ぶつけてもいないのに、足に赤いあざが!
いつの間にか、赤いあざができてしまう原因は?
どうすれば、あざを防ぐことができる?
あざの悩みについて、お医者さんにおうかがいしました。
症状を抑える方法や、あざがいつの間にかできる病気、病院を受診する症状の目安などについてお答えします。
監修者
経歴
福岡大学病院
西田厚徳病院
平成10年 埼玉医科大学 卒業
平成10年 福岡大学病院 臨床研修
平成12年 福岡大学病院 呼吸器科入局
平成24年 荒牧内科開業
ぶつけていないのに赤いあざができる原因は?
いつの間にかできている、赤いあざの原因には次のものがあります。
老人性紫斑
加齢で血管や皮膚がもろくなり、若い頃はあざにならなかった程度の外部からのダメージで内出血し、紫斑(あざ)ができます。
あざは、赤紫色から青紫色へと変化し、徐々に内出血が吸収されてなくなります。
押すと痛みを感じることもありますが、痒みなどはありません。
対処法
自然治癒します。
特に治療の必要はないので、そのままにして自然治癒を待ちましょう。
アレルギー性紫斑病
子どもに起こりやすい病気です。細い血管に炎症が起き、出血班ができやすくなります。
足以外にも、手などに小さなあざができます。両側対称性といって、両手足の同じような場所にあざができることもあります。
関節痛やむくみ、腹痛、腎炎などを同時に発症する場合もあります。あざに痛みはありません。
対処法
自然に良くなっていく場合もありますが、安静が必要で、症状に応じた治療が必要です。
小さなあざが沢山できた、集まって大きなあざに見えるという場合は、病院を受診しましょう。
また、半数ほどで風邪症状が先行してあらわれます。風邪症状に引き続き、皮膚症状があらわれたときは、小児科で相談しましょう。
白血病
白血病では、正常な赤血球や白血球、血小板が作られなくなり、血管が出血しやすくなり、あざができます。
そのほか、貧血症状や感染症にかかりやすくなる、発熱、だるさなどの症状があります。
白血病は、多くが原因不明です。
特殊な状況を除き遺伝性の病気でもありません。
あざには痛みもなく、時間がかりますが薄くなっていきます。
しかし、白血病の治療が必要です。
対処法
- 身に覚えのないあざが増えている
- 歯磨きをすると歯茎の出血が止まらない
- 発熱、だるさ、貧血、めまいなどがある
という場合は、病院で検査を受けましょう。
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2021-02-24
気になる赤いあざ。
痛みはないけど、消えずに残っている…。
痛くないけど消えない赤いあざについて、お医者さんに聞きました。
皮膚がんの初期症状の可能性もあるので、急に赤いあざができた方は要チェックです。
痛くない赤いあざ…これ大丈夫?
急に痛くない赤いあざが出現した場合は、念のため病院を受診してください。
問題のないケースであればよいのですが、皮膚がんの初期段階の場合がもあります。
体調が良好で出血などがない場合は、基本的には問題ないことが多いですが、「原因がないのに、何度も出現する」、また「頭痛・吐き気・めまいなど他の症状もある」という場合は、注意が必要です。
病院では、症状をみて血液検査を行ったり、必要な際は画像検査をして確認します。
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赤ちゃんのあざは「自然に消える」ことが多い
赤ちゃんにできる
いちご状血管腫(いちごのような濃いあざ)
正中部母斑(境界が不鮮明で色にムラがある隆起していない赤いあざ)
は自然に消えていくケースが多いです。
これらは、一般的には、治療する必要はないと考えられています。
「いちご状血管腫」は5~10年くらい数年かけて薄くなります。
「正中部母斑」は、生後1年半以内に大部分は自然消退します。
「痛みのない赤いあざ」の3つの原因
「痛みのない赤いあざ」が消えない場合、
日光角化症(皮膚癌の初期段階)
単純性血管腫(ポートワイン母斑)
毛細血管拡張症
の可能性があります。
この3つは、自然に治ることはありません。
それぞれの「赤いあざの特徴」や「赤あざができやすい場所」について解説します。
原因① 日光角化症
日光角化症は顔等の紫外線のダメージを受けやすい部分に発生する皮膚がんの初期段階です。
1年単位で少しずつ隆起していきます。
がん細胞が表皮内に留まっている状態のため、この段階で治療を開始すれば症状の改善を期待できます。
日光角化症の原因
主な原因としては、日光(紫外線)を長期にわたり浴び続けたことが挙げられます。
18歳までに行ってきた紫外線対策が、発症に影響を及ぼすと考えられています。
また、慢性皮膚潰瘍ややけど等の傷跡が原因になる場合もあります。
発症しやすい人
高齢者
農業や漁業従事者
屋外スポーツ競技者
日頃から紫外線を浴びている人
もともと色白で、日焼けをすると皮膚が赤くなる人
あざの特徴
痛みがない
表面はガサガサしている
数か月以上残る
境界が不鮮明
かさぶたになる
1~2cm程度の大きさ
赤くまだら状に発生する
あざができやすい場所
紫外線がよく当たる部分(顔、頭、手の甲等)に発生しやすいです。
自然に治る?
日光角化症は自然治癒することはありません。
日光角化症を放置すると、皮膚がんに進行するリスクが高まります。
症状が進行すると、表皮基底膜を破り扁平上皮がんになり治療が困難になる恐れがあります。
病院での治療法
液体窒素で凍結させる治療と、クリーム等の塗り薬を用いた治療が行われるケースが多いです。
また、メスで切除する外科的治療が行われるケースもあります。
原因② 単純性血管腫(ポートワイン母斑)
単純性血管腫とは、生まれつきの平状の赤いあざです。
血管腫とは血管に異常が起き、血管の増殖・拡張により生じる良性腫瘍です。
生まれたときから大きさが変化しない血管奇形と、大きくなっていく血管腫があります。
単純性血管腫の原因
生まれつきの毛細血管の異常が原因で発生すると考えられています。
毛細血管は、静脈と動脈の間に存在する薄くて細い管で皮膚に広がっています。
これらが異常に増加し、集合した状態です。
あざの特徴
痛みがない
表面が平ら
赤い
しこりを形成する
年々、色が濃くなる
成長とともに赤いあざの面積が広がる
あざができやすい場所
顔・腕・全身等、体のどんな部位にも発生する可能性があります。
自然に治る?
基本的に、成人後も自然に消失することはないと考えられています。
病院での治療法
主に副作用が少ないレーザーを用いた治療が行われます。
また、手術により切除する治療が行われる場合もあります。
原因③ 毛細血管拡張症
皮膚表面には見えないはずの毛細血管が、何らかの原因によって拡張する病気です。
皮膚表面付近の組織中に、血液が過剰に溜まり赤いあざができます。
毛細血管拡張症の原因
香辛料等の刺激物やアルコールの摂取、寒冷刺激等による血管の拡張が原因であると考えられています。
肌の乾燥・紫外線の刺激・ニキビ等の皮膚炎症等も原因になる場合があります。
内臓疾患が影響する場合もあり、肝硬変では首や胸にクモ状血管拡張が起こることがあります。
発症しやすい人
生まれつきの場合もありますが、成人以降に発症する人が多いです。
あざの特徴
両頬が赤くなる
頬や鼻の周辺に、糸のような細い血管が浮いているように見える
あざができやすい場所
主に顔(頬や鼻周辺)に発生します。
自然に治る?
毛細血管拡張症は自然治癒することはありません。
良性疾患のため、基本的に見た目が気にならなければ治療しません。
病院での治療法
赤いあざが隆起して大きくなっている場合、レーザーを用いた治療または切除する外科的治療が行われるケースが多いです。
病院は何科?
痛くない赤いあざがあるとき、まずは皮膚科を受診してください。
赤いあざが発生した部位によっては、「あざが気になってしまいストレスになる」こともあると思います。そんなときは我慢せず、病院で相談してください。
また、皮膚ガン等の重篤な疾患を早期発見できることで、命の危機の回避が期待できます。
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▼参考
公益社団法人 日本皮膚科学会 アザとホクロ
日本臨床皮膚科医会 ひふの病気 あざ
一般社団法人 日本形成外科学会 血管腫・血管奇形
国立研究開発法人|国立がん研究センター 希少がんセンター 皮膚腫瘍(ひふしゅよう)
こんな対処はNG!
無理にあざを押して、圧力をかけるのはやめましょう。あざが広がってしまうことがあります。
病院は…受診すべき?
あざは通常、覚えのないものがあっても、自然になくなっていけば問題ありません。
しかし、次のようなときは病院で診察を受けましょう。
ただのあざではなく、病気が関わっている可能性があります。
- ぶつけた覚えがないのに、あざが増えている
- いつも絶えずあざができる
- 関節症状(痛み、腫れなど)や発熱、倦怠感などがある
病院では、異常性のあるあざかどうかを判断します。
病気の可能性がある場合は、必要な体の検査が行える診療科を紹介します。
何科に行けばいい?
まずは、皮膚科を受診しましょう。
ただのあざではなく、病気の可能性がある場合は、全身を検査できる内科、血液内科に紹介されることがあります。
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※また、原因はわからないが「高熱の後に手足のたくさんあざができている」「ぶつけていないのに大きなあざが度々できるようになった」などという場合は、かかりつけの内科に早めに相談してください。
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2021-07-16
紫のあざが消えない…これって大丈夫?
病院は何科で受診すればいいの?
あざの原因と受診すべき診療科を、お医者さんに聞きました。
たかが“あざ”と思っていても、放っておくと重い病気の可能性があるので、注意が必要です。
紫のあざがなかなか消えない…これって大丈夫?
けがやどこかにぶつけて生じたあざは、通常1~2週間ほどで消えていきます。
徐々にあざが薄くなったり、色が変化したりすれば問題ないケースが多いです。
あざが広範囲に及ぶと、治りが遅くて不安を感じるかもしれませんが、まずは心配ないでしょう。
ただし、
特に覚えがないのに紫色の大きなあざができた
2週間以上経ってもあざが消えない
あざ以外にも体調不良が起こっている
という場合は、病気が潜んでいる可能性があるので要注意です。
早めに医療機関で相談しましょう。
どんな病気の可能性があるの?
紫のあざがなかなか消えない場合、
血管炎
ベーチェット病
といった病気が考えられます。
それぞれ詳しく解説します。
病気① 血管炎
血管に炎症が起こっているため、あざがなかなか消えない状態が続きます。
はっきりとした原因はわかっていませんが、感染症・毒性物質・薬・肝炎ウイルなどの特定のウイルスによって、引き起こされることがあります。
あざの特徴
赤みがかった紫色のあざができる
あざの部分の皮膚の下は硬い
痛みがある
青紫色の斑点ができる
小さな隆起ができる
小さな斑点ができる
あざ以外に、こんな症状がでることも!
膝から下に潰瘍ができる
蕁麻疹が出る
腕や脚がしびれる
腕や脚がチクチクする
腕や脚の筋力が低下する
けいれん発作を起こす
お腹が痛む
下痢をする
吐き気がする
嘔吐する
血便が出る
血圧が高くなる
浮腫む
関節が痛い
関節が腫れる
熱が出る
寝汗をかく
疲労感がある
筋肉痛がある
食欲がなくなる
体重が減少する
どんな人に多い?
女性に発症しやすい病気です。
血管炎には色々な種類があり、それぞれ発症しやすい年齢層が異なります。
子どもに多い
IgA血管炎
川崎病
若い世代に多い
高安動脈炎
中高年に多い
ANCA関連血管炎を
結節性多発動脈炎
巨細胞性動脈炎
病院で受ける治療法は?
医療機関では炎症を抑えるお薬を飲みます。
血管炎の原因がわかっているのであればその治療を行います。
例えば、薬が原因であれば、薬の使用を中止します。
病気② ベーチェット病
ベーチェット病の場合、皮下脂肪組織が炎症を起こしているため、あざがなかなか消えない状態が続きます。
ベーチェット病の発症原因は、今のところわかっておらず難病に指定されています。
あざの特徴
赤みがかった紫色のあざができる
あざは膝から下や前腕にできやすい
あざの部分の皮膚の下は硬い
痛みがある
あざ以外に、こんな症状がでることも!
口の中に腫瘍ができる
性器に腫瘍ができる
目が痛む
目が充血する
関節が痛む
関節が腫れる
お腹が痛む
下痢をする
下血する
どんな人に多い?
男女問わず、20~40歳に多く見られます。
特に30歳前半が最も多い病気です。
病院で受ける治療法は?
全ての症状に効く治療法はないため、それぞれあらわれている全身症状に対して、お薬を使って治療していきます。
最悪の場合、失明するリスクもあるので医療機関での早期治療をおすすめします。
病院は何科?
紫のあざが消えない場合は、まずは皮膚科で相談しましょう。
※医療機関の設備や出ている症状によっては、適切な診療科を紹介されることがあります。
放置は危険!命にかかわる可能性も…
医療機関での治療を受けずに放置すると、皮膚のあざを含めた不快な症状が続くだけでなく、脳卒中・狭心症・心臓発作などの命にかかわる深刻な合併症を引き起こすリスクがあります。
骨格筋を構成する筋細胞が死んでしまう横紋筋融解症を発症すると、歩行困難に陥る可能性もあるので、あざが消えない時は速やかに医療機関を受診してください。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
MSDマニュアル家庭版 血管炎の概要
血管炎症候群の診療ガイドライン(2017年改訂版)
難病情報センター ベーチェット病(指定難病56)