RSウイルスの検査方法についてお医者さんが解説!
検査タイミングや、費用(保険適用・自費)についても紹介します。
RSウイルス感染症の検査をするかしないかは、RSウイルス感染で重篤化する年齢なのかどうかが重要です。重篤化する可能性のある1歳未満の子どもには、検査が推奨されます。
(1歳以上の子どもはRSウイルスによって重篤化することが少ないので、検査を行わず、対症療法が取られます。)
監修者
経歴
福岡大学病院
西田厚徳病院
平成10年 埼玉医科大学 卒業
平成10年 福岡大学病院 臨床研修
平成12年 福岡大学病院 呼吸器科入局
平成24年 荒牧内科開業
RSウイルス感染症はどんな症状が出る?
RSウイルス感染は、秋から冬の季節にかけて流行する風邪の症状を引き起こすウイルスです。2歳くらいまでにほぼ全員の子どもが、1度はRSウイルスに感染します。1歳までの子どもが重症化しやすいと言われています。
RSウイルスの初期症状
・鼻水
・咳
・発熱 など
が初期症状としてみられます。
小さな赤ちゃんは重症化しやすい!
特に、生後3ヶ月未満の赤ちゃんは命に関わる場合があるので、注意が必要です。
生後3ヶ月未満の赤ちゃんの場合は、風邪症状が出ずに、ぐったりしたり、ミルクを飲まなくなったりする場合もあります。
<生後3ヶ月未満の赤ちゃんの要注意症状>
「無呼吸発作」や「急性脳症」などをおこすと命に関わる可能性があります。
<1歳未満の子どもの要注意症状>
- 息をすると「ゼーゼー」や「ヒューヒュー」と音がする
- 息をすると胸がペコペコと凹む
- 呼吸が速く苦しそう
「肺炎」「気管支炎」「細気管支炎」などをおこしている可能性があります。
病院で検査を受けるタイミング
RSウイルス感染症の症状(鼻水・咳・発熱)が現れていれば検査可能です。
保育園などに通っている1歳未満の赤ちゃんは、園で他の子どもに感染が確認された後に風邪症状が出た場合、検査を受けましょう。
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RSウイルスの検査方法
RSウイルス確定診断は、鼻の奥に細めの綿棒を挿入し、採取した液を検査キットで診断します。結果は15分ほどで出ます。
検査を受けるメリット
1歳未満の場合、ただの風邪だと思っていても、容態が急変する場合があります。
検査を受けて適切な治療を受けることで、重症化のリスクをかなり下げることができます。
検査はどこで受けられる?
小児科・内科で検査可能です。
検査費用はいくらくらい?
1歳未満の子どもや、下記の条件を満している場合、保険診療で検査を受けることができます。
医療保険適用になる条件
- 1歳未満の子ども
- 入院患者
- シナジス(抗RSウイルス薬)適応患者
1歳以上でどうしても検査が受けたい場合は、自費検査になります。事前に病院に確認してから受診すると良いでしょう。
保険適用の場合の費用
未就学児は2割負担なので1000〜2000円ほどですが、小児医療費助成制度により0歳児は無料という自治体がほとんどです。
自費の場合の費用
診察料と検査料で6,000〜8,000円程度です。
※医療機関で料金は異なりますので、事前に病院にご確認ください。
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RSウイルス感染症の治療方法
1歳未満で陽性結果が出た場合は、重篤化することもあるので、細心の注意を払い治療を進めます。
出ている症状に合わせ、解熱剤、咳止め、痰を取り除く薬などを使用する、対症療法が基本です。
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2019-10-09
りんご病は、正式には伝染性紅斑と言います。ヒトパルボウイルスB19に感染すると発症します。5歳〜10歳くらいの幼児に多いですが、赤ちゃんにも発症します。
赤ちゃんのりんご病の症状や、発熱やかゆみの対処法をお医者さんに聞きました。
赤ちゃんのりんご病の症状
りんご病が流行っている時にいつもより機嫌が悪い・よく泣く・ミルクをあまり飲まない・鼻水・発熱が見られたらりんご病の可能性があります。
りんご病は、頬が赤くなる1週間ほど前に「風邪のような喉の痛み、鼻水、発熱、倦怠間、関節の痛み」などを感じる場合があります。
自然に治る?
自然治癒します。頬の赤み、手足や全身への紅斑があらわれた後、1週間程度で引いていきます。
頬の赤みは治ってきているサイン
りんご病は、頬に赤みが出る(紅斑)が出たときには、すでに感染力はなく、治癒してきている証拠でもあります。
頬に赤み(紅斑)がでた時にりんご病と気がつきますが、すでに身体の不快感や症状は、なくなっている場合が多くあります。
赤ちゃんのりんご病の対処法
りんご病は特別な治療は必要がありません。
自然治癒を待つので、機嫌が悪い時は、よく抱っこしてあげて落ち着かせましょう。
熱を出している時や鼻水、喉が赤く痛みがあるといったときは、病院へ行く以外の外出は避け、部屋を暖かくして加湿しましょう。
加湿していると喉が楽になります。ミルクは欲しがるだけあげましょう。
高熱出ている場合
あまりありませんが、38度以上になったら病院を受診してください。
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発疹・かゆみがある場合
かゆくて掻いてしまい、傷をつけるのを避けるために、爪を切ってあげましょう。
保湿剤、かゆみ止めの外用や内服で、かゆみがおさまりやすくなります。できるだけ医師に処方されたものを使いましょう。
ない場合は、薬剤師に相談して、ドラッグストアで買える市販薬でも大丈夫です。
お風呂は入れてもいいの?
りんご病特有の赤み(紅斑)は出ていても、入浴可能です。
ただし、体調が悪い時に無理して入れる必要はありません。
かゆみがある場合、お風呂で温まるとかゆみが強くなりますので、あまり温めないようにしてください。
保育園の登園は?
頬のあかみや体に紅斑があっても感染しませんので、登園可能です。
風邪のような症状や発熱、いつもと体調が違うという時は、様子を見てお休みさせましょう。
赤ちゃんから大人にうつる?
咳や唾液を介して感染します。
赤ちゃんのお世話をする時はマスクをする、その後手洗いを行い予防しましょう。
しかし、りんご病は、1度感染すると2度と感染しないので、小さな頃に済ませている人がほとんどでしょう。
注意が必要なのは、妊婦さんです。妊娠中にりんご病に感染すると胎児に感染して、まだ免疫力の低い胎児の流産や死産の原因となる場合があります。
病院を受診するタイミング
元気で、食欲もあり、よく眠るという時は、様子を見ても良いでしょう。
りんご病で高熱が出るのは稀ですが、38度以上の高熱・ぐったりして無反応・意識がないといった場合は、すぐに病院を受診しましょう。
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病院での治療法
りんご病に特効薬はなく、対症療法が行われます。
<参照>
りんご病 伝染性紅斑 東京都福祉保健局
http://www.guide.metro.tokyo.jp/sick/ringo/index.html
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2019-10-07
赤ちゃんが発熱したときの正しい対処方法と、病院受診の判断目安をお医者さんに聞きました。
赤ちゃんの高熱の対処法
38度を超える高熱が出た場合は、病院を受診してください。
38度以下の場合は、呼吸困難や嘔吐などの症状がなく元気であれば自宅で様子を見てもよいです。
ホームケアの方法
熱を無理に下げる必要はありません。
発熱は、体に入ってきたウイルスや細菌と戦っている免疫反応です。
<ホームケアの4ステップ>
タオルに巻いた保冷剤や濡らしたタオルなどで、脇や首筋などを冷やしてください。
手足が冷たく、体をブルブル震わせる場合には温めましょう。
体が温まったら、厚着をしないで通気をよくしてください。
汗をかき始めたら、汗を拭き、こまめに着替え、濡れた衣類や汗で体が冷えるのを避けましょう。
お風呂は入ってもいいの?
熱が38度以上のとき、または嘔吐や咳がひどい場合には、ホットタオルで体を拭くくらいにしてください。
熱が少し下がったからお風呂に入ろうと大人と同じ感覚で入浴させてしまうと、赤ちゃんの体力が奪われ、弱ってしまう場合があります。
熱が下がり元気が戻っても、あまり長風呂はさせずに、さっと入浴するところから始めてください。
【病院の受診目安】何度から病院?
何度から病院?
38度を超えたら、医療機関を受診しましょう。
赤ちゃんは、まだ小さく免疫や体の機能も未発達なので、急激に症状が悪化する場合があります。
体調をよく観察して、38度を超えたら病院を受診すると心に留めて、すぐに出られるよう備えはしておきましょう。
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38度以下でも要注意!体調チェックリスト
このような症状が、発熱と共にあれば危険信号です。病院を受診しましょう。
<病院に行くべき場合>
ずっと泣いている
元気が無く、ぐったりしている
よく嘔吐する
ミルクを飲まない
尿の量が少ない
顔色、唇の色が青紫
呼吸困難がある
ゼイゼイと肩で息をしている
高熱が続けば体力や水分が失われ、危険な状態になる場合があります。あまりに高い熱が出ている場合、解熱剤を使用し、熱を下げるのはその状態を避けるためです。
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「発疹」を伴う原因
赤ちゃんで多いのは、突発性発疹です。
熱が高い割には、元気なのが特徴です。多くは、熱が下がってきたら発疹が出ます。
その他の発熱時の発疹では、溶連菌感染症や川崎病の可能性があります。病院を受診してください。
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「嘔吐」を伴う原因
風邪や、ウイルス性胃腸炎などが考えられます。
嘔吐がなんども続いている、おさまらない場合は、病院を受診しましょう。
嘔吐したものが「緑色」(胆汁性嘔吐)、血が混じっているような「赤・茶色」は、危険です。診療時間外でもすぐに病院を受診してください。
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「下痢」を伴う原因
風邪や、ウイルス性胃腸炎などが考えられます。
下痢がひどく、おさまらない場合は、病院を受診しましょう。
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「痙攣」を伴う原因
高い発熱があり、痙攣が起きれば熱性痙攣が考えられます。
まずは横を向かせ、嘔吐したものが気道につまらないようにします。
数分でおさまるようであれば、おさまってから病院を受診します。
意識が朦朧としている、何度も痙攣する、5分以上の痙攣があれば、すぐに救急車の手配をしてください。
発熱の後遺症について
感染症に伴う熱が原因で、後遺症が出るということは基本的にありません。
脳症や髄膜炎などは、感染していたウイルスや細菌が直接、髄膜に浸潤しています。この場合には発達遅延やけいれんなどの後遺症などが残る可能性はあります。
参照
子育てハッピーアドバイス知ってよかった小児科の巻
http://www.happyadvice.jp/archives/118