子どもがやけどをした!
どう処置してあげたらいいの?
応急処置のやり方と、病院に行く目安をお医者さんに聞きました。
やってはいけないNG処置や、水ぶくれの対処法も解説します。
監修者
経歴
北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長
を経て2024年JUN CLINIC横浜 就任
子どものやけどの「応急処置」
子どもがやけどをした場合は、まず流水で冷やしてください(できれば30分程度)。
衣服の上からやけどを負った場合は、衣服の上から、流水で直ちに冷やしてください。
無理に服を脱がすと、皮膚もはがれてしまうことがあります。
冷やすことで、やけどが皮膚の深部にまで進むのを防ぎ、痛みを緩和してくれます。
皮膚に水ぶくれができている場合、衣服を脱がせる時に水ぶくれが潰れてしまい、感染症の原因になります。衣服を無理に脱がさないようにしましょう。
この対処はNG!
市販の冷却シートは、やけどの冷却には使用できません。
かならず流水で冷やしましょう。
また、やけどが炎症を起こしているうちは、何も塗ったり貼ったりせずに医療機関を受診してください。適切な薬以外は、状態の悪化につながることがあります。ガーゼやティッシュなどをあてると、やけどに貼りついてしまうこともあります。
やけどの痕を残さないためには…
- やけどをしてしまったら、まずは流水でよく冷やす
- できるだけ早く病院を受診して診察を受ける
などが痕を残さない方法と言えます。
やけどをしたときに、流水でよく冷やさないと、やけどが進行して痕に残る場合があります。
また、一見浅いやけどに見えても、時間が経過すると、深いものだったということもあります。通院も何回か必要になりますが、早めに病院を受診することが傷跡を少なく済ますポイントになります。
病院を受診する目安
- やけど部分に水ぶくれがある
- 冷やしても赤みが引かない
- やけどの範囲が広い(目安として“子どもの手のひら以上の範囲”)
- 関節のやけど
- 外陰部のやけど
- やけどの痕を残したくない
という場合は一度、病院を受診しましょう。
水ぶくれができるほどのやけど(中等度以上のやけど)は、基本的には市販薬では対処が難しいです。
関節部分のやけどは、関節が曲がったままやけどが治ってしまう「関節拘縮(こうしゅく)」の恐れがあります。
外陰部のやけどは、細菌感染のリスクが高いです。
痕を残したくない顔のやけどの場合も、医療機関で治療したほうがよいことが多いです。
流水で冷やしても赤みが引かない・水ぶくれがあるというときは、皮膚の深部にやけどが到達している可能性があります。
皮膚の深部に届いている場合、痕が残りやすくなります。
また、やけどの箇所から、細菌感染を起こすと痕に残りやすいです。なるべく早く病院で治療を受けましょう。
やけどの重症度の目安
- やけどⅠ度…皮膚が赤くなる軽度のやけど。ヒリヒリする程度で、自然治癒する。
- やけどⅡ度…皮膚に水ぶくれができる中度のやけど。医療機関での治療がおすすめ。
- やけどⅢ度…皮膚より深いところまで到達している重度のやけど。血管・神経などが損傷していることもある。
病院での治療法は?
医療機関では
- やけどの箇所に皮膚の再生を促すスプレーをする
- 抗菌薬入りの塗り薬を塗る
- やけど用の創傷被膜材で覆う
といった治療を行います。
医療機関で治療を受けることで、傷跡を残さずに治せる可能性があります。
市販薬と処方薬とでは、同じような成分が見られますが、目的にあった薬を使用するためにも、一度医師の診断をうけることをおすすめします。
子どものやけどは「何科?」
小児科・形成外科・皮膚科のいずれかを受診しましょう。
軽いやけど→皮膚科や小児科を受診しましょう。
低温やけどや重いやけど→形成外科を受診しましょう。
お医者さんには…いつ・どこで・どのようにしてやけどをしたのか伝えましょう。
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正しいケアの方法
軽いやけど(Ⅰ度)の場合は、モイストヒーリング(湿潤療法)の絆創膏を使ってケアしましょう。
雑菌感染の予防のために、毎日シャワー浴をしてください。
やけどをした箇所があっても、入浴は可能です。
ただし、水ぶくれができている場合は注意が必要です。水ぶくれを避けて、潰さないように洗ってください。
白い水ぶくれの処置方法
水ぶくれの箇所をゆるくガーゼをあてる・包帯を巻くなどしてガードしましょう。
水ぶくれは、潰さないようにしましょう。潰さないようにすれば、やけどの痕が残らず良くなっていきます。
市販の塗り薬を使ってもいい?
軽いやけどであれば、(やけどⅠ度)流水で、冷やした後にやけど用の薬を使うことはできます。
使用する際は、用法用量を守ってください。
しかし、水ぶくれができるレベルのやけど(やけどⅡ度)は、市販薬での治療はできません。病院受診を行いましょう。
絶対NG!やってはいけない処置
- 冷却グッズを直接患部に当てる
- 冷やさずに、薬や軟膏などを自己判断で塗る
- 水ぶくれをつぶす
などは避けましょう。
やけどは冷やす必要がありますが、冷却グッズ等を直接当てると、場合によっては低温やけど負ってしまいます。
また、冷やさずに薬を塗る・水ぶくれをつぶすと、やけどが進行したり、細菌に感染したりする場合があります。
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「やけどして水ぶくれができた…」
「ひどい日焼けをしてしまった…」
やけどにおすすめの市販薬を薬剤師が解説します。
跡に残らないようにするには?
正しい処置ってどうやるの?
市販薬と処方薬の違いもご紹介しますので、参考にしてみてください。
やけどの薬は何がいい?
やけどには、塗り薬が適していると考えられます。
お薬の種類としては皮膚を保護するもの、炎症を抑えるもの、殺菌作用があるものなどで対応することが多いです。
オロナイン(※ただれ、かぶれのある部分への使用は避けましょう。)
ドルマイシン(※ひどいやけどへの使用は避けましょう。)
など
オロナインにはクロルヘキシジングルコン酸が配合されているため、やけど部位に対する消毒作用が期待されます。赤くなって、多少痛みがあるくらいの(水ぶくれにならない程度のやけど)軽度の症状には、皮膚の保護のためにも使用して良いでしょう。
処方薬に近い成分の市販薬
ベトネベートN軟膏AS(リンデロンVG軟膏)
クロマイP軟膏/テラマイシン軟膏a/など(ゲンタシン軟膏)
各社HPクリーム/アットノンシリーズなど(ヒルドイドソフト軟膏)
近いものではないですが、紫雲膏やキップパイロールHiなども、抗菌作用・抗炎症作用でやけどの改善につながるため、おすすめです。
類似品は製薬会社各社より販売されています。
医薬品の分類になるため、ドラッグストアでも登録販売者がいれば購入可能ですので、相談してみてください。
跡を残さないようにするには
やけどの跡にはアットノンなどのヘパリン類似物質含有の塗り薬を利用することで、皮膚の修復を早めて、跡が残りにくくなることが期待されます。
また、ハイドロコロイド絆創膏などを使用するのもおすすめです。
※これらを併用することで跡が残りにくくなるということはありません。どちらかの使用にしましょう。
「お薬を使わなくてもよい」2つのケース
口の中のやけど
水ぶくれがある
という場合は、基本的に治療薬を使いません。
口の中をやけどした場合
口の中のやけどは比較的修復が早く、治療薬は必要ないと考えられます。
やけどした際にはうがいをして様子を見ましょう
感染予防のためにうがい薬を使用しても大丈夫です。
痛みがある場合は、口内炎の薬も利用しても良いでしょう。
ケナログA口腔用軟膏
大正口内軟膏 等
水ぶくれができている場合
水疱がある場合は、薬は塗らずそのままにしておくことが推奨されます。
水ぶくれがやぶけないよう、ガーゼで覆うくらいの処置でもよいですが、むやみに触ると破けるので注意が必要です。
破いてしまうと創傷部より感染の危険性があると言われています。
水ぶくれになるくらいのやけどの場合は病院で診てもらうのが安心です。
やけどの処置方法
すぐに患部を流水で冷やし、その後氷水を入れたビニール袋や、冷たい濡れタオル、タオルを巻いたアイスノンなどで30分ほど冷やします。
炎症が強ければ、先の章でご紹介した抗炎症薬、感染の可能性があれば抗菌剤などを塗布して、皮膚を保護することが大事です。
やけどの処置方法は、最優先として患部の冷却が必要となります。
また、やけどの範囲もセルフケアで十分なのか、病院の受診が必要なのか判断しなければならないため、わからない場合は医師・薬剤師に相談してみると良いでしょう。
こんなやけどは病院の受診を!
水ぶくれができるくらいのやけどの場合は、皮膚科を受診しましょう。
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よくある質問「飲み薬やサプリは効果がある?」
ビタミンは皮膚の修復に利用されるため、服用しても問題ないのですが、費用に対して効果が十分に得られるとは考えにくいです。
皮膚の一部分に軽いやけどが生じている場合、飲み薬は必要ないと思われます。
よくある質問「市販薬と処方薬のはどう違うの?」
市販薬は、成分量が異なったりはしていますが、処方薬と同じような成分が見られます。
そのため、病院の開業時間外でドラッグストアなどしか開いていない場合は、薬剤師・登録販売者に相談することも可能だと考えます。
病院で処方してもらえる薬について
軽度の症状であれば、抗炎症目的とした「ベタメタゾン配合軟膏(リンデロンVG軟膏など)」を、感染のリスクがあれば抗菌剤の「ゲンタマイシン(ゲンタシン軟膏)」といったものが処方される場合が多いです。
前述したヘパリン類似物質で、組織の修復を目的として処方されることも考えられます。
上記薬剤は医師の判断により、成分が異なることもありますが、主作用としては同じようなものが処方されると考えられます。
▼参考
くすりと健康の情報局(第一三共)
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2020-05-07
水いぼは、数ミリ〜5ミリ程度の盛り上がりができる皮膚疾患です。 手のひら・足の裏にはできないのが特徴です。
子どもの水いぼの治し方を、お医者さんが解説します。
よくある疑問、
「お風呂やプールはどうしたらいい?」
「病院行くなら、小児科?皮膚科?」
にも答えます。
水いぼは自然に治る?
水いぼは、自然治癒します。
しかし…
ただし、放置した場合、1~2年程度と治るまでに長い年月がかかる場合もあります。
子どもがひっかいてどんどん増えていくこともあります。また、他の子にも感染していくため、子ども自身に精神的負担を与えることも多いです。そのため、「自然に治るからいいや」と油断はできません。
子どもの水いぼの治し方
潰さない
ひっかかない
患部を保護する
の3つを守ってください。
家庭で子どもの皮膚に水いぼを発見した際は潰さないようにしてください。潰すとそこからウイルスが出て、周りの皮膚や触った人の皮膚にも感染していきます。
基本的にはかゆみや痛みもないのですが、子どもは気になってしまうと無意識に触る場合があります。なおるまでは包帯などを巻いて保護する必要があります。
特に、アトピー性皮膚炎や乾燥肌の子どもは水いぼ が広がりやすいので、ステロイドや痒み止め、保湿剤などその治療をしっかりします。
赤く腫れるときのケア
水いぼは、治っていく過程で赤く腫れることがあります。これは、水いぼに対しての免疫がついたという証明でもあります。
もう少しの辛抱で、その水いぼは無くなります。つらいときは、かゆみ止めを皮膚科で処方してもらえます。
お風呂は入っても大丈夫?
お風呂はいつも通り入っても問題ありません。水いぼを潰さないように、優しく洗ってください。
また、家族の感染に気をつけてください。入浴のお湯や水でうつることはないとされていますが、ウイルスが付着していればタオルや洗浄用のブラシの共有でも家族に感染する可能性があるので、共有は避けましょう。
プールは入っても大丈夫?
水を介して感染する可能性はかなり低いので、プールに入ってあまり問題はないとされています。
ただし、タオル・ビート板からうつる可能性はありますので、十分に注意しましょう。物の共有はしないように気をつけましょう。
プールの水を介してうつることはほぼないので、水いぼがあってもプールに入っても問題ないとされています。ただし、肌と肌を密着させる、水泳用品を共有することは避けましょう。また、水いぼの状態によってはプールに入らない方がいいケースもあります。治療中の場合は医師に確認をとるのがよいでしょう。
※園や学校で独自の基準があるケースもあります。確認してみましょう。
保育園に行っても大丈夫?
保育園に登園してもOKです。
ただし、水いぼを触った手で他者に触ったり、潰してしまった箇所が他の子供の皮膚に付着したりするとその子どもにも感染します。そのため、水いぼが出ている箇所は、包帯などで保護して登園する必要があります。感染防止のため、保育園のプールもお休みしましょう。
市販薬は使っても大丈夫?
水いぼには、市販の木酢エキスやヨクイニンが良いとされています。
入浴後、水いぼが出ている場所や周辺に塗ってください。悪化したり変化がないときは、使用をやめて、医師にすぐ相談しましょう。
「病院行くべき?」水いぼの受診目安
ママ・パパが水いぼに気がついたら、すぐに治療を受けて、水いぼを増やさないようにするのをおすすめします。
水いぼは、放置した場合、数年で自然治癒するとされています。しかし、他者への感染に気を使わなくてはいけないのと、水いぼが増えた時にテーピングや包帯での保護が必要となり、子どもの精神的苦痛も大きい疾病です。
そんな事態を予防するためにも、水いぼが増える前に、一つでも目についたらすぐに治療を受けるのをおすすめします。
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病院での治療方法
液体窒素や塗り薬を使って治療が行われます。
水いぼに麻酔のテープを貼って、麻酔が効いてきた頃に医師がピンセットで水いぼの中身を取り除くという治療もあります。また、内服治療を行う場合もあります。
病院は何科?
皮膚科、もしくは小児科を受診してください。
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▼ 参考
日本小児皮膚科学会 みずいぼ
http://jspd.umin.jp/qa/01_mizuibo.html