足の爪の水虫が黒い！放置するとどうなる？病院に行くべき？｜医師監修

足の爪の水虫が…黒い！

爪が黒くなる理由をお医者さんが解説します。
放置するとどうなるのか、また、正しいセルフケア方法もご紹介します。

監修者

JUN CLINIC横浜

長谷川 佳子先生

経歴

北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院　形成外科、藤沢湘南台病院　形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター　形成外科
横浜栄共済病院　形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長
を経て2024年JUN CLINIC横浜 就任

黒い爪の正体は何？

爪が黒くなる水虫の正体は…

1. 白癬菌
2. 爪甲帯状色素沈着

が考えられます。

原因1.「白癬菌」

爪がカビの一種「白癬菌」に感染し、水虫になり黒い線や点があらわれることがあります。
爪の表面が白く濁る、爪自体が分厚くなる、といった状態もみられます。
基本的に痛みやかゆみはありませんが、悪化すると歩くとき痛みを感じたり、細菌感染症を起こすこともあります。

対処法は？

病院を受診しましょう。
また、爪を清潔に保ち、保湿しましょう。

カビは湿気を好むので、蒸れやすい靴は控えた方が良いでしょう。病院では主に飲み薬によって治療します。
また、白癬菌は人にうつすことがあります。タオルやスリッパなどを誰かと一緒に使うのはやめましょう

原因2.「爪甲帯状色素沈着」

爪母と呼ばれる爪の根元部分には色素を作る細胞（メラノサイト）があります。その色素細胞が活性化されることで、黒い線があらわれることがあります。
この場合、爪の根元から線状に黒くなることがほとんどです。（点状に生じることはありません。）

対処法は？

病院を受診しましょう。
塗り薬と飲み薬で治療していくうちに、黒い線も治癒していきます。

水虫以外が原因のことも…

水虫と思いきや…違う原因が隠れていることもあります。

水虫以外の原因1.爪下血腫

爪下血腫は、爪の中で出血が起こっている状態です。

爪の上に何か重い物を落としたり、ドアに挟んだりした衝撃などで、爪の中の皮膚がやぶれることで起こります。
最初は赤く、だんだんと黒くなっていきます。出血したときに痛みを伴う以外、通常痛みはありませんが、症状が重いと痛みが続くことがあります。

水虫以外の原因2.悪性黒色腫（メラノーマ）

悪性黒色腫は、皮膚がんの一種です。

色素を作るメラノサイトという細胞が増え続ける悪性の腫瘍です。中でも足の裏や手のひら、爪にできやすい末端黒子型は、日本人に多いです。
爪に黒い線があらわれ、爪が割れたり、爪の周りにシミが広がったりすることもあります。

水虫？それとも違う？見分け方

「水虫」と「その他の原因」との見分け方は次の通りです。

• 水虫･･･爪が厚くなります。
• 爪下血腫･･･爪が伸びるにつれて、黒くなった部分も移動します。
• 悪性黒色腫（メラノーマ）･･･黒い縦線の色が濃くなり、幅が広がり、爪が割れることもあります。爪の周りにも染みだすことがあります。

黒い爪を放置すると、どうなるの？

病院へ行かずに放っておくと、

• 悪化して、細菌感染する
• 爪以外にも症状が広がる
• 爪が割れる
• 深刻な病気（がん等）を見逃す

という様々なリスクがでてきます。

自己判断で黒い爪を放置せず、病院を受診しましょう。

病院を受診しよう！

早期受診することで、早く治ったり、症状の重症化や転移を食い止めることができます。

病院は、皮膚科を受診しましょう。

皮膚科を探す

市販薬で対処できないの？

できれば、病院に行かずに済ませたいです…。

自己判断で市販薬を使用するより、病院を受診するほうがよい点がたくさんあります。

病院では症状を正しく診断し、適切な治療を受けられます。それにより、症状が改善され、早く治る可能性があります。
また、がんなどの病気である場合は早期に発見し治療を始めることで、他の部位への転移を防ぐこともできます。