「大人の口内炎、何科で受診すればいいの?」
なかなか治らない口内炎は、病気のサインかもしれません。
不安な方は早めに病院で相談しましょう。
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歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。
大人の口内炎は何科にかかればいい?
口内炎ができたときは耳鼻いんこう科(または歯科)を受診しましょう。
口内炎は隠れた病気のサインになっているケースもあります。
なかなか治らない口内炎を放っておくと、口内炎の原因となっている病気が悪化するリスクがあります。
重い病気だった場合、命を落とすことや後遺症が残る恐れがあるので「たかが口内炎」と油断せず、お近くの病院で相談しましょう。
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「口の中が全体的に痛い」→カタル性口内炎
口の中全体が痛い場合、カタル性口内炎の可能性が高いです。
入れ歯や矯正器具が粘膜に当たるなど、口内環境が悪いときに起こりやすい口内炎です。
カタル性口内炎の主な症状
- 唾液の分泌量が増える
- 口の中が赤く腫れる
- 刺激のある食べ物にしみる
- 口臭が強くなる
「口内炎がたくさんできている」→ヘルペス性口内炎
口内炎がたくさんできている場合、ヘルペス性口内炎の可能性が高いです。
ヘルペスウイルスに感染することで発症します。
ヘルペス性口内炎の主な症状
- 熱が出る
- 倦怠感がある
- 歯肉が赤く腫れ、びらんができる
- 口臭が強くなる
- 痛い(何かに触れても触れなくても)
- 食べ物を噛むことや飲みこむことが難しい
- 話すことが難しい
- あごの下のリンパ節が腫れる
「白っぽい浅い窪みのある潰瘍」→アフタ性口内炎
白っぽい浅い窪みのある潰瘍がある場合は、アフタ性口内炎の可能性が高いです。
傷付いた粘膜に細菌やウイルスが感染することで発症します。ストレスや疲労等が原因で発症するケースもあります。
アフタ性口内炎の主な症状
- 痛いみが出る
- 食べ物がしみる
- 熱が出る
- 倦怠感がある
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2019-11-08
口内炎に即効性のある治し方があれば知りたいですよね。
口内炎を治すためには、どんな薬や食べ物を選べば良いのでしょう?
「塩やはちみつで口内炎が治る」というウワサの真偽についても解説しています。
ぜひ参考にしてください。
口内炎になったら「ビタミンB群をとろう」
口内炎に作用するビタミンは、ビタミンB群の「ビタミンB2とビタミンB6」です。
症状によってはビタミンB2、B6製剤が処方されることもあります。
豚肉や緑黄色野菜がおすすめ
ビタミンB2とビタミンB6が含まれる、豚肉、緑黄色野菜、きのこ、大豆や納豆などを積極的に摂取しましょう。
また、普段からビタミンB群が不足しないような食事を心がけましょう。
栄養ドリンクをプラスしてもOK
栄養ドリンクでもビタミンの補給は出来ます。
しかし、栄養ドリンクだけでは、栄養素は上手に体に吸収されません。食事にプラスして補給するようにしてください。
口内炎を早く治すには?
口内炎は、通常であれば2週間程度で良くなります。
薬を使用することで早い段階で炎症を抑え、症状を緩和することが期待できます。
口内炎ができる原因は、多岐にわたります。
症状にあったものを選ぶには、医師の診断を受けることをおすすめします。
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市販薬はどれを選べばいい?
様々なタイプの治療薬があります。
症状に合わせ使用してください。
飲み薬:口内炎の場所や数に関わらず使用できます。
貼り薬:炎症が小さく、少ない場合に使用をお勧めします。
軟膏:範囲が広い、複数口内炎が認められる場合に適しています(塗った後は30分くらい飲食は避けてください)。
スプレー:直接手の届かない部位に薬を塗れます。
うがい薬:主に口腔内を殺菌する際に使用します(上記の薬と併用して使用する場合が多いです)。
※口内炎の痛みが強い場合は、鎮痛剤の使用も痛みを和らげます。
複数の薬を使用したい場合は、医師や薬剤師のアドバイスを受けてください。
※口内炎の薬にはステロイド入りのものもあります。
妊娠や授乳中は薬を自己判断で使用せず、医師の指示に従ってください。
塩やはちみつでよくなるって本当?
塩やはちみつはあくまでも食品なので、薬のような効果は期待できません。
「はちみつ」には高い殺菌作用があるため、喉の痛みや風邪の予防としての働きを期待することができます。
しかし、「塩」そのものに殺菌の働きはありません。
ゆえに、口内炎を治癒させることはできません。
そればかりか、痛みを増進させる場合もあります。口内炎があるときの塩の摂取は控えましょう。
改善されない場合は病院へ
口内炎は自然に快方に向かいますが、いつまでも治らない、繰り返す場合は、何らかの病気の症状である場合もあります。
市販薬を使っても2週間以上改善されない場合は、早めに病院へ行きましょう。
受診するのは何科?
歯科・口腔外科、または耳鼻いんこう科を受診してください。
診察の後、症状にあった薬が処方されます。
薬は症状が改善されない場合見直され、状態によっては詳しい検査を実施する場合もあります。
注意!治らないのは「重い病気のサイン」かも
口内炎が2週間以上治らない場合、①口腔がんや②ベーチェット病の可能性があります。
①口腔がん
口腔がんの初期は痛みがないのが特徴です。
がんが進行すると、硬いしこりや痛みを感じるようになります。
▼症状の特徴
- 白く変色する
- 赤みが強くなる
- ザラザラする
- ただれたる
ベーチェット病
原因不明の全身性の炎症疾患で、口内炎以外にも皮膚、眼、性器に症状が出ます。
まれに、脳や脊髄に炎症を起きると、頭痛が起った後に発熱や錯乱を起こします。
症状の特徴
- 性器の外陰部に潰瘍が生じる
- 熱が出る
- 全身に倦怠感がある
- 目が痛くなる
- 充血する
- 光に敏感になる
- かすみ目を起こす
- 体に水ぶくれや膿が詰まった吹き出物が発生する
- 脚や腕に、痛みを伴った紅色のしこりができる(結節性紅斑)
- 膝の関節が痛む
- 血管が炎症を起こし、血栓ができる
- お腹の不快感や痛みが出る
- 下痢になる
- 腸に腫瘍ができる
- 数年後に人格の変化や記憶障害が生じる(後遺症)
何科で受診すればいい?
速やかに耳鼻いんこう科や歯科へ行きましょう。
口腔がんやベーチェット病は自分で対処することが難しく、病院での治療が必要になります。
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