大丈夫?不正出血が止まらない6つの原因。病院へ行く目安も

更新日:2022-12-26 | 公開日:2020-06-12
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大丈夫?不正出血が止まらない6つの原因。病院へ行く目安も

「不正出血が止まらない…」
「生理じゃないのになぜ…?」

お医者さんに、不正出血が止まらない原因を聞きました。
「放置するリスク」や「病院に行くべき症状」についても解説します。

監修者
石野 博嗣 先生

石野医院

石野 博嗣先生

経歴

医療法人社団 石野医院
日本医科大学
日本医科大学付属病院
日本医科大付属第二病院
国立横須賀病院
東部地域病院
石野医院

不正出血が止まらない…大丈夫?

医師男性
「排卵期出血」と言う少量の出血の場合は、あまり気にすることはありません。

生理と生理の間の時期(排卵期)に起こるホルモンバランスの変化による出血です。この出血は数日でおさまることが多いです。
しかし、これを繰り返すような場合や、出血が2週間以上続く場合は、一度医師に相談した方が良いでしょう。

また、ピルの服用によって不正出血が起こる場合もあります。こちらも少量の出血であればあまり心配ありませんが、出血が3か月以上続く場合や、出血量が多い場合は病院で相談しましょう。

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病気の可能性も

医師男性

不正出血が止まらない原因として、

  1. 子宮頸がん
  2. 子宮体がん
  3. 子宮肉腫
  4. 膣がん
  5. 子宮頸管ポリープ

といった病気も考えられます。

原因1. 子宮頸がん

医師男性
性交渉によってヒトパピローマウイルス(HPV)が子宮頚部に感染することで起こります。

20代後半から増えはじめ、40代がもっともかかりやすい病気です。
とくに性交時の出血がみられます。出血量は多く、繰り返すのが特徴です。

<症状の特徴>
まだ細胞ががん化していない初期段階では症状はありません。
進行すると、性交時に出血をしたり、おりものに変化があらわれたりします。さらに悪化すると、下腹部や腰が痛くなることもあります。

原因2. 子宮体がん

医師男性
女性ホルモンのひとつ「エストロゲンの分泌」が過剰になると、子宮の内膜が分厚くなり、がん化します。

エストロゲンの過剰分泌を引き起こす原因として、①出産経験がない、②閉経が遅かった、③肥満である、④ホルモン薬剤の影響などがあげられます。

また、エストロゲンの分泌とは無関係に、糖尿病、リンチ症候群などの病気、家族に大腸がんの方がいるといったことが原因となることもあります。

子宮体がんは、40歳ごろから増えはじめ、50代から60代がもっともかかりやすい病気です。

<症状の特徴>
おりものに血が混ざり、褐色になるだけのものもあります。出血に加え、排尿時の痛みを感じたり、尿が出にくくなったりします。性交時にも痛みがある場合もあります。
下腹部や腰の痛み、お腹の張りを感じることもあります。

原因3. 子宮肉腫

医師男性
子宮の筋肉や間質に生じる悪性の腫瘍です。子宮肉腫は、40代から60代に多い病気です。

発症頻度は非常に低いとされていますが、早期治療が必要です。子宮肉腫の原因は、はっきりとしていません。

<症状の特徴>
不正出血以外には、下腹部の痛みや張りを感じます。

原因4. 膣がん

医師男性
膣がんによって膣の粘膜がただれて、出血が起こることがあります。

膣がんは、60歳以上の方に多い病気と言われています。
ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染していたり、子宮頸がんや子宮がんを患ったり、子宮摘出をしたりしていると、膣がんにかかるリスクが高まります。
また、胎児期に、母親が流産防止のためにDES(合成女性ホルモン薬)を使用していると、生まれてきた子どもの膣がんリスクが高くなる可能性がある、という報告もあります。

<出血の特徴>
生理ではない時期や閉経後、性交中や性交後に出血することがあります。

<症状の特徴>
膣がんでは多くの場合、初期では症状がみられません。
がん細胞が大きくなると膀胱を圧迫するため、尿の回数が増えたり、排尿時に痛みを感じたりすることもあります。
その他、水っぽいおりものや性交痛、便秘等を感じる方もいますが、これらは、腟がんに特有なものではなく、他の病気が原因となっている場合も多くあります。なかには病気が進行しても、何も症状がないという人もいます。

原因5. 子宮頸管ポリープ(頚管粘膜ポリープ)

医師男性
子宮頚管ポリープは、成人女性の2~5%に発症します。良性の場合が多いです。

子宮頸部の細胞の慢性的な炎症などをきっかけに、できものとして膣の中へ飛び出したものです。ポリープが大きくなると不正出血を起こしやすくなります。

特に30代から40代の発症が多いです。
ポリープの大きさは直径数mmから2~3cm程度で、やわらかく、性交渉時の刺激などにより傷つき、出血することがあります。

<症状の特徴>
多くの場合は、症状がありません。
ポリープが感染を起こすと、膿が混じったようなおりものが出ることがあります。

止まらない不正出血を放置すると…

不正出血 止まらない

「少量の出血だから大丈夫かな」
といって、病院へ行かずに放置するのはやめましょう。深刻な病気を見逃したり、治療が難しくなる可能性が上がります。

また、不妊や流産のリスクが上がったり、生理痛や貧血症状がつらくなることもあります。

病院を受診する目安

病院

  • 閉経後にもかかわらず、出血がある。
  • 出血量が多い。
  • 痛みが強い。
  • 不正出血を繰り返す。
  • 不正出血が2週間以上続く。

受診のタイミング

医師男性

基本的には出血している時に受診しましょう。
出血の原因を突き止めやすくなります。また、早期に受診することで出血をとめることにも繋がります。

出血が止まった後に受診する場合には、以下の6ポイントを医師に伝えると良いでしょう。

  1. いつ出血したのか。
  2. 出血は続いたのか。続いたのであれば、その期間。
  3. どんな色だったか。
  4. どれくらいの量だったか。
  5. その他の症状。
  6. 月経周期や月経期間。

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初診ではどんな検査をするの?

まずは問診を行い、その後内診で出血している場所や状況を確認します。
必要に応じて、超音波検査で子宮や卵巣の状況の確認や血液検査を行うこともあります。

生理中に受診してもいいの?

がん検診やおりもの検査などは生理期間を避けますが、
不正出血に関しては、生理中でも受診して大丈夫です。

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参考
国立がん研究センター がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/
MSDマニュアル家庭版 膣がん
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/22-女性の健康上の問題/女性生殖器のがん/腟がん

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