「アボカドを食べ過ぎて太ったかも…」
「ニキビが増えたのはなぜ?」
アボカドの食べ過ぎには注意が必要です。
適切な量やおすすめの食べ方を栄養士が解説します
監修者
株式会社Luce
栄養士・食育栄養インストラクター
神原 李奈先生
経歴
株式会社Luce・健康検定協会 所属
CA(客室乗務員)の仕事をきっかけに、健康と食の強い結びつきを実感し、食の世界に興味を持つ。大手料理教室の講師の経験を経て、栄養士を目指すことに。栄養士免許を取得後の現在は、現役CAとして世界中を飛び回りながら、栄養士として健康や食に関する情報を発信している。
アボカドを食べ過ぎると、どうなるの?
アボカドは「森のバター」と呼ばれるほど栄養価が高く、美容や健康への効果を期待して取り入れる人が多い食材です。
ただし、健康にいいからといって過剰に摂りすぎると…
- 太る
- ニキビができる
といったことが起こるケースがあります。
その① 太る
アボカドには、脂質が多く含まれています。(100gあたり、17.5g)
エネルギー量(カロリー)もその分多いため、食べ過ぎると太ってしまうことがあります。
その② ニキビができる
アボカドには脂質が多く含まれているため、食べ過ぎるとニキビの原因になります。
特にオイリーな肌質の方は、ニキビを引き起こしやすいので要注意です。
ニキビは毛穴の中に皮脂がたまることで起こります。
脂質の過剰摂取は、皮脂分泌を促して毛穴の詰まりを招くため、ニキビの発生につながることがあります。
1日の適量はどれぐらい?
アボカド100gあたり17.5gの脂質が含まれているので、一日あたり50g(1/2から1/4個分)程度に抑えるようにしましょう。
多く食べてしまった日は、その後の食事は低脂質の食品を選び、調整してください。
厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、日本人の一日の脂質摂取目標量は、一日の摂取エネルギーの20~30%とされています。
一日に2,000kcal摂取する人の場合、400~600kcal分の脂質を摂る計算になります。gに換算すると、約44g~67gが一日あたりの摂取量になります。
そのため、脂質を多く含むアボカドを食べる際は、50g(約1/2個~1/4個分)程度に抑えたほうがいいでしょう(アボカド50gあたりの脂質量は8.75g)。
毎日食べてもいいの?
基本的には、毎日アボカドを食べても大丈夫です。
ただし、脂質の多い食品(揚げ物や脂身の多い肉など)を食べる習慣のある人は、毎日アボカドを食べるのを控え、脂質の量を調整しましょう。
\アボカドのうれしい効果/
- むくみを改善する(カリウム)
- 便秘を解消する(食物繊維)
- 血行を良くする(ビタミンE)
- 乾燥肌を改善する(ビタミンE)
ダイエットにおすすめの食べ方
- 朝や昼に食べる
- 低糖質の食品と一緒に食べる
- 塩分の多い食事と一緒に食べる
といった点を心がけましょう。
① 朝や昼に食べる
脂質が多いので、脂肪蓄積しやすい夜よりも、朝や昼に食べましょう。
② 低脂質の食品と一緒に食べる
脂質が多い食品は腹持ちするため、サラダのような低脂質の料理などにトッピングとして加えることで、次の食事までに空腹感を感じにくくなります。
③ 塩分の多い食事と一緒に食べる
アボカドには「カリウム」が含まれていて、むくみの原因となる「ナトリウム」の排泄を促す作用があります。
塩分の多い食事と一緒にアボカドを食べることで、むくみ対策につながります。
アボカドで美肌を目指そう!
アボカドと一緒に、「ビタミンA」「ビタミンE」を含む食材を食べると、美肌効果があります。
アボカドを使ったお料理のトッピングにナッツを散らしましょう。
また、ブロッコリーやかぼちゃと和えることで、効率よくビタミンAやビタミンEをとることができます。
「ビタミンA(βカロテン)」には肌の健康を保つ作用があり、「ビタミンE」には細胞の酸化を防ぐ作用があります。
アボカドに含まれる脂質によってビタミンの吸収率を上げることで、体に行き渡りやすくなるため、肌のシミ・シワ・乾燥の改善が期待できます。
栄養素 |
効果 |
おすすめ食材 |
ビタミンA
(βカロテン) |
肌の健康を保つ |
レバー、うなぎ、ブロッコリー、ニンジン、カボチャなど |
ビタミンE |
細胞の酸化を防ぐ |
アボカド、ほうれん草、ブロッコリー、ナッツ類(アーモンド、ピーナッツ、ヘーゼルナッツ)など |
合わせて読みたい
2020-02-07
腸内環境を整えてくれるオリゴ糖。
この記事では、オリゴ糖のおすすめの食べ方、さらに摂取するタイミングなど、栄養士が詳しく解説します。
オリゴ糖とは
オリゴ糖は、ビフィズス菌をはじめとする善玉菌のエサとなります。
様々な種類がありますが、どのオリゴ糖も、摂取することで乳酸菌を増やし、腸内環境を整えることで、便秘解消や免疫機能の改善につながります。
※ただし、乳酸菌の種類によっては利用されにくい場合もあります。
オリゴ糖の種類
オリゴ糖には、
・てんさいオリゴ糖
・イソマルトオリゴ糖
・フラクトオリゴ糖
・ガラクトオリゴ糖
などの種類があります。
オリゴ糖に期待できること
①腸内環境を整えてダイエット
善玉菌が増えることで腸内環境が整い、便秘や下痢・軟便の解消や改善に繋がります。
便秘が解消されれば、ぽっこりと出ていたお腹もひっこみます。
栄養素を効率よく吸収できるようになり、代謝も上がると考えられ、ダイエット効果も期待できます。
②肌荒れ・感染症予防
肌荒れの改善にも繋がります。
また、腸内環境が良いと免疫力も上がり、感染症予防にもなります。
③虫歯の予防
虫歯の発生を抑制する作用があることもわかっています。
変化を感じるのはいつから?
個人差はありますが、腸内環境は2週間経った頃から変化すると言われています。
最低でも2週間は継続して摂取するとよいでしょう。
おすすめの食べ方
ヨーグルトと一緒に摂ることで効率良く摂取できます。
オリゴ糖は、ヨーグルトに含まれる乳酸菌のエサとなり、腸内の乳酸菌の増殖を助けます。
また、ヨーグルトを人肌程度に温めると乳酸菌が活性化されるので、ホットヨーグルトがおすすめです。
※ただし、ヨーグルトを加熱しすぎてしまうと乳酸菌が死んでしまうので、温度には注意しましょう。
いつ食べるのが良い?
タイミングは特に決まってはいません。
一度に摂取するとお腹が緩くなることがあります。
一日の中で、数回に分けて摂取すると良いでしょう。
また、摂取量については商品によって異なるため、商品の表示を確認することをお勧めします。
オリゴ糖の副作用
オリゴ糖の摂りすぎたり、体質、体調によっては、お腹が緩くなってしまうことがあります。
加熱しても大丈夫?
オリゴ糖は熱に強いので、加熱しても大丈夫です。
妊婦でも大丈夫?
オリゴ糖は野菜や果物にも含まれている成分なので、妊婦さんでも摂取できます。
実際に医師監督下で行った実験では、妊婦が一ヵ月オリゴ糖を摂取した場合、臨床検査値や問診・診察上に異常は認められなかったという報告があります。
ただし、摂取量や体質、体調などにより個人差もあるため、心配であれば医師に相談すると良いでしょう。
参考
オリゴ糖 特性
日本食品化工(株)研究所 菅原正義 オリゴ糖の特性と生理効果
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jim1987/7/1/7_1_1/_pdf
オリゴ糖 妊婦
藤田保健衛生大学医療科学部臨床検査学科・至學館大学健康科学部栄養科学科・藤田保健衛生大学藤田記念七栗研究所・同大学医療科学部臨床工学科・塩水港精糖株式会社・同大学 医学部産婦人科 妊娠5~7ヶ月の妊婦における乳糖果糖オリゴ糖摂取期および非 摂取期の腸内細菌叢の解析―T-RFLP法と培養法による検討―
http://abs-kyushu.kenkyuukai.jp/images/sys%5Cinformation%5C20120204140651-4306C97987F05454C1B7940827C7B633BA4E08633F0989CFC7F2F72FB0E68A34.pdf
オリゴ糖 含有量
安井照代・戸田千登世・橋爪清松・永納秀男・石原英子 オ リゴ糖添加食品中の機能性オ リゴ糖類の含有量
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shokueishi1960/37/4/37_4_240/_pdf/-char/ja
オリゴ糖 耐熱
日本オリゴ株式会社 ベータオリゴ 日本オリゴのフラクトオリゴ糖
https://www.nihon-oligo.co.jp/docs/hpgen/pdf/bulk_fos_oligo.pdf
腸内環境 変化
ビオフェルミン製薬株式会社 腸内フローラをもっと知ろう
https://www.biofermin.co.jp/nyusankin/chonaiflora/antiflatulent/
合わせて読みたい
2022-05-30
「食後の血糖値を下げたい…!」
「どんな飲み物がおすすめ?」
コンビニで買える「血糖値を下げる飲み物」を、栄養士さんに聞いてみました。
効果的な飲み方・NGな飲み物も詳しく解説しますので、血糖値を改善させたい方は必見です。
コンビニで買える「血糖値下げる飲み物」一覧
からだすこやか茶W
蕃爽麗茶(ばんそうれいちゃ)
ペプシスペシャルゼロ
パーフェクトフリー
野菜一日これ一本Plus
牛乳
「特定保健用食品(トクホ)」や「機能性表示食品」の表示がある飲み物は、基本的におすすめです。
トクホの飲み物は、「食後の血糖値の上昇を穏やかにする」と記載されたものを選ぶとよいでしょう。
これらの飲み物は、食事中の糖の消化吸収スピードを遅らせる成分を含むため、食後の血糖値上昇が抑制されます。
ただし、これらを飲んだだけで血糖値の上昇が完全に抑えられるわけではありません。
あくまでも「糖質に注意した食生活」の補助として使いましょう。
「特定保健用食品(トクホ)」は、国による有効性と安全性の審査を受け、消費者庁長官の許可を得て販売している商品です。
血糖値が高めの方が糖質を摂取する際にトクホを利用すると、血糖値の上昇を抑える効果が得られるという結果は出ています。
「機能性表示食品」は、特定保健用食品のように国による審査はありません。
しかし、事業者の責任において摂取に関する安全性を確保することを前提とし、科学的根拠に基づいた機能を表示しているため、血糖値の上昇抑制が期待できるといえます。
おすすめ① からだすこやか茶W
画像引用元:https://www.cocacola.co.jp/brands/karadasukoyakacha
「特定保健用食品(トクホ)」のお茶です。
「難消化性デキストリン」の効果で、糖質の消化吸収を遅らせて、食後血糖値の上昇を抑制します。
「からだすこやか茶W」は、食事のたびに1本(350ml)・1日3回が目安です。
似ている商品
綾鷹 特選茶
伊右衛門プラス おいしい糖質対策
といった商品も、からだすこやか茶Wと同じように血糖値の上昇抑制が期待できます。
これらは食事の際に1本(500ml)、1日1回が目安になっています。
3食の中で特に糖質が多いと感じる食事の際に飲むとよいですね。
おすすめ② 蕃爽麗茶(ばんそうれいちゃ)
画像引用元:https://www.yakult.co.jp/bansoreicha/
「特定保健用食品(トクホ)」のお茶です。
「グァバ葉ポリフェノール」の効果で、糖質分解酵素の働きを抑えてブドウ糖の吸収をおだやかにし、食後の血糖値の上昇を抑制します。
「蕃爽麗茶」は1回の食事につき200ml、1日3回飲むのが目安です。
ノンカフェインなので、妊娠中・授乳中など、カフェインを控えたい方にもおすすめです。
おすすめ③ ペプシスペシャルゼロ
画像引用元:https://products.suntory.co.jp/d/4901777235984/
「特定保健用食品(トクホ)」のコーラ飲料です。
「難消化性デキストリン」の働きで、同時に摂った糖質の消化吸収を遅らせ、食後の血糖値上昇を抑制します。
「ペプシスペシャルゼロ」は食事の際に1本(490ml)・1日1回が目安です。
食事中の糖質の吸収を緩やかにしてくれるものなので、1日の間で少しずつではなく、食事の際に目安量を摂ることがポイントです。
おすすめ④ 野菜一日これ一本Plus
画像引用元:https://www.kagome.co.jp/products/drink/A3347/
「機能性表示食品」の野菜ジュースです。
「トマト由来食物繊維」の効果により、糖の吸収を抑制して、食後血糖値の上昇を抑える作用が期待できます。
「野菜一日これ一本Plus」は食事の際に1本(265g)・1日1回が目安です。
さまざまな野菜が含まれているので、野菜不足が気になる方にもおすすめです。
おすすめ⑤ パーフェクトフリー
画像引用元:https://products.kirin.co.jp/alcohol/nonalcohol/detail.html?id=15
「機能性表示食品」のノンアルコールビールです。
「難消化性デキストリン」の働きで、同時に摂った糖質の消化吸収を遅らせ、食後の血糖値上昇を抑制します。
「パーフェクトフリー」は食事の際に1本(350ml)・1日1回が目安です。
なお、摂っていることに安心して食事を食べ過ぎてしまったり、早食いしてしまったりしないように注意しましょう。
おすすめ⑥ 牛乳
牛乳に含まれる「たんぱく質」と「脂質」が作用し、食後血糖値の上昇を抑制すると考えられます。
食事と一緒に200ml程度を飲むのが良いでしょう。
なお、牛乳には「糖質」や「脂質」といったエネルギーを含まれているので、食事全体のバランスを考え、飲みすぎに注意しましょう。
いつ飲むのがベスト?
食事と一緒に摂るのがおすすめです。
いずれの飲み物も、飲めば血糖値が下がるというものではなく、あくまでも「食後時中の糖質の吸収を穏やかにする」ものです。
こんな「食事」を心がけよう!
血糖値が気になる方は、
食事にお酢を15ml程度使う
野菜・海藻などから食べる
ゆっくり食べる
といった点を心がけて食事するとよいでしょう。
お酢に含まれる「酢酸」や、野菜・海藻に含まれる「食物繊維」には、血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。
また、早食いすると糖質が一気に体内に入ってきてしまうので、注意して食べましょう。
血糖値が気になるときは…この飲み物は避けて!
血糖値の急上昇を招きやすい飲み物
炭酸飲料
果汁飲料
砂糖入りのコーヒー飲料
砂糖入りの紅茶飲料
スポーツドリンク
上記の飲み物は糖質量が多く、消化に時間がかからない糖分が含まれているので、血糖値が急上昇しやすくなります。
果汁飲料は健康的なイメージもありますが、糖質量が多いので飲みすぎに注意しましょう。
糖質に糖質を重ねると血糖値が急上昇しやすいので、特にパン・お菓子などと一緒に摂るのはNGです。
また、体を動かしたり、発汗したりしていない時に「スポーツドリンク」をたくさん飲まないようにしましょう。
スポーツドリンクには、エネルギー補給とすばやい水分吸収のために「糖質」がある程度含まれているので、運動時以外で飲むと血糖値が上昇しやすくなります。
どうしても飲みたいときは運動するのがおすすめ
糖質の入った甘い飲み物が飲みたいときは、「飲んだ後に体を動かす」と決めるとよいでしょう。
ウォーキング・ジョギング・サイクリングなどの有酸素運動を行うと、糖の代謝が促されます。
▼参考
特定保健用食品(トクホ)とは|「健康食品」の安全性・有効性情報
難消化性デキストリン|「健康食品」の安全性・有効性情報
酢の力|ミツカン
食酢の食後血糖上昇抑制効果|糖尿病 54(3):192~199,2011
血糖値コントロールで糖尿病&肥満の予防・改善を|一般社団法人 Jミルク
女子大学生における米飯の食後血糖に及ぼす牛乳中たんぱく質・脂質の血糖上昇抑制効果
健常女子大学生における米飯の食後血糖に及ぼす 食物繊維,酢,油,大豆製品,牛乳・乳製品の影響
科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書