ヘルペスになった…性行為はもうできない?
性行為をしても相手に感染させない方法はない?
ヘルペスを再発させない方法はある?
一度感染すると厄介な「ヘルペス」。ヘルペスに感染した後、相手にうつさないためにはどのように対策をすればいいか、医師が解説します。
監修者
経歴
長崎大学医学部医学科 卒業
九州大学 泌尿器科 臨床助教を経て 現在は 医療法人 薬院ひ尿器科医院 勤務
専門は泌尿器科
ヘルペスでも性行為できる?相手にうつすリスクはあるの?
うつるリスクはある。でも予防策をとればリスクを低くできる
ヘルペスに感染したからといって、一生性行為ができないというわけではありません。しっかりとリスクを理解した上でお互い予防策をとることでリスクを減らすことはできます。ヘルペスウイルスの侵入を防止することが大切です。
ヘルペスはウイルスが侵入し、その後ウイルスが活性化・増殖しておこります。そのため、感染を防ぐにはウイルスの侵入を防ぐことが一番重要です。
常に陰部を清潔に保つことを意識したり、免疫力を高めておくこと、コンドームを必ず使用することなどでウイルスの侵入を防げる場合があります。
確かに性行為などの直接接触は感染リスクが絶対につきまとうことではありますが、性行為で必ずうつるというよりも「予防策を怠って性行為をすると感染するリスクが上がってしまう」ということを意識して、予防策を必ずとりましょう。
感染=発症ではない。症状がなくても注意が必要
ヘルペスウイルスは感染後すぐに発症するわけではないため、性行為後、症状がないからといって感染していないとは限りません。安心して予防策や対処を怠らずに、常に警戒しておくことが重要です。
先述の通り、ヘルペスウイルスは感染すると神経細胞を通って神経節に潜伏します。その後免疫力が落ちた時に再発するため、性行為すぐに症状が現れない時もあります。
ピリピリ、チクチクとした違和感を覚えたらウイルスが再活性化し始めているサインなので、すぐに病院で診てもらえるよう注意していましょう。
相手にはしっかり説明しよう。お互いに予防策をとることが大切
どんなに予防をしても、やはり感染リスクがゼロになることはありません。性行為をする際は隠さずにしっかり相手にリスクのことを伝え、お互いに理解していることが何よりも大切です。
特に女性は、出産時に新生児が感染させてしまうリスクがあります。新生児ヘルペスは重篤な症状を引き起こす可能性があることは理解しておく必要があるでしょう。
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「陰部にチクチク刺されるような痛みがある…」
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陰部が痛い原因を、お医者さんに聞きました。
陰部にチクチクする痛み…これ大丈夫?
陰部にチクチク刺されているような痛みがあります…。
痛みが一時的なもので、繰り返さないようであれば、一旦様子を見てもいいでしょう。
ただし、
痛みや不快感が強い
気になる症状が他にもある
という場合、要注意です。
この痛み、「病気」の可能性は…?
陰部にチクチクする痛みがある場合、
・性器ヘルペス
・バルトリン嚢胞
の可能性があります。
それぞれ詳しく解説します。
原因①性器ヘルペス
陰部に浅い「腫瘍」や「水ぶくれ」ができている状態です。
性交渉などによって、単純ヘルペスウイルス(HSV)に感染することが原因で起こります。
こんな人がかかりやすい!
性行為のパートナーが多い人は、感染の機会が増えるため、感染のリスクがあがります。アトピーや皮膚炎などでバリア機能が低下している人もかかりやすいです。
症状の特徴
発症には2パターンあり
はじめて感染した
再発(潜伏していたウイルスの再活性化)
2つのケースがあります。それぞれ症状が少し違います。
1. はじめて感染した場合
かゆみ・違和感を伴う直径1~2mmの複数の水疱
水ぶくれが破れたあとに、痛みの伴う円形の浅い腫瘍
足の付け根のリンパ節の腫れ・圧痛
強い痛みによる排尿困難・歩行困難
38℃以上の発熱・便秘・頭痛
2. 再発した場合
初めて感染した時と同じ場所、もしくはおしりやふとももに1~数個の水ぶくれや浅い腫瘍。
全身倦怠感
足の違和感
免疫不全を起こしていると、深い腫瘍ができ、治りにくい。
※はじめての感染の時よりも症状は軽い傾向があります。
自分でできる対処法は?
市販薬はないため、病院での治療が必要です。
病院では、抗ウイルス薬を使用して治療します。ピンポン感染をしないために、パートナーも一緒に治療を受けましょう。
婦人科を探す
原因②バルトリン腺嚢胞
膣口の両側にある粘液を分泌するバルトリン腺が詰まり、粘液がたまって腫れ、嚢胞ができている状態です。
(嚢胞:液体が入った風船のような膨れた袋状のもの)
粘液に病原体(ブドウ球菌やレンサ菌、大腸菌、淋菌、クラミジア、トラコマチスなど)が感染すると、圧痛を伴う膿瘍ができます。
バルトリン腺の詰まりの原因ははっきりとしていませんが、淋菌感染症などの性感染症が原因で嚢胞ができることがあります。
こんな人がかかりやすい!
20代で発症することが多いです。
※加齢とともに発症の可能性は低くなります。
症状の特徴
バルトリン腺嚢胞ができても、ほとんどは無症状です。
ただし、以下の条件においては症状があらわれることがあります。
嚢胞が大きくなると、性行為や、座ったり歩いたりするときの不快感。
腫瘍ができると、皮膚の赤みや強い痛み、発熱、圧痛。
自分でできる対処法は?
症状が軽ければ、陰部を温水に10~15分ほど浸すことで、数日で快方に向かうケースがあります。
治らない場合は、病院で抗生物質や鎮痛剤を使用して治療します。膿瘍ができている場合には、抗菌薬を服用します。
針で刺し、嚢胞の中にたまった粘液や膿を取り除く治療や、レーザーで穴をあけ嚢胞の中の内容物のつまりを解消する治療を行うこともあります。
婦人科を受診する目安
・陰部に違和感がある
・発熱している
・日常生活に支障が出ている
といった場合などは、婦人科・産婦人科を受診しましょう。
特に注意すべき症状
また、次のような症状がある場合は、特に注意です。早めに受診してください。
陰部に痛みがある
陰部に違和感がある。
陰部に水ぶくれや腫瘍がある。
リンパ節が腫れている。
早期に受診することで、適切な治療を受けることができ、早く治せる可能性が上がります。
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早めの受診がオススメ
また、感染症の場合には、体の奥まで感染が拡大することを防げます。
治療せずに放っておくと、パートナーにうつりたり、妊婦が分娩中に発症すると赤ちゃんに感染し、新生児ヘルペスを起こしたりする可能性があります。
※赤ちゃんが新生児ヘルペスになると20~30%が亡くなります。
婦人科を受診するとき気をつけること
内診や検査をするため、着脱しやすい服装で受診しましょう。パンツよりもスカートがおすすめです。
妊婦さんが受診していることもあるので香水は控えてください。
生理中に受診してもいい?
生理中にはできない検査もあるため、可能であれば生理中は避けた方がよいでしょう。
参考
日本感染症学会 性器ヘルペス
MSDマニュアル家庭版 バルトリン腺嚢胞
日産婦誌61巻 1 号 E.婦人科疾患の診断・治療・管理 7.外陰および腟の感染症
日性感染症会誌/JJSTI Vol.27,No.1 Supplement 性感染症 診断・治療 ガイドライン 2016
ヘルペスは完治しない。でも再発は防止できる
ヘルペスウイルスは一度感染すると潜伏し続ける
性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスに感染することでおこります。ヘルペスウイルスは一度感染すると症状がおさまった後も神経節に潜伏し続け、消滅しません。潜伏しているウイルスは免疫力が下がると再活性化し、ヘルペスの再発に繋がります。
ヘルペスの再発というのは、潜伏しているヘルペスウイルスが再活性化し、神経細胞を通って表面に到達しておこります。再び水疱や赤み、腫れなどの症状がおさまった後、ウイルスはまた神経節に戻ってしまいます。
ヘルペスウイルスは免疫系から逃れるウイルス
ヘルペスウイルスは免疫システムから逃れるための色々な方法を持っています。特に潜伏状態のウイルスはほとんど活動せずに隠れているため、免疫システムがウイルスを完全に倒すのが難しくなります。そのため、「完治しない」と言われているのです。
どれほど免疫力を高めても、ヘルペスウイルスは免疫系の攻撃を逃れてしまうため攻撃ができないと言われています。
潜伏=発症とは違う。再発を防止すれば感染リスクは減る
ヘルペスウイルスが潜伏している、感染している状態だからといって、常にヘルペスの症状が発症しているわけではありません。神経節に潜伏しているウイルスが活性化しなければ症状は出ず、感染リスクも低い場合があります。
感染(潜伏)と発症はまったくの別物。ウイルスが活性化することを防げればヘルペスが再発することもなく、感染させるリスクも発症時よりは低くなります。
ウイルスに感染してしまったからといって絶対に誰かにうつしてしまう、二度と誰とも触れ合えないというわけではなく、しっかりと感染リスクを減らしていくことが一番重要です。
症状が出ていなくても要注意。「ウイルス排出」は気づかない
ただ、注意しなければいけないのが「ウイルス排出」の期間。症状が出ていなくても性行為で相手に感染させるリスクが高いので注意が必要ですが、これは自分で気づくことができません。感染リスクを減らすには、日ごろから徹底した感染対策を行うことが必要です。
ヘルペスウイルスは、症状が出ていない時期でも皮膚や粘膜から分泌される「ウイルス排出」があり、ウイルス排出が起きていると症状が現れていなくても性行為を通じて感染するリスクがあります。
そのため、残念ながら「絶対に感染しない」という期間はありません。
ですが、お互いにリスクがあることを認識した上で適切な予防策をとればリスクを減らすことができるのが「ヘルペス感染」です。
しっかり日ごろから再発防止や感染防止を行うことが大切です。
性行為でヘルペスをうつすリスクを減らす予防策4つ
性行為でヘルペスをうつすリスクを減らすには、
- 抗ウイルス薬を定期的に服用する
- コンドームを使用する
- 発症時の性交渉は避ける
- 性行為の前後に性器をよく洗う
の4つの予防策を行いましょう。
予防①抗ウイルス薬を定期的に服用する
感染している方は、医師の指示に従って抗ウイルス薬を服用することで、ウイルスの排出を減少させることができます。
ヘルペスはウイルスの活性化によりおこるので、抗ウイルス薬でウイルスの動きを抑えることが大切です。
そのため、感染が分かったら早めに病院へ行き、医師の指示のもと適切な抗ウイルス薬を服用することで、感染リスクを低くすることに繋がります。
予防②コンドームを使用する
コンドームをすることで、覆われている部分は肌が直接触れ合いません。さらに性行為中に分泌される体液にはウイルスが含まれていることがありますが、コンドームをしていれば体液の交換を防げるため、ウイルス感染のリスクが下がります。
ですが、もちろんコンドームに覆われていない部分に感染するリスクはありますし、感染を完璧に予防することはできません。
コンドームの使用は重要な予防策のひとつですが、コンドームだけでは感染を防ぎきれないことを理解して、他の予防もしっかり行うことが大切です。
予防③発症時の性交渉は避ける
ヘルペスの症状が現れている期間は、特に感染力が強いです。この期間は性行為を避けるようにしましょう。
一般的に、かさぶたがはがれて皮膚が完全に再生されると感染力が低くなると言われています。それでも感染リスクはゼロではありませんが、少なくとも一番感染力の高い症状発現期間は性行為を控えるようにしましょう。
予防④性行為の前後に性器をよく洗う
ウイルスの付着や広がりを最低限に抑えるため、性行為の前後に性器をよく洗うように心がけましょう。性器周辺を清潔に保つことで、細菌やウイルスの増殖を抑えることに繋がります。
性行為後は皮膚や粘膜にウイルスが付着している可能性が高いです。しっかり洗うことで、物理的にウイルスを洗い流せるので、ウイルスの量が減少し、感染リスクを減らすことができます。
お互いに清潔を保つためにも、行為の前後はしっかり洗浄するようにしましょう。
オーラルセックスにも気を付けよう
性器にできる性器ヘルペスと主に口にできる口唇ヘルペスは、どちらも「単純ヘルペスウイルス」の感染によっておこります。そのため、性器ヘルペスや口唇ヘルペスはそれぞれ性器や口にお互いうつります。性器ヘルペスの感染期間中にオーラルセックスを行うことで、相手が口唇ヘルペスになる可能性があるため、控えるようにしましょう。
オーラルセックスを行うことで、口腔内にヘルペスウイルスが入り込み、口唇ヘルペスとして発症するケースもあります。
感染期間中は相手のためにもなるべく直接接触することは避け、感染が拡大しないように予防することが大切です。
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ヘルペスってお風呂でうつるの?感染力ってどれくらい?
ヘルペスは湯船ではうつる可能性は低い
湯船の中ではウイルスが生存しにくく感染力が低下するため、感染の可能性は低いと考えられます。ですが絶対に感染しないとは言い切れないため、できればヘルペスに感染している人とは同じ湯船に入らない方が安心です。
ヘルペスウイルスは湿った環境では生存しにくく、水分に触れると速やかに死滅する可能性が高いため、湯船に入るだけでは性器ヘルペスに感染するリスクは低いと考えられます。
さらにヘルペスは直接感染が主な感染経路のため、お湯で希釈された状態の感染力が低下したウイルスでは感染しにくいのも理由のひとつです。
ですが感染力がとても強いウイルスなので、絶対に感染しないとは言い切れません。 性器ヘルペスを発症している方よりも先に湯船を使う等、同じ湯船に入らないようにする方が確実に予防に繋がります。
患部が触れた床や椅子などから感染することはあるので注意
ヘルペスウイルスは非常に感染力が強いウイルスなので、セックスなどの直接接触以外にも、患部に触れたタオルや椅子、床などから感染することがあります。そのため、湯船以外の洗い場などからの感染も考えられるので注意しましょう。
ヘルペスウイルスは湿った環境で短時間生存する可能性があります。そのため、湿っている椅子やタオルなどについたウイルスは生きていることが多いのです。 特に患部が直接触れる可能性が高い椅子や床、タオルなどは注意。感染している人が使用したものは使わないように意識的に避けるようにしましょう。
患部に触れた手で触った場所から感染する可能性もある
ヘルペスウイルスは、患部に触れた手からほかの場所に感染する可能性もあります。性器ヘルペスの患部に触れた手でドアノブや便器に触れると、その場所に他の人が触れることで感染する可能性があります。
患部に直接触れているものでなくても、感染するリスクがあるのがヘルペスウイルスの怖いところ。 とにかく感染力が強いウイルスなので、手を介して簡単に広がってしまいます。
他の人への感染拡大を防ぐためにも、患部に触れた後は手洗いや消毒を徹底するようにしましょう。
【期間】いつまでうつる?感染力があるのはいつまで?
かさぶたがとれて皮膚が完全に再生すると感染力が落ちる
ヘルペスの感染力は、患部にできたかさぶたがとれて皮膚が完全に再生することで低下するといわれています。適切な治療をしていれば、赤みや腫れ、水疱ができてから7日~10日間程度でかさぶたができ、皮膚が再生されていきます。
これは、新しい健康な皮膚がウイルスの拡散を防ぐバリアになるからだと考えられています。 ですが、かさぶたがとれたからといってすぐに感染力がゼロになるわけではなく、あくまで「感染力が低くなる」程度。 かさぶたがとれたからといって安心せず、感染対策はしっかり行うようにすることが大切です。
かさぶたの期間はまだ感染力があるので注意!
ヘルペスウイルスはかさぶたの段階ではまだ強い感染力を持っていることが多いです。かさぶたになったからといって感染力が弱まってきたと考えて、直接接触をしないように注意!
性器ヘルペスは感染、発症後5日ほどで赤みや腫れ、水疱などができてきて、その後適切な治療をすれば7日~10日間ほどで治ります。水膨れなどがかさぶたになり、かさぶたの下の皮膚が再生された後かさぶたがはがれ完全治癒になるのですが、まだかさぶたの段階ではウイルスは強い感染力があることが多いです。
そのため、かさぶたになったからといってセックスなどの直接接触をすることは控えましょう。 きちんとかさぶたがとれ、皮膚が再生されるまでは感染対策を行うことが大切です。
ウイルスは完全にはなくならない。うつさないよう注意が必要
ヘルペスウイルスは、一度感染すると神経節に潜み、症状がおさまった後もいなくなりません。ウイルスは神経節に潜み続け、免疫力が下がった時などに再発を繰り返します。
そのため、ヘルペスはとにかく予防が大事。ヘルペスウイルスが潜伏している・再発症状が出ている時は接触を避けるようにすることが大切です。 ですが、一度感染してしまってもすぐに症状が出るとは限りません。神経節に潜伏したまま、忘れたころに発症するということもあり得るので、もしもうつってしまったかもしれない、ウイルスに触れてしまったかもしれないと感じたら、その時点でしっかり対処することが大切です。
【対処法】ヘルペスがうつったと思ったら今すぐやって!
今すぐ対処して!性器ヘルペスは早めの対処が大事
性器ヘルペスとは、ウイルスが侵入し、それが活性化・増殖しておこります。そのため感染したと思ったら、何よりもウイルスを増殖させないよう、まだウイルスが少ない段階でとにかく抑えることが重要!対応が遅れれば遅れるほどウイルスが増殖し、腫れや赤みも増してしまいます。
本当は感染の疑いがある段階で病院へ行くのが望ましいですが、難しい場合は市販薬を使用するだけでも発症を遅らせることに繋がります。
感染=発症とは限らない。発症せずにすむ場合も
ヘルペスウイルスに感染したからといって、すぐに発症するわけではありません。ヘルペスウイルスは感染後、神経節に潜伏します。そのままウイルスが増殖・活性化しなければ症状が出ず、気が付かないこともあります。そのため、症状が出ていないからといって感染していないとは限らないため、性器ヘルペスウイルスを持っている方と接触した場合には注意が必要です。
発症をしていなければ他人にうつすリスクも低く、日常生活に支障もありません。ですが症状が出ていないからといって油断は禁物! 性器ヘルペスのウイルスを持っている方とセックスなどの直接接触をした場合はウイルスに感染している可能性があります。
口唇ヘルペスの予防には初動がとても大事!油断せず、対策をしっかり行うようにしましょう。
ウイルスの増殖を抑えることが大事
ヘルペスはウイルスが原因で起こるため、侵入したウイルスが増殖・活性化することで症状がひきおこります。そのため感染したと思ったら、すぐにウイルスを抑える「抗ウイルス」薬などを使うのがいいでしょう。
症状が出る前触れとして、水膨れができる前に、皮膚にピリピリ、チクチク、ムズムズなどの違和感、かゆみ、ほてりなどを感じることがあります。 そのような感覚があったらウイルスが増殖・活性化しているサイン!早めの治療を行いましょう。
病院で処方してもらうのが望ましいですが、難しければ市販で売られている薬をひとまず塗っておくのもいいでしょう。
市販でおすすめの薬はコレ
抗ウイルス作用がある成分「アクシロビル」や「ビダラビン」は、発症初期に使用することで水膨れやかゆみを早く治めることが期待できます。 この2つの有効成分のどちらかが入っている市販薬を選びましょう。
アラセナS
抗ウイルス成分「ビタラビン」が配合されているクリームです。 クリームタイプで伸びがよく、べたつきが少ないのが特徴。性器周りにも塗りやすく、違和感がないので日中の使用におすすめです。
アクチビア軟膏
抗ウイルス成分「アシクロビル」がヘルペスウイルスの増殖を抑えてくれます。 軟膏タイプなのでより患部に留まって保護してくれるので、痛みが強い方や寝る前などに使用する時におすすめです。
【予防】性器ヘルペスの感染を防ぐ方法
とにかく「免疫力」が大事!免疫力を高めてウイルスの侵入を防ぐ
ヘルペスはウイルスの侵入によっておこるため、とにかく一番の予防はウイルスの侵入を阻止すること。それには免疫力を高めることが何より大切です。
免疫力が高ければ、そもそもウイルスに侵入されないよう身体の抵抗力が上がりますし、たとえウイルスが体に侵入したとしても、増殖を抑えることができます。
免疫力を上げる方法
免疫力を高めるには、
バランスのとれた食生活
十分な睡眠
ストレスを溜めない
日焼け予防
適度な運動
などを心がけるようにしましょう。
また、アルコールの過剰摂取や過労なども免疫力が下がる原因に。自分の身体をいたわりながら、日々の生活でストレスを溜めないことが大切です。
ビタミンC・ビタミンE・亜鉛を摂ることを意識しよう
ビタミンCやビタミンE、亜鉛には抗酸化作用があり、免疫機能をサポートしてくれるため積極的に摂るように心がけましょう。腸内環境を整えることも免疫力強化に役立ちますよ。
ビタミンCは柑橘類やパプリカ、ブロッコリーに多く含まれ、ビタミンEはアーモンドやひまわりの種、アボカドに豊富です。一方、亜鉛は牡蠣や牛肉、豆類から摂取できます。
口唇ヘルペスに感染しない・感染した場合に発症させないために、しっかり内側からも免疫力を高めていくことが大切ですよ。
性行為やオーラルセックスも控えよう
性器にできる性器ヘルペスと主に口にできる口唇ヘルペスは、どちらも「単純ヘルペスウイルス」の感染によっておこります。そのため、性器ヘルペスや口唇ヘルペスはそれぞれ性器や口にお互いうつります。性器ヘルペスの感染期間中にオーラルセックスを行うことで、相手が口唇ヘルペスになる可能性があるため、控えるようにしましょう。
オーラルセックスを行うことで、口腔内にヘルペスウイルスが入り込み、口唇ヘルペスとして発症するケースもあります。 感染期間中は相手のためにもなるべく直接接触することは避け、感染が拡大しないように予防することが大切です。
この記事は、医療健康情報を含むコンテンツを公開前の段階で専門医がオンライン上で確認する「メディコレWEB」の認証を受けています。
【予防】性器ヘルペスの感染を防ぐ方法
とにかく「免疫力」が大事!免疫力を高めてウイルスの侵入を防ぐ
ヘルペスはウイルスの侵入によっておこるため、とにかく一番の予防はウイルスの侵入を阻止すること。それには免疫力を高めることが何より大切です。
免疫力が高ければ、そもそもウイルスに侵入されないよう身体の抵抗力が上がりますし、たとえウイルスが体に侵入したとしても、増殖を抑えることができます。
「再発」も免疫力を高くすることで防げる
免疫は、再活性化しようとするウイルスの動きを速やかに認識し、攻撃してくれる役割があります。そのため、免疫力を高めれば高めるほど、ウイルスの再活性化が抑えられるので再発防止に繋がります。
神経節に潜伏しているヘルペスウイルスは消滅しなくても、活性化を抑えれば再発を抑えることはできます。
免疫力は体内のウイルスや細菌を抑制する働きがあるため、この免疫力が低下すると感染してしまったヘルペスウイルスが活性化してしまいます。ウイルスの活性化を抑えることはヘルペスを防ぐのに一番大切なこと。そのためには免疫力を高めておくことが重要です。
免疫力を上げる方法
免疫力を高めるには、
- バランスのとれた食生活
- 十分な睡眠
- ストレスを溜めない
- 日焼け予防
- 適度な運動
などを心がけるようにしましょう。
また、アルコールの過剰摂取や過労なども免疫力が下がる原因に。自分の身体をいたわりながら、日々の生活でストレスを溜めないことが大切です。
ビタミンC・ビタミンE・亜鉛を摂ることを意識しよう
ビタミンCやビタミンE、亜鉛には抗酸化作用があり、免疫機能をサポートしてくれるため積極的に摂るように心がけましょう。腸内環境を整えることも免疫力強化に役立ちますよ。
ビタミンCは柑橘類やパプリカ、ブロッコリーに多く含まれ、ビタミンEはアーモンドやひまわりの種、アボカドに豊富です。一方、亜鉛は牡蠣や牛肉、豆類から摂取できます。
口唇ヘルペスに感染しない・感染した場合に発症させないために、しっかり内側からも免疫力を高めていくことが大切ですよ。
【対処法】うつった!と思ったら今すぐやって!
今すぐ対処して!性器ヘルペスは早めの対処が大事
性器ヘルペスとは、ウイルスが侵入し、それが活性化・増殖しておこります。そのため感染したと思ったら、何よりもウイルスを増殖させないよう、まだウイルスが少ない段階でとにかく抑えることが重要!対応が遅れれば遅れるほどウイルスが増殖し、腫れや赤みも増してしまいます。
本当は感染の疑いがある段階で病院へ行くのが望ましいですが、難しい場合は市販薬を使用するだけでも発症を遅らせることに繋がります。
薬局で買えるのは「アラセナS」「アクチビア軟膏」
抗ウイルス作用がある成分「アクシロビル」や「ビダラビン」は、発症初期に使用することで水ぶくれやかゆみを早く治めることが期待できます。この2つの有効成分のどちらかが入っている市販薬を選びましょう。
アラセナS
抗ウイルス成分「ビタラビン」が配合されているクリームです。クリームタイプで伸びがよく、べたつきが少ないのが特徴。塗った後も目立ちにくいので、メイクの前や人と会う時にも使いやすいです。
アクチビア軟膏
抗ウイルス成分「アシクロビル」がヘルペスウイルスの増殖を抑えてくれます。軟膏タイプなのでより患部に留まって保護してくれるので、痛みが強い方や寝る前などに使用する時におすすめです。
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2020-02-27
「市販薬での治療は初めてだから不安…」
「口唇ヘルペスの飲み薬はあるの?」
口唇ヘルペスの市販薬の選び方から、種類や購入方法、値段まで医師が詳しく解説します。
市販薬が使えるのは「再発時のみ」
口唇ヘルペスを市販薬で治療を行えるのは、再発・医師の診断を受けた方のみとなっています。
そのため、口唇ヘルペスを初めて発症したと思われる場合の治療は、基本的には病院を受診してください。
自然に治るのを待ってもいい?
ヘルペスは、ウイルス感染によるもののため、自然治癒を待つよりも早期に病院を受診するようにしましょう。
再発・医師の診断を受けた方であっても、市販薬で症状が改善しない場合は、早期受診をして内服薬で治療を行いましょう。
皮膚科を探す
市販薬の選び方
口唇ヘルペスは、外用薬しか市販薬には存在しません。
治療後に残ってしまった、または免疫が弱くなって再発したヘルペスウイルスの増殖を部分的に抑える薬です。
※子どものヘルペスの場合でも、外用薬は大人と同じ薬を使用しても大丈夫です。対象年齢や用法用量を守って使用しましょう。
市販薬の例
市販薬には、
アラセナS
アクチビア
ヘルペシアクリーム
アラセナSクリーム
などがあります。全てウイルスの増殖を抑える効果を持ちます。
どの市販薬がよいかは、個人の使い勝手や体質によって異なります。
違いとしては「アラセナS」「アラセナSクリーム」は医療用アラセナ-3%と同じ濃度の有効成分を配合しており、「アクチビア」は少々苦味を感じやすいということがあります。
市販薬は、ドラッグストアや、最近ではオンラインでも購入が可能です。
オロナインは効く?
オロナインは、ヘルペスウイルスを抑える働きはありません。
オロナインは尿素を含んだ保湿剤であり、かゆみを抑える外用薬です。
市販薬の値段
一本あたり800~1300円程度です。
値段の違いで治療効果が大きく違うことはありません。メーカーの希望価格の差だといえます。
こんな場合は病院へ!
初回の症状として、口周りがかゆくてたまらない・水ぶくれができた・痛みが我慢できないくらいの場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。
また、再発の場合は、市販薬を使用して1週間くらい使用しても変わらない、悪化する場合は病院へ行きましょう。
皮膚科を探す
口唇ヘルペスの再発予防
再発を予防するためには、疲労やストレスを減らすこと、免疫力を低下させないような生活習慣を心がけることが大切です。
食事においては、抗酸化力が高いビタミンC(いちご、ピーマン等)、ビタミンE(ナッツ、ごま 等)、βカロテン(緑黄色野菜等)や、皮膚の元となるタンパク質(肉類、魚類)などを積極的に摂ることをおすすめします。
他の人に感染を広げないために…
他の人と食器類・食品の共有は感染させることにもなりますのでやめましょう。
治癒してしまえば他の人に移す可能性はほぼないですが、念のため、1週間ほどは注意しておくのが安心です。
▼参考
薬の選び方を学び 実践する OTC薬入門〔改訂第5版〕 (薬ゼミファーマブック)
この記事は、医療健康情報を含むコンテンツを公開前の段階で専門医がオンライン上で確認する「メディコレWEB」の認証を受けています。