性の神経痛である場合が多いため、一旦様子を見ても良いでしょう。
ただし、痛みを繰り返したり、充血や涙目を伴ったりする場合は、注意が必要です。
刺すような目の痛み3つの原因
刺すような目の痛みがある場合、
- 角膜びらん
- さかさまつげ
- ドライアイ
の可能性があります。
それぞれ詳しく解説していきます。
1.角膜びらん
角膜(黒目)の表面が傷ついたり、すりむけたりすることで、目に痛みを感じます。
角膜びらんの主な原因は、
- 異物が目に入った
- コンタクトレンズの不適切な使用(つけたまま寝る、洗浄不足、間違った使い方など)
- 爪でひっかいてしまった
- ドライアイ
- ゴーグルをつけずにスキーをしたあとの光線外傷
- 打撲
などです。
そのほか、糖尿病や角膜ジストロフィーなど患っている人も発症しやすいです。
痛み方の特徴
刺すような激しい目の痛みがあります。
痛み以外の症状
- ゴロゴロするような異物感
- 目の充血
- 涙が出る
- まぶしく感じる
- 視力の低下
自分でできる対処法は?
薬品や化学物質が目に入った時は、まず十分に水道水で洗眼してください。
薬品を薄めるため、水道水をシャワーかホースで勢いを弱くして、水が目に斜めに当たるようにしながら15分~20分洗い、その後、洗面器に水道水をいれ、まばたきを繰り返しましょう。
涙液に近い性質を持った人工涙液が入っているソフトサンティア点眼液を目に数滴たらし、数回瞬きさせてもよいでしょう。
その後は、目を乾燥させないことが大切です。意識的にまばたきをしたり、人工涙液の点眼薬をこまめに使ったりすると良いでしょう。
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2021-03-17
目がしょぼしょぼして、涙がでる…。
その症状の原因と対処法をお医者さんに聞きました。
ドライアイや角膜炎の可能性もあるので、心当たりのある方は要チェックです。
「目がしょぼしょぼして涙が…」続く場合は眼科へ!
「目がしょぼしょぼして涙が出る」症状が2週間以上続く場合は、一度眼科に相談すると良いでしょう。
なお、
視野の違和感
目の痛み
まぶしさ
などを伴う場合は、早急の受診をおすすめします。
角膜に傷がついている場合、悪化すると視力低下や失明のリスクがあります。
眼科を探す
なぜ?目がしょぼしょぼして涙が出る3つの原因
目がしょぼしょぼして涙が出るのは、
眼精疲労
ドライアイ
角膜炎
などの原因が考えられます。
病気① 眼精疲労
目の“水晶体を支える筋肉”に疲労が溜まっていると、目がしょぼしょぼして涙が出ることがあります。
◆眼精疲労の症状
目がしょぼしょぼする
涙が出る
目のかすみ
充血
肩こり
眼精疲労の原因
目の使いすぎ
眼鏡・コンタクトレンズの度が合っていない
ストレス
といった原因が考えられます。
パソコンをよく使う人、スマートフォン・液晶画面をよく見る人は、発症リスクが高いです。
市販の目薬を使っても良い?
ビタミン配合や充血軽減、かすみ目に作用する目薬を使いましょう。
根本的改善にはつながりませんが、症状を一時的に緩和することができます。
炎症を改善する「硫酸亜鉛水和物」や「グリチルリチン酸二カリウム」
ピント調節筋に作用して疲れを改善する「ネオスチグミンメチル硫酸塩」
涙を保持して角膜を保護する「コンドロイチン硫酸エステルナトリウム」
毛様体筋の働きを活発にして目の疲れを改善する「ビタミンB12」
結膜の充血を抑える「塩酸テトラヒドロゾリン」
などの成分が含まれるものを選びましょう。
目薬以外の対処法は?
蒸しタオルで目を温めると、血行が促進されて症状が早く良くなります。
入浴で体全体を温めるのもおすすめです。
市販の目薬を使ったり、目を休ませたりしても改善が見られない場合は、一度眼科で相談してみましょう。
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病気② ドライアイ
目の乾燥が起こっている状態です。
なんらかの原因で涙の量や質が変化すると、ドライアイを発症しやすくなります。
◆ドライアイの症状
目がしょぼしょぼする
涙がでる
目の乾燥感
目のかすみ
目のかゆみ
ドライアイの原因
目の使いすぎ
エアコンの使用による乾燥
ストレス
薬の副作用
膠原病(こうげんびょう)
などが原因となります。
デスクワークが習慣の方は、発症リスクが高まります。
また口の乾燥を伴う場合は、膠原病の一つの“シェーグレン症候群”も考えられます。
「シェーグレン症候群」とは
中年女性に発症しやすい病気で、涙腺と唾液腺に生じる自己免疫疾患です。
目や口、鼻が乾燥します。疲労感や記憶力低下、頭痛などの全身症状も見られます。
悪化すると、生活の質(QOL)の低下につながります。また、口の乾燥により虫歯ができやすくなります。
市販の目薬を使っても良い?
人工涙液やヒアルロン酸が配合された目薬が、症状の軽減に役立ちます。
目薬以外の対処法は?
部屋の乾燥に気をつけ、こまめに目を休めましょう。
部屋の乾燥対策には、加湿器がおすすめです。
液晶画面を長時間見る場合は、1時間に10分程度の休憩を入れてください。
また、コンタクトレンズの使用はしばらく控えましょう。
市販の目薬を使用したり、上記のケアを行っても改善が見られない場合は、眼科で相談してください。
病気③ 角膜炎
角膜に炎症が起こっていると、目がしょぼしょぼして涙が出ることがあります。
角膜炎は、傷がついた角膜に細菌・ウイルスが感染することで発症します。
◆角膜炎の症状
目がしょぼしょぼする
涙がでる
目の痛み
充血
角膜炎の原因
外傷
コンタクトレンズの誤った使用
などが挙げられます。
コンタクトレンズの消毒を怠る、汚れた手で目をこするなどの行為が発症リスクを高めます。
市販の目薬を使っても良い?
角膜炎の場合、市販薬の使用はおすすめできません。
医師の診察を受けて必要な処方薬を使用しましょう。
角膜炎の場合、自己判断での市販薬の使用によって、症状が悪化するケースがあります。
目薬以外の対処法は?
コンタクトレンズの使用をすぐに中止してください。
角膜炎の疑いがあるときは、早めに眼科へ行きましょう。
放置して悪化すると、角膜びらんや角膜潰瘍を引き起こし、視力低下や失明を招く恐れがあります。
<角膜びらん>
角膜上皮の一部が剥がれた状態のことです。
<角膜潰瘍>
角膜上皮が欠損して、上皮の下にある角膜実質まで影響が及んでいる状態のことです。
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病院ではどんな治療を受けるの?
目がしょぼしょぼして涙がでる場合、眼科ではどんな検査を行うのでしょうか?
専用の試験紙をまぶたにあてて涙の量を調べるシルマー検査や、目の表面の傷を見る顕微鏡検査などが行われます。
眼精疲労の対処は、その原因によって異なります。
ドライアイ→乾燥予防の点眼液処方や涙点閉鎖
目の酷使→ビタミン点眼液の処方
メガネやコンタクトレンズがあっていない→度数調整
などです。
角膜炎の場合は、
細菌性角膜炎→抗菌薬の点眼や内服
真菌性角膜炎→抗真菌薬の点眼や内服
を行います。
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▼参考
日本眼科学会 ドライアイ
2.逆さまつげ(眼瞼内反、睫毛内反、睫毛乱生)
本来まぶたの外側に向かって生えるはずのまつげが、内側へ向かって生えることにより、目尻や角膜に触れてしまうため、痛みを感じます。
逆さまつげの原因には、①眼瞼内反・②睫毛内反・③睫毛乱生の3種類があります。
<①眼瞼内反>
まぶたの筋肉がゆるむことにより、まぶた自体が眼球の方に向いてしまい、まつげや皮膚が角膜に接する状態です。
眼瞼内反には、生まれつきの先天性眼瞼内反症と、加齢によって生じる老人性眼瞼内反症があります。
<②睫毛内反>
まぶたの皮膚が多く、まつげが内向きに押されてしまい、角膜(黒目)と結膜(白目)に接する状態です。
<③睫毛内反>
睫毛乱生は、毛根からのまつげの生え方が正常でなく、まつげが内向きに生えてしまうことで、角膜に接する状態です。
痛み方の特徴
チクチクとした痛みや不快感があります。
痛み以外の症状
- 涙が出る
- 目の充血
- 目やにが出る
- まぶしく感じる
- ゴロゴロするような異物感
- まばたきが増える
自分でできる対処法は?
逆さまつげを改善するためには、手術が必要です。自分でケアするのは難しいので、できる限り早く眼科に行きましょう。
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3.ドライアイ
ドライアイになると、角膜上に小さな点状のキズがたくさんできて、刺すような痛みが生じます。(点状表層角膜炎)
角膜上の涙液の減少や、涙液の蒸発量が多くなることが原因でドライアイになってしまいます。
ソフトコンタクトレンズの使用もドライアイの要因となります。
痛み方の特徴
眼にゴロゴロとした違和感と痛みが生じます。
痛み以外の症状
自分でできる対処法は?
すぐに病院に行けない場合は、市販薬のドライアイ用点眼薬を使用してみてください。コンタクトレンズを使用している場合は、直ちに使用を中止してください。
これらの対処を行っても症状が改善しない場合は、自分でケアするのは難しいので、できる限り早く眼科を受診しましょう。
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この症状は早く眼科へ
次の症状がある場合は、はやめに眼科を受診しましょう。
- 刺すような痛みを繰り返している
- 目が開けられないほどの強い痛みがある、
- 涙目や充血
- 目やに
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どんな治療をするの?
よくある症例の治療法をいくつか解説します。
<角膜びらん・ドライアイの場合>
角膜に傷がついている場合は、点眼薬、眼軟膏を処方して様子を見ます。
角膜びらんで眼に物が刺さっている場合は、それを取り除き、深い切り傷や刺し傷は縫い合わせます。その後、角膜が再生するまで治療用コンタクトレンズを着けます。
角膜に濁りが残ってしまった場合は、角膜移植をするケースもあります。
<逆さまつげの場合>
まぶたを切開して過剰な皮膚を縫いつけるなど、手術による治療を行います。
早期受診をすすめる理由
早めに病院を受診して原因を特定することで、短期間での治療が期待できます。また、症状が重い場合も、早期に発見して治療を開始することで、合併症や後遺症などのリスクを避けることができます。
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2018-10-01
”眼精疲労”と言っても、その症状はさまざまです。
「症状にあわせて選ぶこと」が失敗しない目薬の選び方になります。
ドライアイ・充血・疲れ目・ものもらいなど、それぞれのケースにおすすめの目薬をご紹介します。
「疲れ目・かすみ目」におすすめの目薬
疲れ目・かすみ目の人は、目の血流が低下して、一時的に見えにくい感覚になっています。
充血している場合は、目の酷使によって軽い炎症を起こしている可能性もあります。
特にスマホやパソコンをよく使う人は、ブルーライトを見ている時間が長いために発症しやすいです。
この成分をチェック
ネオスチグミンメチル硫酸塩
アラントイン
ビタミンB12
これらが入っている目薬を選ぶようにしてください。
上記の成分は、長時間の目の酷使によるピント機能低下を改善させます。
また、炎症を抑えて角膜の修復を強化する作用もあります。
※使用回数、用途を守って使用してください。
「ドライアイ」におすすめの目薬
ドライアイは、長時間スマートフォンやパソコン作業を続けている人に多いです。
このような作業は、目はまばたきの回数が減って目が乾燥しやすくなります。
また、加齢によって目の成分が減っている人も、ドライアイになりやすいです。
この成分をチェック
塩化カルシウム水和物
硫酸マグネシウム水和物
コンドロイチン硫酸エステルナトリウム
これらが入っている目薬を選ぶようにしてください。
上記の成分は、目の乾き、疲れ目、目のかすみなどに効果があります。
※使用回数、用途を守って使用してください。
「充血」におすすめの目薬
目の酷使、外部刺激などによって、目の血管が膨らんでいる状態です。
この成分をチェック
塩酸テトラヒドロゾリン
ナファゾリン
これらが入っている目薬を選ぶようにしてください。
上記の成分には、血管収縮効果があります。
※使用回数、用途を守って使用してください。
「目の痛み」におすすめの目薬
目の痛みは、紫外線の炎症、コンタクトレンズ使用、目の疲れなどが原因で起こります。
角膜の炎症、血流が悪いなどの状態が考えられます。
この成分をチェック
グリチルリチン酸二カリウム
イプシロン-アミノカプロン酸
これらが入っている目薬を選ぶようにしてください。
上記の成分には、炎症を抑えて組織の修復を行う働きがあります。
※目の痛みの原因がわからないときは、診察を受けましょう。自己判断で市販薬を使うのはリスクを伴います。
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「目のかゆみ」におすすめの目薬
目のかゆみは、さまざまな外部刺激によって引き起こされます。
主な原因には、花粉、ペットの毛、ハウスダスト、細菌、ウイルスなどがあります。
これらのアレルゲンに反応して結膜が炎症を起こすと、かゆみを発症します。
この成分をチェック
トラニラスト
クロルフェニラミンマレイン塩酸
これらが入っている目薬を選ぶようにしてください。
上記の成分には、アレルギー原因を抑えてかゆみを止める効果があります。
※目のかゆみの原因がわからないときは、診察を受けましょう。自己判断で市販薬を使うのはリスクを伴います。
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「目の異物感」におすすめの目薬
目の異物感は、コンタクトレンズの使用や目の疲れ、異物混入などが原因で起こります。
角膜の炎症や、アレルギー反応などが起きていると考えられます。
この成分をチェック
グリチルリチン酸二カリウム
イプシロン-アミノカプロン酸
これらが入っている目薬を選ぶようにしてください。
上記の成分には、炎症を抑えて組織の修復を促す作用があります。
※目の痛みの原因がわからないときは、診察を受けましょう。自己判断で市販薬を使うのはリスクを伴います。
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「ものもらい・結膜炎」におすすめの目薬
白目の部分に炎症を起こしたり、微生物感染などが原因で白目の部分が赤くなります。
目やに、充血、かゆみ、腫れなどが同時に起こることが多いです。
この成分をチェック
スルファメトキサゾール
が入っている目薬を選ぶようにしてください。
この成分には抗菌の効果があり、細菌感染の改善を促す作用があります。
※症状が重い場合は、市販薬では治療が進まないことがあります。特にさまざまな症状が複合的に出ている場合は、医療機関での診察を受けましょう。
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「花粉症」におすすめの目薬
花粉が目や体から入り込み、アレルギー反応を起こしている状態です。
かゆみ、落涙などを発症します。
この成分をチェック
クロルフェニラミンマレイン酸塩
クロモグリク酸ナトリウム
プラノプラフェン
これらが入っている目薬を選ぶようにしてください。
上記の成分には、かゆみ止め、角膜の保護成分、アレルギーを抑える、炎症を抑えるなどの働きがあります。
※他の病気が原因となっている場合もあります。市販品は使用するのは、医療機関で「花粉症」と診断された後が良いでしょう。
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どれの目薬がいいのかわからない!
商品の値段よりも「目の症状にあっている目薬」を選ぶことが大事です。
コンタクトレンズをつけている人は、目薬の成分がコンタクトレンズ不可の場合もあります。
特にソフトコンタクトレンズは、装用したまま使えないケースが多いので要確認してください。
目薬は「1カ月以内に使い切る」
処方薬:開封後1カ月以内
市販品:開封後3カ月以内
を目安に使用しましょう。
古いものは成分が劣化している可能性が高いので、破棄してください。
目を疲れさせないことが大事
目を酷使した後は、
蒸しタオルで目元を温める
ホットアイマスクで目をリフレッシュする
湯船に浸かり、目だけでなく体全体を温める
といったことを行い、目の疲れを溜めないようにしましょう。
目に疲れが溜まっていると、免疫が落ちて充血したり、結膜炎になったり、花粉症が悪化したりします。
こんなときは眼科へ
目の不調を繰り返すときは、早めに眼科で受診しましょう。
目の病気が隠れていた場合、悪化すると視力に影響が出るリスクがあります。
眼科では、目の不調の原因を調べてそれに合った治療を行います。
ドライアイやアレルギーなど、生活面での工夫で改善できる症状もあります。
気になる目の症状は、一度医師に相談してみましょう。
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