「便がドブ臭い…これって病気?」
便臭が強くなる原因を、お医者さんが解説します。
病気のサインとなる症状もあるため、要チェックです。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
”ドブ臭い”便は病気サイン?
すい臓の病気・直腸の病気によって、便のにおいが強くなることがあります。
ただし、便臭の原因には食事も考えられます。
ドブ臭い便が出るだけでは、病気であると言い切れません。
どう対処すればいい?
まずは便臭が強くなる食事や飲酒を控えて、便の様子を見てみましょう。
また、市販の整腸剤を服用してみても良いでしょう。
便臭が強くなる食事
- 肉料理
- 脂肪分の多い食事
- ニンニクや香辛料が効いた食事
ただし、この症状は「病気」の可能性あり
- 慢性的な下痢
- 腹痛
- 便秘
- 脂肪便(便器に油分が浮く)
- 体重減少
- 血便
強い便臭に上記症状を伴う場合は、病院を受診しましょう。
これらの症状には、大腸ポリープ、大腸がん、慢性膵炎などが考えられます。
異常を感じたときには、すでに病気が進行している可能性もあり、注意が必要です。
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2023-01-30
膵炎とは、どのような病気なのかを分かりやすくまとめました。
膵炎の主な症状も紹介するので、「膵炎かも…」と思う人は心当たりがないかチェックしてみてください。
膵炎とは
膵炎とは、膵臓の消化液が漏れて、臓器を傷つけてしまう病気です。
この膵炎は「急性膵炎」と「慢性膵炎」に分かれます。
「急性膵炎」とは、消化酵素によって膵臓自体がダメージを受けて、炎症が起こっている状態です。
「慢性膵炎」とは、食べ物を消化するための膵液が、長期間に渡って膵臓自身を溶かしてしまう病気です。
「急性膵炎」と「慢性膵炎」それぞれの症状
急性膵炎
▼軽度~中等度の症状
みぞおち周辺から左上腹部の痛み
背中の痛み
吐き気、おう吐(吐いても症状が改善しない)
発熱(37度~38度程度が多い)
食欲不振
腹部膨満感
▼重度の症状
血圧低下
皮膚が黄色っぽくなる
呼吸困難
精神が錯乱してしまうほどの激しい痛み
失神
慢性膵炎
腹痛を5〜10年ほど繰り返す
急にお腹や背中が痛くなることがある
下痢や便秘の症状がある
みぞおちを押すと痛い
だるい
食欲不振
吐き気、嘔吐
お腹の張り(膨満感)
体重減少(※)
※人によって異なりますが、6か月で5%以上を病的な体重減少とすることが多いです。
膵炎の原因
膵炎の原因には、「お酒の飲み過ぎ」「胆石が胆管で詰まる」などが挙げられます。
ただし、はっきりと原因が分からないケースもあります。
膵炎になりやすい人
お酒をよく飲む
タバコを吸う
暴飲暴食している
脂肪分を多く含む食品のとり過ぎ
就寝直前に食事をとることが多い
刺激が強い飲食物を好む
急性膵炎を疑う場合はすぐ病院へ
膵炎が疑われる場合は、「内科」で受診することをおすすめします。
急性膵炎を発症すると、命に関わるケースもあります。
特に毎日飲酒している方は、腰・背中あたり痛みを感じたら早めに受診しましょう。
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慢性膵炎も放置はNG
慢性膵炎は症状が進行すると、インスリンの分泌量が低下し、糖尿病を発症する恐れがあります。
また、症状が悪化すると、膵臓ガンを発症する恐れもあるため、早めに受診してください。
膵炎の検査・治療法
医療機関では、必要に応じて血液検査、内視鏡、エコーなどを行います。
そこまで痛い検査はありません。
膵炎の治療は、
鎮痛剤の投与
輸血
絶食
などをおこなって症状の改善を図ります。
安定するまで集中治療の管理が行われるため、入院が必要になるケースが多いです。
病院は何科?
消化器内科を受診しましょう。
大腸ポリープが隠れていた場合、放置するとガン化する恐れがあります。
悪化を回避できるケースも多くあるため、早い段階での検査が重要です。
便臭に加え、排便時の不調がある場合には、早期受診をおすすめします。
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