「ぽっこりお腹をどうにかしたい…」
「内臓脂肪型肥満の痩せ方は?」
内臓脂肪型肥満の効率の良い痩せ方について、栄養士さんに聞いてみました。
脂肪を落とすための「おすすめの食べ物」や「おすすめの運動方法」などもご紹介します。
監修者
経歴
株式会社Luce代表/健康検定協会理事長、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、日本臨床栄養協会評議員、ダイエット指導士、ヨガ講師、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど栄養・美容学の分野で活動をおこなっている。
「内臓脂肪が多い人」の特徴
内臓脂肪が多い人は「お腹がぽっこり出ている」などの特徴があげられます。
特に内臓配置を維持する腸周辺に脂肪がつきやすいと考えられています。
「内臓脂肪型肥満」になってしまう原因として
- 加齢・閉経に伴う代謝量の減少
- 早食い
- 脂質・糖質のとりすぎ(若い頃と食べる量が同じ)
- アルコールのとりすぎ
- 運動不足
- 夜型生活
などがあげられます。
これらの原因によって、摂取カロリーが消費(代謝)カロリーを上回ることで内臓脂肪がついてしまうと考えられます。
こんな“落とし穴”にはまらないように注意!
さらに太ってしまう「NGダイエット」
- 朝食を抜く
- 絶食する
- 脂質、糖質をまったく摂取しない
- 炭水化物を一切摂らない
- 肉を食べない
上記のようなダイエットは、効果が低いだけなく、肥満を悪化させるリスクもあります。
特に極端カロリー制限は、体の「飢餓状態を回避する反応」によって逆に太りやすくなるケースがあります。
効率良くダイエットしたいのであれば、「バランスの良い食事」と「継続した運動習慣」を大切にしましょう。
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2022-02-17
“夜だけ炭水化物抜き”にどんな効果があるのか、栄養士さんに聞いてみました。
「なかなか痩せないのはなぜ?」
「太りやすくなるってホント?」
といった疑問にもお答えします。
ダイエットの食事で大切なポイントやおすすめの炭水化物なども要チェックです。
夜だけ炭水化物抜きって「痩せる?痩せない?」
夜に主食を抜くと、最初は痩せることが多いです。
しかし、主食以外の栄養バランスが偏っていると、その後の効果は出にくいです。
糖質はカットできていても、他の栄養素が不足、もしくは過多になっている可能性があります。
なかなか痩せられない方は、「毎日何を食べているのか」をきちんとチェックすることをおすすめいます。
炭水化物完全カットより、バランスや食べ方が大事
糖質を完全にカットしなくても、栄養バランスや食べる順番を工夫することで痩せやすくなります。
ダイエットをするときは、
副菜→主菜→主食の順で食べる
「タンパク質」を毎食取り入れる
減塩を意識する
夕食はできれば18~19時までに食べる
などを心がけましょう。
まずは食事の栄養バランスを整えることが大切です。
副菜・主菜・主食が揃った「和定食」をイメージすると、バランスのよい食事になりやすいでしょう。
① 副菜→主菜→主食の順で食べる
副菜→主菜→主食の順で食べると、満腹を感じやすくなるので食べ過ぎ予防につながります。
また、糖質や脂質が吸収されにくくなり、太りにくくなる効果が期待できます。
特に「海藻」を食事の最初に摂るのがおすすめです。
糖質や脂質、塩分の吸収が緩やかになるため、太りにくく、むくみにくくなります。
<一食分の目安量>
副菜…サラダであれば、両手たっぷり
主菜…たんぱく源は、片手分
主食…こぶしひとつ分以内
② 「タンパク質」を毎食取り入れる
タンパク質は「筋肉を作る材料」になります。
筋力量が増えると基礎代謝を上がって痩せやすくなるため、毎食取り入れることをおすすめします。
また、消化に時間がかかって腹持ちするので、毎食しっかりとると間食や次の食事量を抑えやすくなります。
③ 減塩を意識する
減塩するために、
味噌汁や煮物は出汁パック(塩分無添加)でとる
減塩タイプの調味料を使う
タレや醤油は少量つける
総菜・インスタント食品を控える
漬物、水産・畜産加工品を控える
などを意識しましょう。
減塩することでむくみにくくなるため、見た目もスッキリしやすいです。
減塩で物足りなさを感じる人は、香味野菜やスパイス、ハーブ、酸味をプラスするとよいでしょう。
▼水産加工品の例
スモークサーモン、しらす、干物、いくら など
▼畜産加工品の例
ベーコン、ハム など
④ 夕食はできれば18~19時までに食べる
遅い時間の夕食は、脂肪蓄積につながります。
可能であれば、夕食は18~19時までに食べましょう。
また、食事量を「腹八分目」に抑えることも大切です。
食べるなら…ご飯・パン・麺、どれがいい?
ダイエット中の炭水化物は、
玄米
雑穀米
ブランパン
などがおすすめです。
これらは白米や通常の小麦由来のパンよりも食物繊維含有量が多く、血糖値を上げにくいため、太りにくい炭水化物といえます。
ダイエット中に「おすすめしない炭水化物」
白米
食パン
菓子パン
麺類(パスタなど)
といった炭水化物は、ダイエット中は控えましょう。
これらは、食物繊維含有量が少なく血糖値を上げやすいため、糖が吸収されて太りやすいと考えられます。
ダイエット中におすすめの晩御飯メニュー
和食、洋食それぞれ副菜・主菜・主食ごとに、おすすめメニューを解説します。
和食のメニュー例
副菜:野菜のサラダ、海藻の酢の物、きのこの減塩味噌汁 など
主菜:鯖の塩焼き
主食:玄米、雑穀米
洋食のメニュー例
副菜:ミネストローネ(パスタ除く)、付け合わせの温野菜(根菜や芋類以外の野菜中心)など
主菜:鶏胸肉のハーブグリル
主食:ブランパン
晩御飯後にウォーキングするのもおすすめ
食事の1~2時間後に15~30分間程度「ウォーキング」すると、食べたものが消費されるため、太りにくくなるでしょう。
より効果を実感しやすくするためにも、ウォーキングするときは正しいフォームで歩きましょう。
ウォーキングの正しいフォーム
頭は揺れないようにして、姿勢を真っすぐ伸ばす
目線は20m先を真っすぐに見る
リラックスして肩の力は抜く
ひじを後ろに引くようにして腕を振る
前に出した足はひざを伸ばす
かかとからしっかりと地面を踏む
▼参考
厚生労働省 e-ヘルスネット 糖尿病を改善するための運動
タカハラ整形外科クリニック vol.43歩き方指導 ~個々にあった方法で~
内臓脂肪型肥満の方に「おすすめの食べ物」
食事メニューを考える際には、
- 副菜・主菜・主食を揃える(和定食のイメージ)
- 脂肪・糖質が多い食品を控える
などを心がけましょう。
たんぱく質
|
豚ロース肉/鶏ささみ肉/マグロの赤身/カツオ/たまご/納豆/きな粉 など
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オメガ3(必須脂肪酸)
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マグロ/サバ/サケ/マダイサンマ/亜麻仁油/エゴマ油/くるみ など
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食物繊維
|
ゴボウ/切り干し大根/きのこ類/海藻類/納豆 など
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ビタミン・ミネラル
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野菜類/果物/海藻類/小魚/乳製品 など
|
おすすめ① 「たんぱく質」を含む食べ物
たんぱく質は、筋肉の維持に欠かせない栄養素です。
筋肉量を増やすことで代謝も上がり、内臓脂肪を落とす効果も期待できます。
特に「植物性たんぱく質(大豆類)」は、血中コレステロールや中性脂肪を減らす働きをもつため、おすすめです。
おすすすめ② 「オメガ3(必須脂肪酸)」を含む食べ物
植物や魚介類に豊富に含まれるオメガ3には、内臓脂肪を溜め込みにくくする働きが期待できます。
たとえ内臓脂肪型肥満であっても、適量の脂質の摂取が必要です。
肉の油や揚げ物などは控えた上で、「必須脂肪酸」のような体に有効に働く成分は適量摂取するようにしてください。
おすすめ③ 「食物繊維」を含む食べ物
食物繊維は、体内の不要な脂質や糖質、消化されず残ってしまった老廃物等を取り込み、体外へと排出する作用があります。
他にも、糖質や脂質の吸収を阻害し、消化を緩やかにすることで血糖値の急激な上昇を抑える作用があり、脂肪蓄積の抑制にも効果的です。
おすすめ④ 「ビタミン・ミネラル」を含む食べ物
ビタミン、ミネラルは脂肪をエネルギーに変えるために補助的な働きをしています。
不足してしまうと、エネルギー産生がうまくいかず、脂肪を体に溜め込んでしまうので、意識して摂るようにしましょう。
「副菜→主菜→主食」の順に食べよう
「副菜→主菜→主食」の順に良く噛んでゆっくり食べると、食べ過ぎ予防になります。
特に最初に海藻を食べるのがおすすめです。
血糖値の上昇を緩やかにして脂肪蓄積を抑えられます。
簡単おすすめのレシピ「さば缶の焼きうどん」
内臓脂肪型肥満の方に向けて、「さば缶の焼きうどん」のレシピをご紹介します。
さば缶には「オメガ3」や「食物繊維」が含まれているため、内臓脂肪が気になる人におすすめの食品です。
「さば缶の焼きうどん」の作り方
≪用意する食材(2人分)≫
- 冷凍うどん…600g
- さばの味噌煮缶詰…1缶分
- ニンジン…1/4本
- キャベツ…2枚
- 白ネギ…小1本
- しめじ…1/2パック
- しょうゆ…小1
- バター…小1
- かつお節…適量
- 青のり…適量
調理の手順
- 冷凍うどんを解凍しておく
- フライパンにバターを入れて溶かし、ニンジン、キャベツ、白ネギ、しめじを投入してしんなりするまで炒める
- さばの味噌煮缶を入れてほぐしながら炒め合わせる
- 解凍したうどん、しょうゆを入れて炒める
- 盛り付けてお好みでかつお節、青のりをかける
内臓脂肪型肥満の方に「おすすめの運動メニュー」
内臓脂肪型肥満の人には、「有酸素運動」と「筋トレ」を組み合わせて行うことをおすすめします。
- 「有酸素運動」 → 脂肪燃焼を促す
- 「筋トレ」 → 筋肉を増やして基礎代謝量をアップさせる
といった効果があります。
筋トレで代謝量を上げつつ有酸素運動で脂肪を燃焼させていくと、より効率よく肥満を改善できるでしょう。
有酸素運動は「無理なく続けられるもの」を!
有酸素運動には、「ウォーキング」「水泳」「サイクリング」「ヨガ」などがあります。
ご自身のやりやすい方法で運動を行いましょう。
何から始めればいいのか悩む場合は、
などから始めてみるのもおすすめです。
筋トレでは「大きな筋肉」を鍛えよう
筋トレをする場合は、大きな筋肉を鍛えられる「懸垂」「スクワット」「腕立て伏せ」などがおすすめです。
大きな筋肉の量が増えると基礎代謝量が増えやすくなります。