もくじ
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プロテインを飲み続けると肝臓に悪いって本当?
プロテインを毎日飲んでいて大丈夫?
肝機能に影響はあるの?
プロテインが肝臓や腎臓に与える影響について、実際はどうなのか医師に聞きました。
1992年、桐蔭学園高等学校卒業。1999年、金沢医科大学卒。金沢医科大学研修医、2001年、国立小児病院小児神経科、2004年6月、獨協医科大学越谷病院小児科、2016年、児玉中央クリニック児童精神科、三愛会総合病院小児科を経て、2020年5月から現職。専門は小児神経学、児童精神科学。
プロテインはタンパク質を摂りやすく粉状にしたものです。そのため、プロテインの飲みすぎ=タンパク質の過剰摂取になります。
タンパク質は体内で分解される際、有害物質であるアンモニアが発生します。そのアンモニアを無毒化しているのが肝臓です。そのため、タンパク質を摂りすぎると肝臓が働きすぎる状態になるため、負担をかけてしまいます。
また、タンパク質は体内に入った後、栄養として体内で利用できる形に変換されますが、その役割を担っているのも肝臓。
そのため、タンパク質を摂りすぎると肝臓に過剰な負荷がかかってしまい、上手に栄養素を処理できなくなります。
これが肝臓へのダメージとして蓄積されてしまいます。
長くタンパク質を摂りすぎた状態を続けていると肝機能障害を引き起こす可能性があるため、適量の摂取が重要です
これは「タンパク質の過剰摂取」によっておこることなので、プロテインパウダーなどで摂るのではなく、お肉や卵などでタンパク質を摂りすぎた場合でも同様に肝臓に負担をかけてしまうことがあります。
プロテイン(=タンパク質)を過剰に摂取すると、体内で使われなかったアミノ酸はそのままの形で蓄積することができません。
体内で使われなかった分の一部はエネルギー源として使われ、最終的には糖や脂肪に変換されて肝臓に貯蔵されてしまいます。
そのため、適量以上のタンパク質を摂っているとやせ型の人でも脂肪肝になり、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)を発症することがあるのです。
特に、急激なダイエットで高タンパク・低カロリーのバランスの悪い食事をしている人は注意が必要です。
腎臓は不要な物質を排出し、必要な物質を回収する働きをしています。
タンパク質がエネルギーとして使われた後に発生する尿素窒素やクレアチニンなどの老廃物を取り除くのも腎臓の大切な役目。
そのため、タンパク質を過剰に摂取すると腎臓の負担が増え、慢性腎臓病のリスクが高まります。
ですが、これも「プロテインパウダーだから」ということではなく、タンパク質の摂りすぎによるものです。腎臓に負担をかけないためにも、適正量以上に摂りすぎるのは気をつけましょう。
人体にはタンパク質を吸収する能力に限界があり、一度に摂取できるタンパク質の量は限られています。適量より摂りすぎたタンパク質は、肝臓でアミノ酸に分解され、尿素に変換されて排出されますが、このプロセスには限界があります。
筋肉の合成や修復には、一度に適度な量のタンパク質を摂取する方が効果的ですが、過剰に摂取してもその効果が向上するわけではないのです。
1日に摂った方がいいと言われるタンパク質の量は、体重1kg=1g。そのため、体重60kgの方だと1日に60gのタンパク質を摂るのがおすすめです。
タンパク質は1度に多く摂っても吸収できずに体外に排出されてしまうため、1日3回ぐらいに分けるとすると、1回20gほどです。
1度に60gを摂るのは避け、1日3回以上に分けて摂るようにしましょう。
プロテイン(=タンパク質)は一度にたくさん摂取しても全てが吸収されるわけではありません。吸収されず、処理もされなかったタンパク質は中性脂肪として蓄積されてしまうことに。
さらに、食事などと一緒にプロテインを摂る場合はタンパク質だけでなく他の栄養素も通常通り摂取することになるので、タンパク質の分だけエネルギー過剰になり、さらに体脂肪の増加に繋がることがあります。
前述の通り、タンパク質は肝臓で処理されるため、過剰なタンパク質摂取は肝臓に負荷をかけることがあります。長期的には肝機能障害を引き起こす可能性も。
肝臓で処理できる量には限界があるので、適正量を守ってプロテインを摂るようにしましょう。
前述の通り、腎臓はタンパク質がエネルギーとして使われた後に発生する老廃物を取り除く役割があります。そのため、タンパク質を摂りすぎると腎臓の処理が追い付かず、負担がかかり腎機能の低下や腎臓病を引き起こすリスクがあります。
高タンパク質ダイエットなどは腎臓の負担を増加させてしまうので気を付けましょう。
タンパク質を摂りすぎると、肝臓や腎臓の他、消化器系にも負担をかけてしまいます。
消化器系に負担がかかると、吐き気や下痢、腹部膨満感などの問題を引き起こす可能性があるので注意が必要。
プロテインを摂って、吐き気がする、下痢になる、などのトラブルがある場合は、タンパク質を摂りすぎているのかもしれません。
プロテインをしっかり摂っているのに、さらにお肉等の食べ物でタンパク質ばかりを摂っていると過剰摂取になる恐れも。
高濃度のプロテインサプリメントを摂る時には気を付けましょう。
ただ、タンパク質はプロテインパウダーだけで摂るのではなく、バランスの取れた食事で補うことを心がけることが大事。
例えば、魚はタンパク質が豊富な他、脂溶性ビタミン、不飽和脂肪酸など体づくりや健康に大切な栄養素が摂れる食材です。
その他、食事でしか摂れない大切な栄養素がたくさんあるので、プロテインパウダーでだけタンパク質を摂るのではなく、まずはしっかり食事からタンパク質を摂れるようにすることが大切ですよ。
たしかにプロテインは加工されているものですが、タンパク質は食事と同じタンパク質です。タンパク質を多く摂りすぎることによる体への負担はありますが、それは“プロテインだから”ではありません。適量であれば問題ありません。
ですが、前述のとおりまずはバランスの取れた食事でしっかりタンパク質を補うことが大切。
本来健康な体を作るために摂るべき1日のタンパク質量を食事だけで摂るのが難しい場合だけ、プロテインを上手に活用していきましょう。
プロテインパウダーの量が同じであれば、お水の量を増やしてもタンパク質量は変わりません。老廃物の排出を助けるためにも、なるべくたくさんのお水を一緒に飲むように心がけましょう。
プロテイン=タンパク質なので、食事でタンパク質を摂るのも、プロテインで摂るのも同じタンパク質です。
そのため、プロテインで1回に必要な分のタンパク質を摂れているのに、食事でタンパク質を加えてしまっては、過剰摂取になってしまうおそれがあります。
食事でもプロテインパウダーでも、1回に体内で処理できるタンパク質量は同じです。個人差はありますが、プロテインと食事で摂るタンパク質を合計して約20g程度を超えるようであれば、過剰摂取になってしまう可能性があるので気を付けましょう。
その場合は、プロテインを飲む時間と食事を摂る(食事でタンパク質を摂る)時間を2~3時間程度あけると、肝臓や腎臓への負担を減らすことができます。
プロテインを飲むときは1日を通して少量ずつ、メーカーが推奨している量ずつ摂ることで、肝臓や腎臓に過度な負担をかけずにすみ、肝臓で脂肪にかわることも防げます。
プロテインパウダーに頼りすぎず、バランスの取れた食事を摂ることで、必要なビタミンやミネラルを補い、肝臓や腎臓の健康を維持しやすくなります。そもそもバランスの取れた食事は、全体的な健康維持に不可欠です。
また、自然食品には消化酵素が含まれているため、タンパク質の消化吸収の効率がいいのもメリット。消化吸収が効率的だと消化器官への負担が少ないので、プロテインパウダーを摂ることで吐き気や下痢になりやすい方は特に食事からのタンパク質摂取を心がけるのがいいでしょう。
その他、食品からタンパク質を摂ることで食事の味や満足感を得ることができ、食欲を調整し過食を防ぐ助けになります。
食事からたくさんのタンパク質を摂るにはたくさん食べなければいけないので、当然過剰摂取をしづらくなるのもメリットのひとつ。過剰摂取を防げれば、その分肝臓や腎臓への負担も減らせます。
良質な鶏肉、魚、豆類などからタンパク質を摂ることで、必要な栄養素をバランスよく摂取し、プロテインパウダーはあくまで補助的に利用するよう心がけましょう。
食事からのタンパク質は自然な形で消化吸収されやすいので、消化器官への負担が少ないです。その他、食事からタンパク質を摂ることで他の重要な栄養素(ビタミン、ミネラル、食物繊維など)を同時に摂取できるため、全体的な栄養バランスを保つことができます。
プロテインパウダーは便利ですが、過剰に摂取すると消化器系のトラブルや栄養バランスの偏りが生じる可能性があります。そのため、1日のうち3回の食事でタンパク質を摂り、補助的に1回プロテインパウダーを利用するようにしてみましょう。
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
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