「強迫性障害で記憶に自信がない…」その理由と対処法。気にしない方法は?

更新日:2023-02-01 | 公開日:2023-01-31
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「強迫性障害で記憶に自信がない…」その理由と対処法。気にしない方法は?

強迫性障害で記憶に自信がない…。
何度も確認作業を繰り返してしまうのにもう疲れた…。

強迫性障害の人が記憶力に自信を持てない理由について、お医者さんに聞いてみました。
強迫観念を気にしないための心構えや、病院での治療法も解説します。

監修者
伊藤 直

平成かぐらクリニック
院長、メンタルアシストプログラム総責任者

伊藤 直

経歴

一般社団法人 健康職場推進機構理事長
医療法人社団 平成医会 理事

専門領域:精神科(心療内科)、精神神経科、心療内科

著書:精神科医が教える 3秒で部下に好かれる方法

強迫性障害で「記憶に自信が持てなくなる」のはなぜ?

医師男性

強迫性障害を発症すると、「記銘力(新しいことを覚える力)」が低下します。
その結果、新しい情報を記憶することが苦手になります。

強迫性障害は記憶力全体への影響はありません。
記憶のメカニズムである記銘・保持・追想・再認の4つのうち、記銘力が低下している状態です。

そのため、昔の記憶や過去に学んだ内容を思い出すことは問題ないケースが多いです。

強迫性障害を発症する原因

医師男性
強迫性障害の発症原因は、まだ明らかになっていません。
  • 脳内伝達物質の「セロトニン」を取り込むタンパク質の不足
  • 長期記憶を保管する「大脳皮質」が十分に活動していない

等により、脳の情報伝達がうまく機能していないことが影響していると考えられます。

記憶に自信をつけるための「5つの対処法」

  1. 確認作業は一回まで
  2. 確認作業を丁寧に行う
  3. 過去を思い出さない
  4. 「自分は大丈夫!」と信じる
  5. 身近な人へサポートを依頼する

記憶に自信をつけるために、上記の5つを実践しましょう。

対処法① 確認作業は一回まで

鍵

医師男性
確認作業を一回行ったら、それ以降は一切確認しないようにしてください。

強迫性障害の人は、繰り返し行う行動に対して「もし~になったら」と最悪の事態を想定してしまいます。
その結果、確認作業を繰り返すうちに、正しい記憶が忘れられるケースもあります。

一度の確認作業で問題なければ、その経験が大きな自信となって積み重なり、強迫観念の改善につながります。

対処法② 確認作業を丁寧に行う

火の元

医師男性
確認作業は「声に出す」「ゆっくり行う」などして、記憶に定着するように工夫しましょう。

目視だけで慌ただしく確認作業を行っても、記憶に定着せずに強迫観念に負けてしまいます。

確認作業の工夫の例

  • 鍵をかけるときは、「鍵を入れる→回す→鍵を抜く」という工程を口に出しながら行う
  • 火元のチェックは、「声出し」と「指差し」をセットで行う
  • 火の消し忘れや鍵のかけ忘れがないように、スマホで写真や動画を撮る

対処法③ 過去を思い出さない

医師男性

強迫観念を引き起こすきっかけになるので、なるべく過去のことを思い出さないようにしましょう。

過去の記憶とリンクしそうな場面では、「過去と今は違う」と言い聞かせることが大切です。

また、強迫性障害の人は、無意識のうちに過去の記憶を悪い方向に書き換えてしまうケースがあります。

そのため、メモを残したり、関係者に聞いたりして、過去の正しい記憶を整理するのもよいでしょう。

対処法④ 「自分は大丈夫!」と信じる

医師男性
何度も強迫行為を繰り返してしまう場合は、「自分は大丈夫」と言い聞かせましょう。

確認作業を繰り返してしまう場合でも、実際に鍵の閉め忘れや火の消し忘れなどの失敗を犯しているケースはまれです。

対処法⑤ 身近な人へサポートを依頼する

医師男性

身近な人に助けてもらいましょう。

同居している人がいる場合は、自分が出かける間に家にいてもらうことで、不安が解消されやすいです。

また、記憶違いが起こらないように、確認作業を一緒に行ってもらいましょう

他の人と共通の記憶を持つことで、安心感や自信を持つことにつながります。

強迫性障害を気にしないための心構え

ヒント・ポイント

医師男性
強迫性障害で記憶に自信がないことを気にしないためには、「こんなに確認したんだから、後はどうにでもなれ」と思うことが大切です。

強迫性障害の人が抱く強迫観念は、漠然とした不安によるものであり、ミスを犯しているケースはほとんどありません。

「時間が過ぎれば何も問題はなかった」という経験を繰り返すことで、自分の記憶に自信を持てるようになります。

強迫性障害は自然に治る?根本的に治す方法は?

医師男性
強迫性障害で日常生活に支障をきたしている段階では、自然に治すことは難しいです。

根本的に治すには、医療機関で相談して治療を受ける必要があります。

まずは、自分が強迫性障害であるのかどうかを調べるために、病院で診察や検査を受けましょう。

病院は何科?

医師男性
「精神科」または「心療内科」で相談することをおすすめします。

※両方の診療を行っている医院・クリニックもあります。

強迫性障害の治療法

医師男性
病院では薬を長期間飲み続ける「薬物療法」と、医師や臨床心理士による「認知行動療法」が行われます。

認知行動療法とは、自分の現状を見つめながら整理し、どうやって問題と向き合うのかを考える治療法です。

精神科を探す

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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。

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