なぜ?朝起きると足の裏が痛い!足底腱膜炎が原因かも。痛みを抑えるには

更新日:2022-01-14 | 公開日:2022-01-14
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なぜ?朝起きると足の裏が痛い!足底腱膜炎が原因かも。痛みを抑えるには

「朝起きると足の裏が痛い…!なぜ?」
「歩くのが大変だけど、大丈夫…?」

朝になると足の裏が痛む原因を、お医者さんに聞いてみました。
痛みを抑えるためにできることや、病院に行く目安なども解説します。

監修者
河合 隆志 先生

フェリシティークリニック名古屋
医学博士

河合 隆志先生

経歴

’97慶應義塾大学理工学部卒業
’99同大学院修士課程修了
’06東京医科大学医学部卒業
’06三楽病院臨床研修医
’08三楽病院整形外科他勤務
’12東京医科歯科大学大学院博士課程修了
’13愛知医科大学学際的痛みセンター勤務
’15米国ペインマネジメント&アンチエイジングセンター他研修
’16フェリシティークリニック名古屋 開設

なぜ?朝起きると足の裏が痛い…

朝になるといつも足の裏が痛くて、歩くのが大変です…これは何なのでしょうか?
女性
医師男性
それは、「足底腱膜炎(そくていけんまくえん)」になっている疑いがあります。
足の裏の足底腱膜で炎症が起こり、土踏まずかかとに痛みを感じるようになります。

足底腱膜炎とは

 

足の土踏まずを支える役割を担っている足底腱膜(かかとの骨から足指の付け根までをつなぐ扇状に広がっている膜)に、過剰な負荷がかかり炎症や傷が生じることで、ズキズキするような痛みが起こる状態のことをいいます。

「足底腱膜炎」の症状チェック

  • ビリッとした痛みを感じる
  • 朝起きた際の最初の一歩目に強い痛みが生じる
  • 長時間の歩行や立ち仕事の後の一歩目に痛みがある
  • 歩いていると徐々に痛みが軽減する

重症化すると、立っているだけで痛くなったり、歩行困難になってしまうことがあります。

思い当たる?足底腱膜炎になってしまう原因

医師男性
かかとの骨と足底腱膜の付着部分に過剰な負荷が掛かることで、足底腱膜炎を発症すると考えられています。
  • 長時間の歩行
  • 長時間の立ち仕事
  • マラソン等の運動
  • ジャンプやターン

などを繰り返し行い、かかとの骨や足底腱膜を酷使することで、目視できないほどの小さい傷が発生します。それによって徐々に炎症を起こすケースが多いです。

足底筋膜炎になりやすい人

医師男性

足底筋膜炎は、主に40代~60代の中高年世代がなりやすいのですが、他にも

  • 肥満
  • 扁平足
  • 足裏のアーチが高い
  • 歩き方に問題がある(パタパタ歩く、地面をするように歩く等)
  • 足指の動きが悪い
  • ふくらはぎの筋力が弱い

といった人もなりやすいです。

「痛みを抑える」ためにできること

医師男性

足底腱膜炎の痛みに困っているときは、

  • 痛む部分を冷やす
  • マッサージ
  • サポーターを使用する

といった方法を試してみましょう。
一時的ではありますが、痛みの緩和が期待できます。

その① 痛む部分を冷やす

医師男性
タオル等で包んだ保冷剤を、痛みが生じている部分に軽く当てて冷やしてください。

患部を冷やすことで血流が抑制され、炎症による痛みが緩和します。

その② マッサージ

医師男性
お風呂で足を温めた後、柔らかいタイプのテニスボール等を使用し、土踏まず部分に転がすようにマッサージしてください。

また足指を反らしながら、土踏まず周りを揉むようにマッサージする方法もあります。

マッサージにより足底腱膜や足の筋肉が硬い状態になることを予防し、柔軟性を保持すると、患部への負担が軽減され症状の改善につながると考えられています。

その③ サポーターを使用する

医師男性
スポーツメーカー等で販売されている足底腱膜炎専用のサポーターを使用してください。

特殊なクッションにより、かかとをしっかり固定できるため、痛みの軽減につながる場合があります。

足底腱膜炎は「どうすれば治るの?」

医師男性
  • 靴を変える
  • 靴に中敷きを入れる
  • ストレッチをする

といった方法を継続して行うと、足底腱膜炎の症状緩和が期待できます。

その① 靴を変える

医師男性
足底にクッションが入っているタイプの靴がおすすめです。
足底腱膜に掛かる負担を軽減させることで、痛みの緩和が期待できます。

また、かかとがしっかり固定されていたり、サイズが合っていることを確認することも大事です。

その② 靴に中敷きを入れる

医師男性
使用している靴の中に、土踏まず部分が盛り上がっている中敷き(アーチサポート)を入れます。

中敷きを入れることで、足底腱膜に掛かる負担の軽減につながると考えられます。
クッション性があり、厚手のタイプの中敷きがおすすめです。

その③ 足のストレッチをする

医師男性
「足底腱膜ストレッチ」、「アキレス腱ストレッチ」を継続的に行うとよいでしょう。
ストレッチにより足底腱膜が伸びると、かかとの骨と足底腱膜の付着部分に掛かる負荷軽減されるため痛みが緩和します。

テニスボールを足裏でころころ転がす、床に置いたタオルを足指でつかむ等、簡単なストレッチを行うだけでも症状改善に有効と考えらえています。

足底腱膜ストレッチ

  1. 片足の膝を床につけて、足のかかとを立たせます。
  2. この状態で、足裏を伸ばすようにかかとを後ろに引きます。

10回カウント数えたら、もう片足に変更します。
毎日、何度か繰り返し行い足裏筋を強化します足裏が柔軟になり、足底筋膜炎を発症しにくくなります。

アキレス腱ストレッチ

  1. 段差がある場所で、つま先立ちをする
  2. 体重を後ろにかけるようにしてゆっくりとかかとを下ろす

段差が固定されている場所で手すりにつかまりながら行ってください。
1日3回程度を目安に行います

足底腱膜炎は「自然治癒する?」

医師男性
一時的な足の酷使により足底腱膜炎を起こしている場合、安静にしていることで自然に症状が改善するケースがあります。

症状改善までの期間には個人差がありますが、痛みが改善したり悪化したりを繰り返しながら、半年ほどで自然治癒していきます。

「痛みにより日常生活に支障がある」ときは整形外科へ!

  • かかとの内側を指で押すだけで針を刺すような痛みが生じる
  • かかとを床につけないほど激しく痛む
  • 2ヶ月以上痛みが続いている
  • 歩行が困難になる

等、日常生活に支障がある症状が出現している場合には、早めに病院を受診してください。

病院は何科?

医師男性
足底腱膜炎が疑われる場合、整形外科を受診してください。

医療機関では医師に、「いつから始まり、どのような症状があらわれるのか」、「痛みが生じる場所」、「痛みが生じる行動やタイミング」、「どのように痛むのか」、「日常的な運動の有無」などを整理して伝えると、診察がスムーズに進みます。

病院での治療法

医師男性

医療機関では、足底腱膜炎に対して、

  • 保存療法
  • 薬物療法
  • 注射療法
  • 手術療法
  • 体外衝撃波疼痛治療装置

といった治療が行われます。

保存療法

  • 安静にして足の裏に掛かる負担を軽減させる治療法です。(運動しないまたは運動量を減らす等)。
  • 使用している靴の適合性を確認し、問題がある場合は変更します。
  • インソールを用いて足底腱膜にかかる負荷を軽減させます。

薬物療法

  • 消炎鎮痛薬(外用薬)を痛みが生じている部分に貼る治療法です。(内服薬を使用する場合もある)

注射療法

  • ステロイド注射(局所麻酔併用)による治療法です。(痛みが強い場合に使用される)

手術療法

  • 保存療法や薬物療法で症状が改善しない場合に検討される治療法です。
  • 手術により、足底腱膜の一部の切除や骨棘の切除が行われます。

体外衝撃波疼痛治療装置

  • 痛みが6ヶ月以上継続している、難治性の場合に行われる治療法です。
  • 超音波検査やMRI検査により炎症部分を確認後、痛みが生じている部分に衝撃波を当てることで痛みを抑えていきます。

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