「足の指の感覚がおかしい…」
「これってもしかして糖尿病?」
「足の指の感覚がおかしい」と感じる症状について、お医者さんに聞きました。
考えられる原因や、放置すると危険な病気の可能性についても解説します。
監修者
経歴
平成14年福井医科大学(現福井大学医学部)卒業
岐阜大学高齢科神経内科入局後松波総合病院にて内科研修、
岐阜大学高次救命救急センター出向。
美濃市立美濃病院内科。
東京さくら病院及び同認知症疾患センター勤務の後
令和元年7月かつしかキュアクリニック開業。
足の指の感覚がおかしい…これ大丈夫?
きつい靴を無理して履いた・足先が冷えているなどが原因で、一時的に血流が悪くなり、感覚がおかしくなることがあります。この場合はあまり心配しなくて大丈夫です。
このような原因の場合は、血流が良くなれば感覚も戻るでしょう。
ただし、
- 症状が3~4日以上続いている
- 触っても感覚が戻らない
- しびれているように感じる
- 痛みを感じる
といった場合は、病気を疑う必要があります。
上記に当てはまる症状がある方は、早めに医療機関を受診しましょう。
病院は何科?
足の指の感覚がおかしい場合は、整形外科を受診しましょう。
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考えられる2つの病気
足の親指の感覚がおかしい場合、
- 糖尿病性神経障害
- 腰椎椎間板ヘルニア
が原因となっているケースが多いです。
それぞれ詳しく解説していきます。
病気① 糖尿病性神経障害
糖尿病は、高血糖が続くことで血管や神経などに障害が出る病気で、多くの合併症を発症します。神経に異常が出る合併症を「糖尿病性神経障害」と言います。
親指の感覚がおかしくなるというのも「糖尿病性神経障害」の症状の1つです。
他にも、「糖尿病性神経障害」の症状には、
- しびれ
- 痛み
- 何かがくっついているように感じる
- 刺されているように感じる
などがあります。
このような症状は特に、足先・足裏から発症します。
他にも、こんな症状はありませんか?
次のような症状がある場合は、糖尿病の可能性があります。
「足の指の感覚がおかしい」と感じる以外に、当てはまるものはないかチェックしてみましょう。
- 排尿障害
- 疼痛
- 立ちくらみ
- 不整脈
- 皮膚の潰瘍
- 便秘、下痢
- ED
- 顔面神経麻痺 など
糖尿病の原因
暴飲暴食、甘い物の食べ過ぎなどで“高血糖状態”が長く続き、血糖をコントロールできなくなるのが原因です。
食後に血糖値を下げるインスリンの働きが鈍くなり、高血糖状態が続くと発症します。
どんな人が発症しやすい?
糖尿病は、
- 甘いものが好きな人
- 食事のリズムが不規則な人
- 肥満傾向の人
- ストレスが多い人
- 喫煙者
- 過度の飲酒をする人
などが発症しやすいです。
どう対処すればいい?
糖尿病を発症している場合は、専門医の治療、サポートを受けましょう。
放置すれば、足の感覚異常だけでなく、全身に症状が及ぶ危険性があります。
病院は何科?
糖尿病性神経障害の疑いがある場合は、内科を受診しましょう。
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病気② 腰椎椎間板ヘルニア
椎間板が本来あるところから飛び出してしまい、神経を圧迫することで、その神経の末端である足の親指などに症状が出ることがあります。
腰椎椎間板ヘルニアになると、しびれ、感覚異常、痛みを感じます。
腰椎の間にあるべき、椎間板が飛び出してしまうのが原因です。
他にも、こんな症状はありませんか?
腰椎椎間板ヘルニアになると、他にもこんな症状が現れます。
- 足のふくらはぎの外側から足の親指にかけての痛み、しびれ
- 膝の後ろ側から足の裏側にかけての痛み、しびれ
- お尻の痛み、しびれ
- 足の痛み、しびれ
腰椎椎間板ヘルニアの原因
中腰作業が多い人や、長時間の座り仕事、運転など腰に負担のかかる生活は腰椎椎間板ヘルニアの原因です。
どんな人が発症しやすい?
腰椎椎間板ヘルニアは、
- 赤ちゃんのお世話をしている人
- デスクワークの長い人
- 長時間運転をする人
などに発症しやすいです。
どう対処すればいい?
背筋を伸ばして、腰に負担のかからない姿勢をとるようにしましょう。姿勢を意識しても良くならない場合は、一度医療機関を受診しましょう。
病院は何科?
腰椎椎間板ヘルニアを疑う場合、整形外科を受診しましょう。
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放置はNG!全身に広がる前に病院へ!
足が痺れるようなことをしていないのに、いつまでも感覚がおかしい場合は、神経系統の異常が考えられます。
「糖尿病」や「ヘルニア」は見過ごしていると、全身に症状が及ぶ危険性があります。早めに医療機関を受診しましょう。
「糖尿病」は、症状が進むと足が壊疽(えそ)を起し、切断しなければいけないこともあります。
「腰椎椎間板ヘルニア」は、神経障害が広範囲に及ぶ場合もあります。
病院は何科?
「糖尿病」が疑える場合には、内科を受診しましょう。
「腰椎椎間板ヘルニア」が疑える場合には、整形外科を受診しましょう。
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2021-07-12
「足の指に違和感がある…」
「痛みはないけど、なにかを踏んでいる感じがする」
その違和感の正体は、「モートン病」かもしれません。
病院に行くべき?受診するのは何科?などの疑問を医師が解説します。
何これ?足の指に違和感…でも痛くない
足の指に違和感があって痛みがない場合、「足先の血行不良」「末梢神経の圧迫や損傷」などが起こっていると考えられます。
こんな違和感、ありませんか?
何も触れていないはずなのに、何かが触れているような感覚
足の指に皮膚以外にもう一枚何かが付いているような感覚
虫が這っているような感覚
むずむず感
ピリピリ感
以上のような症状は、足の血行不良や、神経の疾患が原因と考えられています。
この違和感は…「大丈夫なの?」
冷えによる血行不良など原因がはっきりしていて、症状が続かない場合は、過剰に心配しなくてもよいでしょう。
どう対処すればいい?
無理に動かさず、違和感が生じている部分を蒸しタオル等で温めて、血行を良くすると症状が緩和する場合があります。
ただし、こんな症状は医療機関へ!
違和感の原因が不明なまま症状が続く
違和感が強くなる
違和感以外にも体に不調が生じている
という場合は、病気を発症している可能性があります。
早めに医療機関を受診してください。
「痛くないけど違和感…」考えられる3つの病気
足に痛みのない違和感が生じる病気として、
モートン病
糖尿病
慢性炎症脱髄性多発根神経炎
などが挙げられます。
病気① モートン病(中指・薬指に多い)
足の付け根にある関節周辺に負荷がかかり、神経を圧迫することで発症する病気です。
末梢神経障害により、足の指に違和感が生じると考えらえています。
症状の特徴
足指の中指と薬指の間に症状が出現するケースが多いです。
歩いているとき・つま先立ちをしたとき・足指全体を挟むように圧迫したとき等に症状が出現しやすいと考えられています。
足の指の違和感以外の症状
足指付け根の裏側に痛みを伴う小さい塊ができる
ふくらはぎの痛み等の症状が出現
どんな人に多い?
中年以降の女性
足が変形している人
過剰なランニングなど足を酷使する運動を継続している人
ハイヒールを常用している人
つま先立ちや中腰での長時間作業が多い人
自分でできる対処法は?
症状が出現している部分への負荷を減らしましょう。
ハイヒールなど窮屈な靴を避け、足にあった靴を選んでください。
病院は何科?
モートン病を疑う場合、整形外科を受診してください。
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病院での治療方法
足底板(インソール、アーチサポート等)を使用するケースが多いです。
また、薬物療法(消炎鎮痛剤・ブロック注射)・運動療法・リハビリ・神経の圧迫を除去する手術を行うケースもあります。
病気② 糖尿病(指先に症状がでやすい)
糖尿病により高血糖状態が続くことで、神経障害を起こす原因物質が溜まったり、末梢血管障害が生じたりします。その結果、神経障害を起き、痛みのない違和感が生じると考えられています。
症状の特徴
どの指にも違和感が生じる可能性があり、特に指先に出現しやすいです。
長時間歩いた後や就寝中に違和感が生じるケースが多いと考えられています。
足の指の違和感以外の症状
足の冷え
足の熱感
手指の違和感
動悸
ふるえ
どんな人に多い?
中高年
アルコールを過剰摂取している人
糖質を過剰摂取している人
血縁者に糖尿病患者いる人
太っている人
ストレスが溜まっている人
運動不足の人
自分でできる対処法は?
糖尿病は食事や運動に加えて、薬剤を使用した血糖コントロールが治療の基本です。
糖尿病が疑われる場合は、ご自分で対処しようとせず早急に医療機関を受診してください。
病院は何科?
糖尿病を疑う場合、内科や糖尿病内科を受診してください。
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病院での治療方法
薬剤を用いた治療・神経ブロック療法・理学療法・生活指導等が行われるケースが多いです。
病気③ 慢性炎症性脱髄性多発根神経炎
末梢神経に対する免疫異常により、髄鞘(神経線維を覆っている膜)が傷害され、神経を伝達する機能に異常が生じることで違和感が生じると考えられています。
免疫異常が起こる明確な原因はわかっていません。
症状の特徴
違和感がでる部位・症状が起こるタイミングには個人差があります。また、症状が軽くなったり悪化したりを繰り返すケースや、徐々に進行していくケースもあります。
足の指の違和感以外の症状
手足がピリピリする
手足が熱さや冷たさを感じにくい
手足に力が入りにくい
腕が上がりにくい
どんな人に多い?
どちらかというと男性に多く、幅広い世代で発症する可能性があります。
自分でできる対処法は?
再発したり重症化したりする恐れがある疾患です。
ご自分で対処しようとせず、医療機関を受診してください。
病院は何科?
慢性炎症性脱髄性多発根神経炎を疑う場合、脳神経内科を受診してください。
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病院での治療の例
副腎皮質ステロイド療法、免疫グロブリン静脈内投与療法、血漿浄化療法、免疫抑制剤…症状が強くなったとき(活動期)、症状を抑えるため
定期的な免疫グロブリン静脈内投与療法、血漿浄化療法…症状が改善した後(寛解期)、再発・悪化を抑えるため
リハビリ…低下した運動機能を回復させるため
自分では原因がわからない…「病院は何科?」
足の指に違和感があって痛みがない時は、整形外科を受診しましょう。
放置は危険!入院が必要になるリスクも…
症状を放置すると、不快な症状が長引き日常生活に悪影響を与えたり、症状が悪化したりする場合があります。
また重篤な疾患が原因だった場合、見逃して重症化し、手術や入院が必要になる恐れがあります。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
一般社団法人 日本臨床内科医会 糖尿病性神経障害
公益社団法人 日本整形外科学会 「モートン病」
東京都立神経病院 慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)
公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センター 慢性炎症性脱髄性多発神経炎/多巣性運動ニューロパチー(指定難病14)
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2021-02-24
「足の親指だけしびれる…」
「足の親指の感覚がおかしい…」
これって大丈夫?
足の親指がしびれる原因と対処法について、お医者さんに聞きました。
キケンな病気の可能性もあるので、心当たりのある方は要チェックです。
足の親指だけがしびれる…これはなぜ?
神経が圧迫されているなどの原因で、足の親指の神経に障害が起こっている可能性があります。
病気以外に考えられる原因としては
靴が合っていない
外反母趾
などが考えられます。
原因① 靴が合っていない
合っていない靴を履くと足に負担がかかり、神経を圧迫してしまい、しびれが起こります。
「サイズが小さすぎる」「歩いていると足が痛い」場合は、靴が合っていません。
長期的に合っていない靴を履いているとしびれも長期化します。
<対処法>
圧迫しない靴、足に合う靴を履きましょう。
足のサイズ・足幅・親指の角度などを計測してくれる靴店での購入をおすすめします。
原因② 外反母趾
外反母趾によって足の指が変形すると、足の親指の神経が圧迫され、しびれが起こることがあります。
<対処法>
かかとが高い靴、先端が細い靴を控えてください。
親指と人差し指の間にタオル等を詰めて、間を広げましょう。
外反母趾の症状がひどい場合には、整形外科での治療をおすすめします。
整形外科に行く目安
靴を替えても足の親指のしびれが続く
外反母趾の症状がつらい
という場合は、整形外科の受診をおすすめします。
しびれが消えない時は、一人で抱え込まずに病院で相談しましょう。
また、足の親指のしびれは、靴などの外的要因以外にも、病気の可能性もあります。
早めの受診は病気の早期発見につながります。
まずは、整形外科に相談してみましょう。
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「糖尿病かも」ピリピリ・ジンジンとしたしびれは要注意!
足先のピリピリ、ジンジンしたしびれは、「糖尿病性神経障害」の初期症状の一つの可能性があります。血糖値が高い方は、糖尿病性神経障害に注意しましょう。
「糖尿病性神経障害」とは、糖尿病によって神経が痛めつけられている状態です。
足や手などの末端神経からしびれや痛みなどの症状が発生します。
「糖尿病性神経障害」の症状
足先のしびれ(両足に起こることが多い)
手のしびれ
足先の冷え
足の裏に何かが張り付いているような感覚 など
どう対処する?
糖尿病性神経障害が疑われる時は、速やかに内科や糖尿病内科を受診し、診察と検査を受けましょう。
病院に行かずに放置した場合、足に血液が届かなくなり、壊死して、切断となることがあります。
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「脳の病気かも」片側のしびれは要注意!
「脳出血」や「脳梗塞」など脳の病気が原因でしびれを感じることもあります。
体の片側に違和感があることが多いです。
「脳の病気」の初期症状
急に以下のような症状がでてきたときは、脳の病気の可能性が高いです。
手足に違和感がある
体の片側にしびれがある
言葉が出にくくなった
呂律が回らない
うまく歩けない
めまい
頭痛 など
脳の病気の可能性がある場合は、脳神経内科や脳神経外科を受診しましょう。
脳神経外科を探す
「自分では原因がわからない…」何科に行くべき?
まずは整形外科にいきましょう。
特に「しびれが時間とともに強くなる」「足のしびれ以外の症状もでてきた」という場合は、早めに受診しましょう。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
糖尿病サイト 糖尿病性神経障害