「バナナを毎日食べると、どういう効果がある?」
「毎日食べると痩せるって本当?」
バナナにはむくみ改善や疲労回復などうれしい効果があります。
適量や効率の良い食べ方を栄養士が解説します。
監修者
株式会社Luce
栄養士・食育栄養インストラクター
神原 李奈先生
経歴
株式会社Luce・健康検定協会 所属
CA(客室乗務員)の仕事をきっかけに、健康と食の強い結びつきを実感し、食の世界に興味を持つ。大手料理教室の講師の経験を経て、栄養士を目指すことに。栄養士免許を取得後の現在は、現役CAとして世界中を飛び回りながら、栄養士として健康や食に関する情報を発信している。
バナナを毎日食べてもいいの?
バナナは毎日食べてもいいです。
厚生労働省からも、果物は1日200gを目標に毎日摂取するようすすめられています。
バナナの一日の適量は?
バナナ2本を目安に食べましょう。
バナナを毎日食べると、痩せる?太る?
食事の内容や1日の運動量などにもよりますので、「痩せる」とも「太る」とも言えません。
ただし、バナナは他の果物よりもカロリーが高めなので、食べ過ぎると太ってしまうことがあります。
果物の目安量は1日あたり200g程度です。
それよりも大幅に超える量は、食べないようにしましょう。
フルーツ100gあたりのカロリー |
バナナ |
93kcal |
いちご |
31kcal |
キウイ(グリーン) |
51kcal |
ぶどう(皮なし) |
58kcal |
\ワンポイントアドバイス/
バナナは満腹感があるので、他の食事を怠りがちになりますが、バナナだけでは体に必要な栄養素が不足してしまいます。
バナナに限ったことではないですが、一つの食品を食べ過ぎるのは控えてください。
いつ食べるのがオススメ?
- 朝に食べると「寝つきが良くなる」
- 昼に食べると「疲労回復&エネルギーチャージ」
といったメリットがあると考えられています。
バナナは食べる時間帯によって、期待できる働きが異なります。
ご自身の体調や期待する効果に合わせて、食べる時間を決めましょう。
朝バナナで「寝つきが良くなる」
バナナには、寝つきを良くする栄養素(トリプトファン、ビタミンB6等)が含まれています。
寝つきが悪い人には、朝バナナを食べることをおすすめします
バナナには、精神を安定させる物質「セロトニン」の材料となる栄養素が入っています。
「セロトニン」は脳内で「メラトニン」というホルモンに変化します。
夜になると分泌される「メラトニン」には、体温を下げ、眠りやすくする効果があります。
「セロトニン」は、十分な朝日を浴び、目に光が入ることで分泌されるため、バナナを朝に摂るのは効率が良いといえます。
昼バナナで「疲労回復&エネルギーチャージ」
バナナにはエネルギー源となる糖質や、糖質を体の中で利用するために必要なビタミンB1が含まれています。
ビタミンB1と糖質を一緒に摂ることで、糖質を効率よくエネルギーに変換でき、体の回復に使えます。日中の活動量が多い人には、疲労回復やエネルギーチャージとして、昼食に食べることをおすすめします。
「むくみ解消」をサポートしてくれる栄養素も!
バナナには、ナトリウムの排泄を促す「カリウム」が含まれています。
そのため、塩分の過剰摂取による“むくみ”の解消につながります。
効率よくバナナの栄養を摂るなら…
効率よく栄養と摂りたい場合
- 未熟なバナナを食べる
- ヨーグルトと一緒に食べる
ことをおすすめします。
その① 未熟なバナナがおすすめ
熟す前のバナナは「レジスタントスターチ」という成分が含まれており、普通のバナナよりも腸内環境を整え、便通をスムーズにする効果が高いと言われています。
レジスタントスターチは腸内環境を整え、便秘解消にアプローチします。
また、血糖値の上昇を抑え、脂肪蓄積を防ぎます。
ダイエットをしている方は、黄色に熟す前のグリーンの状態のバナナを選びましょう。
その② ヨーグルトと一緒に食べる
乳酸菌が豊富なヨーグルトと一緒に食べることで、腸内環境を整えるサポートをします。
トッピングには乳酸菌が増殖を助ける、オリゴ糖がおすすめです。
バナナ入りのヨーグルトは、朝食後に食べよう
たんぱく質を含むヨーグルトを朝に食べると、体温が上昇して目が覚めやすくなります。
また、空腹時に摂ると、胃酸で乳酸菌が死んでしまう可能性があるので、食後に食べましょう。
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2021-09-15
「白湯を飲んでも効果が出ないのはなぜ?」
「むしろガンの元になるって本当?」
白湯を飲んでも効果を感じられない理由を栄養士に伺いました。
正しい飲み方と量も解説します。
白湯を飲む習慣がある人に聞いた、メリットやデメリットもご紹介します!
白湯を飲むのは効果ないの?
健康な体づくりのうえで、白湯を飲むことにはよい効果があります。
ただし、白湯は薬ではないので、変化を実感しにくいかもしれません。
白湯を飲むと水分補給になるうえ、体を温めることができます。
腸の血行が促されて腸内環境も良くなるため、便通改善や肌質向上の効果があります。
なぜ?白湯を飲んでも効果が出ない…
1日の水分摂取量がすでに十分である
体が冷えていない
便秘ではない
という人は、すでに体の健康づくりができているため、あまり効果を感じられません。
白湯の正しい作り方
やかんに水を入れ強火で沸騰させる
沸騰したら火を弱め、10~15分間沸かす
火を止め50〜60℃に冷ます
※電子レンジや電気ケトルで作ってもかまいません。
やかんと同様に、沸騰させた後に50〜60℃に冷ましてください。
白湯の正しい飲み方
いつもの水分補給を白湯に変えてみましょう。1日に必要な水分補給量は約1.2リットルと言われています。
1日に合計1.2リットル、数回に分けてこまめに飲みましょう。
一回の目安は150ml〜200ml(コップ1杯程度)です。
白湯を飲むことで期待されるメリット
白湯を飲むメリットとして
便秘の改善
代謝がよくなる
肌質の改善
などが挙げられます。
メリット① 便秘の改善
白湯によって水分を十分に摂ると便が柔らかくなるため、便秘が改善されます。
また、白湯を飲むと体があたたまり、腸の血行が促されます。
血行が促されば、腸の動きが良くなって便秘が改善する可能性があります。
メリット② 代謝がよくなる
白湯を飲む習慣によって便秘が解消されると、腸内環境が良くなります。
その結果、栄養素の吸収がスムーズに行われ、代謝が良くなる可能性があります。
メリット③ 肌質の改善
白湯を飲む習慣で腸内環境が良くなり、栄養素の吸収率や代謝がアップすると、健康な肌細胞を作り出すことができます。
その結果、肌質の改善につながる可能性があります。
白湯を飲むことで生じるデメリットは?
白湯を飲むことで生じるデメリットとして
食べ物の消化や吸収が妨げられる
トイレが近くなる
食事量が減って栄養不足になる
といった点が挙げられます。
デメリット① 食べ物の消化や吸収が妨げられる
白湯を飲みすぎると消化液が薄められ、食べ物の消化や吸収が妨げられてしまう可能性があります。
食事の直前に飲むと、栄養の吸収が悪くなりやすいです。
食事の直前は白湯を控えましょう。
デメリット② トイレが近くなる
白湯の飲み過ぎによって、体の水分吸収が追いつかず、トイレが近くなります。
一度に飲む白湯の量が多いと生じやすいです。
一気にたくさん飲まず、150ml〜200ml(コップ1杯程度)を、1日に数回に分けて飲みましょう。
デメリット③ 食事量が減って栄養不足になる
白湯をたくさん飲むと、お腹が膨れて食事量が減り、必要な栄養素が不足する場合があります。
特にたんぱく質の不足は、基礎代謝が低下する恐れがあります。
基礎代謝が低下すると痩せにくくなるため、ダイエットをしている方は注意しましょう。
食事の際は、コップで何杯も白湯を飲まないようにしてください。
また、食事中に水分をたくさん欲する時には、食事の塩分量が多い可能性もありますので、一度食事内容を見直してみてください。
【体験談】白湯を飲み続けたら…
白湯を飲むようになってから、肌の調子が落ち着いています!(30代女性)
以前より少しお腹が冷えにくくなり、胃の調子もよくなりました。むくみが出たのは嫌でした。(40代女性)
白湯のおかげで免疫力が高くなったのか、風邪を引きにくくなりました。ただ、就寝前に飲むと、夜中にトイレに行きたくなります。(60代男性)
飲む前とあまり変わらないかな…気休めに飲んでいる感じですね(50代男性)
白湯を飲む習慣がある人からアンケートを募集したところ、「体が冷えにくくなった」「便通がよくなった」という体験談が多く集まりました。
一方で、「白湯を飲んでいても特に変化はなく、メリットもデメリットも感じない」という意見もありました。
白湯を飲み続けて変化があらわれるかどうかは、個人差が大きく、体質や生活習慣によるところが大きいようです。
協力:ミルトーク
「ガンの元」って出てくるけど、大丈夫?
白湯について調べると「ガンの元」というワードが出てきますが、この情報は正しいのでしょうか?
白湯を飲んでもガンになるという事実は明らかになっていません。
1日1.2リットル程度であれば問題ないです。
高濃度の「トリハロメタン」を含む水道水を長期間飲み続けることで、膀胱癌のリスクが上がることを示す研究があったようですが、今のところ証拠は明らかになっていません。
トリハロメタンは、水道水が塩素処理される際、水に含まれる成分と塩素が反応して発生します。
ただし、水道水に含まれる「トリハロメタン」の量は、ヒトが一生飲み続けても健康に影響が生じない量であるため、ガンの発生とは関係がないと考えられます。
▼参考
医療法人社団慈京会 五十子クリニック 体を温める「白湯」
日本癌治療学会 膀胱癌とは?
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2021-09-15
「野菜を食べ過ぎるとどうなる?」
「デメリットはある?」
「一日の適量は?」
野菜を食べすぎた際のデメリットについて、栄養士に聞きました。
どのように野菜を食べるとよいのかも解説します。
野菜を食べ過ぎると、デメリットってあるの?
野菜を食べ過ぎることで
下痢や便秘になる
太る
タンパク質が不足する
代謝が下がる
といったデメリットが生じる場合があります。
これらのデメリットには、野菜に含まれる食物繊維や糖質、栄養の偏りなどが関係しています。
次の項目でそれぞれを詳しく解説します。
デメリット① 下痢や便秘になる
野菜を食べ過ぎたりすると排便に支障をきたし、下痢や便秘を引き起こすことがあります。
野菜は食物繊維を豊富に含むものが多く、食物繊維を摂りすぎると体内で消化吸収されず排出されます。
また、痙攣性便秘(※)の方は、不溶性食物繊維によってさらに腸に刺激が加わり、便秘を悪化させることもあります。
食物繊維の豊富な
ごぼう
キャベツ
イモ類
きのこ
にんじん
などの食べ過ぎには気をつけましょう。
痙攣性便秘の方は、ごぼう・キノコ類といった不溶性食物繊維を多く含む野菜に注意してください。
痙攣性便秘(けいれんせいべんぴ)とは…
自律神経の乱れにより、大腸の動きが不安定になって起こる便秘です。
主な原因には、精神的ストレスが挙げられます。
こんな人は要注意!
お腹が弱い人
便秘がちな人
は、野菜の食べ過ぎによる、下痢・便秘に注意が必要です。
デメリット② 太る
糖質を多く含む野菜をたくさん食べ過ぎると、脂肪として蓄積されて太ることがあります。
特に、
トウモロコシ
さつまいも
かぼちゃ
などの野菜には糖質を多く含まれています。
こんな人は要注意!
野菜以外にも、脂質やカロリーの高いものを多く摂る人は、太ってしまうことが多いです。
また、野菜にマヨネーズやドレッシングをたっぷりかけて食べると、摂取カロリーが高くなって太ることもあります。
デメリット③ たんぱく質が不足する
野菜だけでお腹がいっぱいになってしまうと、肉や魚、卵などを食べる機会が減り、たんぱく質が不足し、代謝が下がる、筋力が下がる、体温が下がる原因になります。
こんな人は要注意!
ベジタリアンのような野菜に偏った食事をする人に多くみられます。
特にサラダ食べることが多い人は、たんぱく質が少ない葉野菜(レタスなど)に偏ってしまうため、たんぱく質不足になりやすいです。
デメリット④ 代謝が下がる
野菜中心の食生活で摂取カロリーが極端に減ると、体が「飢餓状態」と判断し、少ないエネルギーでも生きられるように機能の調節を始めます。
これにより、体が省エネルギーモードになってしまうと、全身の代謝が下がって、体力低下、体温低下につながってしまいます。
野菜はカロリーが低いものが多いため、食事が野菜だけに偏らないようにしましょう。
また、生野菜ばかり食べると、体を冷えて代謝が下がってしまう場合があります。
ナス
トマト
きゅうり
など、水分の多い野菜の食べ過ぎに注意しましょう。
こんな人は要注意!
極端なカロリー制限をしている人
偏った食事をしてしまう人
は注意が必要です。
食べ過ぎで病気になることもあるの?
野菜を食べ過ぎると、低タンパク症や栄養吸収障害といった病気リスクが高まります。
腹水やむくみが起こったり、栄養不足などの悪影響がでることもあります。
特に、「甘い味のするものが好きな方」は、糖質が多い野菜を食べ過ぎてしまいがちなので、適量に抑えるようにしましょう。
一日の適量は?
1日に必要な野菜の摂取量は350gといわれています。
1食分は、生野菜両手1杯分(茹での場合片手1杯分)、1日では生野菜両手3杯分(茹での場合片手3杯分)になります。
ほうれん草のお浸しなど、小鉢には約70gの野菜が含まれているので、1食に小鉢を1皿以上、1日に5皿程度を食べることで必要量を食べることができます。
どんな風に食べるといいの?
野菜を食べるときは、生で食べる方法と加熱して食べる方法の両方を取り入れることがおすすめです。
生で食べると、茹でるときに失われる水溶性ビタミンを残して食べることができます。
一方、加熱して食べる方法は、加熱することで野菜のカサを減らし、一度にたくさんの量を食べることができます。
どちらの食べ方もそれぞれにメリットがあるので、様々な食べ方で食べるようにしましょう。
▼参考
e-ヘルスネット