排卵日になると熱っぽくなる…
生理痛ではなく排卵日付近にだるくなる…病気?
対処法などはある?
排卵日付近のだるさや発熱について、医師に詳しく聞きました。
監修者
経歴
筑波大学医学専門学類卒業
現在は宮の沢スマイルレディースクリニック(札幌市)院長として勤務
専門は産婦人科
排卵日にだるくて熱っぽくなるのはホルモン変化の影響
排卵日付近に体が熱っぽくなったり、だるくなったりするのはホルモン変動の影響です。
主に、
- エストロゲンの急上昇
- プロゲステロンの分泌
- セロトニンの減少とコルチゾールの上昇
の3つが原因となることが多いです。
エストロゲンの急上昇
排卵期になると、エストロゲンが急上昇。この急激なホルモン変動によって自律神経が乱れ、だるさや疲労感を引き起こすことがあります。
エストロゲンとは女性ホルモンの一種。子宮内膜を厚くしたり、受精卵が着床できるような状態に準備する役割があり、排卵期に急激に上昇します。
このエストロゲンの急上昇により自律神経が乱れ、血流が滞ったり、エネルギーが上手く使えなくなったりすることで、倦怠感やだるさを引き起こすのです。
プロゲステロンの分泌
排卵が完了すると、エストロゲンに変わり次第にプロゲステロンが分泌されます。
プロゲステロンは基礎体温を上昇させるため、軽い発熱のような感じになり、熱っぽく感じたりだるく感じたりすることがあります。
排卵後、プロゲステロンが分泌されると基礎体温が0.3~0.5℃ほど上昇します。
このわずかな温度変化でも体は「発熱」の状態に近くなり、軽い疲労感やだるさを引き起こす原因になります。
さらに、プロゲステロンは中枢神経に働きかけることでリラクゼーション効果をもたらします。そのため日中も過度にリラックスしてしまい、だるさや眠気に繋がります。
その他にもプロゲステロンは消化器系や血管の筋肉をリラックスさせる効果もあるため、エネルギー代謝が落ち、体がリラックスしすぎて倦怠感を感じやすくなるのです。
セロトニンの減少とコルチゾールの上昇
排卵期にはエストロゲンやプロゲステロンの関係で、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」が減少し、代わりにストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」が増加することがあります。
排卵期には、エストロゲンとプロゲステロンの急激な変動がセロトニンの減少を引き起こすことで、気分の落ち込みや不安感などの気分の変動が起こります。
さらに、体がストレスを感じると分泌されるコルチゾールが分泌されることで体がエネルギーを多く消費するため、疲れを感じやすくなり、結果だるさに繋がります。
排卵期に起こりやすい身体の不調
排卵期はホルモンが激しく変動するため、熱っぽさやだるさの他にも様々な不調が起こりやすい時期です。
- 腹部の不快感、腹痛
- 頭痛
- 胃腸の不調
- 胸の張りや痛み
- むくみ
などが起こりやすくなるため、どうしてもつらい時には婦人科を受診するのがいいでしょう。
合わせて読みたい
2021-08-31
「婦人科を受診するときに、毛を処理していく?」
「シャワーを浴びた方がいい?」
婦人科を受診する際のアドバイスやタイミングを、お医者さんに聞きました。
内診が恥ずかしいときの対処法も解説します。
婦人科を受診するとき、毛の処理はするべき?
婦人科や産婦人科を受診する際は、アンダーヘアの処理をする必要はありません。
そのまま医療機関を受診してください。
妊娠中の毛の処理は控えたほうがいい理由
妊娠中は免疫が低下して、皮膚トラブルを起こしやすくなっています。
また、腹部が大きくなっているとアンダーヘアが見にくく、カミソリや毛抜きの使用によって皮膚を傷めてしまうリスクが高いです。
診察の前に洗った方がいい?
診察前に洗浄する必要ありません。
膣の細菌感染などを調べる必要があるので、通常通りの状態で受診しましょう。
受診前に念入りに入浴をしたり、洗浄したり、ビデを使ったりすると、検査結果が正確に出なくなる可能性があります。
服装はどうする?
特にNGという服装はありません。
ただし、素早く脱ぎ着できる服装(スカート等)は、内診時の患者さんの負担を軽減できます。
通常、内診台はカーテンで仕切られますが、腹部から下が全部出ている状態になります。
落ち着かないという方も多いので、スカートを履いて診察を受けるのがおすすめです。
スカートであれば、下着や靴下なども脱ぎ着しやすいです。
受診するタイミングは?生理中でも大丈夫?
生理のお悩みや病気の診察であれば、生理中に受診していただいでも問題ありません。
ただし、婦人科検診は正しい診断ができないこともあるので、生理中の受診を避けてください。
婦人科を探す
内診は痛くない?
体に異物が入るような違和感を覚えることはありますが、通常痛みはありません。
ただし、内診の内容によっては多少の痛みや出血を伴う場合があります。
内診の際には、できるだけ力を抜いてリラックスしていた方が、痛みを感じにくいです。
逆に力を込めていると膣の中が硬くなるため、痛みが出やすくなります。
また、出血に備えて生理用ナプキンを持参すると良いでしょう。
多くの場合、婦人科・産婦人科に用意してありますが、念のためご自身で持っておくと安心です。
内診が恥ずかしい…どうすればいいの?
内診が恥ずかしい場合、足やお腹にタオルをかけておくと気持ちが落ち着きます。
タオルを貸してもらえるようであれば、医師や看護師にお願いしましょう。
また、内診が恥ずかしい旨を伝えておくと、素早く済ませてくれる場合が多いです。
なお、足は機械が自動に開いてくれるベッドもありますが、ご自身で足を開くベッドもありますので、心の準備をしていきましょう。
他にも、こんなことに注意しよう
婦人科を受診する際は、
香水を控える
質問事項をまとめる
といった2点を心がけましょう。
その① 香水を使わないようにしましょう
膣や生理の異常は、においにあらわれる場合もあります。
香水をつけていくとにおいがわからなくなるので、婦人科や産婦人科を受診する際は、香水はつけないようにしましょう。
その② 質問事項はまとめていきましょう
初めての受診だと、緊張して質問したいことがわからなくなってしまう人も多くいます。
質問したいことは事前にまとめておきましょう。
婦人科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
腹部の不快感、腹痛
排卵日には、排卵にともなう様々な理由から腹部に痛みが生じることがあります。特に卵巣付近、片側の下腹部に感じることが多く、痛みの程度も様々です。
排卵時には、卵巣から卵子が放出される際に卵巣の表面がわずかに破れて出血したり、腹腔内で炎症が起こることがあります。これが原因で起こる痛みを「排卵痛」と言い、下腹部に不快感や痛みをともなうことがあります。
頭痛
排卵期はエストロゲンが急上昇したり、逆に急激に低下したりとホルモン変動が激しい時期です。このホルモンの急激な変動が偏頭痛や緊張型頭痛を引き起こすことがあります。
エストロゲンは血管に作用し、脳の血管を拡張させる働きがあります。この血管の拡張や収縮が頭痛の引き金となることがあるのです。
特に偏頭痛がある方はこの血管の拡張や収縮によって、排卵期は特に偏頭痛が悪化してしまうと考えられます。
胃腸の不調
排卵期のエストロゲンとプロゲステロンのホルモン変動は、消化器系の働きにも影響を与えるため、胃のむかつきや便秘、下痢などの症状が現れることがあります。
排卵後に増加するプロゲステロンは、消化器系の筋肉をリラックスさせる働きがあります。そのため、プロゲステロンが増加すると消化不良や胃のむかつき、便秘などが生じやすくなります。
胸の張りや痛み
排卵期に変動するエストロゲンやプロゲステロンは、乳腺組織を増加させたり、乳腺の分泌機能を活性化させたりするので、胸が張ったり、痛みに繋がります。
排卵期にはエストロゲンやプロゲステロンの分泌が増加します。
エストロゲンは乳腺を刺激し、乳腺組織を増加させる働きがあり、プロゲステロンは乳腺組織の水分保持を促すため、この2の作用で胸が張ったり、痛みを感じたり、不快感をおぼえたりしやすくなるのです。
むくみ
排卵期に増加するエストロゲンやプロゲステロンは体内の水分保持を促進する作用があります。それによりむくみやすくなることがあります。
体内の水分保持が促進される他、プロゲステロンは体内のナトリウムの再吸収も促進する働きがあります。ナトリウムは増えるとさらに体内に水分が保持されやすくなるため、排卵期はむくみやすくなると考えられます。
熱っぽさ、だるさはいつまで続く?
排卵日付近の熱っぽさやだるさは、個人差はありますが、大体1日~3日ほど続くことが多いです。
排卵後の基礎体温上昇は通常2週間程度持続しますが、排卵後1~3日で徐々に慣れていくため、「熱っぽい」と感じるのは排卵日後1~3日程度が多いと考えられます。
だるさや疲労感は、特に排卵日から1~2日間ぐらいに強く感じ、2~3日経つと徐々に軽減していく傾向があります。
どうしてもつらい時はピルを活用
排卵日の不調がひどい時は、ピルを利用するのもおすすめです。
来院不要、オンラインで処方してもらえるサービスを使えば気軽に利用することができますよ。
生理にともなる身体の辛さは放っておいてもよくならないことが多いもの。どんな小さい不調や痛みでも、まずは悩まず相談してみましょう!
合わせて読みたい
2022-11-30
低用量ピルの費用ってどれくらい?
どんな症状だと保険が適用されるの?
「低用量ピルが保険適用になる条件」を、お医者さんに聞きました。
ピルの種類や特徴についても、詳しく解説します。費用の目安も紹介するので、低用量ピルの処方を希望している方は必読です。
「低用量ピル」が保険適用になる条件
低用量ピルは、病気の治療を目的とする場合に限り、保険が適用されます。
避妊目的の場合は、保険適用になりません。
問診のほか、必要に応じて内診・超音波検査・血液検査などを行い、病気と診断された場合は、保険適用となります。
保険適用される病気の一例として、「月経困難症」があります。
「月経困難症」の症状
下腹部の痛み
腰痛
頭痛
吐き気
疲労感・倦怠感
食欲不振
生理痛がどんどん悪化している
妊娠しにくい
生理の出血量が多い 等
月経期間中に上記の症状が見られる場合、月経困難症が疑われます。
※症状のあらわれ方には個人差があります。
月経困難症とは、生理に伴って心身に不調が起こる状態を指します。
保険適用内の治療として、低用量ピルが処方されることが多いです。
月経困難症には、「機能性月経困難症」と「器質性月経困難症」の2タイプがあります。
①機能性月経困難症(原因となる疾患がない)
原因となる疾患がないのに、生理痛がひどくなっている状態です。
疲れやストレスが原因となることもあります。
生理の際に分泌される「プロスタグランジン」という物質が、子宮や胃の収縮を促すことで痛みが生じると言われています。
10~20代の方に発症しやすいです。
②器質性月経困難症(子宮内膜症・子宮筋腫等に伴う症状)
子宮内膜症や子宮筋腫などが原因で、重い生理痛が引き起こされている状態です。
子宮内膜症は、不妊の原因になることがあります。
また、チョコレートのう胞(※)が見られる場合は、「卵巣ガン」のリスクもあるため手術も検討されます。
(※)子宮内膜症によって、卵巣に「古い血液」が溜まっている状態。
保険適用になる低用量ピルの種類
低用量ピルには様々な種類があり、使用目的がそれぞれ異なります。
以下の薬は、月経困難症・子宮内膜症などの病気の治療を目的とする場合に保険が適用されます。
薬名
特徴
ルナベル
(ジェネリック:フリウェル)
月経困難症・子宮内膜症を治療する薬。
吐き気・頭痛などの副作用が起きにくい。
低用量タイプ(LD)と超低用量タイプ(ULD)があり、後者は動脈血栓のリスクが低い。
ジェミーナ
月経困難症・子宮内膜症を治療する薬。
血栓のリスクが低く、頭痛・吐き気などの副作用が起きにくい。
ヤーズ
月経困難症・子宮内膜症を治療する薬。120日間の連続服用が可能。
従来のピルに比べて、痛みを伴う出血日数が少ない。
休薬期間に多く見られる頭痛・骨盤痛などが少ない。むくみにくい。
ヤーズフレックス
ヤーズと同様(有効成分が同じ)
保険適用のピルに避妊効果はある?
保険適用のピルは、海外では避妊薬として認可を受けていますが、日本では避妊目的で使用した場合の有効性・安全性が検証されていません。
そのため、保険適用のピルを避妊目的で使用することはできません。
保険適用にならない低用量ピルの種類
以下の低用量ピルは、避妊目的で使用されるため、保険は適用されません。
薬名
特徴
シンフェーズ
避妊薬。生理がはじまった次の日曜から服用を開始する。金曜日頃に生理が終わるため、週末に生理が被らない。
トリキュラー
(ジェネリック:ラベルフィーユ)
避妊薬。休薬期間があるものとないものがある。ホルモン量が少なく、自然のホルモンサイクルに近い。
月経量が多い方は出血量が減りやすい。
アンジュ
避妊薬。トリキュラーと同様。
マーベロン
(ジェネリック:ファボワール)
避妊効果がより高い。男性ホルモンの作用が少なく、肌荒れ・ニキビ改善も期待できる。
生理日の調整がしやすい。
値段はいくらくらい?
低用量ピルの1シート(28日分)の費用目安は、
保険適用(3割負担)の場合:1,000〜3,000円程度
保険適用外の場合:2,000〜3,000円程度
となります。
費用は、処方される低用量ピルの種類や受診する医療機関、ジェネリック医薬品かどうかによって変わってきます。
なお、全ての薬にジェネリック医薬品があるわけではありません。
薬代以外でかかる費用
「保険適用」の治療薬の場合は医師が診察を行い、処方薬を決定するので、薬代に加えて「診察料」「薬剤情報提供料」「処方料」等が必要です。
検査を行った場合は、「検査料」もプラスされます。
「保険適用外」で低用量ピルを処方してもらう場合は、基本的に診察料はかかりません。
ただし、医療機関によっては、検査や診療を行ってから処方することがあり、その場合は診察料や検査料がかかります。
受診前に問い合わせておくとよいでしょう。
最大何ヶ月分処方してもらえる?
低用量ピルは、最大3ヶ月分処方してもらうことが可能です。
医療機関と相談をしながら処方してもらいましょう。
ピルを処方してもらうとき、お医者さんに伝えること
低用量ピルを求める理由・目的
現在の健康状態
今飲んでいる薬の有無
現在かかっている病気
過去に「血栓症」にかかったことがあるか
喫煙しているか
アレルギーの有無
その他に感じている症状
受診の際は上記の点を医師に伝えると、診察がスムーズです。
婦人科を探す
▼参考
杉並区医師会
【対処法】排卵日の不調…どうすればいい?熱っぽさの解消法
排卵期の熱っぽさやだるさを解消するには、ホルモン変動によるストレスを和らげることが大切です。
体をできるだけリラックスさせ、休息を取りましょう。
- 十分な睡眠
- ストレッチやヨガなど軽い運動
- 糖分を控える
- 体を温める
などを意識するといいでしょう。
十分な睡眠
ホルモンバランスが変動する排卵期は、体がエネルギーを多く消費します。できれば7~8時間を目安に、質の良い睡眠をとるようにすることでだるさを軽減できます。
日中に強いだるさを感じる場合は、20分~30分ほどの短時間の睡眠をとることで疲労感をリセットできますよ。
ストレッチやヨガなど軽い運動
軽い有酸素運動を行うことで、血流が促進されて体温調節を助けるため、熱っぽさやだるさの軽減に繋がります。運動は幸せホルモン「セロトニン」の分泌を促すため、気分の改善にも繋がりますよ。
ウォーキングやヨガが難しい時には、ストレッチだけでもOK。体を柔らかく動かすことで筋肉の緊張を解消し、倦怠感を和らげます。
糖分を控える
血糖値の急激な変動は、疲労感を引き起こすことがあります。甘い物をいきなり大量に食べるのはなるべく控え、低GI食品を中心に取り入れると良いでしょう。
その他、栄養バランスが取れた食事を摂ることもとても大切です。しっかり3食、栄養バランスが取れた食事を食べることで体の疲労回復に繋がります。
体を温める
体を温めることで血流を改善し、だるさや筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。
軽い熱っぽさがある場合でも、温かいお風呂に入ることでリラックスし、だるさが和らぐことがあります。
血流が改善することで筋肉の緊張をやわらげられるので、肩こりや倦怠感が和らぎます。特に腰や腹部を温めることで体がリラックスしやすくなるため、ぬるめのお湯にしっかり浸かるのがいいでしょう。
排卵期にはビタミン・マグネシウム
栄養バランスの取れた食事は、排卵期のだるさや熱っぽさを軽減するのにとても重要です。
特に
- ビタミンB6
- マグネシウム
- ビタミンC
- ビタミンE
などの栄養素を積極的に摂ることで、ホルモンバランスを整えたり、体の回復をサポートしだるさを軽減したりすることに繋がります。
ビタミンB6
ビタミンB6は、神経系やホルモンのバランスを保つために重要なビタミンです。
ホルモン変動によるだるさや気分の浮き沈みに対しての働きが期待できるので、積極的に摂取しましょう。
ビタミンB6はホルモンの代謝を助け、プロゲステロンやエストロゲンのバランスを保つ働きをします。そのため、ホルモン変動による不快な症状を軽減し、だるさや倦怠感を和らげることに繋がると考えられます。
また、ビタミンB6はセロトニンの合成も促進するため、気分が安定しやすくなったり、気分の落ち込みを軽減することに繋がりますよ。
ビタミンB6が摂取できる食材
魚(特に鮭やツナ)、鶏肉、バナナ、じゃがいも、ほうれん草など
マグネシウム
マグネシウムは筋肉や神経の機能をサポートし、エネルギー代謝にも関与するミネラルです。
ホルモン変動による筋肉の緊張や不快感を軽減し、リラックス効果に繋がります。
マグネシウムは筋肉の収縮を助けこわばりなどを軽減する他、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を調整し、ストレスに対する反応を軽減する働きも期待できます。
さらにエネルギー代謝をサポートしてくれるため、倦怠感や疲労感、だるさなどの緩和に役立つ栄養素です。
マグネシウムが摂取できる食材
ナッツ類(アーモンドやカシューナッツ)、種子類、ほうれん草、豆類、全粒穀物など
ビタミンC
ビタミンCは抗酸化作用があり、免疫機能の強化が期待できる栄養素です。排卵期に感じるだるさや熱っぽさ、炎症などをサポートする働きがあります。
排卵期には体に疲れなどから免疫力も低下しやすいです。
ビタミンCは免疫系をサポートしてくれるため、ホルモン変動に伴うストレスや炎症に対処するのを助ける働きが期待できます。
さらにビタミンCの持つ強力な抗酸化作用は、体内のストレスによって起こる細胞の損傷を防ぐ働きがあります。それにより、ホルモン変動によるストレスからくるだるさや疲労感を軽減することが期待できます。
ビタミンCが摂取できる食材
柑橘類(オレンジ、レモン)、イチゴ、ピーマン、ブロッコリー、キウイなど
ビタミンE
ビタミンEもビタミンC同様、抗酸化作用がある栄養素です。
ホルモンバランスを整える作用もあるため、特にエストロゲンやプロゲステロンの変動が起こりやすい排卵期には積極的に摂るのが望ましいです。
ビタミンEは体内での酸化ストレスを軽減し、ホルモン変動によって引き起こされる細胞ダメージを防ぐ働きがあります。
さらに血液循環の改善にも役立つため、体に酸素がいきわたりやすくなり、だるさや疲れを解消するのに心強い栄養素です。
ビタミンEが摂取できる食材
アーモンド、ヒマワリの種、ほうれん草、アボカド、オリーブオイルなど
この記事は、医療健康情報を含むコンテンツを公開前の段階で専門医がオンライン上で確認する「メディコレWEB」の認証を受けています。
合わせて読みたい
2020-03-16
「ビタミンCが風邪に効くって本当?」
「ビタミンCを大量に摂ったら早く治る?」
風邪にビタミンCがよいと言われる理由、効かないと言われる理由を、それぞれ医師が解説します。
ビタミンCの含有量が多い食べ物・飲み物、より効果的な摂り方もご紹介しています。
風邪にはビタミンCがいいって本当?
現在、ビタミンCの効能は重要視されていますが、ビタミンCが風邪の治療に有効であるかどうかは賛否両論あるようです。
風邪に「ビタミンCがよい」といわれている理由
コラーゲンを合成する
免疫力・抵抗力を向上させる
などが理由といわれています。
ビタミンCには、免疫力や抵抗力を向上させる働きがあります。
そのため、毎日こまめに摂取することで、日々の風邪予防につながると考えられています。
コラーゲンは、体を形成する全タンパク質のおよそ3割を占めており、細胞同士を繋ぐ結合組織・骨・血管・筋肉・各器官等を強化する働きを持っています。
ビタミンCがコラーゲンを合成することによって、毛細血管が強化され、血液の流れをスムーズにして十分な栄養を各器官に送り、正常な機能をサポートします。
また、ビタミンCは免疫細胞を活性化して白血球の機能を補助する働きがあります。
血中の白血球、リンパ球はビタミンCを豊富に含んでいます。
そして、体内に細菌等の異物が侵入した際に攻撃してくれます。
風邪に「ビタミンCが効かない」といわれている理由
即効性のあるものではない
風邪をひく確率自体は下がらない
などが理由といわれています。
風邪の症状が出現した後に、急にビタミンCを摂取しても、あまり有効とは言えないとされています。
ビタミンCは薬ではないので、即効性が期待できるものではありません。
そのため、日頃からビタミンCを含む食品等を意識して摂取することが大切と考えられています。
また、臨床試験の結果から、一般集団において、ビタミンCを1日0.2g摂取しても、風邪をひく確率は下がらなかったと確認されています。
現在、ビタミンCの効能は重要視されていますが、ビタミンCが風邪の治療に有効であるかどうかは賛否両論あるようです。
ビタミンCは大量に摂取したほうがいいの?
ビタミンCは水溶性のため、多めに摂取しても尿から体外へと排泄されます。
そのため、摂り過ぎを心配する必要はほぼないと考えられています。
しかし稀に、ビタミンCの大量摂取により、吐き気・下痢・胃痙攣等が起こる場合がありますので、気を付けましょう。
1日の摂取目安は?
15歳以上のビタミンC摂取推奨量は、100mg/日とされています。
栄養ドリンクやサプリメントは風邪にいいの?
日常的にビタミンCの栄養ドリンクやサプリメントを摂取している場合、風邪症状が出る期間が短縮されたり、症状が軽く済んだりするケースもあるようです。
しかし、風邪をひいた後にサプリメントを摂取しても効能はあまりないと考えられています。
液剤でも錠剤でも、同じ成分で同量含有されていれば効能は同じと考えられています。
ビタミンCは排泄されやすいため、1度に摂るのではなく、朝、昼、晩というように分けて摂るようにしましょう。
他の薬を服用している場合は注意!
ビタミンCサプリメントは、他に服用している薬がある場合には注意が必要です。
サプリメントは食品と違い、栄養素が凝縮して入っているので、相互作用を起こす恐れがあります。
例えば、腎臓疾患がある場合や、利尿剤を飲んでいる方がビタミンCサプリをとると、尿中のシュウ酸がカルシウムと結束し、尿路結石や腎臓結石を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
ビタミンCが豊富な食べ物・飲み物
アセロラ 1700mg
ブロッコリー 120mg
いちご 62mg
キウイフルーツ 69mg
緑黄色野菜(小松菜39mg、キャベツ41mg)
トマト 15mg
じゃがいも 35 mg
グレープフルーツ 36mg
緑茶(玉露 抽出液 19 mg)
赤ピーマン 170 mg、緑ピーマン 76 mg
ゆず 160 mg
レモン 100 mg
(数値は100gあたりのビタミンC含有量)
などの食品にビタミンCが豊富に含まれています。
その他、みかん・オレンジジュースもおすすめです。
トマトジュースにレモン(レモン汁)を加えると、ビタミンCの相乗作用が期待できます。
緑黄色野菜もおすすめ
特に、緑黄色野菜は比較的ビタミンCも多く、その他の栄養素もバランスよく含まれているので、風邪のときには効率的に栄養素を摂取できます。
おすすめ常備レシピ「ゆずジャム」
<材料>
ゆず:1個(約50g)
砂糖:25g(ゆずの重量に対して50%分の砂糖を使用する。きび砂糖等でも可)
(作り方)
ゆずを半分に切って種を除去する
ゆずを薄切りにしてから細かく刻む
砂糖を投入し混ぜる
砂糖が溶けてとろっとした状態になったら完成
「ビタミン注射」って何?
ビタミン注射とは、注射や点滴によって、体内にダイレクトにビタミンCを注入する方法です。
通常の食品やサプリメントからの摂取に比べて、有効な成分を高濃度で体内に取り入れることが可能になり、全身細胞にビタミンCを高濃度で届けられます。
そのため、風邪等の疾病予防にも有効と考えられています。
また、高濃度ビタミンC点滴やビタミン注射は基本的に保険適用外です。
費用は各医療機関により異なりますが、10000円~15000円/1回、25gが目安と考えられます。
風邪をひいた後に注射すると早く治る?
ビタミン注射によって風邪が早く治るということは考えにくいです。
しかし、風邪をひくと体内のビタミンCが消耗するので、その補充としては役立ちます。
副作用はある?
ほぼ副作用なく受けられる療法とされていますが、稀に以下のようなケースがあります。
腎不全・心不全・透析治療中・胸水・腹水・不整脈等の持病がある場合、点滴を用いて血管内に水分を注入することで症状の悪化を招く恐れがあるため要相談です。
点滴をはじめる際、刺入部に痛みが生じる場合があります。
稀に低血糖になり、めまい、冷や汗等の症状が出る場合があります。
高濃度ビタミンC点滴は利尿作用があるので口渇になる場合があります。
ビタミンCはカルシウムを尿として排泄する働きがあるため、稀に低カルシウム血症を起こす場合があります。
ごく稀に結石が発生する場合があるようです。
ごく稀に薬剤に対するアレルギーによって、かゆみ、蕁麻疹、息苦しい等の症状が出る場合があるようです。
また、高濃度ビタミンC点滴療法を受けるには、はじめにG6PD採血※を行い、赤血球膜の遺伝子酵素異常※の有無を確認する必要があります。
※G6PD採血
赤血球機能を維持するうえで重要なグルコース-6-リン酸脱水素酵素があるかを確認する採血です。欠損していると、ビタミンC点滴によって、貧血などを起こす恐れがあります。
※赤血球膜の遺伝子酵素異常
グルコース-6-リン酸脱水素酵素が少ない、または欠損している状態を指します。
何科で受けられる?
美容皮膚科、内科、整形外科等、幅広い分野で取り扱いがあります。
▼参考URL
医療法人 清友会 笠松病院 ビタミンCについて
医療法人 愛恵会 湘南メディカル記念病院 風邪を早く治すために覚えておきたい 3つのポイント
一般社団法人 愛知県薬剤師会 ビタミン
大塚製薬 ビタミン総合
厚生労働省「統合医療」に係る情報発信等推進事業「統合医療」情報発信サイトビタミンC
福岡天神内視鏡クリニック 高濃度ビタミンC点滴療法