口の中を噛んだ時の応急処置｜早く治す方法は？頻繁に噛む場合は歯医者で治療を

口の中を噛んだ！
「傷ができてる…これって大丈夫？」
「傷を早く治したい！」

口の中を噛んでしまった時の応急処置方法を、歯科医師が解説します。
傷を早く治すためにできることや、歯医者への受診目安なども解説します。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

口の中を噛んだ…！応急処置方法は？

口の中を噛んでしまったときは、

1. 口の中を清潔にする
2. 市販薬を使う

といった応急処置をおすすめします。

 応急処置①　口の中を清潔にする

口の中を清潔にすることで、雑菌を減らして化膿しないようにできます。
毎食後に歯磨きをしたり、マウスウォッシュで殺菌消毒を行ったりすると良いでしょう。

歯磨きは、力を入れずに小刻みに動かすようにして、傷口の部分はブラシを当てないようにしましょう。
マウスウォッシュは、アルコール成分の入っていないものを使うと傷口にしみません。

応急処置②　口内炎用の市販薬を使う

薬を使うことで炎症を抑えて、傷を早く快方に向かわせる働きが期待できます。
口内炎用、口腔内用の塗り薬・貼り薬を使用してみましょう。

傷が白くなったり、血豆になったらどうする？

血豆は血が中に溜まっている状態で、白いものは膿が溜まっている状態です。
基本的には自然治癒するものが多いので、一旦様子をみてみましょう。

※ただし、痛み・腫れなどが日に日に大きくなっている場合は、医療機関の受診をおすすめします。この場合、症状が悪化すると傷の治りが遅くなったり、周辺の部位に感染が広がったり、体の抵抗力が低下している場合は敗血症など全身の疾患につながるおそれもあります。

早く治すためにできること

十分な睡眠と栄養バランスの良い食事を心がけましょう。

正しい生活習慣は、免疫力の向上や体の回復を早めてくれる効果が期待でき、口の噛み傷の改善にもつながります。

病院を受診したら…どんな治療をする？

口の中の傷には、化膿止めや炎症止めの薬を処方します。
基本的には塗り薬・貼り薬ですが、炎症が強い場合は内服薬も処方されます。

費用は保険適用となり1回1,000円〜2,000円程度です。
治療期間は、症状の重さや人によって差がありますが、2～3週間程度で快方に向かうでしょう。

「頻繁に口の中を噛んでしまう」ときは、治療が必要なケースも

頻繁に口の中を噛む場合は、歯並びに何らかの異常が起きている可能性があります。
治療が必要な場合もありますので、一度歯医者に行って相談してみましょう。

悪い歯並びの原因には、加齢による歯列の歪みや、虫歯・歯周病による歯の喪失も挙げられます。

噛み傷から細菌に感染してしまうと、口内炎を発症することがあります。
炎症に伴う痛みで飲食ができなくなることもあるため、頻繁に噛んでしまうときは早めの治療をおすすめします。

治療は「保険適用になる」ことが多い

「口の中を噛みやすい」という症状は、多くの場合保険適用内で治療が行えます。
何度も舌を噛んでしまう場合は、一度歯科で相談してみましょう。

噛み合わせの不具合や歯列にある場合は、噛み合わせを整える治療や歯列矯正が検討されます。
噛み合わせを整える治療では、歯科医が噛み合わせを確認して専用の器具で歯を削ります。
治療は保険適用で1,000円〜2,000円程度です。治療は1回で終わり、その後経過観察になります。

（もし歯列矯正が必要な場合は、治療費は保険適用外となり、30万〜100万円ほどかかります。歯列矯正は、治療期間は2年程度です。）

稀に、内科疾患による「舌のむくみ」が原因で、舌が大きくなって引き起こしている場合もあります。

口の中をよく噛んでしまうときは、そのまま放置せず、歯科に相談するようにしましょう。

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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。