生理前のイライラがひどい!
穏やかな気持ちで過ごすには、どうすればいいの…?
「生理前のイライラを抑える方法」を専門家に聞きました。
生理前におすすめの食べ物・飲み物や、生理周期ごとの過ごし方のポイントについても解説します。
監修者
経歴
株式会社Luce代表/健康検定協会理事長、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、日本臨床栄養協会評議員、ダイエット指導士、ヨガ講師、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど栄養・美容学の分野で活動をおこなっている。
生理前のイライラを抑える方法5選
- ゆっくりと湯船に浸かる
- ウォーキングなどの軽い運動をする
- アロマなどの「香り」を活用する
- 「自分の好きなこと」に没頭する時間を作る
- 6~8時間程度の睡眠時間を確保する
生理前のイライラを抑えるには、上に挙げたような方法でリラックスして過ごすことが大切です。
それぞれの具体的なやり方を解説するので、自分なりの「リラックス方法」を見つけて実践してみてくださいね。
方法① ゆっくりと湯船に浸かる
入浴にはリフレッシュ効果があり、イライラで疲れた体を癒やしてくれます。
生理前で気分がよくないときは、ゆっくりと湯船に浸かることをおすすめします。
お風呂には寝る1〜2時間前に入ると良質な睡眠の助けになります。
好きな香りの入浴剤など使うと、よりリラックス効果が高まりますよ。
また、あまり熱いお湯ではなく、40度くらいのぬるま湯に長めに浸かることがおすすめです。
ただし、あくまでリフレッシュのためなので、好みの温度で好きな時間だけ入浴してかまいません。
方法② ウォーキングなどの軽い運動をする
1日に20〜30分ほど、外に出てウォーキングまたはランニングをすることをおすすめします。
運動には、気分を安定させる働きを持つ「セロトニン」という神経伝達物質を活性化させる効果があり、イライラを抑えることが期待できます。
また、イライラする原因が目の前の人やものである場合、そこから離れて少し歩きに出るのは非常に効果的であると言えます。
もちろん原因の明確でないイライラや、不安がある場合でも有効です。
セロトニンは朝に日光を浴びることで活性化するため、可能であれば朝に運動することをおすすめします。
疲れすぎるとよくないので、少しだけ早足で歩き、息が上がってきたらゆっくり呼吸を整えながら歩くなど、工夫してみてください。
方法③ アロマなどの「香り」を活用する
いい香りにはリラックス効果が期待できます。
寝る前や入浴時など、いつでもよいので、生活の中にアロマを取り入れてみましょう。
お気に入りの香りを「アトマイザー」などに入れて持ち歩けるようにしておくと、いつでもホッとした気持ちを味わえるのでおすすめです。
好みがはっきりしていない場合は、気持ちを落ち着かせる香りとされている「ラベンダー」や「柚子」の香りを試してみてはいかがでしょう。
方法④ 「自分の好きなこと」に没頭する時間を作る
生理前の期間に、自分の好きなことに没頭できる時間を作りましょう。
ストレスの発散になり、イライラを抑えることにつながります。
普段から、自分が「何をしているときに幸せを感じるか」把握しておくことが大切です。
スケジュールを工夫して、事前に時間を確保しておくと、その時間を楽しみにすることでイライラから気持ちを逸らすこともできます。
方法⑤ 6~8時間程度の睡眠時間を確保する
生理前は少なくとも6時間、可能であれば8時間程度の睡眠時間を確保しましょう。
睡眠は、体を休ませるのはもちろんのこと、脳を休ませるためにも重要です。
脳が十分に休息できず疲れてしまうと、正常な判断ができなくなったり、感情のコントロールがうまくいかなくなったりします。
「イライラしたときはさっさと寝てしまう」というのも、ひとつのストレス解消法です。
可能であれば、就寝時刻は一定にすることをおすすめします。
日中眠気がある場合は、15時前までに30分以内の仮眠をとりましょう。
「寝つき」をよくするためのコツ
- 寝る時間の1~2時間前にぬるめのお湯で入浴する
- ベッドに横になって腹式呼吸をする
- 夕食は就寝の2~3時間前までに済ませる
- 就寝前はできるだけパソコン・スマホを触らない
- 夜は音楽やアロマなどでリラックスする
イライラにおすすめの食べ物・飲み物
- アーモンド・カシューナッツなどのナッツ類
- ワカメなどの海藻類
- 大豆製品(納豆・豆腐・無調整豆乳 等)
上記の食べ物・飲み物には、気分を落ち着かせる働きがある「マグネシウム」、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをする「イソフラボン」が含まれているため、生理前におすすめです。
おすすめ① アーモンド・カシューナッツなどのナッツ類
ナッツ類に豊富に含まれる「マグネシウム」には、気分を安定させる働きが期待できます。
一日当たりの目安量は?
ナッツの種類にもよりますが、1日100gほどとるとよいでしょう。
活動的な日中の時間帯に摂取するとよいでしょう。
ナッツ類には脂質も含まれるので、就寝前はおすすめできません。
おすすめ➁ ワカメなどの海藻類
ワカメなどの海藻類にもマグネシウムが豊富に含まれています。
また、食物繊維も多く含まれているため、イライラを防ぐだけでなく、血糖値の急上昇を防いでくれる役割もあります。
食後に急に上がった血糖値は、その後急に下がる傾向にあり、それによってイライラしてしまうことがあります。
食物繊維には、そのような血糖値の急上昇・急下降を防いでくれる役割があります。
一日当たりの目安量は?
30gほどを目安に摂取するとよいでしょう。
おすすめ③ 大豆製品(納豆・豆腐・無調整豆乳 等)
大豆製品には、「大豆イソフラボン」が含まれており、ホルモンのバランスを整え、イライラを抑えることが期待できます。
イソフラボンには、女性ホルモンと似たような働きがあると考えられており、ホルモンバランスを整える効果が期待されます。
一日当たりの目安量は?
- 納豆→1日2パック程度
- 木綿豆腐→110g程度、絹ごし豆腐→140g程度
- 無調整豆乳→400~600ml
を目安にしましょう。
※それぞれの大豆製品を、単品でとり入れる場合の目安量です。複数の大豆製品を食べる場合は、量を調整するようにしましょう。
生理前のイライラを抑えるサプリはある?
生理前のイライラに効果があると謳っているサプリメントは多くありますが、体質や生活習慣によって適しているかどうかは変わります。
サプリに含まれる栄養素によっては、過剰摂取で体調が悪くなることもあるので、体調を確かめながら摂取することが望ましいです。
そのため、使用する前に「かかりつけ医」または「婦人科の医師」に相談することをおすすめします。
そもそも…なぜ生理前はイライラするの?
生理前のイライラには、女性ホルモンの変動が関わっていると考えられているようです。
ただし、はっきりとした原因は分かっていません。
排卵後は、「エストロゲン」「プロゲステロン」という女性ホルモンが多く分泌されますが、月経が近づくにつれて、これらが急激に減少します。
すると、脳内のホルモンや神経伝達物質に異常が起こり、生理前にイライラするなどの症状が引き起こされると考えられています。
女性ホルモンの低下以外にも、ストレスなどの多くの要因が関係していると言われています。
生理前にイライラしやすい人の特徴
- 食事の栄養が偏っている
- 朝食を食べていない
- 間食が多い
- 甘いものが好きで毎日食べる
- 睡眠時間が短い・よく眠れていないと感じている
- 生活リズムが整っていない
- 運動習慣がない
- 仕事や人間関係などで無理をしてしまうことが多い
- 喫煙する習慣がある
- お酒を頻繁に飲む
上記のうち当てはまる項目が多い人は、生理前にイライラしやすい傾向にあると言えます。
特に、普段から周囲の人に言いたいことを言わずに我慢してしまったり、無理をしてしまったりする人は、家などの安心できる場所でイライラしやすくなる傾向にあると言われています。
生理前~生理後は、体調に合わせた過ごし方をしよう
時期 |
おすすめの過ごし方 |
生理前一週間 |
イライラや体調不良が出やすいため、無理せず「自分を甘やかすつもり」で過ごす。 |
生理中 |
身体面に影響が出やすいので、無理せずできるだけ安静にする。 |
生理後一週間 |
体調がよい時期なので、やりたいことに存分に取り組む。 |
「生理前一週間」の過ごし方
生理前一週間は、体が敏感になっている時期です。
イライラや体調不良を無理して乗り越えようとするのではなく、自分を甘やかすつもりでゆったりと過ごしましょう。
ストレス発散になるので、1日20分ウォーキングをするなど、適度に運動をすることもおすすめです。
食事のポイント
ビタミンB6やマグネシウムを積極的に摂取することをおすすめします。
これらの栄養素は、イライラや情緒不安定を和らげる効果があるといわれています。
「生理中」の過ごし方
個人差がありますが、生理中は精神面よりも身体面への影響が大きい期間です。
無理して動かず、安静にゆっくり過ごすとよいでしょう。
無理のない範囲で軽く体を動かして、リフレッシュすることもおすすめです。
食事のポイント
鉄分の多い食事をとることをおすすめします。
鉄分を多く含む食品
- 肉
- 魚介類
- 卵
- 納豆
- 小松菜
- ほうれん草
- プルーン
など
「生理後一週間」の過ごし方
生理後一週間は、心も体も快調なことが多いです。
やりたいこと・好きなことを、思う存分楽しみましょう。
とはいえ、生理前のイライラ感を抑えるためには、この時期から生活習慣を整えておくことをおすすめします。
朝型生活で夜は早めに休むリズムを作っておきましょう。
食事のポイント
規則正しいリズムをつけるためにも、3食しっかり食べるようにしましょう。
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2021-09-01
「生理前のふわふわめまいがつらい…」
生理前のふわふわするめまいについて、お医者さんに聞きました。
めまいの対処法なども解説します。
つらい症状は“病院で治療を受ける”という選択肢もあります。病院に行く目安もチェックしましょう。
生理前のふわふわめまいはなぜ起こる?
生理前はホルモンバランスが崩れやすく、神経伝達物質や脳内ホルモンに異常が生じることがあります。
これによって自律神経の働きが乱れると、ふわふわめまいなどの不調が起こります。
上記の症状は、PMS(月経前症候群)と呼ばれています。
特にストレスを多く抱えていると、自律神経が乱れやすい傾向があります。
また、女性ホルモンの「プロゲステロン」には、水分を体にためこむ作用があります。
そのため、内耳に水分がたまることで、生理前のめまいが起こっているケースも考えられます。
生理前の「ふわふわめまい」が起こりやすい人
20~30歳代の人
更年期世代の人
疲労・ストレスが溜まっている人
に多くみられると考えられています。
どう対処すればいい?
ふわふわめまいが起こったときは、
深呼吸をする
十分な睡眠時間を確保してゆっくり休む
からだをあたためる
ヨガを行う
といった対処をするとよいでしょう。
それぞれ詳しく解説します。
対処法① 深呼吸をする
落ち着いて深呼吸することで、自律神経の乱れが改善され、めまい症状の緩和が期待できます。
深呼吸の方法
鼻からゆっくりと空気を吸い込む(4秒程度)
口からゆっくりと息を吐き出す(4秒程度)
1・2の動作を1分間以上繰り返す
空気を吸い込むときは、胸ではなくお腹が膨らむようにします。
対処法② 十分な睡眠時間を確保する
十分な睡眠時間を確保し、良質な睡眠を十分とることで疲労が回復し、自律神経の機能回復にもつながると考えられています。
睡眠の質を向上させる方法
適度な運動をする
3食しっかりバランスのよい食事を摂る
就寝3時間前には食事を済ませる
ぬるめのお湯(38度ほど)に入浴してリラックスする
温かい飲み物で眠気を促す
眠くなってからベッドで寝る(就寝時間にこだわりすぎない)
朝起きたら太陽の光を浴びる
対処法③ からだを温める
からだを温めることで血行や代謝が促進され、自律神経の乱れの改善が期待できます。
からだを温める方法
足湯をする
ぬるめのお湯で半身浴をする
3食しっかりバランスのよい食事を摂る
生姜や根菜など体を温める食材を食べる
適度な運動をする(代謝を上げる)
寒いときは、肩にタオル等をかける
対処法④ ヨガを行う
身体に無理がない範囲で軽い運動を行うことで、ストレス軽減につながり、自律神経の乱れも改善すると考えられています。
腹式呼吸(深呼吸)を取り入れながら、ゆったりと体を動かす「ヨガ」がおすすめです。
ただし、めまいがひどい場合には無理せずに安静にしてください。
簡単ヨガ① タツノオトシゴのポーズ
両膝を立てた状態で横になる
片側の足をもう一方の足の膝に引っ掛ける
引っ掛けた足側に体重をかけて下半身のみを倒す(両方の肩を地面から離さずに)
③の状態のまま20秒間ほど深呼吸
※反対側も同じように行いましょう。
簡単ヨガ② ヨガムドラーのポーズ
イスに座った状態で手を後ろで組む
肘をまっすぐのばしたまま肩甲骨を引き寄せる
上半身を倒せるところまで前方に倒して20秒間ほど深呼吸
病院に行く目安
日常生活に悪影響が出ている(学校や仕事に行けない等)
頭痛や貧血なども伴っている
などの場合には、医療機関を受診しましょう。
医療機関を受診せずに症状を放置すると、貧血が続くと心臓や脳に負担がかかります。鉄欠乏性貧血や子宮筋腫などが隠れている場合があります。 そのまま症状が続くと、心筋梗塞などを引き起こす恐れがあります。
病院は何科?
月経前症候群(PMS)が疑われる場合には、婦人科を受診しましょう。
病院では何を伝えればいい?
いつから症状が出ているか
どんな症状が出現しているか(めまい以外の症状も)
生理の周期について
診察では、上記の点を聞かれることが多いです。
基礎体温をつけている場合は持参してください。
「毎月生理前に症状が出現して、生理開始とともに症状が和らぐ」という風に詳しく伝えると、診察がスムーズに進みやすいです。
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どんな治療を受けるの?
ピルの処方
漢方薬を用いた治療
を行う場合が多いです。
治療法① ピルの処方
ピル(錠剤)とは、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)を少量ずつ含有している錠剤です。
ピルを服用すると、卵胞を成熟させるホルモンの分泌が抑制され、月経を止めることができます。
これにより、PMS(月経前症候群)の改善が期待できます。
なお、ピルの服用を止めると、3か月ほどで排卵が戻ります。
副作用のリスク(血栓が生じるなど)もあるため、使用開始前に医師と十分相談するようにしましょう。
治療法② 漢方薬を用いた治療
漢方薬を用いることで、生理前の症状の緩和が期待できます。
漢方治療では、
人間の体内を巡っているエネルギー(気)
体中に栄養分を届ける血液(血)
血液以外の水分(水)
の3つのバランスを、漢方薬を用いて整えます。
使用されることが多い漢方薬
五苓散・桂枝茯苓丸・加味逍遙散・当帰芍薬散・桃核承気湯・温経湯・半夏厚朴湯 など
生理前のふわふわするめまいなどの不調は、病院での治療によって改善される場合もあります。
「病気の可能性はないか」などを知るためにも、早めの受診をおすすめします。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
一般社団法人 日本女性心身医学会 女性の病気について
公益社団法人 日本産科婦人科学会 月経前症候群(PMS)とは?
女性の健康推進室 ヘルスケアラボ 月経前症候群(PMS)
合わせて読みたい
2022-08-26
生理前に吐き気が…。
PMSの症状?妊娠の可能性もある?
女性の「生理前の吐き気」の原因を、お医者さんに聞きました。
気持ち悪いときの対処法や、妊娠とPMSを見分ける方法も解説します。
女性の「生理前に吐き気が」の原因は?
生理前になると、いつも吐き気がします…。これってPMSでしょうか?
生理前の吐き気の原因として、PMS(月経前症候群)も考えられます。
PMSが起こる生理の3~10日前は、「黄体期」と呼ばれる時期です。
この時期は、「プロゲステロン」「プロスタグランジン」などのホルモンが多く分泌されるため、吐き気が生じる場合があります。
PMSの場合、生理が始まると吐き気が快方に向かっていきます。
▼「プロゲステロン」が吐き気を引き起こす仕組み
プロゲステロンは、胃腸機能を低下させる作用があります。そのため、ブロゲステロンが多く分泌されることで、便秘や腹部の張り感が生じやすくなります。
その結果、吐き気が起こると考えられています。
▼「プロスタグランジン」が吐き気を引き起こす仕組み
「プロスタグランジン」は、子宮収縮作用を持つ物質です。
胃腸を収縮させる作用もあるため、胃腸が締め付けられたときに、吐き気が起こる場合があります。
生理前の吐き気…妊娠の可能性は?
生理前に初めて吐き気がありました。今まであまり吐き気を感じることはなかったのですが…妊娠の可能性はありますか?
性行為のあとにあらわれた症状であれば、妊娠の可能性も考えられます。
妊娠すると次の症状を伴いやすいと言われています。
妊娠の可能性がある症状
吐き気
眠気・倦怠感
頭痛
下腹部痛
胸の張り感
便秘
おりものの変化
出血
微熱
イライラしやすい
また、基礎体温を確認することで、吐き気がPMSによるものなのか、妊娠によるものなのかを判別できると考えられています。
見分け方は、以下の表を参考にしてください。
吐き気の原因
体温の変化
PMS
生理予定日周辺になると体温が低下する。
妊娠
生理予定日周辺になっても体温が低下しない。
生理がこないときは、妊娠検査薬でチェックしてみよう
生理予定日を過ぎても生理が来ない場合は、市販の妊娠検査薬を使ってチェックしてみましょう。
できるだけ判定が正確になるよう、生理予定日から1週間を過ぎた後に使用してください。
陽性反応が出たら、産婦人科で診察を受けるとよいでしょう。
産婦人科を探す
気持ち悪い!応急的対処法
吐き気の症状を和らげるために、以下の対処を試してみましょう。
体を温める
「生姜」や「ミント」が入った飲み物を飲む
市販薬の「吐き気止め」を服用する
対処法① 体を温める
吐き気の改善には、胃腸機能の活性化が有効です。
体を温めると、血行が改善されて副交感神経の働きが高まり、胃腸機能の活性をサポートすると考えられています。
体を温めるコツ
足首・手首・首周りを温める
室温を上げる
温かいものを飲む・食べる
ゆっくりと湯船に浸かる
上記を参考にして、体を温めましょう。
対処法➁ 「生姜」や「ミント」が入った飲み物を飲む
生姜やミントは、吐き気の抑制に有効と考えられています。
手軽に用意できる、「生姜湯」や「ミントティー」がおすすめです。
ミントティーは、胃の不快感を軽減する作用があると言われています。
生姜には、吐き気を抑える作用とともに、体を温める効果もあります。
対処法③ 市販薬の「吐き気止め」を服用する
さほどひどくない吐き気や、忙しくて医療機関で受診できない場合は、市販薬を服用することで症状の緩和が期待できます。
市販薬を服用しても症状が改善しない場合には、服用を中止して医療機関で受診してください。
ただし、妊娠の可能性がある場合は、市販薬の使用は控えてください。
婦人科を探す
ホルモンを味方につけてPMSを改善しよう!
PMSの症状は、ホルモンバランスの乱れにより悪化しやすくなります。
ホルモンバランスを整えるには、「栄養バランスのとれた食事」と「十分な睡眠」が大切です。
普段から、
1日3食、主菜・副菜・主食の揃った食事をとる
6~8時間程度の質の良い睡眠をとる
といった点を意識して生活しましょう。
ポイント① 1日3食、主食・主菜・副菜の揃った食事をとる
主食・主菜・副菜の揃った食事をとることで、栄養をバランス良く摂取でき、ホルモンバランスが整いやすくなります。
和定食のイメージで食事をとると、栄養バランスが整いやすいです。
食事を抜くと、体のリズムが乱れやすくなり、エネルギー不足になる可能性があるので、きちんと3食とるようにしましょう。
「ビタミンB群」「ミネラル」「大豆イソフラボン」を積極的にとろう
PMSの症状緩和に有効と考えられている「ビタミンB群」「ミネラル」を豊富に含む食品を積極的にとるとよいでしょう。
また、女性ホルモンと似た働きを持つ「大豆イソフラボン」を摂取するのもおすすめです。
\食材の例/
ビタミンB群/ミネラル
豚肉
玄米ご飯
卵
納豆
大豆イソフラボン
豆腐
豆乳
納豆
ポイント➁ 6~8時間程度の質の良い睡眠をとる
ホルモンバランスを整えるためには、十分な睡眠時間を確保する必要があります。
毎日6~8時間程度、質の良い睡眠をとることを心がけましょう。
ただし、理想の睡眠時間には個人差があります。
朝目覚めたときに疲れがとれていて、日中に眠気を感じない状態になるように心がけましょう。
“深い眠り”を得るためのポイント
朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びる
昼寝は15時までに30分以内にする
夜は11時(遅くとも12時)には寝る
夕方以降は「カフェインを含む食品」を控える
夕食は就寝の2~3時間前までに済ませる
飲酒は、就寝の3~4時間前までにする
就寝の2~3時間前に入浴する
就寝前はできるだけパソコン・スマホを触らない
生理前の不調を繰り返す場合は、婦人科で相談を
生理前になると毎回、吐き気などの不調が起こる
日常生活に悪影響が出ている
といった場合には、できるだけ早めに婦人科で受診することをおすすめします。
PMSの場合、生活指導・飲み薬・低用量ピルなどを用いて治療を行います。
低用量ピルを使うと、生理前と後での「ホルモンの量の差」が小さくなるので、PMSの症状が楽になりやすいです。
生理前の症状がつらいときは、我慢せず医師に相談してみましょう。
※妊活中の場合は、低用量ピルが使用できないため、生活指導が中心になります。
婦人科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
大塚製薬 月経・生理前の吐き気の原因と対
公益社団法人 日本産科婦人科学会 月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)
あすか製薬株式会社 食事で始めるセルフケア
ゼリア新薬工業株式会社 対処法 01 PMSを緩和するために知っておきたい食事とは?
大正製薬 「ホルモンバランスを整えるには? 日常に取入れやすい方法を伝授」